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生態と防除目次

<イチゴ>
イチゴ萎黄病

1 病原菌
 学名 Fusarium oxysporum Schlechtendahl:Fries f.sp. fragariae Winks et Williams

2 被害の様子イチゴ萎黄病
 はじめ新葉の1〜2小葉が黄緑色に変わり、小型化して舟形に巻く。その後発生する葉も奇形となり、株全体が著しく生育不良となる。葉は生気を失い、萎黄症状を示すとともに、紫紅色を帯び、株全体が枯れることもある。採苗床の親株に発生すると、ランナーの発生が少なくなり、ランナーの新葉も奇形となる。収穫期に発生すると、着果が少なくなり果実の肥大も悪くなる。新葉の黄化や奇形を示す前に萎凋することもある(急性症状)。クラウン部を切断すると、維管束の一部あるいは全体が褐色から黒褐色に変色しており、根もほとんどが黒褐色になり、腐敗しているものが多い。低温時には軽症株は症状が消えることがある。

3 病原菌の生態
 病原菌はイチゴのみを侵す。大型分生子、小型分生子、厚膜胞子を形成、主に厚膜胞子が土中に残って伝染源となり、イチゴの根から侵入し、導管を侵して感染発病する。厚膜胞子は土壌中で4〜5年以上の長期間生存する。生育適温は28℃前後である。土壌伝染のほか、被害の軽い株を親株した場合、ランナーを通して苗に菌が移行し、種苗伝染をすることも多い。

4 発生しやすい条件
・発病最適土壌温度は25〜30℃で、高温期に感染、発病しやすいが、ごく高温の盛夏期には症状が不明瞭になることがある。
・連作ほ場、土壌の乾湿差の大きいほ場、pHの低いほ場、未分解の有機物を多量に施用したほ場では発病しやすくなる。
・本病の発生したほ場の株を親株にすると、ランナーやそれから採取した苗の発病が多くなる。
・品種による発病差があり、宝交早生はきわめて弱い。宝交早生に比べ、女峰、とちおとめ、さがほのか等は発病程度は軽いが、菌密度の高い汚染ほ場では高率に発病する。

5 防除対策
・親株は無病株を用い、毎年更新する。
・発病ほ場は、土壌くん蒸剤あるいは太陽熱で土壌消毒する。
・育苗ほ場で発病をみたら、そのほ場の苗は用いない。やむを得ず用いる場合は、発病株周辺からの採苗を避ける。