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| 【目次】 | |
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大腸は消化吸収が行われた食物の最終処理をする消化管で主に水分を吸収して排泄に都合のよい状況をつくり出します。大腸は約1.5mの長さがあり、口側から盲腸、結腸、直腸・肛門管(肛門縁から約15cmが直腸・肛門管)の順で構成されます(図1)。
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| 早期のがんは症状はまずありません。便に血が混じっている(血便)場合はがんの注意信号です。がんの表面が潰瘍で出血しやすくなっているためです。肛門に近い部位にがんができた場合排便の際に肛門から出血する場合もあります。この症状は痔核と思われて放置されることがあります。痔核と診断するためには大腸がんでないことを確認する必要があります。右側の結腸がんでは肉眼的な血便に気づかず慢性的な出血による貧血によって発見される場合もあります。また、最近排便回数が増加してきた、腹痛がある、残便感が常にある、便柱が細くなったなど排便状況が変化したと気づいた場合は大腸がんによる症状であることもあり一度大腸検査をしてみるべきでしょう。また、嘔吐などの腸閉塞症状、腹部や頚部の腫瘤が初徴候のこともあります。 | ||
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| A)便の免疫学的潜血反応 ひとの赤血球に含まれるヘモグロビン(血色素)を検索する方法で従来の鉄分を検索する方法に比べて偽陽性(血液が混じっていなくても陽性になること)の比率が減少しました。それでも、二日間続けて検査をした場合、陽性者のうち、大腸癌が発見される確率は、約4%です。確定診断を得るためには大腸内視鏡検査が必要です。本検査法は多人数集団から精査が必要な人をふるい分ける経済的にも身体的にも負担の少ない方法です。50歳以上の方に勧められています。一方、進行大腸がんがあった場合でも、80%の陽性率です。つまり、20%はみのがされてしまうので、潜血反応陰性が続いていても3-5年毎に注腸造影検査できたら大腸内視鏡検査が必要です。 |
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| B)注腸造影検査 食事制限と下剤の処置により大腸をきれいにして、肛門からバリウムと空気を大腸全体に送り込んでレントゲン写真をとります。比較的負担の少ない方法ですが大腸のきれいになり具合やバリウムや空気の送り込み具合によって診断の精度が変わってくることがあります。 |
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| C)大腸内視鏡検査 下剤、浣腸の処置により大腸をきれいにしてから肛門から内視鏡を挿入して大腸内腔を観察します。たわんだ大腸では挿入に手間取ることもありますが比較的小さな病変も見逃さずに診断することができ、精度の高い診断方法です。 |
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| D)腫瘍マーカー 血液の検査でがんの進行程度、治療効果、再発の有無をチェックする方法です。特にCEAと呼ばれるマーカーが大腸がんには陽性率が高く、進行がんで約半数が陽性を示します。他に、CA19-9、p53抗体があります。しかし、大腸がんの腫瘍マーカーは、進行していないと正常値のことが多く、がんを見逃さないようにするのは不得意です。 |
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| E)画像診断:CT(コンピューター断層写真)、MRI(核磁気共鳴画像)、US(超音波診断) 大腸自体のがんの診断には上記の方法にかないませんが、転移、周囲臓器への浸潤具合など治療にとっては不可欠な検査です。 |
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| F)PET検査(陽電子放射断層撮影:Positoron Emission Tomography) がん細胞が正常細胞に比べて多くブドウ糖を取り込む性質を利用して、ブドウ糖に似た物質にアイソトープで目印をつけて(FDG)体内に注射し、全身にわたって集積の有無をみる検査です。上記画像診断でわかりにくい転移、再発の検索に有効な検査です。 |
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| 進行度については日本では大腸がん取扱い規約第7版(2006)に従って分類されます(表1)。国際的にはTNM分類が使用されます。進行度を設定することにより、過去のデータをもとにした治癒率の目安が得られます。 進行度は0, I, II, IIIa, IIIb, IV期の順で進行した状況となります。 0期:ごく早期のがん(粘膜内がん)、転移の報告なし I期:所属リンパ節に転移がなく、腸管壁への浸潤も固有筋層(腸管壁内)にとどまります II期:所属リンパ節に転移がなく、腸管壁への浸潤が深い(固有筋層を貫く)状態 III期:腸管壁への浸潤にかかわらず、所属リンパ節転移のある状態 IIIa:所属リンパ節転移(1-2群)が3個以下 IIIb:所属リンパ節転移が4個以上あるいは、所属リンパ節の最も離れた部位(3群)リンパ節に転移 IV期:肝や肺などの血行性転移、腹膜転移、遠隔リンパ節転移(所属リンパ節外)がある場合
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| A)早期がん 早期がんの定義はがんの深達度(深さ)が粘膜固有層、粘膜下層にとどまるものとされています。前述の進行度(stage)では0期全て、I期の一部(固有筋層浸潤がんを除く)となります。早期がんの治療法もそのがんの深達度によりさらに細分類されます。
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B)進行がん
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| C)放射線治療 大腸がんのほとんどを占める腺がんに対しては放射線の効果が低いとされていました。結腸がんに対しては初回の治療に放射線治療が適応されることはありませんが、直腸がんに対しては放射線治療が見直され、欧米では初回手術前に骨盤腔に照射を行い、局所再発率を低下させています。しかし、放射線併用による生存率の向上ははっきりしません。本邦では、当院も含めて進行直腸がんに対して拡大リンパ節郭清がまず選択されます。局所再発率は術前照射と同等で、照射による副作用も嫌われ、術前照射は普及しておりません。ただし、 再発しやすいグループへの照射適応は検討されています。 |
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| D)化学療法 手術的に治癒切除ができた場合もステージIIIでは、予防的抗がん剤投与が再発率の低下に有効と臨床試験で結果が出ました。ステージI,IIではもとも治癒率が高く、抗がん剤投与による差は出ておりません。現在、保険診療でも認められ、臨床で行なわれている方法は、結腸がんに対しては、5FU+LV(ロイコボリン)点滴静注法、フトラフール・ウラシル(UFT)+ロイコボリン(ユーゼル)内服、カペシタビン(ゼローダ)内服、直腸がんに対しては、結腸がんの効果を準用して使用していますが、日本の臨床試験により手術単独に対して、フトラフール・ウラシル(UFT)単独内服が、再発率低下に有効であったため、選択肢のひとつに加えています。 |
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| 治癒切除できた方もがんの治癒を見極めるためには少なくとも術後5年の経過観察が必要です。検査で発見できない小さな癌病巣が潜んでいる可能性があるからです。手術後は2から3年まで約3ヶ月ごとの検診と2から3年以後は6ヶ月毎の検診で再発をチェックすることが重要です。再発は主に大腸を切除した部位近傍(局所再発)、肝・肺転移、遠隔リンパ節再発、その他があります。 | ||
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再発した場合の治療は、まず切除できる時は手術による切除です。限られた部位・個数の転移の場合、完全切除により治癒できることもあります。一般的に、肝/肺転移は、5年生存率20-50%(当院の治療成績:53%、図6)、骨盤内再発 20-40%(当院の治療成績:32%、図7)の手術による治癒率が報告されています。
図7は当院での肝転移、骨盤内再発に対する手術成績です。切除効果を上げるために、放射線治療や抗がん剤治療も追加することが検討されています。骨盤内再発では重粒子線による治療が高度先進医療として放射線医学総合研究所で行なわれており、手術と同等の効果が報告されています。切除できない場合は放射線治療や抗がん剤投与を行ないます。抗がん剤(化学療法)は、1990年代後半から発展。 1.FOLFOX(infusional 5-FU/l-LV+oxaliplatin) 2.FOLFIRI(infusional 5-FU/l-LV+irinotecan) 3.IFL(bolus 5-FU/l-LV+irinotecan) 4.5-FU/l-LV療法 5.UFT/LV 錠 さらに、現在では分子標的製剤であるBevacizumab、cetuximabが保険診療上も使用できるようになりました。従来1年未満であった再発後50%生存期間も、2年以上に延長しています。 |
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| 平成21年8月改訂 |