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環境にやさしい綿織物の漂白技術を新開発

[2009年10月9日]

平成21年10月8日(木曜日)発表

「テックスビジョン2009ミカワ」において試作品を紹介します

 愛知県産業技術研究所三河繊維技術センターは、オゾンマイクロバブル※1と酵素精練法を組み合わせることにより、繊維加工時の化学薬品の使用を抑え、低温で綿織物を精練※2・漂白※3できる、環境にやさしい織物漂白技術の開発に成功しました。
 綿織物は、染色する前に、糊抜※4、精練、漂白の工程が必要です。これらのうち漂白工程を除いては、既に化学薬品の使用を抑える加工技術が開発され、漂白工程だけが、化学薬品を大量使用し、かつ高温で処理するためエネルギーを大量に消費してきました。
新開発した技術は、オゾンガスをマイクロバブルにして、常温以下の水中に噴射して織物を漂白します。このため、化学薬品の使用及びエネルギー消費を大幅に抑制することができ、環境にやさしい漂白技術として繊維業界での実用化を期待します。
 この新技術で漂白した織物や、さらにこの織物を紫根や紅花、ミカン色素などの天然染料で染色した試作品を、平成21年10月16日(金)、17日(土)の2日間、蒲郡商工会議所で開催される「テックスビジョン2009ミカワ」において紹介します。


1.開発の背景

 綿織物の漂白は主に過酸化水素や塩素系薬剤を用いる方法で行われています。過酸化水素を用いる方法は薬品を大量に必要とし、また、高温(100℃、60分)で処理するために多くのエネルギーを必要とします。塩素系薬剤を使用する方法も、処理温度が高く塩素系薬剤を使用していることから、環境に与える負荷が問題となっています。
 そこでマイクロバブルの「溶解力が高い」特性と、オゾンガスの「酸化力が高い」特性を組み合わせ、綿織物を効率的に、かつ環境にやさしい方法で漂白する技術の開発を目指しました。


2.開発した技術について

(1)オゾンマイクロバブルによる漂白
    開発した技術ではオゾンをマイクロバブルとして水中に吹き込んで綿織物を漂白します。
マイクロバブルは径が非常に小さいため、オゾンが効率良く水に溶け込みます。また、オゾンは酸化力が高く、綿に存在する色素を分解して漂白する特性があります。一方で、オゾンは水中では時間がたつと分解されていきますが、分解が早すぎると水中のオゾン濃度が不足するため、十分な漂白ができません。
  そこで、少量の酸を添加し、また、水温を低く(10~20℃)することにより、オゾンが分解されるのを抑えました。これにより従来の方法と比較し、薬品使用量が少なく、同等の白さが得られる漂白処理技術の開発に成功しました。

 

水中でのマイクロバブル発生直後の様子

マイクロバルブの拡大図

 

(2)酵素精練処理
 製造直後の綿織物には、綿そのものの成分であるワックスや油脂類、タンパク質、色素や織り易くするために糸に付与された糊分が存在します。そのため、染色前にこれらを取り除くために、糊抜、精練、漂白を行う必要があります。糊抜に関しては酵素を用いた環境にやさしい処理技術が既に多く用いられています。一方、精練は現在でも薬剤による加工が一般的であり、環境にやさしい酵素による処理技術が検討されておりました。
 そこで、酵素精錬技術をオゾンマイクロバブル漂白技術と組み合わせることを検討し、薬剤を使用する従来の方法と同様の白さを得る事ができました。これにより綿織物の一連の前処理工程、糊抜、精練、漂白において、環境負荷の低い処理が可能になりました。


3.今後の展開

 実用機レベルでの検討を行い、実用化を目指していく予定です。
また、今回は織物でしたが織る前の糸の漂白についても今後検討していきます。


4.出展予定

 オゾンマイクロバブル漂白処理した白色の織物2点と、酵素精練後オゾンマイクロバブル漂白しさらに天然染料で染色した織物3点を「テックスビジョン2009ミカワ」(主催:テックスビジョンミカワ開催委員会)の三河繊維技術センター研究試作展コーナーにおいて展示します。

(1)会  期:平成21年10月16日(金)、17日(土)の2日間
        午前10時から午後5時まで(17日は午後4時まで)

(2)場  所:蒲郡商工会議所(1階コンベンションホール)
        〒443-8505 蒲郡市港町18番23号

みかん染め

紅花染め

紫根染め

お問い合わせ

愛知県産業技術研究所 三河繊維技術センター
担当 開発技術室 小林、山本、浅野、安藤
電話 0533-59-7146

愛知県産業労働部地域産業課
担当 技術振興・調整グループ 加藤、木津  
内線 3360、3362
(ダイヤルイン)052-954-6340


環境にやさしい綿織物の漂白技術を新開発への別ルート