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生態と防除目次

<全作物共通>
ハスモンヨトウ

ハスモンヨトウ幼虫

学名:Spodoptera litura Fabricius

1 形態
 成虫は体長約15〜20mm、翅開張約35〜42mmで、前翅に斜めに交差して走る数条の淡褐色の縞模様が目立つ蛾である。和名は、この特徴のある前翅の模様を表す斜紋夜盗に由来している。卵は数百個が一塊となって葉に産みつけられ、成虫の鱗毛によって薄く覆われている。幼虫は6齢を経過し、成長すると約40mmにもなる。成長した幼虫の体色は、灰緑暗色、暗褐色などいろいろで変異に富んでいる。 

2 被害の様子
 ハスモンヨトウは極めて広食性の虫であり、野菜、畑作物、花き、果樹にまで被害が及ぶ。野菜においてはサトイモ、ヤマノイモ、キャベツ、ナスに発生加害が多い。ハクサイ、ダイコン、ネギ、トマト、ピーマン、ニンジン、イチゴなどでの発生加害も普遍的に見られる。畑作物ではダイズで特に多く、花きではキク、ダリア、キンセンカ、カーネーション、シクラメンなどに多い。
 多発の年では、6月頃からほ場で幼虫の被害がみられるようになるが、例年は8〜10月頃の被害が大きい。ふ化幼虫は集団で葉肉を食害するため、表皮のみが残る。黄白色から褐変枯死する被害葉が現れ、次々と被害が拡大する。このころになると幼虫は分散し、数頭から十数頭が群がって食害するようになる。中齢幼虫以降の被害は、葉縁から葉脈や葉柄を残して暴食するのでほ場一面が丸坊主になることがある。老齢幼虫になると果実の中に食入したりする。ハスモンヨトウ成虫

3 生態
 25℃での各生育ステージの期間は、幼虫では1齢4日、2齢3日、3齢 2.8日、4齢 3.2日、5齢 2.8日、6齢 3.2日で、合計19日である。また、卵期間は約4日、前蛹・蛹期間は14日、羽化後産卵までの日数は2日であり、1世代は約39日で経過する。本種は暖地系害虫で寒さに弱く、わが国では西南暖地においても自然条件下での越冬は一般に難しい。休眠性がないので、加温されたハウス内などでは冬季も発育と活動を続ける。本種は1年に4世代を経過し、越冬個体が極めて少ないので春は密度が低く、世代を重ねながら秋に多発するようになる。本種の発生量は年次によって著しく変動し、春から降雨が少なく、梅雨明け早い暑さが厳しい年の秋に多発する傾向がある。ヨトウガほどには明瞭ではないが、幼虫が成長すると日中は日陰や地際部などに潜み、主に夜間に活動する習性がある。

4 発生しやすい条件
・寡雨 

5 防除対策
・卵塊や、卵から孵化したばかりで集団になっている幼虫を見つけたら取り除く。
・老齢になるに従って薬剤の効果が悪くなるので、若齢幼虫のうちに防除する。
・施設栽培では、夜間に黄色蛍光灯を点灯すると忌避効果がある。
・施設栽培では施設開口部に防虫ネットを設置して、侵入を防ぐ。
・定植前後から交信攪乱用の性フェロモン剤を設置する。