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県議会知事提案説明

平成25年2月定例県議会 知事提案説明要旨

 今議会に提案をいたしました諸議案のご説明を申し上げるに先立ち、所信の一端を申し述べ、県議会並びに県民の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

 今年は、知事就任3年目となり、任期4年の折り返しの年であります。
 これまでの2年間、ひたすら「日本一元気な愛知」の実現を目指して、マニフェストに掲げた施策はもとより、東日本大震災の発生や歴史的な円高など、県民生活や本県経済に大きな影響を及ぼす喫緊の課題にスピード感をもって対応してまいりました。それとともに、将来の発展を見据え、日本一の産業県である愛知の強みを活かした取組も進めてまいりました。
 愛知の総合力を高めるためには、まずは、産業の集積とそこから生み出される雇用の増加により地域の経済力を底上げし、それによって、教育、福祉、社会基盤などを充実し、地域の魅力や活力を一層高めていくことが重要であります。
 このため、今後とも、企業立地・研究開発に対する支援などの産業経済対策を強力に推し進めるとともに、地域の発展の礎となる人づくり、県民のくらしの安心・安全の支えとなる医療・福祉や防災対策の充実などに全力で取り組んでいくことを県民の皆様にお誓い申し上げます。

 それでは、まず、県政を取り巻く最近の状況について、申し述べます。

 国政の動きにつきましては、昨年12月の政権交代により、安倍新内閣が発足し、新政権は、直ちに「日本経済再生に向けた緊急経済対策」を取りまとめるとともに、新たな成長戦略の策定に向けた産業競争力会議を設置するなど、早期の円高是正・デフレ脱却に向けた取組を進めております。
 この点は、私が、一昨年以来、全国知事会の「円高是正・デフレ対策プロジェクトチーム」座長として、政府及び日本銀行に対して申し入れをした内容、すなわち、為替政策、産業空洞化対策及び雇用対策、金融緩和政策の強化、新たなマクロ経済政策運営と共通するものであり、ぜひ、こうした施策を完遂し、日本経済の再生を果たしていただきたいと考えております。

 次に、自動車諸税の抜本的な見直しについてであります。
 私は、一昨年来、本県の基幹産業である自動車産業の空洞化への懸念を払拭し、本県経済の活性化と雇用の確保を図るため、自動車取得税及び自動車重量税の廃止に取り組んでまいりました。
 昨年10月には、県議会において、両税の廃止を求める「意見書」を全会一致でご議決いただくという力強い後押しを受けまして、私は、改めて、関係する各県知事・市長に呼びかけを行い、11県知事及び1政令指定都市市長の連携により、政府・与党に強力に要請をしてまいりました。
 その結果、与党の「平成25年度税制改正大綱」において、自動車取得税については、二段階での引下げ、消費税10%の時点での廃止、自動車重量税については、エコカー減税制度の恒久化等の方針が決定されました。
 これは、本県の産業及び雇用の基盤を支える自動車産業の活性化につながる大きな成果であると考えております。これまでの県議会の皆様方のご支援に対し、厚く御礼を申し上げます。
 本県としては、今後とも、政労使一体で、全国の有志首長とも連携し、平成26年度税制改正において、今回の決定が適切かつ確実に措置されるよう、政府始め関係方面への働きかけを強化し、本県経済の活力や雇用の維持・拡大に全力を傾注してまいりたいと存じます。

 次に、東アジア情勢について申し上げます。
 まず、北朝鮮の核実験についてであります。
 去る2月12日、北朝鮮が核実験を実施したとの発表をいたしました。
 我が国を始めとした国際社会が、北朝鮮に対し、核実験を含む挑発行為を決して行わないよう繰り返し強く求めてきたにもかかわらず、今回、北朝鮮が核実験を強行したことは、誠に許し難い行為であり、断じて容認できないものであります。
 核兵器の脅威のない、恒久平和を願う日本国民、愛知県民の思いを受け止め、北朝鮮は一切の核兵器の開発を直ちに中止するよう、強く求めるものであります。
 次に、日中関係についてであります。
 尖閣諸島の国有化以降、中国国内でのデモ活動の拡大など憂慮すべき状況にありましたが、日中両国政府においては、日中関係の基本である戦略的互恵関係を改めて確認した上で、引き続き関係正常化と日中友好の促進に取り組まれるよう強く要請するものであります。
 こうした中、私としては、1月12日、13日の2日間、中国の上海市を訪れ、愛知県産の農林水産物を使った加工食品や地場産品のPRを行ってまいりました。さらに、昨年9月から延期しておりました「日中漫画展」について、3月24日から28日までの5日間、江蘇省内において、開催することといたしました。私自身も主催者の一員として、この漫画展のオープニングセレモニーに出席するため、江蘇省南京市を訪問します。
 日本の代表的なポップカルチャーであります漫画を通じまして、中国との交流をこれまで以上に活発化し、江蘇省との友好関係の一層の発展と交流促進を図ってまいります。

 次に、微小粒子状物質(PM2.5)の監視体制についてであります。
 中国では、PM2.5による深刻な大気汚染が続いており、西日本等への「越境汚染」が懸念されております。
 PM2.5の県内監視体制につきましては、現在、県内23の測定局において、24時間連続測定をしており、その測定結果につきましては、県のウェブサイトにおいて1時間ごとの測定結果を公表しております。
 なお、健康への影響については、環境省によりますと、「直ちに影響があるというレベルにない。」とのことでありますが、呼吸器系の疾患のある方は、濃度が高い日には、外出を差し控えるなどしていただきたいと思います。

 次に、交通安全対策についてであります。
 まず、このたびの愛知県警察における交通事故統計の訂正について、交通死亡事故を始めとする人身交通事故の一部が交通事故統計に計上されず、適正な統計が作成されなかったことは、誠に遺憾であります。
 交通事故統計は、安全な交通社会を確立するための各種交通安全対策の指標として活用されているものでありますので、全国斉一の基準により、正確に作成されることが大原則であることは、申し上げるまでもありません。
 訂正した統計によると、本県は、平成15年以降、交通事故死者数ワースト1位が10年連続している状況にあり、改めて、本県の交通事故情勢の厳しさを痛感したところであります。
 今後は、引き続き、県と県警察、市町村、関係機関が一丸となって実効ある交通安全対策を推進し、交通事故死者数はもとより、交通事故全体の減少を図り、全国ワースト1位の返上に向けて、全力で取り組んでまいります。

 それでは、平成25年度当初予算編成につきまして、ご説明いたします。

 まず、最近の経済情勢についてであります。
 我が国の景気は、足元では、株価の回復や円高是正傾向が続くなど、明るい兆しも見え始めております。ただ、マーケットは常に変動するものであり、そうした動きに一喜一憂するのではなく、着実に足元を固めるための政策に取り組んでいくことが肝要であると考えます。また、先行きにつきましても、輸出環境の改善や政府の緊急経済対策の効果などによる景気回復への期待がある中で、ヨーロッパの政府債務危機やアメリカにおける財政問題による海外景気の下振れなど、我が国の景気を押し下げるリスクがあり、雇用情勢にも注意が必要であります。

 このような状況の中で、先月編成された国の平成25年度予算案及び平成24年度補正予算案は、切れ目のない経済対策を実行するために、一体的な「15か月予算」として編成されました。本県の平成25年度当初予算は、新政権の手によるこうした予算編成をにらみながらの編成となりました。
 国全体が経済再生に取り組んでいく中で、日本一の産業県としてまず行うべきことは、産業の活力、愛知の強みをさらに高め、我が国の産業経済を力強くリードしていくことであります。このため、本県にとって最も重要かつ喫緊の課題である産業競争力の強化に、しっかりと取り組んでまいらねばなりません。
 また、東日本大震災を契機として、県民の皆様の安心・安全の確保への意識は格段に高まっており、地震対策を始めとする防災・減災対策事業を積極的に進めていく必要があります。
 一方で、こうした当面の課題への対応とともに、世界と闘える愛知の実現に向けた基盤づくりにもしっかりと取り組んでいかなければなりません。
 中長期の愛知の姿を展望してみますと、リニア中央新幹線の開業による地域への影響や急激なスピードで進行する少子高齢社会など、今後の成長の鍵を握る構造的・骨太な課題、これまで経験したことのない課題が控えています。
 愛知が今後も順調な成長を遂げるためには、県としてのあるべき将来像を見据えつつ、それに向かってしっかりと歩みを進めていくことが必要であり、愛知の飛躍に向けた新たな取組という視点も重要であります。
 こうした認識の下に、平成25年度当初予算は、2月補正予算と合わせて、切れ目のない産業経済対策を実施し、日本一の産業県である愛知の強みをさらに高めていくための、いわゆる「15か月予算」とし、「産業競争力の強化」、「県民のくらしの安心・安全の確保」、「愛知の飛躍に向けた新たな取組」の3つを重点施策として取り組むことといたしました。

 それでは、まず、平成25年度の当初予算に盛り込みました3つの重点施策について、申し述べたいと存じます。  

  第一は、産業競争力の強化についてであります。

 本県における次世代の基幹産業として期待されている航空宇宙産業につきましては、国際戦略総合特区の指定を受けた「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」構想の実現に向け、国の支援制度も活用し、地域独自の取組を推進しているところであり、今年は、日本初の国産ジェット旅客機MRJの試験機の初飛行も予定されております。
 この特区構想をさらに飛躍発展させるため、県営名古屋空港を活用し、空港隣接地に必要な用地を確保するとともに、空港機能の整備を行い、この地域に大規模災害が発生した場合の後方支援機能も担い得る民間航空機の生産・整備拠点の形成に努めてまいります。
 さらに、税制面からの本県独自の支援として、産業立地の促進のための不動産取得税の減額等に関する条例を一部改正し、特区構想の実現に資するよう、航空宇宙分野の企業立地について、不動産取得税の課税を免除する規定を新たに設けることといたしました。
 加えて、世界の宇宙工学等の研究者、技術者などによる研究発表及び討論の場となる「宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)」の開催を支援するとともに、中堅・中小企業の航空宇宙産業への新規参入や技術開発を引き続き支援してまいります。
 また、愛知県飛行研究センターにおいては、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の実験用航空機「飛翔」による飛行実証実験も進められております。
 こうした積極的な取組により、特区のプロジェクトを着実に推進し、航空宇宙産業の一層の高度化と集積を図り、アメリカのシアトル、フランスのツールーズに並ぶ、航空宇宙産業の世界三大拠点の一つとなることを目指してまいります。  

 次に、産業空洞化対策減税基金についてであります。
 喫緊の課題である産業空洞化への対応として今年度に創設した産業空洞化対策減税基金による補助制度においては、これまでに、企業立地・再投資の分野では、42件の補助対象案件を採択し、1,144億円の投資規模、11,000人余りの雇用維持・創出効果が見込まれ、研究開発や実証実験への支援も行うなど、大きな成果を上げてまいりました。
 来年度も引き続き、法人県民税の10%に相当する50億円を新規に積み立て、この日本一の補助制度を活用し、本県経済の活性化と雇用の確保に取り組んでまいります。

 次に、農林水産業の振興についてであります。
 本県は全国有数の農業県であり、とりわけ、花き生産額は、昭和 37年以来50年連続して全国一を続けており、花き産業の一層の振興を図ることは、本県の元気な産業、地域づくりに欠かせないものであります。
 そこで、県内での需要拡大を目指し、あいちの花を暮らしの中に取り入れる「花いっぱい運動」を展開するとともに、国内最大の「関東東海花の展覧会」に出展するなど、「花の王国あいち」を県内外に積極的にPRしてまいります。
 また、今年度に引き続き、県民参加型の花と緑のイベント「あいち花フェスタ」を11月に西尾市で開催することとし、愛知万博10周年の節目となる平成27年度には、全国的なイベントである「全国都市緑化フェア」を本県で開催することを目指してまいります。

 第二は、県民のくらしの安心・安全の確保についてであります。  
 道路・河川などの社会資本は、県民生活や産業活動を支える基盤であり、老朽化対策とともに、東日本大震災を踏まえた事前の防災対策の重要性も高まっております。
 このため、国においては、「15か月予算」の中で、道路・河川・ 農業農村整備などの社会基盤に係る公共事業費を大幅に増額しております。
 本県もこれに呼応し、平成24年度2月補正予算において、公共事業332億円を計上したところであります。
 また、平成25年度当初予算につきましても、国の予算額を踏まえ、前年度とほぼ同額の1,251億円を計上することといたしました。
 これら補正予算と当初予算を合わせました公共事業の総額は、平成24年度当初予算を285億円上回る1,583億円を措置したところであり、災害に強い安心・安全な県土づくりを着実に進めてまいります。

 次に、地震防災対策の充実・強化についてであります。
 現在、県では、東海、東南海、南海の三連動地震等を想定した新たな被害予測調査を行っており、国においても南海トラフ巨大地震を前提として、被害想定や防災・減災対策の検討が進められております。
 そこで、現在、県が行っている被害予測調査の結果を基に、国の中央防災会議での減災目標や対策の方向性と整合を図りながら、本県の地域防災計画の抜本的な見直しを行うとともに、それに基づき、「第3次あいち地震対策アクションプラン」を1年前倒しで策定し、地震防災対策の充実強化に取り組んでまいります。
 また、南海トラフ巨大地震等の大規模災害への対応に必要な災害対策スペースを確保するため、現在、本庁舎にある災害対策本部室、災害情報センター等を自治センターの6階に移転集約し、災害対応力の強化を図ることといたしました。平成25年度は実施設計を行い、 26年度末の移転を予定いたしております。
 県立学校の耐震化につきましては、生徒の安全や避難所の機能を確保するため、一層の進捗を図るとともに、国基金を活用した医療施設の耐震化につきましても、引き続き支援してまいります。  

  次に、福祉対策・保健医療の充実についてであります。
 県民の皆様が安心して健康に暮らすことができる社会づくりは、愛知発展の礎となるものでありますので、福祉対策・保健医療の充実に全力で取り組んでまいります。
 国の予備費や補正予算案により拡充・延長される基金を活用し、保育所整備や保育士の人材確保策などの市町村が実施する保育サービスの充実に対する助成や、特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホームなどの開設準備経費に対する助成を引き続き実施いたします。
 また、災害発生時に医療チームの派遣・配置の調整を行う災害医療コーディネーター、関係医療機関、市町村職員など関係者の参加を得て、被害状況を想定した図上訓練を実施するなど、災害医療体制の強化を図ってまいります。
 さらに、増加する児童虐待問題に的確に対応するためには、できる限り早い時期に虐待の兆候に気づき、適切な育児支援を行うことが必要であります。このため、虐待の兆候を発見しやすい医療機関と地域の行政が連携して、初期の段階から適切な支援を行えるよう、あいち小児保健医療総合センターを県の虐待対応の拠点病院として位置づけ、全国初となる児童虐待防止医療のネットワークの構築を進めてまいります。
 また、児童虐待相談対応件数の増加に伴い、一時保護を必要とする児童が増加していることから、新たに尾張地域に定員30名の一時保護所を整備することとし、実施設計を行います。これにより、一時保護期間中における児童相談センターとの連携強化や、児童の状況に応じた心理的ケアの実施、早期の家庭復帰に向けた支援の強化を図ってまいります。

 第三は、愛知の飛躍に向けた新たな取組についてであります。
 将来の愛知の一層の飛躍のため、次なるステージに向けた新たな取組を進めてまいります。

 まず、「あいち国際戦略プラン」についてであります。
 急速に変化する国際情勢の下で、愛知が今後も持続的に発展をしていくためには、現在も著しい成長を続けているアジアの活力を取り込んでいくことが重要であります。このため、現在、本県の国際戦略の新たな柱として、「あいち国際戦略プラン」の策定を進めているところであります。
 来年度におきましては、まず、アジア諸国から技術系を中心とした留学生を受け入れ、本県企業への就職を促進することにより、企業の海外展開に携わる人材など、世界有数のモノづくり地域を支える人材を確保するため、全国トップクラスの留学生受入事業費補助金を創設いたします。
 また、高いレベルで英語を使いこなせる人材として高校生を育成するスーパーイングリッシュハブスクール事業を始めとする「あいちグローバル人材育成事業」を展開し、愛知の将来を担う若い世代を、世界の舞台に挑戦し、活躍できる人材として育成してまいります。  

 次に、スポーツ大会を活かした地域振興についてであります。
 現在、県内各地で様々なスポーツ大会が開催されておりますが、全国さらには世界に対して打ち出せるようなスポーツ大会を育成するとともに、この取組を地域の活性化にもつなげていきたいと考えております。
 来年度につきましては、有識者による研究会を設置し、地域活性化 策などの検討を進めるとともに、「マラソンフェスティバルナゴヤ・愛知2014」につきましては、今年度と同様の大会運営の支援だけでなく、PR面などでも協力を行い、さらなる盛り上がりを目指してまいります。
 なお、こうした取組を進めるため、地域振興部に新たな担当グループを設置することといたします。

 次に、民間活力を活用した県有施設の整備・運営についてであります。
 社会インフラの分野に民間の創意工夫を活用する、いわゆるインフラ・ビジネスはすでに世界の潮流となっており、民間ノウハウを広く様々な分野に活用することが「元気な愛知」を実現するための一つの軸になるものと考えております。
 現在、取組を進めている県道路公社が管理する有料道路事業への民間事業者の参入、いわゆるコンセッション方式の導入につきましては、国において、本年5月を目途に、本県が提案した構造改革特区提案に対する結論を得るとしていることから、来年度は、特区計画策定にあたって必要となる、定量的かつ具体的な経済的・社会的効果や地域特性などについて、調査を行うこととしております。
 また、老朽化等により改築が必要と考えられる運転免許試験場等の県有施設につきましては、民間の持つ新しい技術や手法などの積極的な活用も視野に入れながら、県有資産の有効活用や先進的なエネルギー施設設備の導入などを目指して、PFI方式の導入に向けた検討調査を実施してまいります。

 そして、新しい地域づくりビジョンの策定についてであります。
 現在、本県は、東日本大震災で顕在化した防災対策やエネルギー問題への対応、アジア諸国の経済発展への対応、産業空洞化対策など、社会経済面での新たな課題に直面しています。
 そこで、中長期の愛知の姿を展望し、中京都構想の目指す世界と闘える愛知・名古屋の実現を始め、さらなる愛知の発展に向けた戦略や、その中での県内各地域の方向性を示す、新しい地域づくりのビジョンを策定することといたしました。
 愛知の地域づくりにとって、2027年のリニア中央新幹線の開通は大きな節目になってまいります。そこで、このビジョンではその先の2030年頃までの社会経済を展望し、日本一元気な愛知、明るい希望が持てる、活力と豊かさに満ちあふれた愛知の将来像を示してまいります。そして、その将来像の実現に向けて、2020年までに取り組む重点戦略を描いてまいります。
 あわせて、県内を尾張、西三河及び東三河の3つのブロックに分け、それぞれの将来像と取組方向を示していきたいと考えております。  

 続きまして、平成25年度当初予算において取り組むことといたしましたマニフェストを推進する施策などにつきまして、7つの柱に沿って、順次、ご説明申し上げます。

 一つ目は、元気な経済・産業・地域づくりについてであります。
 モノづくり愛知の経済や雇用を支える上で重要な役割を果たしている中小企業につきましては、今年度末の中小企業金融円滑化法の終了等により、厳しい経営環境が続くものと見込まれます。このため、資金繰り支援策として、経済環境適応資金の円高対応緊急枠について、金利をさらに引き下げた上で、新たに10年の融資期間を設定することにより、借換え時の利便性の向上を図るなど、中小企業の方々の幅広い資金需要に応えてまいります。
 観光振興につきましては、武将にちなんだ観光地への誘客を図るため、「あいち戦国姫隊」によるPRを継続するとともに、本年11月に豊川市で開催される「第8回ご当地グルメでまちおこしの祭典!B−1グランプリin豊川」を支援してまいります。また、名古屋市と連携し、東京や大阪で行う観光プロモーションにおいて、私が先頭に立って愛知の魅力発信に取り組んでまいります。  

 二つ目は、安全で災害に強い地域づくりについてであります。
 まず、地震防災対策につきましては、南海トラフ巨大地震に伴う津波による海抜ゼロメートル地帯の大規模浸水に備え、一時避難の方法及び市町村の区域を越える広域避難を含めた津波避難のあり方などを指針としてとりまとめ、市町村の津波避難計画策定を支援してまいります。
 また、県の原子力災害対策につきましても、原子力発電所所在道県及び関係隣接府県が今年3月を目途に見直しを進めている地域防災計画との整合や、国の原子力規制委員会で進められている原子力災害対策指針の見直しに係る検討結果に対応し、本県の地域防災計画の見直しを行ってまいります。
 次に、交通安全対策についてであります。
 先ほど申し述べましたように、本県の交通事故情勢は大変厳しい状況が続いております。
 このため、交通事故死者数の減少を目指して、年初からに引き続き、ドライバーに焦点をあて、法令に違反する悪質危険な運転の根絶に向けた啓発を積極的に実施するとともに、本県の死亡事故の特徴である高齢者対策と交差点対策に重点を置いた広報啓発活動を引き続き展開してまいります。
 また、通学路の安全確保や交通事故の抑止を図るため、道路標識・標示の更新などの交通安全施設の整備を進めます。 
 さらに、県民の安全な生活の基礎となる治安対策のため、警察官を増員いたしますとともに、警察本部名北分庁舎の整備に向けた実施設計に着手いたします。

 三つ目は、環境首都あいちづくりについてであります。
 平成26年11月に開催されます「持続発展教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」につきましては、今年は、会議開催の前年にあたる重要な年でありますので、11月にパリで開催されるユネスコ総会において開催地愛知・名古屋の魅力と本県の先進的な取組をしっかりとPRするとともに、県内3地区での開催1年前イベントを始め、名古屋市、地元経済界、教育関係者等と連携して、開催支援の準備を進め、地域を挙げて開催機運を盛り上げてまいります。
 また、世界会議開催に合わせて、将来の持続可能な社会づくりの担い手となる子どもたちが主体となる「子ども会議」の開催に向けた準備を行うこととしており、ユネスコスクール加盟校の子どもたちによる発表の場として「子どもフォーラム」を開催するなど、環境分野を中心に未来の愛知を支える人づくりを進めてまいります。
 次に、三河湾の環境再生についてであります。
 「三河湾環境再生プロジェクト」の取組といたしましては、行政や学識経験者に加え、NPO、漁業関係者、流通業者、観光業者等も参画していただき、新たに三河湾の環境再生に向けた具体的な行動計画を策定するなど、引き続き、県民の皆様、NPOや市町村等と一体となって、三河湾の環境再生に取り組んでまいります。
 さらに、エネルギー対策につきましては、本県のエネルギーの現況・課題や今後の取組方向を明らかにするエネルギーレポートの作成などにより、県、市町村、民間の取組を促進してまいります。
 まず、県自らが、県有施設における省エネ技術導入手法の検討や太陽光発電事業者への屋根貸し事業を実施するとともに、農業用水を利用した小水力発電の導入を推進するため、県が管理する羽布ダムや中山間地域での小水力発電施設の整備に着手するほか、県の基本整備計画を策定してまいります。  

 四つ目は、安心できる健康・医療・福祉社会づくりであります。
 まず、保健医療の充実についてであります。
 小児医療につきましては、あいち小児保健医療総合センターを小児救急の全県的な拠点として位置づけ、小児専用の集中治療室などを備えた3次救急施設の平成25年度内の着工に向けて、引き続き実施設計を進めてまいります。
 また、現在、土曜日夜間、日曜日及び祝日に実施している小児2次救急医療につきましては、新たに月曜日の実施を追加し、地域の小児救急医療体制の充実を図ってまいります。
 いじめ・不登校対策につきましては、未然防止や早期発見・早期解決のため、小学校へのスクールカウンセラーの配置を拡大するとともに、緊急支援への対応やスクールカウンセラーの指導的な役割を担うスーパーバイザーを増員いたします。
 また、深刻ないじめ事案が発生した際に市町村教育委員会を支援するため、専門家等からなる「いじめ対応支援チーム」を新たに設置し、教育相談体制のさらなる充実を図ります。
 次に、障害者対策についてであります。
 三河地域における重症心身障害児が入所する施設の不足を解消するため、平成25年度から第二青い鳥学園の建設工事に着手するとともに、老朽化が進んでいる愛知県心身障害者コロニーにつきましても、障害児者の医療や地域生活を支援する拠点である「療育医療総合センター(仮称)」として再編整備を行うため、平成25年度内の着工に向け、引き続き実施設計を進めてまいります。
 次に、健康対策についてであります。
 がん対策につきましては、女性が検診、治療を受けやすくするための環境づくりや、自らががん治療を経験した「ピア・サポーター」による患者・家族に対する相談支援事業などの新たな取組を加え、愛知県がん対策推進条例や愛知県がん対策推進計画に基づき、総合的な対策を推進してまいります。
 また、がんの初期治療の段階から、身体的な痛みや患者とその家族への心のケアに対応するため、緩和ケアが受けられる仕組みづくりが求められておりますことから、がんセンター愛知病院において、新たに緩和デイケアセンターを整備してまいります。
 次に、雇用対策についてであります。
 雇用情勢の改善の動きに足踏みが見られることから、国の補正予算案等により拡充・延長される緊急雇用創出事業基金を引き続き活用し、失業者に対する雇用機会を提供する事業について、市町村とも連携して実施してまいります。
 また、若者の雇用につきましては、未就職卒業者等を対象としたビジネスマナー等の研修と企業の職場実習を合わせて行う人材育成事業や、大学生を対象とした中小企業での1日職場体験を実施するとともに、「ヤング・ジョブ・あいち」において、国と連携し、就職相談から職業紹介までワンストップで支援を行ってまいります。

 五つ目は、教育・文化立県あいちづくりについてであります。
 まず、教育立県あいちの礎となる愛知の将来を担う人づくりについてであります。
 小学校1年生及び2年生並びに中学校1年生の35人学級を引き続き実施するとともに、いじめ問題への対応や発達障害児の学習支援など、きめ細やかな配慮のできる教育環境づくりを進めてまいります。
 特別支援教育につきましては、中長期的な視点に立った特別支援教育の方策を検討し、「愛知県特別支援教育推進計画」を策定するほか、肢体不自由養護学校に長時間かけて通学する児童の負担軽減や学習意欲の向上を図るため、近隣の小学校での共同学習や交流活動を行うモデル事業を引き続き実施いたします。
 さらに、本県の学校教育において重要な役割を果たしている私立学校につきましては、その振興と父母負担の軽減を図るため、私立学校経常費に対する補助を充実するとともに、授業料への補助などの各種助成を着実に実施してまいります。
 次に、文化芸術の振興についてであります。
 第2回目の開催となる「あいちトリエンナーレ2013」につきましては、いよいよ本年8月10日から10月27日までの79日間、愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、名古屋市内及び岡崎市内のまちなかで開催いたします。国内外にアピールし、多くの方々に親しまれ、ご来場いただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 今年6月に開館35周年を迎える愛知県陶磁美術館につきましては、35周年記念式典を開催し、記念講演会の開催や現在公募しております愛称とマスコットキャラクターのお披露目を行うなど、県民の皆様に親しまれる取組を進めてまいります。

 六つ目は、地域の潜在力を引き出す社会基盤づくりであります。
 まず、交通対策の推進についてであります。
 2027年に予定されている東京・名古屋間のリニア中央新幹線開業を見据え、そのインパクトを最大限に活用するため、今年度中に整理する検討課題を踏まえ、地域づくり戦略の基本方針(案)を取りまとめてまいります。
 次に、道路網の整備につきましては、新東名高速道路、名古屋環状2号線及び三遠南信自動車道などの高規格幹線道路や、名豊道路、名古屋高速道路などの地域高規格道路の整備を促進するとともに、インターへのアクセス道路や各地域の主要都市間を連絡する幹線道路ネットワークの整備を進めることにより、本県の産業競争力の強化や地域経済の活性化に努めてまいります。
 また、地域の生産・物流拠点として、モノづくり愛知を支える港湾は、災害時における緊急物資の輸送拠点としても重要な役割を担っております。そこで、大規模地震の発生後に、港湾施設の応急復旧から港湾機能の回復までを迅速かつ効率的に進めるため、衣浦港及び三河港につきまして、港湾機能継続計画、いわゆる港湾BCPの策定を進めてまいります。

 七つ目は、自立・分権・協働の行財政体制づくりであります。
 経済のグローバル化の進展を背景に、アジアはもとより、世界的なレベルで、都市間競争が激しく繰り広げられる中、大都市こそが成長のエンジンとなって我が国を引っ張っていくことが必要であります。
 中京独立戦略本部では、「産業活力」、「都市基盤・防災」など本部会議で打ち出された方向性に沿って政策議論を積み重ね、中京都構想の実現に向けた検討を進めるとともに、道州制も見据えつつ、大都市圏が自立、独立し、我が国の成長をリードする新しい国のかたちの実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。
 今年度からスタートした「東三河県庁」については、東三河全体で共有する地域づくりの羅針盤となる「将来ビジョン」と広域観光の推進をテーマとする「主要プロジェクト推進プラン」をまもなく策定いたします。
 来年度は、引き続き、地元市町村、経済団体など地域と一体となって、新たに2つのテーマについて、実施計画となる「主要プロジェクト推進プラン」を策定してまいります。
 また、伊良湖休暇村公園施設において、全国初となる、再生した砂丘とオアシス、「花咲く砂丘の園(デューンガーデン)」を整備するなど、「東三河振興ビジョン」に関する取組を積極的に進めてまいります。
 さらに、公契約のあり方について、学識経験者及び関係団体を構成員とする研究会を開催するとともに、公契約に従事する者の賃金実態調査や事例調査などを行い、今後の具体的な対応について検討を進めてまいります。

 以上、予算の主な内容につきまして申し上げてまいりましたが、ここにご審議をいただく平成25年度の当初予算は、
   一般会計  2兆2,284億余円
   特別会計    7,898億余円
   企業会計    1,781億余円
 でございまして、合わせて3兆1,964億余円となります。
 一般会計予算の規模は、平成24年度当初予算に対し98.8%でありますが、国の補正予算案等を踏まえ、当初予算から前倒しを行った2月補正予算を加えた、いわゆる15か月予算では、前年度比で101.2%となっております。厳しい中にあっても、知恵を絞り、産業競争力の強化策など、愛知の将来につながる分野に重点的に配分する積極的な予算になったと考えております。また、平成26年度に実施する予定の個人県民税減税の原資として、第五次行革大綱に定める行革効果の目標額に相当する60億円を、財政調整基金に積み立てることとしております。
 一般会計の財源といたしましては、国庫支出金、県債及び基金からの繰入金などの特定財源1兆105億余円を計上し、一般財源といたしましては、県税、地方交付税など、総額1兆2,179億余円を充当いたします。
 平成25年度末の県債残高は、5兆2,254億円となる見込みであります。このうち、地方交付税の振替措置である臨時財政対策債の増加は避けられませんが、社会資本整備などに充当する、いわゆる通常の県債の残高は引き続き減少し、平成25年度末残高は2兆7,059億円と前年度末より948億円の減少を図っております。
 なお、歳入において県税収入が平成24年度当初予算をやや上回ったものの、歳出において扶助費や公債費などの義務的な経費が増加することにより、引き続き多額の収支不足が生じる見込みとなったことから、2か年にわたる財源対策を講ずることといたしました。
 まず、平成24年度においては、特例的な県債の発行や歳出不用額の補正減などにより年度内の財源を確保することによって、24年度内に予定していた基金の繰入運用をすべて取り止めるとともに、減債基金の取崩しを一部取り止めることといたしました。
 その上で、平成25年度において、減債基金の取崩しなどにより、財源を確保したものでありますが、なお残る収支不足につきましては、臨時的・緊急避難的な措置として、再度、基金からの繰入運用を計上するとともに、引き続き職員の給与抑制を行わざるを得ませんでした。
 今後も、産業経済の活性化を進め、税収の確保を図るとともに、第五次行革大綱や重点改革プログラムに沿って、引き続き、事務事業の見直しを徹底し、収支不足の解消と県債の発行抑制にも努め、財政の健全化に取り組んでまいります。

 次に、予算以外の案件につきまして、ご説明を申し上げます。
 条例は、制定、一部改正及び廃止を合わせまして、25件を提案いたしております。
 まず、知事等及び職員の給与の特例に関する条例の制定についてであります。
 深刻な財政状況に対応するため、関係職員団体との話し合いを踏まえ、引き続き1年間、私を始め特別職と一般職のすべての職員を対象に、給料及び期末手当等の一部を減額するものでございます。
 次に、愛知県県税条例の一部改正についてであります。
 平成24年8月10日に「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律」が成立したことに伴い改正を行うものなどでございまして、主な改正内容は、地方消費税の税率の引上げ、県税事務所の還付及び充当に関する事務の集約化などであります。
 次に、愛知県職員定数条例の一部改正についてであります。
 事務事業の見直しや事務処理方法の改善などに伴い、知事の事務部局などの職員を46人減員する一方、中学校の生徒数の増加などに対応するため教職員を35人、治安体制を強化するため警察官を10人、それぞれ増員するものであります。
 次に、愛知県青少年保護育成条例の一部改正についてであります。
 青少年が携帯電話等を通じてインターネットに接続し、有害な情報を閲覧する危険性が高まっており、犯罪被害に巻き込まれる事件も多発しておりますことから、携帯電話事業者等に対し、青少年の使用の有無の確認や有害情報のフィルタリングについての説明を義務付けるものであります。
 次に、愛知県安全なまちづくり条例の一部改正についてであります。
 本県は自動車盗の被害が全国で最も多く、中でも、組織的窃盗団等によるいわゆるイモビカッター等を使用した自動車盗が多発している状況にあります。そこで、全国で初めて、イモビカッター等の所持を禁止することとし、自動車盗の発生の抑止を図るものであります。
 次に、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部改正についてであります。
 近年、本県の主要な歓楽街におきまして、悪質な形態の客引き等が出現し、地域住民や訪れる人々に著しい不安を与えておりますので、新たな禁止行為等を規定するものであります。
 なお、使用料及び手数料に係る改正につきましては、法令の改正に伴い使用料を新設するほか、犯罪経歴証明書発給事務に係る手数料を新設するものなどであります。
 さらに、条例以外の案件といたしましては、名古屋高速道路公社の基本財産の額の変更始め11件を提案いたしております。
 このうち、人事案件といたしましては、監査委員の任期満了に伴いまして、その後任者を選任するものであります。

 次に、平成24年度関係の諸議案についてであります。

 まず、今回の補正予算は、国の補正予算案等への対応や国庫補助金及び事業費の確定に伴う所要の措置、並びに平成25年度当初予算編成のための財源対策等を行うものであります。
  補正予算を会計別に申し上げますと、
   一般会計  186億612万余円の増額
   特別会計  152億4,366万余円の減額
   企業会計   11億6,018万余円の減額
 でございまして、合わせて22億227万余円の増額となります。
  以下、主なものにつきまして、概要をご説明申し上げます。
 まず、国の予備費を活用した経済対策関連事業費といたしまして、子育て支援対策基金始め5基金の増額を行うほか、かんがい排水事業費などの公共事業について、所要の経費を計上いたします。
 次に、国の補正予算関連事業費といたしまして、緊急雇用創出事業基金始め6基金の増額を行うほか、道路・街路事業費などの公共事業について、所要の経費を計上いたします。
 2月補正予算での、これら国の経済対策・補正予算関連予算の規模は、平成以降では最大の525億円となります。
 なお、今回、増額いたしました基金を活用した事業費につきましては、平成25年度当初予算で所要額を計上したところでございます。
 以上、ご説明申し上げました一般会計の一般財源といたしましては、県税収入の増収などにより、全体で480億3,126万余円を増額することといたしております。
 また、特定財源につきましては、国の補正予算等関連事業の財源として国庫支出金を増額するほか、特例的な県債の発行など県債を増額する一方で、減債基金の取崩しの一部を取り止めましたことなどから、全体で294億2,514万余円を減額することといたしております。

 次に、補正予算以外の議案につきましては、条例関係議案として、消費者行政活性化基金条例の一部改正について始め6件、その他の議案として、県有財産の売払い及びこのたび提案をいたしております補正予算に伴う関係市町村の負担金の変更など8件でございます。

 以上、提案をいたしました案件のうち、主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げました。なお、詳細につきましては、議事の進行に従いましてご説明を申し上げたいと存じます。よろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
 最後に、結びとして今一度申し上げたいと存じます。
 昨年は、長期化する円高、中国等を巡る対外環境の変調、原発事故を受けた電力需給のひっ迫など、様々な課題が山積し、景気の先行きにも不透明感が漂った多難な1年でありましたが、私は、日本一の産業県である愛知がフル回転して日本を支える、そうした思いをもって、全力で県政運営に取り組んでまいりました。
 新年度におきましても、「飛翔」、すなわち、航空宇宙産業の未来を担う実験用ジェット機「飛翔」のように、次世代の愛知を支える産業が、新たな取組により今まさに飛び立ち、日本をけん引していく成長エンジンとしての役割をしっかりと果たしていかなければならないと考えております。
 こうした思いから、平成25年度当初予算には、直面する課題への対応としての産業競争力の強化や県民のくらしの安心・安全の確保といった施策や、愛知の将来像を見据えつつ、さらなる飛躍に向けた新たな取組などあいちの底力の向上に資する施策をできる限り盛り込んだところであります。
 これらの施策を着実に実行するとともに、時機を捉えて様々な施策・プロジェクトを展開し、愛知の総合力をさらに高め、日本をけん引していく成長エンジンとしての役割を果たし、日本一元気な愛知、明るい希望が持てる活力と豊かさに満ちあふれた愛知を実現し、県民の皆様の幸福を実現するため、これからも全力で愛知県政に取り組んでまいります。
 県議会議員の皆様方並びに県民の皆様方の、ご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。