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内視鏡部

内視鏡部紹介

 当部は2005年4月に開設されました。内視鏡検査・内視鏡治療の高度専門化に伴い、消化器内科部のスタッフの一部を内視鏡検査・治療の専任とし、消化器内視鏡のさらなる発展を目的として立ち上げられました。当初3名でスタートしたスタッフも、現在は5名となっております。実際の診療は消化器内科部・内視鏡部が一体となって行っていますが、おもに胆道・膵臓系のがんを担当している部が消化器内科部、食道・胃・大腸などの消化管のがんを担当している部が内視鏡部と覚えて頂きますと幸甚です。
 膵・胆道癌の診断と治療に関しては消化器内科部のホームページを参照してください。

スタッフ紹介

田近 正洋
田近 正洋
(たぢか まさひろ)
内視鏡部部長

患者さんへのことば

 食道、胃、大腸などの消化管疾患の診断および治療を専門としています。なかでも大腸がんをはじめとした大腸疾患の診断や大腸ポリープ、早期大腸がんの内視鏡治療を担当していますが、食道がんや胃がんの診断や内視鏡治療にも積極的に取り組んでいます。近年の治療技術の進歩、特にESD:内視鏡的粘膜下層剥離術の登場により、内視鏡で治すことができるがんが増えてきました。食道・胃・大腸がんのESDを行っていますが、正しく診断し、安全で質の高い内視鏡治療が提供できるよう常に心がけています。また、進行がんに対する化学療法に関しても、最新のエビデンスに基づき患者さま一人一人に適した治療法の選択をともに考え行っています。

資格

日本内科学会認定医・指導医、日本消化器病学会(学会評議員)専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会(学術評議員)専門医・指導医、日本肝臓学会専門医、日本臨床腫瘍学会指導医・がん薬物療法専門医、日本消化管学会暫定胃腸科専門医・指導医、日本がん治療認定医機構暫定教育医・がん治療認定医、日本胃癌学会会員、日本食道学会会員、日本癌治療学会会員、欧州臨床腫瘍学会(ESMO associate member)会員、臨床修練指導医

田中 努
田中 努
(たなか つとむ)
内視鏡部医長
兼消化器内科部医長

患者さんへのことば

 食道、胃、大腸など消化管疾患の診断および治療を専門としています。内視鏡検査やレントゲン検査に基づく適切な診断を常に心がけています。また、治療では早期がんに対する内視鏡治療のみならず、進行がんに対する化学療法も行っています。患者さんにとって最適な治療を提供することを目指します。

資格

日本内科学会認定内科医・指導医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器がん検診学会会員

石原 誠
石原 誠
(いしはら まこと)
内視鏡部医長

患者さんへのことば

 消化管疾患の診断および治療を専門としています。 正確な診断、安全で質の高い治療を日々行えるよう研鑽しております。 早期癌に対する内視鏡治療から進行癌に対する化学療法まで 一人一人の患者さまに最適な医療を行えるよう心がけています。

資格

内科学会専門医、消化器病学会専門医、内視鏡学会専門医、肝臓病学会会員、臨床腫瘍学会会員、緩和医療学会会員、日本消化器癌検診学会会員

平山 裕
平山 裕
(ひらやま ゆたか)
内視鏡部医長

患者さんへのことば

  食道、胃、大腸などの消化管疾患の診断および治療を専門としています。正確な診断、安全で質の高い治療を提供できるよう常に心がけています。病気と病状をもとに、それぞれの患者さんと相談しながら、最適な治療(内視鏡治療から化学療法まで)を受けていただけるように努めてゆきたいと思っております。

資格

日本内科学会認定内科医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化管学会会員、日本癌治療学会会員、米国内視鏡学会(ASGE)会員、日本内科学会総合内科専門医

大西 祥代
大西 祥代
(おおにし さちよ)
内視鏡部医長

患者さんへのことば

 消化管疾患を中心に診断・治療を行っています。今までの経験を生かして消化器疾患全般からみなさんに適切な診断と治療を提供できるように努めてまいります。なにか困ったことなどがあれば気軽に声をかけてください。よろしくお願いいたします。

資格

日本内科学会内科認定医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会会員、日本静脈経腸栄養学会会員

原 和生(消化器内科部長)消化器内科部のページに掲載
水野 伸匡(消化器内科医長 兼内視鏡部医長) 消化器内科部のページに掲載
肱岡 範(消化器内科部医長 兼内視鏡部医長)消化器内科部のページに掲載  
奥野 のぞみ(消化器内科部医長 兼内視鏡部医長)
消化器内科部のページに掲載

レジデント/研修医(消化器内科部・内視鏡部)
平山 貴視、渋谷 仁、近藤 尚、鳥山 和浩、鈴木 博貴、藤田 曜、岩屋 博道、伊東 文子、倉岡 直亮、松本 慎平

診療内容

 内視鏡部では、主に消化管がんの内視鏡診断と治療および消化管がんの化学療法を行っています。内視鏡診断においては、NBI(narrow band image)やFICE(Flexible spectral Imaging Color Enhancement)などの新しい画像強調診断法も積極的に取り入れ、食道がん・胃がん・大腸がんなどの消化管のがんの早期発見に力を入れています。さらに、がんと診断された病変に対しては消化管造影検査や色素を散布した内視鏡検査、拡大内視鏡や超音波内視鏡などを用いてがんの広がりや深達度診断を精密に行っています。また、患者さんの苦痛のないように鎮静剤や経鼻内視鏡用の細径内視鏡を適宜使用して行います。鎮静剤の使用に関しては、年々希望者が増加しており、現在では半数以上の方が利用しています。副作用の増加も懸念されますが、その対策として血圧や酸素飽和度などが常時モニタリングできる生体モニターを使用し、安全に十分に配慮して行っています。内視鏡治療においては、低侵襲で機能温存に優れた内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD (endoscopic submucosal dissection)を食道・胃・大腸の早期がんに対して積極的に導入しています。
 内視鏡部という名称からは、内視鏡診断や内視鏡治療のみを行っている部という印象を持たれると思いますが、内視鏡部では、食道がん・胃がん・大腸がんなどに対する化学療法、あるいは化学放射線療法も積極的に行っています。食道がんにおいては、消化器外科部、放射線治療部、薬物療法部、頭頚部外科部と、胃がん・大腸がんにおいては、消化器外科部、薬物療法部と連携し、カンファレンス等を介して外科手術、化学療法、放射線療法、そして化学放射線療法など最適な治療を決定しています。また、消化器内科部や薬物療法部等で行っている各種臨床試験や治験にも参加しています。

消化管癌の内視鏡切除について

1)食道癌の内視鏡切除

 食道は喉から胃まで食べ物を通す長さ約25cmの管状の臓器で、この部分にできた癌を食道癌といいます。食道の壁は3-4mmと非常に薄いものですが、最も内側から粘膜・粘膜下層・固有筋層・外膜からなっています。癌が粘膜にとどまっている間は、リンパ節への転移はほとんどありません。内視鏡切除の対象となるのは、リンパ節転移や遠隔転移を起こしていない粘膜に癌がとどまる食道癌です。実際には、内視鏡で病変の範囲が明瞭に認識可能な病変で、切除後に狭窄を起こすほど切除範囲が大きくならないものを内視鏡切除の絶対適応としています。
 内視鏡切除は鎮静剤等を使用しながら内視鏡室で行なっており、施行時間は約30分ほどです。切除翌々日より食事を開始して、通常は切除から約一週間後に退院となります。
 合併症としては切除部からの出血、切除部に孔が開いてしまう穿孔、そして治療後、切除部が治癒する過程で狭くなる術後狭窄が時にありますが、ほとんどの場合、内科的な治療で治ります。

2)胃癌の内視鏡切除(図3)

 内視鏡を用いて切除可能(治癒が可能)な胃癌は、胃癌治療ガイドラインによって「リンパ節転移がほとんど無く、腫瘍が一括切除できる大きさと部位にあること」と原則が示されています。具体的には癌の進行度や大きさ、組織型、潰瘍性病変の有無などにより制限されており、大きさで2cm以下、癌が胃壁の一番浅いところ(粘膜)に留まり、組織型は分化型で潰瘍性病変を有さないものが完全に切除できるものと示されています。しかし、最近では治療法の進歩やデータの集積により、内視鏡で切除可能と考えられる癌は増加しています。現在、胃癌の内視鏡切除の適応拡大の妥当性を検証すべく、全国のがんセンターを協力して臨床試験を行っています。
 癌がしっかりと切除できたかどうかを正確に把握するためには、正常な組織を含めた癌の一括切除が原則です。最近開発された特殊なナイフを用いた切開・剥離法の登場により癌の一括切除の成績は飛躍的に向上しています。図3に示すようにまず癌を正常な粘膜(安全域)を確保して切開線を入れ、粘膜の下で剥離していきます。この方法の登場によりこれまでは外科手術でないと切除できなかった大きな癌が内視鏡を使って治療が可能となっています。通常、切除してから1週間で退院できます。
 治療に伴う合併症として大きく出血と穿孔(胃に穴が開くこと)があげられます。まれに外科手術が必要となる場合もありますが、多くの場合いずれも内科的治療で治ります。

図3
図3

3)大腸がんの内視鏡切除(図4,5)

 大腸癌は癌の中でも比較的早期発見、早期治療が可能な癌です。それは大腸癌の多くはポリープからできると考えられているためで、早期にポリープを切除すれば大腸癌になる心配はかなり少なくなります。また、すでに大腸癌ができていたとしても、内視鏡で切除可能(治癒が可能)な癌も多く存在します。大腸の壁は5層の壁からなっていますが、一般に癌が一番浅い層(粘膜)にとどまっている間は、リンパ節への転移はほとんどありません(図4)。つまり癌は粘膜の中にしか存在しないわけで内視鏡で切除すれば治るということになります。また、ポリープに関しては癌が含まれる可能性がある、あるいは、癌化する可能性のあると考えられる6mm以上のポリープを切除の対象と考えています。内視鏡的にポリープを切除することを内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)と言いますが、一般に粘膜に留まる癌を含め、図5に示すような内視鏡的粘膜切除術を行っています。合併症として稀に出血や穿孔(腸に穴があく)があげられますが、多くの場合内科的治療で治ります。当センターでは原則として2泊3日の入院で安全に治療しています。
 また、通常の内視鏡治療が困難な大腸がんや大腸ポリープに対しては、その大きさ・形・できている部位などに応じて胃がん・食道がんで行われているESDを大腸でも行っており、年々その件数は増加しています(図6)。なお、大腸がんに対するESDはこれまで先進医療として行われていましたが、2012年4月から保険診療として認可されました。大腸の壁はとても薄いため、大腸ESDでは穿孔などの合併症の危険性が高くなります。そのため大腸ESDは、経験の多い施設で受けられることをお勧めします。

図4
図4

図5
図5

大腸ESD件数の年度別推移
図6(大腸ESD)

外来診療

診療実績

消化管内視鏡検査数の年度別推移

消化管内視鏡検査数の年度別推移

  2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
上部内視鏡 4919 5022 5252 5566 5797
下部内視鏡 2576 2562 2456 2617 2685

 消化管内視鏡検査数の年度別推移:年間の上部消化管内視鏡検査数は5000件、下部消化管内視鏡検査数は2500件を越える件数で推移しています。正確な診断と苦痛の少ない安全な検査を提供できるように心掛けています。

 
食道、胃内視鏡治療件数の年度別推移

食道、胃内視鏡治療件数の年度別推移

  2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
食道治療内視鏡 56 50 57 55 52
食道ESD 24 31 42 44 43
胃治療内視鏡 89 103 86 76 75
胃ESD 89 100 85 75 74

 胃腫瘍内視鏡切除(EMR・ESD):胃がんに対する内視鏡治療は、ほとんどが内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)で行っています。未分化型腺癌の組織型を示す早期胃癌についても、胃癌治療ガイドラインに従って内視鏡手術を行っています。

 食道腫瘍内視鏡切除(EMR・ESD):ESDはEMRに比べて広範囲な病変を一括で切除できる優れた方法です。しかし、食道の壁は胃よりも薄く、穿孔(孔があくこと)による合併症の危険性が高くなるためESDには高度な技術が求められます。当センターでは広範囲な早期食道がんもESDで切除しています。

大腸内視鏡治療件数の年度別推移

大腸内視鏡治療件数の年度別推移

  2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
大腸ポリペクトミー 289 302 268 282 294

 図は大腸ポリープおよび大腸がんに対する大腸内視鏡治療(ポリペクトミーおよび内視鏡的粘膜切除(EMR))の治療件数を示したものです。治療件数は年間300件近くに及びます。大腸内視鏡治療は、安全性を考え全例入院での治療を行っています。

大腸ESD件数の年度別推移

大腸ESD件数の年度別推移

  2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
大腸ESD 38 49 56 56 52

 特に通常の内視鏡治療(ポリペクトミーやEMR)が困難な大腸がんや大腸ポリープに対しては、その大きさ・形・できている部位などに応じて、胃がん・食道がんで行われているESDを大腸でも行っています。大腸ESDにより、通常の内視鏡治療が困難なためこれまで外科手術としていた大きな病変を、より低侵襲な内視鏡で治療することが可能になりました。

研究・学会活動

 若手がん研究者の育成をめざしてレジデント、数多くの国内・国外からの研究者の研修、見学を受け入れています。研究成果は日本国内にとどまらず、諸外国においても学会発表、論文投稿、講演などを通じ積極的に公表しています。これらの実績はホームページの医療関係者の方へ、愛知県がんセンター年報、研究内容の紹介および研究成果等をご参照ください。

治験・臨床試験

 国内および海外のがん専門病院と協力して抗がん剤の臨床試験を積極的に推進し、一般診療では使用できない新規抗がん剤の開発に参加しております。現在進行中の治験・臨床試験も数多くあります。治験・臨床試験については担当医に直接お問い合わせください。

平成29年8月改訂

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