ホームへ戻る
生態と防除目次

<カンキツ>
カンキツかいよう病


1 病原菌:
  学名 Xanthomonas campestris pv. citri(Hasse 1915)Dye 1978(細菌)

2 被害カンキツかいよう病発病葉
 葉、果実、枝に褐色の病斑を形成する。病斑は最初盛り上がった濃緑色水浸状円形で、拡大するに伴い頂部にザクロ状の亀裂を生じ、中央部から徐々にコルク化する。葉が成熟する頃には直径2〜5mm程度となり、病斑の周縁は幅1〜2mmが黄色になる(ハロー)。枝と果実の病斑については周縁部にハローは見られない。春葉の展開開始期から発病し、多発すると落葉する。夏、秋葉ではミカンハモグリガの食害や風ずれなどの傷口から感染するので、一般に傷口に沿った形の病斑の集合となる。
3 病原菌の生態
 短桿状の細菌で大きさは1.5〜2.0×0.5〜0.75μm。1本の鞭毛を有する。好気性でグラム陰性。発病適温は20〜30℃である。
 雨媒伝染する。新梢及び果実の未成熟期には、菌は気孔から侵入する。成熟に伴い組織が硬化すると、その後は傷口感染する。
 春梢への伝染源は、葉や枝の越冬病斑。発病葉は落葉するので、伝染源としては枝の病斑が重要で、一般に夏秋枝の病斑で生存率が高い。落葉中での越冬は不可能とされている。また、根圏土壌中での生存も短く、かつ低密度とされている。
4 発生しやすい条件
・前年秋期に有力な伝染源が多数形成されるため、冬期が温暖で、病斑内菌密度の低下が小さく、加えて風当たりが強く、春先に越冬葉への傷伝染が多いと、春梢への強力な伝染源となる。
・強風雨は冬期を除き常に多発要因となる。
・初夏から秋期のミカンハモグリガによる未熟葉への加害が、傷感染を著しく助長する。

5 防除対策ミカンハモグリガ食害痕に沿った発病
・品種により抵抗性が異なる。ネーブルオレンジやナツダイダイなどは比較的弱いので、適切な防除管理が行われないと激しい被害を受ける。
・抵抗性が比較的強い品種でも、抵抗性が弱い品種と混植、あるいは隣接栽培すると感染を受けやすいので、注意が必要である。
・防風対策(防風垣、防風樹等)を行う。抵抗性の弱い品種は、風当たりの少ない地形を選定する。
・ミカンハモグリガを防除する。
・罹病枝(特に夏秋枝)を切除し、伝染源を減らす。
・病斑確認後の薬剤散布は効果が期待できないため、春梢発芽期前後から梅雨明けまでの防除を徹底する。
・雨よけ栽培を行う。