表紙・各部概要 新しいがん研究体制 疫学・予防部 腫瘍病理学部 分子腫瘍学部
遺伝子医療研究部 腫瘍免疫学部 腫瘍ウイルス学部 分子病態学部 発がん制御研究部 中央実験部

腫瘍ウイルス学部:がんを起こすウイルス感染症への効果的な対処法を研究しています

15、ウイルス感染がん細胞を死滅させる!!
「ウイルス関連がんの制御・治療を目指した生化学的、分子生物学的研究」
研究者:鶴見達也、大黒徹、中洲章、磯村寛樹
 がんウイルスが正常細胞をがん化することはよく知られています。現在、ヒトにがんを起こすウイルスが6種類見つかっています。そのなかでエプスタイン・バールウイルス(EBV)は日和見リンパ腫と呼ばれる特殊なリンパ腫や上咽頭がんのほぼ100%に検出されますが、最近では胃がんの7%にも見つかっており、多くのがんとの関連がわかってきました。
EBウイルス陽性のがんではウイルスは眠った状態にあり、ウイルスそのものは出てきませんが、逆にウイルスが出てくる(溶解感染)ように操作したうえで、ガンシクロビルなどの抗ウイルス剤を併用すると、ウイルス陽性のがん細胞のみを特異的に殺せることがわかりました。
 私たちが行なっている研究は、ウイルスが細胞の中で複製されるメカニズムや細胞外に出てくる仕組みを明らかにすることによって、EBV陽性のがん細胞だけを効率良く殺す方法を開発することを目指しています。

16、安全な骨髄移植を目指して!!
「ヒトヘルペスウイルス群による移植後合併症の克服」
研究者:磯村寛樹、鶴見達也
 自家(本人自身)、同胞、骨髄バンク、さらに臍帯血からの骨髄(造血幹細胞)移植が行われ、白血病やリンパ腫の治療に大きく貢献しています。しかし一方、移植に伴う強い免疫抑制状態はヒトに潜伏するヘルペスウイルス群の再活性化をもたらし、さまざまな合併症を引き起こします。このことが移植成功の上で大きな問題となり、克服が求められています。私達はHHV6による移植後合併症である骨髄抑制の機序を調べたところ、HHV6は骨髄の中に含まれている造血を行う幹になる細胞群である造血前駆細胞に直接感染し、骨髄抑制をおこしていることを明らかにしました。現在、さらに詳しく実際にどの細胞群に感染しうるのか精査し、将来的には移植細胞からあらかじめヘルペスウイルス感染細胞を除いて移植する方法を検討しています。
HHV6は骨髄の中に含まれる造血を行う幹になる細胞群である造血前駆細胞に直接感染し、骨髄抑制をおこします


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