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生態と防除目次

<タマネギ>

タマネギべと病
1 病原菌
 学名 Peronospora destructor (Berkeley) Caspary(糸状菌/鞭毛菌類)

2 被害の様子タマネギべと病
・全身感染株:秋に感染した場合、症状が激しいと枯死するが、軽ければ冬の間に全身に菌糸がまん延して越年罹病株となる。越年罹病株は、やや萎縮ぎみで葉身が異常に湾曲する。葉色は薄く光沢もない。
・二次感染株:秋季、春季に発生する。葉に長楕円形のやや大型の黄白色の病斑ができるが、病斑の健全部との境目は不明瞭で、多湿のときには病斑上に灰白色または暗紫色の霜状のカビを生ずる。病斑が葉を一周するとそこから先の葉が枯れる。

3 病原菌の生態
 病原菌は鞭毛菌類の一種で、菌糸、卵胞子、分生胞子をつくる。病組織や土中の卵胞子で越夏する。卵胞子は耐久性が強く、土壌中で10年以上生存することもできる。秋季に卵胞子等による感染が起こり、軽症株は越年罹病株となる。越年罹病株に症状があらわれるのは2〜3月であるが、温暖な年は早まる。春期、越年罹病株上に形成される分生胞子により二次感染するが、気温が15℃くらいで、温暖多雨な年は感染・発病を繰り返し多発する。罹病組織内にはやがて卵胞子がつくられ休眠に入る。ワケギ、ネギにも越年罹病カブがあり、これらも伝染源となる。

4 発生しやすい条件
・土壌中の卵胞子感染は、9月の降水量によって影響を受け、降雨日数が15日以上の場合は多発生、10日以下の場合は少発生と予想される。
・越年罹病株が、0.01%(3株程度/10a)以上あると、春期に多発生が予想される。
・12月の降雨日数が15日以上であると春期に多発が予想される。
・春期は、降雨日数が多く、月平均最低気温が高いと病勢は進展しやすい。また、半旬平均気温が5℃を越える時期が、3月第4半旬より早いと多発生、3月第6半旬より遅いと少発生と予想される。

5 防除対策
・発病したことのない場所に苗床をつくる。
・移植の際、苗を厳選して保菌苗を持ち込まない。
・苗床、本ぽの排水をよくする。
・越年罹病株の発生に注意し、胞子形成を始める前に抜き取り、土に埋めるなど伝染源とならないように処分する。
・分生胞子は降雨後の多湿時に形成され飛散するので、まん延期には晴れ間を見計らって薬剤を散布する。