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生態と防除目次

    <イネ>
イネいもち病
                                                          
1 病原菌
 学名 Pyricularia oryzae Cavara (糸状菌 不完全菌類)
2 被害の様子
停滞型病斑
いもち病の病斑

  苗で発生し、立枯れ症状を呈するものを苗いもち、本田で葉に発生するものを葉いもち、出穂後穂に発生するものを穂いもちと呼んでいる。
 葉の病斑は、イネの抵抗力、気象条件などにより形態が異なる。最も一般的なものは、紡錘形、周縁部褐色、中央部灰白色の停滞型病斑であるが、いもち病菌の侵入、進展に特に好適な条件では、楕円形、暗緑色〜ネズミ色、周囲不明瞭な急性型病斑となり、大量の分生胞子を形成する。
 急性型病斑が株全体に発生すると、ずりこみいもちといって稲全体が燃えたように萎縮してほ場全体が枯れ上がるような被害が出ることもある。
穂いもち

 穂いもちでは発生部位によってさらに細かく分類されるが、穂首部を侵されたものを首いもちといい、被害がもっとも大きい。
 穂いもちのなかで、もっとも恐ろしい首いもちは、出穂期に穂首が感染して褐色となり、白穂となる。枝梗いもちは節が感染しやすく、紫黒色から灰白色に変色し、初期の場合は枝梗全体が白穂となる。
3 病原菌の生態
  菌糸の生育適温及び分生子の形成適温は、25〜28℃で、感染は葉面の湿潤時間が10時間以上必要である。梅雨期のむしむしするような気候がこの病気のもっとも蔓延する季節である。
 菌糸又は分生子の状態で被害わらや被害籾などで越冬し、特に籾は苗いもちの直接的な感染源となる。
ずりこみ症状

 分生子は洋なし型で2個の隔壁を持つことが多い。大きさは14〜37×5〜12μmである。
 本菌はレースがあることが知られており、品種により感受性が異なっており、発生状況を把握するためには、どのレースが主に発生しているかを把握することも重要である。また、薬剤耐性菌の発生も確認されており、防除に当たっては耐性菌の分布を併せて把握することも必要である。
4 発生しやすい条件
 本県では6〜7月の梅雨期がもっとも感染しやすく、山間地域では梅雨期の後半に多発する傾向がある。
 また、籾の感染率が高いと苗いもちが多く発生し、これが、葉いもちの一次感染源となることも多い。
5 防除対策
・感染した籾を使用しない。
・種子消毒を徹底する。
・箱施薬にビームなどの長期間防除効果の持続する薬剤を使用する。
・本田防除は全般発生時期を逃さないようにし、穂いもちの発生が多い場合は、葉いもち防除を実施する。