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脳神経外科部

脳神経外科部紹介

 脳神経外科部は平成28年3月に常勤科として設立されました歴史のまだ浅い部門です。当科は、がん治療中の患者さんに並存する神経疾患を診療します。その中には転移性脳腫瘍や脊椎腫瘍(がんの脳や脊椎への転移)など原発がん(もとのがん)と関係ある病態や、原発がんとは関係なく発生した脳卒中や脳腫瘍などの病態が含まれます。 がんの患者さんが神経疾患を併発された場合は、がんも神経疾患もどちらの治療にも制約が生じることが多いのですが、患者さんのADL(日常生活動作)を維持し身体的および精神的苦痛を和らげることを第一に、積極的な治療を展開してゆきます。この一環として、従来、骨転移の一部と考えられ放射線治療や緩和治療の適応とされていた脊椎への転移(転移性脊椎腫瘍)にも積極的な手術適応(腫瘍摘出術、脊椎安定術など)を展開しています。

スタッフ紹介

服部 和良
服部 和良
(はっとり かずよし)
部長

患者さんへのことば

 平成28年3月開設と同時に脳神経外科部長として着任しました。それ以前は、地域の中核病院で脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍など幅広く脳神経外科診療を担ってきました。患者さんに接するにあたって常に念頭に置いてきたことは、当たり前のことですが、決して独断的・独善的であってはならない、ということです。医師は専門家として患者さんごとに最適と考える医療を提示します。しかしながら、もし患者さんが望む医療が医師にとっては最適と思われないとしても、それは患者さん自ら考え抜いて出された方向性でありましょうから、敬意をもって尊重し、その患者さんにおいての最良の医療を提供してゆくべきと考えています。

主な職歴

岐阜県立多治見病院脳神経外科医長
岐阜社会保険病院脳神経外科部長
中部ろうさい病院脳神経外科部長

専門領域

脳神経外科一般、下垂体外科

外来診療日

水・金

灰本
灰本 章一
(はいもと しょういち)
医長

患者さんへのことば

 脊椎脊髄領域を専門にしています。脊椎脊髄の病気は、背骨の痛みや手足のしびれ、麻痺の原因となり、適切に治療がなされないと後遺症が残ってしまいます。特に、がんの脊椎転移は進行がたいへん早く、早期に診断し治療を開始することが重要です。症状を自覚されたら、すぐに専門の医療機関を受診されることをお薦めします。近年の脊椎脊髄手術や放射線治療の技術の発展は目覚ましく、以前は治療が困難であった病状でも対処が可能となっています。脊椎脊髄の病気でお困りの方は、当科への受診をご検討いただければ幸いです。

専門領域

脊椎・脊髄腫瘍(原発性、転移性)
脊椎変性疾患

外来診療日

月・木

資格

名古屋大学 平成19年卒
医学博士(名古屋大学)
日本脳神経外科学会専門医
日本脊髄外科学会認定医

所属学会

日本脳神経外科学会
日本脳神経外科コングレス
日本脊髄外科学会
日本脊髄障害医学会

夏目 敦至
夏目 敦至
(なつめ あつし)
非常勤医師

患者さんへのことば

 名古屋大学医学部附属病院から出張で診療をさせていただいています。
 脳腫瘍を専門にしています。愛知県がんセンター中央病院での診療は外来のみですが、肺癌や乳癌などからの脳転移の院内の紹介が多いです。脳への転移が見つかったとしても、決して悲観することではありません。最近ではガンマナイフ、ノバリスなどの放射線治療が発達してきていますので、原発病変の担当医と相談をしながら、早期発見と適切な治療をすれば十分に対処可能です。手術の必要な場合は、名古屋大学医学部附属病院へお連れすることが多いです。また、脳梗塞や脳出血などを過去に患った方が、愛知県がんセンター中央病院で手術をされるときにアドバイスをさせていただいています。わかりやすく丁寧に診察をすることを心がけています。

専門領域

脳腫瘍(悪性脳腫瘍・良性脳腫瘍)

外来診療日

資格・所属学会

日本脳神経外科学会・専門医
日本癌学会・会員
日本脳腫瘍学会・会員
日本遺伝子治療学会・評議員
日本脳腫瘍病理学会・会員
米国癌学会・会員
米国神経科学学会・会員

診療内容

脳腫瘍

診断と治療

 脳腫瘍には原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍の2つがあります。原発性脳腫瘍は頭蓋内の組織から発生したもので、転移性脳腫瘍は他の臓器から転移浸潤したものです。脳は人間の人格や、機能、情操、運動コントロールなどあらゆる重要機能を司る組織で、脳腫瘍により機能が障害されれば様々な症状が発現します。脳腫瘍の診断・治療に関する情報に関しては脳神経外科疾患情報ページ(http://square.umin.ac.jp/neuroinf/)や愛知県がんセンター中央病院のホームページのがんの知識の中の「いろいろながん」を参照して下さい。入院患者のコンサルテーションでは肺がんや乳がんの脳転移の症例が多いのが特徴です。脳神経外科の治療は全体的に低侵襲・縮小手術・機能重視の方向にあります。

症状

1.早朝、起床時の頭痛、吐き気、嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状
2.脳の障害される特定の部位に準じて特定の神経症状(視野障害、運動障害、歩行障害、けいれん、見当識障害、記憶力低下、言語障害、視野障害など)
3.下垂体関連ホルモンや副腎皮質ホルモンや性腺刺激ホルモンの分泌異常による症状などです。  

検査

採血検査、CT、MRIなどが主です。

成人に多く見られる原発性脳腫瘍の種類

神経膠腫(グリオーマ:退形成性星細胞腫と膠芽腫も含む)、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、血管芽腫、その他です。

診断と治療

男性では肺がん、消化器がん 、女性では乳がんが多いのが特徴です。


転移性脊椎腫瘍

病態と治療方針

 転移性脊椎腫瘍は、がんが脊椎に転移することで脊椎が破壊されていく病気で、ほとんどは背骨の痛みで発症します。病状が進行しますと、骨折や脊髄神経の圧迫をきたし、痛みで動けなくなり、神経障害(手足の麻痺、しびれ、膀胱直腸障害など)を生じてきます。転移性脊椎腫瘍の治療は、放射線治療単独、または、手術と放射線治療を組み合わせて行います。整形外科や放射線治療科、リハビリテーション科と連携して、個々の患者さんにとって最良の治療計画を立てていきます。
 骨折や脊髄圧迫による神経障害を生じている場合は、治療が遅れるにつれ症状が治らなくなるため、緊急手術の適応となります。過去の研究結果から、手術前に麻痺で歩行不能の患者さんが手術後に歩行可能になる確率は、おおよそ5割程度と言われています。神経障害が生じる前の適切な時期に診断し、治療介入することが重要です。
 当院では、専門医の診察にて、骨折や脊髄圧迫による神経障害を生じる危険性が高いと判断された場合には、できる限り早期に治療を開始するようにしています。また、一度放射線治療を行った後に腫瘍が再発した場合でも、積極的な治療介入を行っています。

転移性脊椎腫瘍に対する低侵襲手術

 以前は、転移性脊椎腫瘍の手術は大変侵襲が大きく身体へ負担がかかるものでしたが、手術技術や機器の進歩により低侵襲な手術が可能となりました。個々の患者さんの症状や画像所見(MRI、CTなど)を十分に検討し、以下の手術のいずれかを選択します。

1)脊椎腫瘍摘出術
 腫瘍により脊髄が圧迫されている場合に、手術用顕微鏡を用いて腫瘍を摘出し、脊髄の圧迫を解除します。腫瘍摘出の際に出血量が多くなると予想されれば、手術前日にカテーテルによる血管塞栓術(腫瘍を栄養する血管を詰める方法)を行います。これにより手術中の出血量が減り、輸血が必要になることは稀です。

2)最小侵襲脊椎安定術
 骨折などにより脊椎が不安定になっている場合に、破壊されている脊椎の上下にスクリューを刺入し脊椎を安定化させます。以前は、皮膚を切開した後、脊椎後面に張り付いている筋肉を剥がし、手術部位を大きく開いて手術を行っていましたが、現在は、皮膚の切開を最小限にとどめ、脊椎後面の筋肉を剥がさずに筋肉の間からスクリューを刺入しています。この方法により、術後の痛みや手術中の出血量が減少し、手術後1-2日で離床が可能となります。

3)Balloon kyphoplasty(BKP)
 骨折した脊椎へ骨セメントを注入し、骨折部を固める大変侵襲の少ない手術法です。骨折により生じている強い痛みを緩和する効果がありますが、適応が限られます。


原発性脊椎・脊髄腫瘍

 比較的稀な疾患であり良性の病気が多いですが、中には悪性のものや経過の途中で悪性に変化するものがあり、治療に難渋する場合があります。手術による治療が基本となりますが、病理診断の結果で追加治療(薬物や放射線治療)を要する場合もあり、専門施設での治療が薦められます。


その他の脊椎脊髄疾患

 変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄などの変性疾患にも幅広く対応しています。

 

外来診療


診療実績

2017年診療実績
脳神経外科的手術の総数 23
脳腫瘍:摘出術 3
脳腫瘍:生検術 (開頭術) 2
脳腫瘍:生検術 (定位手術) 0
脳腫瘍:経蝶形骨洞手術 0
脳腫瘍:広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術 4
脳腫瘍:その他 0
脳血管障害:破裂動脈瘤 0
脳血管障害:未破裂動脈瘤 0
脳血管障害:脳動静脈奇形 0
脳血管障害:頸動脈内膜剥離術 0
脳血管障害:バイパス手術 0
脳血管障害:高血圧性脳内出血 (開頭血腫除去術) 0
脳血管障害:高血圧性脳内出血 (定位手術) 0
脳血管障害:その他 0
外傷:急性硬膜外血腫 0
外傷:急性硬膜下血腫 0
外傷:減圧開頭術 0
外傷:慢性硬膜下血腫 0
外傷:その他 0
奇形:頭蓋・脳 0
奇形:脊髄・脊椎 0
奇形:その他 0
水頭症:脳室シャント術 2
水頭症:内視鏡手術 0
水頭症:その他 1
脊椎・脊髄:腫瘍 10
脊椎・脊髄:動静脈奇形 0
脊椎・脊髄:変性疾患 (変形性脊椎症) 0
脊椎・脊髄:変性疾患 (椎間板ヘルニア) 0
脊椎・脊髄:変性疾患 (後縦靭帯骨化症) 0
脊椎・脊髄:脊髄空洞症 0
脊椎・脊髄:その他 0
機能的手術:てんかん 0
機能的手術:不随意運動・頑痛症 (刺激術) 0
機能的手術:不随意運動・頑痛症 (破壊術) 0
機能的手術:脳神経減圧術 0
機能的手術:その他 0
血管内手術:動脈瘤塞栓術 (破裂動脈瘤) 0
血管内手術:動脈瘤塞栓術 (未破裂動脈瘤) 0
血管内手術:動静脈奇形 (脳) 0
血管内手術:動静脈奇形 (脊髄) 0
血管内手術:閉塞性脳血管障害の総数 0
血管内手術: (上記のうちステント使用例) 0
血管内手術:その他 0
脳定位的放射線治療 0
脳定位的放射線治療:腫瘍 0
脳定位的放射線治療:脳動静脈奇形 0
脳定位的放射線治療:機能的疾患 0
脳定位的放射線治療:その他 0
その他:上記の分類すべてに当てはまらない 1

研究・学会活動

1.肉腫脳転移の摘出術に対する治療成績についての多施設共同研究

平成30年6月改訂

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