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県議会知事提案説明

平成24年6月定例県議会 知事提案説明要旨

このたびの定例県議会に提案をいたしました諸議案につきまして、そのご説明を申し上げる前に、三笠宮家O仁親王殿下の薨去につきまして、謹んで哀悼の意を表しますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

  それでは、県政を取り巻く最近の状況について申し述べ、議員の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

 はじめに、東日本大震災で発生した災害廃棄物への対応についてであります。
 東日本大震災により生じた災害廃棄物の本県への受入れに向けましては、現在、様々な検討調査を進めているところでありますが、そのうち、受入れの大前提となります県独自の災害廃棄物の受入れ、埋立基準につきましては、国より厳しい、より安全な、安心できる基準を設定し、この15日に公表いたしたところであります。
 また、その他の搬入手法等の検討調査、施設整備のための受入検討調査、施設候補地周辺の生活環境影響調査につきましても、取りまとめに努めているところであります。
 そして、これらの調査を実施していく中、先の臨時県議会におきまして、専決処分の承認とともに、災害廃棄物の受入れに際しては、県民の安心・安全の確保と理解が大前提であることを基本とした決議をいただきました。
 被災地の復旧・復興は国民全ての願いであり、その最大の懸案の一つが災害廃棄物の処理であります。その迅速な処理に愛知県も県をあげて協力していかなければならないと認識しておりますが、その際、何よりもまず、県民の皆様のご理解と安心・安全の確保を図ることが大前提であります。
 従いまして、今議会に提案をさせていただいております補正予算案におきましても、県民の皆様の安心・安全の確保と理解のために必要な経費を計上することといたしました。
 今後、早急に受入れの全体像を明らかにしてまいりますが、補正予算案では、その全体像を候補地の地元の皆様にご説明するために開催する住民説明会や被災地の見学会の実施に要する経費、また、県民の皆様に広く情報を提供し、ご理解を得るための専用のホームページの開設やパンフレットの作成など広報の経費、そして、実際に受け入れる災害廃棄物が県で定めた独自基準以下であり、安全であることを県民の皆様に具体的な数値でお示しさせていただくため、市町村の協力を得て、実際に災害廃棄物の焼却を試験的に行う経費を計上しております。
 本県といたしましては、こうした取組を進めることにより、県民の皆様の安心・安全を確保いたしますとともに、被災地の復旧・復興、日本の再生をしっかりと支えてまいる所存でありますので、県民の皆様方並びに議員の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 続いて、産業振興についてであります。
 昨年の東日本大震災からの復興を成し遂げていくためには、日本一の産業県である本県がフル回転し、東北及び日本を支えていかなければならないと存じます。
 そこで、昨年来、本県の産業振興に全力で取り組んでおり、その成果も着実にあがっているところでありますが、さらに、今年度、「産業空洞化対策減税基金」に基づく補助制度を創設するとともに、優れた立地環境をPRするなど、国内外からの企業誘致・産業振興に積極的に取り組んでおります。
 こうした取組を進める中、株式会社ポッカコーポレーションは、設備の老朽化と生産能力の増強が課題となっており、他地域の拠点との統合などを検討しておりましたが、今回の補助制度を受けて、現在の北名古屋市の工場での再投資を行うこととなりました。
 また、この14日には、自動車触媒などに使われる機能材料大手のベルギーのユミコア社と本県との間で、ベルギー王国のフィリップ皇太子ご臨席の下で、常滑市の中部臨空都市への研究開発センターの建設について覚書を締結しました。全世界に100拠点を有する世界的な企業であり、関西地域との競合を経て誘致を実現したことは、着実な成果であると考えております。
 今後も、この減税基金に基づく補助制度を活用し、国内外からヒト・モノ・企業を呼び込み、世界と闘える愛知・名古屋の実現につなげてまいります。

 次に、「国連ESD(持続可能な開発のための教育)の10年」最終年会合についてであります。
 平成26年秋に本県で開催される「国連ESDの10年」最終年会合の成功に向け、開催地による実行組織として、「国連持続可能な開発のための教育の10年」最終年会合あいち・なごや支援実行委員会を先月25日に設立いたしました。
 本会合は、2005年の愛知万博、一昨年の生物多様性条約第10回締約国会議に続く、大変重要な国際会議であり、関係機関と連携して万全の準備を進めていくとともに、この会議を契機として環境先進県づくりの取組をより一層推進してまいりますので、議員の皆様方におかれましても、一層のご支援とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

 次は、本県の国際戦略についてであります。
 急速に変化する国際情勢に対応し、世界と闘える愛知・名古屋の実現を目指すためには、とりわけアジアの活力を取り込む新しい国際戦略を打ち立てていく必要があると考えております。
 そこで、愛知の特色をいかした基本戦略や先導的に進める事業などについて、ご提案いただくために、国際関連の各部門の有識者にお集まりいただき、先月23日に「あいち国際戦略会議」を開催いたしました。
 今後は、「国際人材」、「産業グローバル」、「魅力AICHI」の3つの部会を設け、議論を重ねていただきながら、今年度中に本県の国際戦略プランを策定してまいります。

 続いて、教育懇談会についてであります。
 私は、かねてから、選挙で選ばれた首長が、子どもの未来、教育に関して責任を持ち、教育委員会とも協議しながら、これからの教育の進むべき方向を決めていくべきだと申し上げてまいりました。
 そして、時代が大きく変化する中で、これからの時代に求められる人材をどう育成していくのか、そのための仕組が今のままで良いのか、改めて議論していくことが必要ではないかと考え、このたび、教育懇談会を設置いたしました。
 先月29日に開催した1回目の懇談会では、愛知の教育を巡る現状と課題について、自由に意見交換を行い、出席した有識者の方々には、熱い思いがこもった意見や提案をいただいたところであります。
 愛知の子どもたちが、夢と希望を持って成長していけるよう、今後しっかりと議論を行ってまいりたいと考えております。

 次は、本県のこの夏の節電対策についてであります。
 昨年の自動車産業を中心に行われた休日シフトが地域に及ぼした影響は非常に大きなものがあり、昨年秋から、中部電力に対しまして、電力の安定供給の確保を強く要請し、その結果、供給力の上積みのご努力をいただきました。
 こうした経緯を踏まえ、今年は、電力を賢く使うスマート・ユースにより、普段の省エネ・節電の取組を強化してまいります。
 具体的には、まず、県庁の省エネ・節電を強化するとともに、県民の皆様に向けて、スマート・ユースを呼び掛けてまいります。さらに、需給ひっ迫という緊急時の備えにも万全を期してまいる所存であり、県民の皆様方、議員の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げます。  

 次に、経済情勢についてであります。
 内閣府が発表いたしました本年1月から3月期の実質国内総生産改定値は、前期比1.2%増、年率換算で4.7%増と3四半期連続のプラス成長となりました。月例経済報告でも、我が国の景気は、依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として、緩やかに回復しつつあるとされています。
 今後、東日本大震災やタイの洪水による供給網の寸断に加え歴史的な円高により、製造業を中心に大きく業績が落ち込んだこの地域においても、景気回復の動きが確かなものとなることを期待するところでありますが、一方、欧州の政府債務危機を背景とした海外景気の下振れ、為替の動向等による本県経済へ与える影響も懸念されるところでございます。
 こうした経済情勢の下における本県の財政運営についてでありますが、平成23年度の一般会計の決算は、財政調整基金を取り崩すことにより、実質収支を確保できる見込みとなりました。しかしながら、本年度当初予算では、多額の収支不足を埋めるため、基金の取崩し等による財源確保を行い、なお残る収支不足については、臨時的、緊急避難的な措置として、基金からの繰入運用を行うとともに、職員の給与抑制も引き続き行わざるを得ませんでした。今後も扶助費や公債費などの増加が見込まれ、依然として、大変厳しい財政状況となっております。
 従いまして、今後の財政運営に当たりましては、愛知県第五次行革大綱や重点改革プログラムに沿って、事務事業の見直しを徹底し、財政の健全化に取り組んでまいる所存であります。

 それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し上げたいと思います。
 まず、補正予算案についてでございますが、
 総額8,573万余円
 を一般会計で減額補正するものであります。
 その主な内容でございますが、先にご説明申し上げましたが、災害廃棄物への対応として、地元の皆様に受入れの全体像を説明するための説明会等の開催経費、広く情報を提供する広報経費、災害廃棄物の安全性をお示しするための試験焼却の経費を計上いたします。
 なお、この経費の財源は、全額、国から措置されるべきものと考えておりますが、確定しておりませんので、引き続き、県費により予算計上することといたします。
 具体的には、年度初めであることを踏まえまして、4月に専決処分いたしました災害廃棄物受入検討調査費6億円の執行により見込まれます残額の一部を減額補正して活用することといたしました。
 また、東日本大震災被災者への住宅確保策としての民間賃貸住宅の借上げに要する経費を追加計上いたしております。
 さらに、厳しい財政状況を踏まえ、去る2月定例県議会において抑制いただきました、県議会議員の皆様方の報酬につきまして、相当額を減額補正することといたしました。

 次に、補正予算案以外の議案についてであります。
 今回提案をいたしております案件は、条例関係議案が6件、その他の議案が4件であります。
 条例関係議案のうち、主なものといたしまして、まず、県道に設ける案内標識等の寸法を定める条例の制定についてであります。
 これは、道路法の一部改正に伴い、県が管理する県道に設ける案内標識及び警戒標識並びにこれらに附置される補助標識の寸法を条例で定めるものでございます。
 次に、愛知県環境影響評価条例の一部改正についてであります。
 これは、事業に係る計画の立案段階において、環境の保全のために配慮すべき事項について検討を行い、環境配慮書の作成、公表等を行う手続の創設等を行うものであります。
 また、その他の議案のうち、絵画の購入についてであります。
 これは、愛知県美術館の美術品として、フランスの画家ポール・ゴーギャン作の絵画を購入するもので、「海岸の岩」と「木靴職人」の2つの作品が1枚のキャンバスの両面に描かれたものであります。
 最後に、人事案件でございますが、公安委員会の委員の任期満了に伴いまして、その後任者を選任するものでございます。

 以上、提案いたしております案件の主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げましたが、詳細につきましては議事の進行に伴いまして、ご説明を申し上げたいと存じます。
 どうかよろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますよう、お願いを申し上げます。