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生態と防除目次

<カンキツ>

カンキツそうか病

1 病原菌:
 学名 Elsinoë fawcettii Bitancourt et Jenkins(糸状菌 子のう菌類)カンキツそうか病
 
2 被害の様子
 葉、果実、枝に発生する。葉や果実ではいぼのように飛び出したいぼ型病斑と、表面がそれほど飛び出さずにガサガサしたかさぶた状になるそうか型病斑がある。比較的菌密度の低い早い時期に感染した場合いぼ型病斑となり、菌密度の高まった後期に感染した場合にそうか型病斑となる。枝ではいぼ型になることはなく、すべてそうか型になる。

3 病原菌の生態
 葉や枝の病斑で冬越する。冬越した病斑は10〜28℃(適温は20〜24℃)で降雨等により濡れている状態に3時間くらいあうと胞子が出来始める。
出来た胞子が雨により運ばれて、若い葉や果実に付着する。葉に侵入できる温度は13〜30℃(適温は26℃付近)。葉では温度20〜26℃の時は、5日間ほど潜伏して発病する。
 果実では葉に比べて潜伏期間がやや長い。新しくできた病斑に胞子が形成され次々に若い葉や果実に感染する(二次感染)。葉、果実とも古くなると発病しなくなる。通常の年では6月上旬頃までに葉の発病は見られなくなるが、4月〜5月に曇りや雨が多く低温であったなどの理由で葉が軟弱であると、葉に感染する期間が長くなる。また気温や湿度の条件が整えば、夏枝や秋枝でも発病する。果実が発病する危険のある期間は落花直後から9月上旬までで、幼果期にもっとも感受性が高い。発病した夏枝や秋枝は、冬越しして翌年の重要な発生源となる。

4 発生しやすい条件カンキツそうか病果
・春葉の初発病は、発芽期から4月中旬ごろまでに降雨が多く、日照不足で低温が続くと早くなる。
・発生量はミカンの発芽時から4月15日までの降雨日数、降雨量並びに日照時間との相関と、4月1日から20日までの平均気温あるいは4月1日から20日までの平均気温、降水量との相関がある。(雨が多いと多発する)
・降雨があり、その後12〜15時間以上多湿条件が続くと発病が多くなる。

5 防除対策
・苗木から10年生くらいの間は発病しやすいので、特に防除を徹底する。
・新植するときはなるべく発病のないものにする。
・感染には降雨が必要なので、苗をハウスで育てるという方法も考えられる。
・成木では、せん定の際に病斑が多数形成している夏枝や秋枝はできるだけ切り取り、伝染源を少なくする。
・窒素肥料が過多になると発病しやすくなるので、やりすぎないよう注意する。
・菌は傷口から侵入しやすいので防風対策を講じ、風傷を少なくする。
・降雨後速やかに湿度が低くなるように園内の通風、採光を良くする。
・初期の発生を抑えないと防除効果が十分でない。
・発芽初期、落花直後と梅雨期の薬剤散布が基本であるが、発病程度や気象条件に応じて回数や時期を加減する。