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前立腺がんの小線源治療を開始しました

放射線治療部診療紹介へ
 
 平成18年6月から中央病院で前立腺がんの小線源治療を開始しました。小線源治療は、放射線を出す小さな金属をがん病巣のなかに直接挿入し、放射線を照射する方法で、中央病院は国内で48番目の前立腺がんの小線源治療施設になります。
 なお、当院では原則63歳から78歳の方を対象としております。


小線源治療とは
 放射線治療のひとつで、放射線を出す小さな金属(シード線源)をがん病巣の中に直接刺入したり、あるいは特殊な容器の中に入れてがんに押し当て照射する方法があります。小線源治療の歴史は古く100年以上前から行われており、放射線治療はこの小線源治療から開始されたと言えるでしょう。外部照射法に較べますと、その適応になるがんの種類は限られますが、放射線治療のもう一つの大きな柱です。
小線源治療の特徴について
 小線源治療はがん病巣に直接、放射線をあてることができるので、それだけ効果が高く、口の中のがんや、子宮頸がんなどの治療にはなくてはならない治療法です。他にも早期の食道がん、気管支に限局する早期肺がんにも用いられます。外部照射法と大きく違う点は、がんのところには非常に高線量の放射線照射がされますが、それ以外の部分での放射線線量は少なくなることです。
 小線源治療の最近のトピックスは次に述べる前立腺がんに対する治療です。この治療は米国では早期がんに対して、手術と同じくらいの件数が行われています。


前立腺がんの小線源治療について


 前立腺がんの小線源治療は3泊4日の入院で、腰椎痲酔下でおこなわれます。砕石位で超音波の端子を直腸内に挿入固定し、前立腺を観察しながら、会陰部から前立腺内へ正確に針を刺入します(図1)。放射線治療医師が作成した治療計画に従って、刺入した針を用いて5mm弱の長さのヨウ素125シード線源を60〜100個植え込みます(図2)。植え込むシード線源の数は、前立腺体積によって決まります。ヨウ素125の半減期が60日であることから計算すると、140〜160Gyが前立腺全体に照射されることになります。また、前立腺がんが早期がんから少し進行している場合には、外部照射法との併用となります。
 この治療の利点は、前立腺全摘術に比べて侵襲が少なく、外部照射法に比べて治療期間が短いことから、早期に社会復帰することが可能です。前立腺全摘術で問題となる尿失禁と勃起不全は、小線源療法では少ないと言われています。
 この治療の対象は、@診断時のPSA値が20ng/ml未満である Aステージ(臨床病期)がT1c、T2a、T2bである Bグリソンスコアー(前立腺がんの悪性度の表記)が3+4以下である C前立腺体積が20〜40cm3である(40cm3以上の時は内分泌治療で体積を減少させてから行います)などの条件を満たした前立腺がんです。米国の治療成績は前立腺全摘術の成績と遜色ないといわれていますが、日本では始まったばかりで治療成績はまだでていません。
 愛知県がんセンター中央病院では、小線源治療の他に新しい放射線治療装置であるトモセラピーも導入され、前立腺がんに対する全ての治療法が揃いました。局所限局がんであるステージBでは(1)手術、(2)小線源治療あるいは(3)外部照射法による放射線治療の中から、局所浸潤がんであるステージCでは(1)トモセラピーを中心とするによる放射線治療あるいは(2)手術から選択していただくことが可能です。



図1:小線源療法で線源の刺入方法
 砕石位で超音波の端子を直腸内に挿入固定し、前立腺を観察しながら、会陰部から刺入針を通してシード線源を前立腺内に留置しています。
図2:前立腺がんに対する小線源治療後のレントゲン像
 超音波で確認しながらヨウ素125シード線源を直接、前立腺の中に刺入する方法です。小さな点がシード線源を示しています。


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