
平成20年10月7日(火)発表

左:みかん染め、右上:紫麦染め、右下:紫黒米染め
愛知県産業技術研究所三河繊維技術センターは、蒲郡特産のみかんの枝葉から色素を抽出し、抽出色素をスプレードライ法※1により粉状に取り出す技術を新開発しました。また、みかん色素を用いた綿布の染色において、媒染剤※2を変えることにより種々の色彩に染めることにも成功しました。
さらに、この技術を応用して、岡崎市藤川町の特産物である紫麦※3や北設楽地域の特産物である紫黒米※4の麦糠、米糠から色素を抽出し、染色することも可能となりました。
みかんの枝葉、糠といった未利用部分から色素を抽出し、黄色や紫色など農産物のイメージにあった色彩で染色できるため、天然指向にあった製品開発が期待できます。
1.開発の背景
蒲郡市では市と蒲郡商工会議所が中心となり地元産業の活性化を目的とした「癒しとアンチエイジングの郷推進協議会」を設立し、衣食住に関わる生涯健康産業の事業化、市場化を目指しています。
愛知県産業技術研究所三河繊維技術センターは、この協議会の天然染色開発委員会の委員として参加し、みかんの未利用部分を用いた染色方法の開発に取り組みました。
2.開発した技術について
(1)みかん色素の抽出技術
みかんの枝葉は剪定の時期が限られており、色素として安定した供給が難しいものです。そこで、当センターは企業と共同で、枝葉から煮出した色素を含んだ色素液をスプレードライによって色素のみを取り出すことに成功しました。これによって、年間を通じてみかん色素を安定に供給することが可能になります。また、この粉末みかん色素は水にも溶けるため、手軽な染料として活用が期待できます。

煮出し抽出、スプレードライ
(2)みかん色素を用いた綿布の染色
一般に天然染料は色彩が乏しいと言われています。そこで、みかん色素を用いた染色において、色彩を豊かにするため、種々の金属媒染剤を用いて染色を試みました。その結果、チタンで媒染するとオレンジ味かかった黄色に、アルミ媒染では黄色が強くなり、鉄媒染では茶味の黄色に染めることができました。また、染色温度を高くするにつれて色相に濁りがでてきたため、室温で染色しました。

媒染剤の違い
3.今後の展開
みかん色素によって染色した生地は、蒲郡商工会議所が中心となり縫製したサンプル品を作成し、主な販売先である観光業者などの反応を見ながら商品化につなげていく予定です。
4.出展予定
生地として、みかん染め4点、紫麦染め3点、紫黒米染め3点を、縫製品として浴衣1点(参考資料)を、「テックスビジョン2008ミカワ」(主催:テックスビジョンミカワ開催委員会)の三河繊維技術センター研究試作展コーナーにおいて展示します。
(1)会期:平成20年10月10日(金)、11日(土)の2日間
午前10時から午後5時まで(11日は午後4時まで)
(2)場所:蒲郡商工会議所(1階コンベンションホール)
〒443-8505 蒲郡市港町18番23号

展示品
参考資料
5.問い合わせ先
愛知県産業技術研究所 三河繊維技術センター
担当 山本、小林、市川
所在地 蒲郡市大塚町伊賀久保109
電話 0533-59-7146 FAX 0533-59-7176
URL http://www13.ocn.ne.jp/~amtrij
(10月8日(水)午前8時からホームページ上に掲載)
【用語解説】
※1 スプレードライについて
抽出液などを高温の乾燥筒の中に霧状に噴霧して、すばやく乾燥させる方法です。インスタントコーヒーなどの製造などに用いられています。
※2 媒染(ばいせん)について
水に溶ける金属塩によって、色素と繊維の結合力を強くする働きをさせることを言います。媒染剤は染料の色を発色させる働きがあり、同じ色素でも媒染剤が異なると違った色に染まります。
※3 紫麦(むらさきむぎ)について
紫麦は、穂が紫色をした麦で昔は食用や染色用として使われていました。昭和始頃まで栽培されていましたが、それ以降作られなくなりました。岡崎市藤川町では再びその栽培に着手し、焼酎や鑑賞用に作られています。
※4 紫黒米(しこくまい)について
アントシアニン系黒紫色の色素を持った古代米といわれている米です。ミネラルを多く含み今では健康食品として見直されています。
愛知県産業技術研究所 三河繊維技術センター
担当 開発技術室 山本、小林、市川
電話 0533-59-7146
愛知県産業労働部地域産業課
担当 技術振興・調整グループ 加藤、木津
内線 3360、3361
(ダイヤルイン)052-954-6340
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