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生態と防除目次

<野菜共通>
ハイマダラノメイガ

1 学名:Hellulla undalis (Fabricius)  別名:ダイコンシンクイムシ

2 被害の様子ハイマダラノメイガ幼虫
 被害は、ダイコンの他にキャベツ、ハクサイ、カブなどアブラナ科野菜の生育初期の株に見られ、後期にはほとんど見られない。ダイコンでは、生育初期の中心葉がつづり合わされ、食入した幼虫により生長点付近の芯から糞の排出が見られる。間引き時期前後に加害を受けた株の多くは、茎上部が食べ尽くされて枯死したり、食害を受けた時点で生育が停止しているものが多い。キャベツでは、定植前の被害株は生長点部が食害されるため、生育が停止したままのものや枯死するものが多い。定植後の被害株は3〜4個のわき芽が発生し、生育が著しく遅れ、正常な結球は望めなくなる。生育中期以降のダイコンやキャベツでは、中心葉での食入被害よりも葉柄内での食入被害の場合が多く、葉柄部よりの糞の排出や葉柄が折れ、葉が垂れ下がっているのが見られる。ハイマダラノメイガ被害

3 生態
 (ダイコンほ場の観察では)成虫は1株あたり1〜10数卵を株元の茎、葉に産卵する。1雌あたりの産卵数は100〜200卵と推定され、1日あたり20〜50卵を産む。ダイコンの茎、葉に産み付けられた卵は3〜5日後にふ化し、中心葉の柔らかい葉肉内に潜り込んで食害し、生長すると生長点近くの心部に食入する。幼虫が成熟すると地表部に下がり、砂や土を糸でつづって繭をつくり、この中で蛹化する。ふ化から蛹化までを12〜21日で経過する。蛹は6〜13日で羽化して成虫になる。羽化2〜3日後から産卵を始める。卵から成虫羽化・産卵までを約1ヶ月で経過する。年間発生回数(推定)は、西日本で6〜8世代。北海道から九州まで分布するが、関東以西での発生が多い。なお、本種の発生は8月下旬以降から10月下旬頃までで、これ以外ではきわめて少なく問題にはならない。一般には冬季には死亡し、越冬する個体はほとんどないと考えられている。関東以西の各地では5月頃から成虫の飛来が見られることから、これらの成虫は暖地からの飛来によるものと考えられている。

4 発生しやすい条件
・夏季が高温少雨で残暑の厳しい年には多発する。
・夏季播種のダイコンやキャベツで多い。

5 防除対策
・夏季が高温少雨の年は多発生が予測されるので、播種を発生の多い8月中下旬から9月上中旬にずらす。
・夏季播種のダイコンで日除けやアブラムシ防除用に用いる寒冷紗は、すそ開きのないように完全に被覆し、侵入を防止する。
・多発生が予測される場合には、播種前や定植時に粒剤を処理する。また、初発生に気をつけ、発生を見たらただちに防除を行う。被害を確認したら、直ちに1週間ごとに2回程度薬剤散布する。