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リサイクル性・強度・遮音性に優れた「木質耐力壁※1」を開発しました

[2011年10月25日]
平成23年10月25日(火曜日) 刈谷市政記者クラブ同時発表

-日本木材学会・名古屋国際木工機械展・メッセナゴヤ2011にて発表・出展します-

 愛知県産業技術研究所は、強度・遮音性に優れるとともに、解体、分別が簡単で木材の再利用、廃棄が容易な「木質耐力壁」を開発しました。

 一般に木造住宅の構造体(壁)は、木材、断熱材、釘、金物など種々の材料で構成されます。これに対し、開発品は、断熱材として当研究所が開発した「木質断熱材」を使用し、木ダボ※2と粘着材で組み立てた木質構造体とすることで、解体、分別、廃棄処理が容易になっています。さらに、釘を用いた一般的な構造に対し、強度が2倍以上に増加、遮音性も向上することが確認できました。

 この開発品について、10月27日(木)に開催される「2011年度日本木材学会中部支部大会」で発表するとともに、11月2日(水)~5日(土)にポートメッセなごやで開催される「第40回名古屋国際木工機械展」、及び11月9日(水)~12日(土)に同会場で開催される「メッセナゴヤ2011」に出展します。

1 研究の背景

 近年、製品開発においては、製造から廃棄に至る製品のライフサイクルにおいて、環境負荷がより少ないことが求められており、LCA※3(ライフサイクルアセスメント)評価が、製品の1つの「性能」として認知されつつあります。

 一般に木造住宅の構造体(壁)は、木材、断熱材、釘、金物など異種の材料で構成されます。木材そのものは加工に必要なエネルギーが小さく、LCA評価を高める素材ですが、強度向上のために、金物が使用される場合は、解体、分別、廃棄等が容易でないため、評価を下げることが予想されます。

 このような背景の下、愛知県産業技術研究所は、これまで「木質断熱・吸音材」などの開発を実施してきており、今回、この素材を活用し、金属材料を使わず、リサイクル性等、環境への配慮と性能を両立する「木質耐力壁」の開発に取り組みました。

2 開発品の特徴

 ツーバイフォー工法※4の壁は、枠材である木材に、合板が釘打ちされる構造となっていますが、開発品では、粘着材による接合後、木ダボを打ち込む構造としました。この構造の採用により、釘を用いた一般的な構造に対して、剛性及び強度が2倍以上に向上することが分かりました。十分な強度が確保できますので、軟質で比較的強度の低いスギ材(国産材)の活用も可能となります。

 また、壁の中に設置される断熱材は、一般的に用いられるグラスウール※5に替わり、愛知県産業技術研究所が開発した「木質断熱・吸音材」を用いています。これらにより、住宅の解体時に分別処理が容易となり、壁材料(木材)のリサイクル性が向上します。

 施工には特殊な装置や材料を必要としないため、現場施工やプレハブ(工場における加工・生産)にも対応しやすいと考えられます。また、この構造は、ツーバイフォー工法のみならず、一般的な軸組構法※6でも耐力補強に応用できます。

  開発した木質耐力壁

3 発表・出展概要と成果普及

 開発した耐力壁は、次の学会・展示会に発表・出展するとともに、企業への成果普及を図ります。

 

 会  名:2011年度日本木材学会中部支部大会

 開催日程:10月27日(木)~28日(金)

  (研究発表は10月27日 午後4時30分から午後5時10分まで)

 場  所:静岡市産学交流センター(B-nest)

 

 展示会名:第40回名古屋国際木工機械展

 開催日程:11月2日(水)~5日(土)

 場  所:ポートメッセなごや

 

 展示会名:メッセナゴヤ2011(テクノフェア2011)

 開催日程:11月9日(水)~12日(土)

 場  所:ポートメッセなごや

4 問合せ先

 愛知県産業技術研究所 工業技術部 環境材料室 

 担当:福田、西沢

 〒448-0013 刈谷市恩田町一丁目157番地1

 電話:0566-24-1841   FAX:0566-22-8033

【用語説明】

※1 耐力壁

   建物の荷重と水平方向の地震力や風圧に耐えるための、構造的に重要な壁体。

※2 木ダボ

   木材相互の接合に使う木製の補強具(写真)。家具の部材接合に多く用いられる。

※3 LCA(ライフサイクルアセスメント)

   製品を作るために必要な原料が採取される段階から、製造、輸送、使用、廃棄されるすべての段階(サイクル)において、環境への影響の可能性を評価する方法。

※4 ツーバイフォー工法

   別名「枠組壁工法」とも呼ばれる。基本的に2×4インチ断面の木材で作られた枠組に構造用合板を釘打ちした木製パネルを組み合せて床、壁、天井などの面を構成していく工法。

※5 グラスウール

   建築物における断熱・吸音材として広く用いられる、短いガラス繊維でできた、綿状の素材。

※6 軸組構法

   日本の古い家屋にみられる伝統的な建築構法を簡略化・発展させた構法で、在来工法とも呼ばれている。土台・柱・梁・桁・筋かいなどの軸組で建物を支える工法。

お問い合わせ

愛知県産業技術研究所 工業技術部環境材料室
 担当 福田、西沢
 電話 0566-24-1841
愛知県産業労働部 地域産業課 技術振興・調整グループ
 担当 津本、加藤(久)
 内線 3360、3361
 ダイヤルイン 052-954-6340