
愛知県はじめ名古屋市や民間団体等で構成する「愛知ゆとりある住まい推進協議会」が、“ゆとりと安らぎのある住まい”を実現した住宅を募集・表彰する「すまいる愛知住宅賞」は今年で23回目を迎えました。
74点の応募作品について審査した結果、入賞作品(受賞者は設計者)を次のとおり決定しました。なお、10月20日(木)名古屋市中区役所ホールで表彰式および入賞作品の紹介を行います。
また、表彰式に引き続き「第23回ゆとりある住まい講演会」も開催しますので、ふるってご参加下さい。(講演会の詳細はこちら)
| 賞の区分 | 作品名称 | 受賞者(設計者) |
|---|---|---|
| すまいる愛知住宅賞 愛知県知事賞 | 母の家 | (株)ワーク・キューブ 吉元 学・貞村 道俊 |
| すまいる愛知住宅賞 名古屋市長賞 | 二世帯住宅 Aladdin Sane | バンデザイン一級建築士事務所 伴 尚憲 |
| すまいる愛知住宅賞 (独)住宅金融支援機構東海支店長賞 | 大浜の家 | (有)矢田義典設計室 矢田 義典 |
| すまいる愛知住宅賞 (独)都市再生機構中部支社長賞 | Sunlight of Calm | D.I.G Architects 吉村 昭範・吉村 真基 |
| すまいる愛知住宅賞 愛知県住宅供給公社理事長賞 | 桜を眺める家 | 可児建築設計事務所 可児 良浩 |
| すまいる愛知住宅賞 名古屋市住宅供給公社理事長賞 愛知県森林協会長賞 | 如雨露 ~季節を感じる住宅~ | アトリエ祥建築設計 鈴木 祥司 |
| 佳作 | 緑に包まれた街 | (株)アイアンドワイ一級建築士事務所 伊加利 信寿 |

すまいる愛知住宅賞 愛知県知事賞 入賞作品 「母の家」
年ごとに応募作品の水準が確実に高まり、賞の審査に携わる者として大変うれしく思っています。個人住宅には立地や家族の構成に応じて様々な工夫がなされ、今年はまた優れた集合住宅の応募も多かったように思います。
さらに、現地審査対象の7作品はいずれも甲乙付けがたい秀作で、七者七様の魅力があり、審査にはかなりの議論を要しました。集合住宅2点はきわめて対照的であり、また個人住宅も、二世帯あり、一人で住まれる高齢者あり、リタイヤしたご夫婦ありと、典型的な家族以外の住まい方も多く、それぞれに特徴がありました。
そんな激戦の中、見事に最優秀の愛知県知事賞を受賞した蒲郡の「母の家」は、生まれて以来ずっとこの地に暮らしてきた高齢の母のために設計された住まいで、手が届くほどに低い軒先の草屋根が、道行く人の目を和ませます。室内はまるですべてが縁側のように出来ていて、夏も風通しがよく、近所の知り合いが気軽に立ち寄っていきます。農村の高齢者が年老いて故郷を離れ、やむを得ず都会の子供の家へ身を寄せるケースをよく耳にしますが、この住まいはちょうどその逆。今でも毎日畑を耕す母は、住み慣れた場所で旧知の人々と共にかくしゃくと暮らし、ときに子供家族が屋根の手入れをかねてここを訪れます。孫や子たちはこの家で新たにおばあちゃんとの思い出がたくさん出来ますね。
最後まで最優秀を競ったのは名古屋市長賞の「二世帯住宅 Aladdin Sane」。南北に細長い敷地に建ち、手前から奥に長い片流れの屋根のかかる住宅です。効率よく採光するために三角形に切り込んだ光庭を持ち、これが内部空間に思いがけない迷路的な楽しさを生みました。ダイニングからロフト階を挟んで子供室へ上がる抜け道など断面にも工夫があり、親子孫の三世代が愉快に暮らす家になりました。
集合住宅では、市街地に建つ重層長屋「Sunlight of Calm」(都市再生機構中部支社長賞)が、従来の南面バルコニー型にはない独特の私室空間を生み出しています。光庭から効果的に光が入り、内部には閉塞感がありません。住み手が思い思いに気取った都市生活を楽しんでいます。賃貸住宅でこの空間の質は得がたいものです。
「桜を眺める家」(愛知県住宅供給公社理事長賞)は桜並木に面する絶好の立地を活かし、室内の各所から外の緑を眺められる幸せな住まいです。高齢の母のために屋内外にリハビリをかねた設備がさりげなく施され、家族が仲良く暮らす別天地の趣です。
碧南の「大浜の家」(住宅金融支援機構東海支店長賞)は海にも近い立地ですが、東が県道に接するため南と西に開く構成となりました。日射や視線のコントロールとバルコニーの手すりをかねて、木製ルーバーが施されています。素材の色調を使い分けたベニアの内装がとても新鮮です。
名古屋市千種区の「如雨露(じょうろ)~季節を感じる住宅~」(名古屋市住宅供給公社理事長賞・愛知県森林協会長賞)は、かつての隣家の豊かな緑が代替わりで高級マンションとなりましたが、この家のゆったりとした木造の佇まいと、既存のケヤキを保存して視覚的に外部に開かれた庭が、この界隈の環境の保全に多大な貢献をしています。
最後に、惜しくも佳作となった「緑に包まれた街」は、緑を囲んで一群の集落を形成する住宅団地で、子供たちが安心して遊べる中庭に特徴があります。南側の住棟内部が、もう少しこの中庭との関係を活かせるとよかったと思いますが、これだけの住宅デザインが、ハウスメーカーの限られた標準部材のみで構成されていることに、設計チームの並々ならぬ工夫と努力を感じました。今後も是非これに続くプロジェクトが実現することを期待します。
※14時10分から「第23回 ゆとりある住まい講演会」
など
第23回すまいる愛知住宅賞の受賞者によるセミナー等を『ハウジング&リフォームあいち2012』会場にて開催予定です。(詳細未定)
期間 平成24年3月2日(金)~4日(日)
場所 「ハウジング&リフォームあいち2012」会場 【吹上ホール(名古屋市中小企業振興会館)】
愛知県 建設部 建築担当局住宅計画課
企画グループ
担当:山川、菅沼、奥山
電話:052-954-6567
E-mail: jutakukeikaku@pref.aichi.lg.jp
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