
同和の名の下に不当な利益や義務なきことを求める行為を言います。
この行為は、国民に同和問題に対する誤った意識をうえつけ、同和問題の解決を阻害する大きな要因となっています。
国では、えせ同和行為排除のため、全省庁の参加による中央組織を設置して、その根絶に向けて活動を展開しています。
愛知県下においても、名古屋法務局、愛知県警察本部、愛知県、名古屋市、愛知県弁護士会が協力し「えせ同和行為対策連絡会」を設置して、その排除のために努力しています。
法務省が平成21年1月に全国の6,000事業所に対して実施した「えせ同和行為実態把握のためのアンケート調査」では、3,001事業所から回答(回答率50.0%)が寄せられ、違法・不当な要求を受けた事業所は482事業所で、被害率(要求をうけた事業所数を回答事業所数で除した比率)は16.1%、そのうち、違法・不当な要求に応じた事務所は59事務所、応諾率(要求に対して「全部」又は「一部」応じた事務所数を、要求を受けた事務所数で除した比率)は12.3%でした。
この調査の結果、次の表1、表2及び表3のようなえせ同和行為の主な類型が認められます。
なお、表2の「要求の手口」に関して「官公署を使って圧力をかけると言っておどす」の5.6%と、「政治家との関係をほのめかす」の8.5%とを合わせて、14.1%に及んでいます。
| 要求の種類 | 被害率 | |
|---|---|---|
| 1. | 機関紙・図書等物品購入の強要 | 73.0% |
| 2. | 寄付金・賛助金の強要 | 15.6% |
| 3. | 下請けへの参加強要 | 5.8% |
| 4. | 機関紙等への広告掲載の強要 | 4.6% |
| 5. | 物品の寄付強要 | 3.5% |
| 6. | 示談金の強要 | 2.7% |
| 要求の手口 | 被害率 | |
|---|---|---|
| 1. | 執拗に電話をかけてくる | 50.6% |
| 2. | 同和問題を知っているかと言っておどす | 48.8% |
| 3. | 大声で威嚇する | 22.8% |
| 4. | 責任者に会わせろと言っておどす | 11.8% |
| 5. | 事務所に多数で押しかけると言っておどす | 10.8% |
| 要求の口実 | 被害率 | |
|---|---|---|
| 1. | 同和問題の知識(認知、研修)の不足 | 40.7% |
| 2. | 単なる言いがかり・無理難題 | 23.9% |
| 3. | 一方的に差別であると決めつける | 13.9% |
| 4. | 社員の不適切な言動 | 4.4% |
| 5. | 工事に対する苦情 | 3.7% |
| 6. | その他 | 6.7% |
「我々の団体に関係する土建会社には、同和地区住民とか出身者が大勢いるが今仕事がなくて困っている。今後受注した工事の一部をこちらの会社へ回してくれ。」「それができないなら、我々の運動に対して相応の賛助金を出せ。」と強要し、これを断ったところ「要求が受けられないというのは、同和問題の理解が全くないということだ。」
「発注した○○へも抗議するぞ。」「監督官庁の○○へこれから行って、公共工事の指名業者からはずさせるぞ。」「我々は命を張ってこの運動に取り組んでいる。お前も命を張ってものを言え。」とおどした。
えせ同和行為は絶対排除するという心意気を持つことが大切です。
その場しのぎの安易な妥協をしたり、無理な約束をしたためにかえって、つけ込まれたケースが多いので毅然とした態度で対処しましょう。
たとえ民事がらみであっても、限度を越せば犯罪として処罰されることは、相手方自身が最もよく知っており、そして最も恐れているところです。
相手方は、その限界に達する前に要求をのんでくれることを期待しているのですから、無用な恐れは禁物です。
特に、こちらから安易な金銭的解決をもちかけることは絶対に止めましょう。
一人ですと、どうしても相手方のペースに巻き込まれやすいからです。おびえず、あわてず、ゆっくりとていねいに対応し、無礼な態度は見せないように注意し、場合によっては、弁護士に交渉を委ね、または弁護士に立ち会わせ、もしくは弁護士、警察官に待機してもらいましょう。
応対する場所は、当方の管理が及ぶ範囲(例えば、自社応接室等)とし、相手方から呼び出しがあってもその要求する場所には出向かないようにします。
相手方の要求の内容・根拠を正確につかみ、記録(できるだけ録音をとるか又は詳細にメモをする等)しておきましょう。
また、相手方の所属団体、所在、連絡先、氏名などをできるだけ明確に把握し、他人の代理人と称する場合には、その関係、委任の事実を確認することも大切です。
相手方の要求に応じるべきではないと考えたときは、例えば、「当社としては、あなたの要求に応じられません。これ以上お話ししても結論は変わりません。どうぞお引き取りください。」等と明確に答え、「検討する。」とか「考えてみる。」等相手方に期待を抱かせるような発言はしないようにしましょう。
当初の段階で「申し訳ありません。」「すみません。」等と当方の非を認める発言をしてはいけません。
相手方が念をおした時は、「はい。」「いいえ。」で答えず、当方の主張を繰り返してください。また誤った発言をしたときは、その場で速やかに訂正してください。
担当者個人のみで内々に処理しようとしたり、担当者まかせにしたりしないで、組織的に意思統一して、対応することが重要です。組織内に意見の食い違いがあったりすると、それだけ相手は追求しやすくなるからです。
例えば、支店等で不当な要求を受けた場合は、直ちに本店に報告し、指示を求めるなど企業全体で対応しましょう。
相手方の要求に応じて、即答、約束をしないようにしましょう。
例えば、「一筆書け」といわれても書く必要はないし、書いてはいけません。いかなる場合でも、署名、押印をしないようにしましょう。
特別の事情がない限り、こちらから相手方に電話をしないようにしましょう。
不当な要求を受けた早い時期に警察、弁護士、法務局、県、名古屋市等に連絡して対策を相談することが必要です。
警察と、弁護士会とは組織的な連携ができているので、弁護士による民事上の手続きと連動して、同和運動を仮装標榜した暴力的不法行為に対しては、暴力団と同様徹底的に取締りをいたします。
こうした「えせ同和行為」に関する警察の相談窓口として、各警察署には暴力担当係があり、そこで相談を受けています。また、警察本部には「住民コーナー」「暴力相談センター」があり電話による相談にも応じています。
住民コーナー (052)953-9110
暴力相談センター (052)951-7700
なお、警察本部内には、暴対法に基づき指定された暴力団追放運動推進センターとして、財団法人暴力追放愛知県民会議があり、暴力問題に強い相談員や弁護士が「えせ同和行為」に関しても相談に応じています。
(財)暴力追放愛知県民会議 (052)953-3000
民事面での法的な対応について相談するとともに、刑事面での警察力の適正な活用の方法について指導を受けてください。この種の問題については警察とも常時連絡をとりあって対応していきますので心配ありません。交渉の現場にも出向きます。必要に応じて面会や物品購入の強要・禁止などの仮処分や訴訟などの手続きをとり、法的手続の場に乗せることによって相手方の不法な要求を排除します。予め、面会や物品購入の強要・禁止の仮処分など得ておきますと、これを無視した交渉要求については警察力が介入しやすくなり平穏な解決が可能となります。
愛知県弁護士会名古屋法律相談センター民暴相談 (052)252-0044 ※有料相談
法務局は、「えせ同和行為」に対する適切な対応について相談を受けたり、被害を受けている企業等へ「えせ同和行為」排除方法の説明などを行っています。
また、被害事案によっては、警察・弁護士への援助要請を行ったり、人権侵犯事件として直接救済に当たることもあります。
えせ同和行為相談 (052)952-8111
愛知県、名古屋市では、同和問題の解決を目指して県民、市民を対象に、同和問題を正しく理解するための啓発を行っていますが、「えせ同和行為」に対しては、まず同和問題についての正しい理解のうえに立って対応することが基本であり、啓発、研修などを通じて「えせ同和行為」を排除するための相談に応じています。
愛知県県民生活部県民総務課人権推進室 (052)954-6167
名古屋市市民経済局人権施策推進室 (052)972-2582
同和関係図書を購入するか否かは、購入申込みを受けた者の自由であることは言うまでもありません。同和関係図書の購入を義務づける法的根拠はありませんし、一般の図書の扱いとなんら変わりません。購入の意思がなければ、いかに執拗な購入要請を受けても、明確にかつ断固として断るべきです。
勝手に送りつけられた図書の返送義務はなく、相手方が取りにくるまで自己の財産におけるのと同一の注意をもって保管(民法第659条)すればよく、「特定商取引に関する法律」第59条(売買契約に基づかないで送付された商品)が適用されます。その結果、自らが引取りを要求した日から7日間もしくは図書が送られてきた日から14日間が経過すれば、相手方は商品の返還請求ができなくなりますので、自由に処分しても差し支えないこととなります。
しかし、現実問題としては、図書を返送せず放置すると相手方は執拗に、ときには脅迫的な言動により代金の支払いを迫ってくる場合もあります。したがって、購入の意思がなければ、直ちに書面で通知(書面のコピーを保管し、簡易書留か内容証明郵便での郵送が望ましい。)し、図書も返送(配達証明郵便での郵送が望ましい。)しておくことが、相手方に無用な口実を与えないためにも賢明な方策です。
図書の購入を断ったことを理由に「協力しないのは差別だ。」などと言われた場合は、「法務局に相談する。」と答え、速やかに法務局へ相談してください。
【通知文の一例】
御通知
この度、貴殿(団体)から当方あてに書籍(書籍名○○○○○○○)が送付されましたが、当方はこれを購入する意思はございません。
よって、別便にて返送いたしますのでその旨通知いたします。
平成○○年○○月○○日
住所 ○○○○○○
氏名 ○○○○ 印
住所
氏名(団体名)○○○○殿(御中)
本来、訪問販売や電話勧誘販売では、契約は書面で行うものです(「特定商取引に関する法律」第4条、第18条)が、相手方は「口約束」でも契約だと主張する場合があります。
相手方の要求に屈し、「買います。」と不本意に言ってしまった場合、又は「買う」と約束したが、撤回したい場合は、「クーリング・オフ」という制度によって契約の撤回ができます。
(注) このクーリング・オフは、契約内容を明示した書面の交付を受けてから8日間以内にする必要がありますが、その書面の交付を受けていない場合(電話での勧誘の場合は、書面の交付がされない場合が多いようです。)には、いつでもクーリング・オフができることになります。(「特定商取引に関する法律」第9条、第24条)。
(注) クーリング・オフの制度は、事業者には適用されない場合がありますので、詳しくは弁護士や消費者相談窓口など、専門家にお問い合わせください。
この契約の撤回は、書面により行うこととされていますので、次の事項を明記(書面のコピーを保管する。)して、簡易書留か内容証明郵便で郵送することにより契約の撤回をすることができます。
1. 契約(約束)した日付
2. 相手の住所・氏名(団体名)
3. 図書名と金額
4. あなたの住所・氏名・電話番号
5. 「図書購入の契約(約束)を解除します。」
【解約文の一例】
契約解除通知書
前略 当方は、貴殿(団体)と次のような売買契約を締結しました。
締結の日 平成○○年○○月○○日
売買目的物 (書籍名 ○○○○○)
代金 金○○○○○円
この度、「特定商取引に関する法律」第9条(第24条)により、貴殿(団体)との前記図書購入の契約(約束)を解除します。
※ なお、支払った代金は○○銀行○○支店の口座番号○○に振り込んでください。
※ 図書は、別便にて返送します。
平成○○年○○月○○日
住所 ○○○○○○
氏名 ○○○○ 印
住所
氏名(団体名)○○○○殿(御中)
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