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県議会知事提案説明

平成23年11月定例県議会 知事提案説明要旨

このたびの定例県議会に提案をいたしました諸議案の説明を申し上げるに先立ちまして、県政を取り巻く最近の状況などについて申し述べ、議員の皆様方のご理解とご協力をお願いを申し上げたいと存じます。

 まず、先日行われた大阪府知事選挙・大阪市長選挙、いわゆる大阪秋の陣について、私の感想を申し上げたいと存じます。
 かねてから連携をしてきた大阪維新の会、橋下さん、松井さん両氏が圧倒的な支持を得て当選されたことは、全力で応援した私にとっても大変嬉しい結果となりました。
 これは、今回、橋下さんが大阪の成長戦略と掲げる大阪都構想が、市民・府民の皆さんに支持された結果であり、私が掲げる中京都構想にとっても大きな弾みとなると考えます。
 これからも、愛知と大阪が連携して、法制度の整備も含めて、その実現を国政にも強く働きかけていきたいと考えております。
 愛知と大阪が組んで、東京を巻き込んで、世界と闘える大都市・日本の成長エンジンとなって、これからも日本を支え、リードしていきたいと考えております。

 さて、県政を取り巻く状況につきまして、まず初めに、最近の経済情勢についてであります。
 我が国の景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にある中で、緩やかに持ち直しております。
 本県の経済情勢につきましては、リーマンショックから立ち直り、回復の兆しが見えた矢先の東日本大震災の発生やこれに付随するエネルギー問題、米国経済の減速や欧州の債務問題などを背景とする歴史的な円高・デフレ、さらには、タイの洪水による部品供給不足に伴う生産調整の追い討ちなどにより、極めて厳しい状況が続いており、景気の先行きや税収の見通しは一段と不透明となっております。
 特に、自動車産業は、超円高に伴い、価格面での国際競争力が低下するとともに、国内市場も、販売台数が落ち込むなど、極めて厳しい環境にあります。
 最近の歴史的な円高は、景気の先行きを下振れさせるリスクとなるばかりか、産業の空洞化を通じて、地域の経済活力や雇用を喪失させるとともに、法人事業税や住民税が先細りすることなどにより、地方財政を一層深刻化させることが懸念されます。
 政府は、先月、「円高への総合的対応策〜リスクに強靭な経済の構築を目指して〜」を閣議決定するとともに、去る21日には、平成23年度第3次補正予算が国会で成立いたしました。これらには、立地補助金の拡充等による競争力の強化、中小企業のものづくり技術力の高度化や海外市場販路開拓の支援、雇用創出基金の増額・延長による雇用確保等が盛り込まれました。
 しかしながら、いずれの対策も、円高の「痛み」を緩和するとともに、そのメリットを活用することに主眼が置かれており、円高自体を是正する道筋は、必ずしも明らかにされていない状況にあります。

 こうした中、私が座長を務めます全国知事会の「円高是正・デフレ対策プロジェクトチーム」では、8月の緊急アピールに続き、先月28日に「円高の是正に向けた緊急声明」を取りまとめ、前例にとらわれない思い切ったマクロ経済政策運営の検討を含め、さらに実効ある円高是正策を検討・実施するよう要請してまいりました。
 そこで、本県といたしましても、本県経済の活性化・雇用の確保に取り組むことが最優先課題と考え、当面の緊急対策として、次のような産業空洞化対策に全力を傾注してまいりたいと考えております。
 一つ目は、本県の基幹産業であり裾野の広い自動車に係る税制の抜本的な見直しであります。私から働きかけをさせていただいて、今月2日には、本県を始めとする自動車産業が集積する7県が合同で、自動車取得税と自動車重量税の廃止を求める緊急声明を発表いたしました。その後、さらに3県の知事から趣旨に賛同する旨のメッセージをいただいております。これは、車体課税の恒久的な負担の軽減・簡素化を実現することにより、国内における自動車の需要創出、生産増、及び雇用の創出を図ろうとするものであります。
 また、車体課税の見直しによる減税規模は、愛知県全体で440億円を上回りますが、これらの大宗が個人に対する減税であり、そのまま家計の負担減につながり、さらに雇用など個人への波及効果も見込まれます。
 こうした状況を踏まえ、個人県民税減税につきましては、これまで、庁内に設置したプロジェクトチームで、様々な側面から検討を行ってまいりましたが、最近の本県を巡る経済状況等を総合的に勘案し、当面は、本県経済の活性化・雇用の確保に最優先で取り組み、自動車税制の抜本的な見直しを始めとする産業空洞化対策に全力を傾注することとし、平成24年度においては、その実施を見送ることとしました。今後の県経済や県税収入の動向を踏まえつつ、4年間の任期の中で実施に努めたいと考えております。
 もう一つは、仮称でございますが、「産業空洞化対策減税対応基金」を設け、これを原資とする補助制度を創設してまいります。
 法人税につきましては、本来、課税自主権を確立し、県独自でアジア諸国並みに大幅に引き下げたり、思い切った投資促進減税を行えるようにすべきであると考えておりますが、現段階で直ちにこれを実現していくことは困難であります。従いまして、国際戦略総合特区をはじめ法人税制で何らかの実効的な減税措置がなされるまでの代替措置を講じることとし、県が単独で法人県民税の10%相当額、50億円程度を毎年基金に積み立て、これを原資とする企業立地・研究開発投資・実証実験等に対する補助制度を創設することといたします。
 今後、来年度の当初予算編成に向けまして、具体の制度設計を早急に詰めてまいります。
 加えて、次世代ものづくり技術の創造・発信の拠点となり、研究開発面で企業を支援する「知の拠点」につきましても、来年2月に先導的中核施設を「あいち産業科学技術総合センター」としてオープンさせることとし、産学官の共同研究開発から、企業の研究開発・計測分析支援、中小企業の課題解決まで、幅広い取組によって、本県の付加価値の高いモノづくりを後押ししてまいります。

 次に、来年度の予算編成についてであります。
 本県では、現行の「愛知県第五次行革大綱」を始め、これまで累次にわたる行革大綱に基づき、事務事業の見直しや経費の縮減、職員定数の削減などに、積極的に取り組んでまいりました。
 こうした努力にもかかわらず、東日本大震災、歴史的な円高など、我が国の社会経済、本県の行財政を取り巻く環境に大きな影響を及ぼす未曾有の出来事が続いて発生し、本県の財政状況は、これまで以上に厳しい状況におかれております。
 こうした中で、来年度の予算編成は、もとより厳しいものとならざるを得ませんが、重苦しい閉塞感に覆われる今こそ、円高・産業空洞化対策、雇用対策などに全力を上げ、愛知の活力を一層喚起していくことが必要であります。このため、引き続き行革に努めながら、日本を代表する産業県であり、モノづくりの中心地である愛知の経済の活性化につなげていくことをしっかり念頭に置いて予算編成をしてまいりたいと考えております。

 次に、東三河県庁についてであります。
 東三河地域の振興を今後の愛知県全体のさらなる飛躍に向けた大きな柱と位置付け、本年4月に、東三河常駐の担当副知事を配置し、東三河県庁のあり方について、地元関係者の皆様から、幅広くご意見を伺いながら、検討を進めてまいりました。
 今議会には、東三河県民事務所と新城設楽山村振興事務所を一元化し、新たに東三河総局を設置するための条例改正案を提案したところであり、総局を核として、地方機関をネットワークで結んだ推進組織を東三河県庁と位置付けてまいります。
 この総局には、東三河振興の司令塔として、新たに企画調整部門を設置し、東三河の将来像を描く振興ビジョンの策定・推進など地域の一体的な振興を図ってまいります。
 また、来年4月の東三河県庁スタートに向け、本庁機能の一部移管や許認可権限の移譲を進め、地域特性を活かした地域づくりの推進と県民サービスの向上に取り組んでまいります。

 次に、2014年に「愛知・名古屋」での開催が決定しました国連ESD「持続可能な開発のための教育」の10年最終年会合についてであります。
 国連ESDの10年最終年会合は、2005年に開催した愛知万博、昨年開催された生物多様性条約第10回締約国会議に続く、大変重要な国際会議であり、関係機関と連携して万全の準備を進めていくとともに、環境先進県づくりの取組を一層推進してまいります。
 このため、去る22日に庁内の支援組織として「愛知県国連ESDの10年最終年会合支援本部」を立ち上げ、また、本県と名古屋市、愛知学長懇話会、名古屋商工会議所、中部経済連合会及び中部ESD拠点の6者で「国連ESDの10年最終年会合支援準備委員会」を、明日設立いたします。

 また、名古屋港水族館へ千葉県の鴨川シーワールドからこの冬、3頭のシャチがやってくることになりました。
 鴨川シーワールドで飼育中のメスのうちの2頭の妊娠が確認され、水槽数の関係で過密状態になることから、無事出産できるよう、妊娠しているメスとペアのオス、その子どもの3頭の受け入れについての協力要請がありましたので、名古屋港水族館へ受け入れるものであります。
 3頭のシャチをできる限り早く受け入れて、この地域の子どもさん達始め県民・市民の皆様にご披露するとともに、名古屋港から「愛知・名古屋」を積極的にPRしてまいりたいと考えております。

 次に、交通安全対策についてであります。
 交通安全対策につきましては、年初から警察や市町村、関係諸団体と連携し、さまざまな交通事故防止の取組を強力に推し進めてまいりましたが、県内の交通事故死者数は、残念ながら昨年より増加しており、現時点で、全国ワースト1位を争っている状況にありますことは、誠に残念であり、こうした事態を重く受け止めております。
 本年も残すところ一ヶ月余りとなり、例年、この時期は、年の瀬の慌ただしさもあり交通事故が多発しておりますので、年末の交通安全県民運動などを通じて、交通安全意識の更なる高揚を図り、県民総ぐるみで、交通事故防止に全力で取り組んでまいります。

 それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し上げたいと思います。
 まず、補正予算案についてであります。
 補正予算の総額でございますが、127億9,959万余円でございまして、会計別では、一般会計で124億8,400万余円、特別会計で3億1,059万余円、企業会計で5百万円であります。
 一般会計補正予算案の主な内容でございますが、地域医療再生基金について、積み増しを行うとともに、基金を活用して、小児・周産期、救急、精神医療の3つの柱からなる、地域医療再生計画を推進してまいります。
 また、今年5月から9月にかけての豪雨及び台風により被害が発生しました河川、道路などの土木施設や林道などの復旧に早急に対応するとともに、公共事業につきましても、防災・減災対策に重点を置いて追加計上を行います。
 企業会計につきましては、事業進捗に応じ、豊田・岡崎地区研究開発施設用地の造成に向けた所要経費を増額いたしました。
 なお、東日本大震災関係経費を中心とする国の平成23年度補正予算が去る21日に成立いたしました。
 本県といたしましても、国の施策に呼応するため、本県に関係する事業について、現在情報収集に努めているところでございますが、今後、内容が把握できましたものから速やかに検討を行い、的確に対応してまいりたいと考えております。

 次に、補正予算以外の議案についてでございますが、今回提案をいたしております案件は、条例関係議案が13件、その他の議案が17件でございます。主な案件についてご説明を申し上げます。
 まず、条例関係議案のうち、愛知県行政機関設置条例の一部改正についてであります。
 これは、先ほどご説明いたしましたが、東三河県庁の核となる行政機関として、現行の愛知県東三河県民事務所と愛知県新城設楽山村振興事務所を一元化し、愛知県東三河総局を設置するものであります。
 次に、愛知県事務処理特例条例の一部改正についてでございます。
 これは、市町村が処理することとする知事の権限に属する事務の追加等を行うもので、旅券法に基づく旅券の発給申請の受理等の事務などを追加してまいります。
 また、その他の議案のうち、人事案件でございますが、収用委員会の委員、予備委員の任期満了及び予備委員の辞任に伴い、その後任者を選任するものでございます。

 以上、提案をいたしております案件の主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げましたが、詳細につきましては、議事の進行に伴いましてご説明を申し上げたいと存じます。
 どうかよろしくご審議の上、適切なご議決をたまわりますようお願いを申し上げます。