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生態と防除目次

<果樹共通>
カメムシ類
チャバネアオカメムシ(Plautia crossota stali Scott)
チャバネオアカメムシ
カメムシ画像
ツヤアオカメムシ(Glaucias subpunctatus Walker)
クサギカメムシ(Halyomorpha halys (Stal))

1 形態
チャバネアオカメムシ:11mm内外 緑色のからだに茶褐色のはねをもつ。
ツヤアオカメムシ:15〜17mm 全体が鮮緑色。
クサギカメムシ:14〜18mm 暗褐色の地に不規則な茶褐色の斑点がある

2 被害の様子
果樹カメムシ類はほとんどの果樹を加害するが、そのうちウメ、モモ、スモモ、ナシ、ビワは主に越冬成虫、ナシ、カキ、カンキツは主に当年成虫(新成虫)により加害される。被害果の症状は、吸汁部の果肉がスポンジ状に変質し、周りの正常な部分の肥大から取り残されて果実表面に凹みを生ずるというのが一般的である。

・ナシの加害時期は、開花期〜収穫期まで長期におよぶ。被害果は落果しないが、幼果期は加害部が大きく陥没した変形果となる。収穫期近くの果実では、加害部分が浅く凹む。
カキにおける吸汁痕
カメムシ被害果
・モモの加害時期は、幼果期〜収穫期まで。幼果の早い時期に加害されると落果する。果実の被害症状は、吸汁部分が凹んで暗褐色に変色する。
・ウメの加害時期は、幼果期〜収穫期まで。越冬成虫が多い年には果実だけではなく新梢が吸汁され、萎ちょう、枯死することもある。幼果の早い時期に加害されると落果することもある。
・カキの7〜8月の早期の被害では、吸汁部が指で押したように水浸状となり、被害後2〜3日で落果する。9月以降の被害では落果しないが、吸汁部が凹状となり、その部分の果肉がスポンジ状となる。
・カンキツでは5月に花や蕾、新梢を吸汁するが、通常発生年では実害がない。しかし、越冬成虫が多い年には落花や落葉する。果実への加害時期は、通常9月中旬に早生温州が少し黄色味を帯びた頃からであるが、年によっては8月中旬となる。気温が高い時期の加害では、果実はまだらに早期着色し、やがて落果する。10月中旬以降は、落果しないが、剥皮すると加害部の皮と果肉がくっついたり、果肉がスポンジ状になる。一般に早生温州では被害が多く、特に着色の早い樹では集中的に加害される傾向がある。


3 生態
越冬形態:上記3種のカメムシはいずれも成虫態で越冬するが、越冬場所は種類によって異なり、チャバネアオカメムシは主として常緑広葉樹林の落葉下、ツヤアオカメムシは常緑広葉樹の樹冠内、またクサギカメムシは作業小屋の中や大木の樹皮下である。なお、チャバネアオカメムシは11〜3月の越冬中には体色全体が周りの落葉と同じ暗褐色を呈している。

チャバネアオカメムシの年間発生模式図

4 発生しやすい条件
・越冬密度を調査することにより、越冬成虫が主に加害する7月頃までのモモ、ウメ、ナシ、カキの被害量を予測できる。
・予察灯の誘殺数を7月下旬を境として前期と後期とに分けると、前期に誘擦数が多い年にはモモ、ウメ、ナシで被害が多く、後期に多い年にはカキとミカンでの被害が多くなる傾向にある。カキの被害は、7月下旬〜8月下旬の誘殺数との間に高い正の相関がある。
・新成虫の発生動向を知るためには、7月以降のヒノキ、スギ樹上における生息動向を把握することが重要である。
・チャバネアオカメムシの増殖源であるヒノキきゅう果の豊凶はカメムシの発生量を大きく左右する。カメムシによる被害は、ヒノキのきゅう果の結実量が極多〜多の年には少なく、逆に少ない年には多発する傾向にある。

きゅう果量が少ない年には、カメムシが早くきゅう果を食いつくしてカキに飛来するため、被害が多い。

きゅう果量が多い年には、餌に余裕があるので越冬までヒノキ上に定着し、カキへの飛来が少なく、被害が少ない傾向がある。

きゅう果の量が極めて少ないと、餌不足によりヒノキ上で成虫になる数が減少するため、カキの被害は少ない。

きゅう果の量がやや多く、前年のカメムシの発生が多い年には、きゅう果が多いにもかかわらず、食いつくし、大量に羽化した成虫が、カキに飛来するため大被害が発生する事例もある。
・カキの被害量とカメムシ類の幼虫の増殖期である7〜8月の降雨日数の関係を見ると、降雨日数が少ない年には被害が多発する傾向にある。
 
5 防除対策
・加害時期や程度は年、場所により大きく変動するので、的確な発生予察に基づいて防除する。成虫は広域にわたって移動するので、防除効果を高めるために広域一斉防除を行う。