
子どもは発達の過程にありますが、一人の人間として、大人と同じように、自由と権利があります。
よく、子どもに権利だからといって自由を認めると、わがままな人間になってしまうという意見を耳にします。しかし、権利は実際に行使されなければ意味がありません。子どもは、それぞれが権利を行使していくなかで、はじめて、みんなの権利を実現するためには、どんなルールが必要なのかを学び、一人の権利主体として成長せいていくことができます。「子どもだから」「子どものくせに」と一方的に決めつける前に、子どもも一人の人間として認め、お互いに意見や権利を調整することが大切です。
そのうえで、なお、子どもは大人よりも権利が侵害されやすい存在であると認識し、子どもの権利を守る努力が必要です。
「しつけだから」という理由で、親などが助けを求めることを知らない子どもに暴力をふるい、なかには死にいたらせるという児童虐待が、日本でも深刻な社会問題となっています。虐待は子どもの心身に重大な影響を及ぼす人権侵害であるばかりでなく、次世代に及ぶ「虐待の連鎖」を生む原因とも言われています。
また、児童買春やインターネット上での児童ポルノのはんらんなど、子どもが性的に搾取される問題も深刻になっています。
さらに世界には、紛争や貧困、有害な労働により命を脅かされる子どもたちもたくさんいます。子どもの人権を守るためには、子どもにこそ必要な独自の権利が保障されなければなりません。
最近は、巧妙で陰湿ないじめのケースが多く、大勢が一人の子どもをいじめたり、ケータイメールやネット掲示板を用いて遊び感覚で行っているケースが見られます。存在感や自尊感情が満たされない不満を解消するため、自分より弱い存在への攻撃や支配という形で現れます。
しかし、いじめられる子どもにとっては深刻な問題で、不登校になったり、場合によっては死をも考える心理状態に陥ります。
いじめは取り返しのつかない重大な人権侵害であるにもかかわらず、いじめられる理由は、ただ、みんなと違う行動をするなど、集団の中の異質なものであるという理由だけで始まることが少なくありません。考え方や意見の違いを個性として認める人権意識を身につけることが重要です。
また、いじめを周りで面白がってみたり、はやし立てたり、見て見ぬふりをする子どもたちも、結果としていじめに加わっていることになります。いじめを解消するには、こういった子どもたちにも、いじめは許されないことであると、強くはたらきかけることが大切です。
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