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県議会知事提案説明

平成25年5月臨時県議会 知事提案説明要旨

このたびの臨時県議会に提案をいたしました案件につきまして、そのご説明を申し上げるに先立ち、最近の県政をめぐる状況について申し述べ、議員の皆様方のご理解とご協力をお願いしたいと思います。

 初めに、国政の状況等についてであります。
 最近の経済情勢は、円安による輸出環境の改善や自動車関連産業を中心に生産活動の持ち直しが続いており、株価が上昇傾向にあるなど、明るい兆しが出てきておりますが、この動きが実体経済の回復に確実につながっていくか、注視していく必要があります。
 こうした景気改善に向けた動きをさらに推し進め、日本経済の一層力強い再生につなげていくため、国においては、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」を三本の矢とする取組を進めております。
 まず、「大胆な金融政策」としましては、本年4月4日に日本銀行において、今後2年程度を念頭に、消費者物価指数の前年比上昇率を2%とする物価安定目標を達成するため、量的・質的金融緩和を行うことを決定し、大幅な金融緩和に踏み切ったところでございます。金融緩和政策の強化につきましては、全国知事会の円高是正・デフレ対策プロジェクトチームの座長として、私が一昨年から政府・日銀に強く要請してきたことであり、大いに評価するものであります。
 また、「機動的な財政政策」につきましても、緊急経済対策による昨年度補正予算と一体で編成された国の平成25年度予算が今月15日に成立したところであります。本県におきましても、国に呼応し、昨年度2月補正予算と合わせて切れ目のない産業経済対策を実行する、いわゆる15か月予算を編成しておりますので、その効果の発現に努めてまいります。
 残る「成長戦略」につきましては、現在、首相を議長とする産業競争力会議を中心に幅広い議論が進められ、この産業競争力会議では、民間議員から三大都市圏を中心に特区を設ける案等が提起されているところであります。
 国の「成長戦略」につきましては、この6月を目途に策定すると伺っております。このため、本県としましては、有識者や経済界の方々からなる「あいち産業競争力会議」を設置し、「我が国の経済成長に直結する国家戦略特区の創設」を始め、かねてから本県が提案しておりました「民間事業者による有料道路事業の運営」や「外国人高度人材等の受け入れに係る規制緩和」、「次世代自動車、航空機、環境・エネルギー等の次世代産業創出に向けた規制改革の推進」等といった、特区や規制改革に関する提案を取りまとめているところであります。今後早急に、国にこうした提案を提出し、「成長戦略」に反映されるよう強く働きかけてまいりたいと考えております。

 次に、「あいちシンクロトロン光センター」のオープンについてでございます。
 「知の拠点あいち」では、去る3月22日に、科学技術交流財団が運営する「あいちシンクロトロン光センター」がオープンいたしました。このセンターは、高度なモノづくりにおいて必要とされるナノテクノロジーに対応した最先端の計測分析機能を備えるものであり、産業利用を目的として一般に開放される、中部地方初の施設となります。
 「知の拠点あいち」は、昨年2月にオープンした「あいち産業科学技術総合センター」と合わせて、県内企業の研究開発を支援する機能がさらに強化されました。国際的なコスト競争が激化し、産業空洞化の懸念が指摘される中、県としましては、他地域には類例のない高度な研究開発環境を提供することによって、中堅・中小企業を含め、県内企業の高付加価値なモノづくりを支援し、本県経済の活力や雇用の維持・拡大を図ってまいります。

 続いて、「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」の推進についてでございます。
 現在、当地域では、ボーイング787の増産の本格化やMRJ等のプロジェクトが順調に進んでおり、こうした勢いをさらに加速するためには、中堅・中小企業を含めた体制の強化が重要であります。
 このため、4月23日に、第5回の「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区推進協議会」を開催いたしました。これは、私が会長をしておりますが、従来の愛知県、岐阜県から、新たに三重県まで裾野を広げ、中堅・中小企業も特区に加えることといたしました。これにより、新たに29の自治体と58の企業の参画を得て、構成団体数は、これまでの31から118に拡大いたしました。
 今後、6月初旬には、国に対して特区区域の拡大について申請をしてまいります。引き続き、特区指定のメリットを活用しながら、アメリカのシアトル、フランスのツールーズに並ぶ世界三大航空宇宙産業の拠点となるよう、全力で取り組んでまいります。

 次に、産業立地の推進についてであります。
 我が国が経済再生に取り組んでいく中で、日本一の産業県である愛知が日本をけん引していくためには、産業競争力の強化が重要であります。
 このため、産業立地に係る諸施策を推進してきた「愛知県産業立地推進会議」を、今年度からは私自身が本部長となり、より広範な部局が参画する「あいち産業立地推進本部」に発展改組し、全庁を挙げて産業立地の取組を一層強力に推進することといたしました。
 今月7日には推進本部会議を開催し、平成29年度までの5年間を計画期間とする「愛知・名古屋産業立地推進プラン」を新たに策定したところであります。このプランにより、県外企業の新規立地や県内企業の再投資を強力に支援し、本県経済の活力及び雇用の維持・拡大を図ってまいりたいと考えております。

 続いて、さらなる地方分権改革に向けた対応についてでございます。
 本県では、地方分権改革を強力に推し進めるため、「さらなる地方分権改革に向けた愛知県提言」を独自に取りまとめ、4月22日の全国知事会議に提出いたしました。この提言は、ハローワークなど、地方で一括して実施した方が効果的な事務・権限の地方への速やかな移譲を始め、地方税財源の充実や、法令による義務付け・枠付けの見直し、あるいは道州制導入に向けた検討を積極的に進めることなどについて、改めて本県の基本的な考え方を示したものであります。
 国は、今後、地方分権改革の方向性を骨太の方針に盛り込み、地方への事務・権限の移譲等を進めていくとしております。本県としましても、日本再生の要となるべき地方分権改革が一層加速するよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、「花いっぱい県民運動」の実施についてであります。
 本県の花き生産額は、昭和37年以来50年連続して全国一を続けております。これまで「あいち花フェスタ」などの花のイベントを開催し、花きの需要拡大に取り組んでまいりましたが、今年度からは、こうしたイベントに加え、暮らしの中に花を取り入れる「花いっぱい県民運動」を展開しているところでございます。
 4月には、生産から消費に至る花き関係者の皆様と「花の王国あいち県民運動実行委員会」を立ち上げまして、毎月「今月のあいちの花」を定め、県庁での展示を行うほか、主要産地である市町村でも展示するなどPRを行っております。
 今後は、フラワーアートのコンテストやフラワーアレンジメントを制作する花育教室などにも取り組み、県民の皆様の花への関心を一層高め、本県花きの需要拡大を図ってまいりたいと考えております。

 続いて、「愛知県陶磁美術館」のスタートについてでございます。
 愛知県陶磁資料館につきましては、来る6月1日で開館35周年を迎えますが、これを機に、名称を「愛知県陶磁美術館」に変更することとしております。
 この新たなスタートを記念し、6月1日には、記念式典やイベントを開催するとともに、同日から、特別企画展「−日本・中国・韓国−陶磁の名品、ここに集う」を開会することとしております。
 皆様からより一層親しまれにぎわいのある施設となるよう、魅力ある企画展を開催するとともに、公募した愛称、マスコットキャラクターなどを活用して、「陶磁美術館」の魅力を広く発信してまいります。

 次に、交通安全対策についてでございます。
 本県の交通事故死者数は、1月18日以来、現在も全国ワースト1位という極めて深刻な状況が続いております。
 この間、交通死亡事故多発警報を4回発令し、県警察や市町村、関係団体と連携して、交通取締り活動や街頭での交通安全啓発活動の強化を図るとともに、ドライバー対策として、法令遵守の徹底と運転マナーの向上を訴えるテレビCMの放送などを実施してまいりました。
 今後とも、引き続き、関係機関が一丸となって、県民総ぐるみで様々な交通安全対策に全力で取組み、交通事故及び交通事故死者数の減少に努めてまいります。

 それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し述べたいと思います。
 まず、補正予算案についてでございますが、総額1億2,600万円を一般会計で増額補正するものであります。
 その内容でございますが、妊娠中の女性の風しん感染防止のため、市町村が風しんの予防接種に助成した場合に、県がその費用の一部を補助する制度を創設することとし、所要の経費を計上するものであります。
 全国では、昨年後半から風しんの患者数が急増しております。昨年1年間の患者数2,353件に対し、今年は5月5日までで既に5,964件も発生しております。本県におきましても、今年1月から5月12日までに128件発生し、昨年1年間の患者数98件を上回る急速な増加が続いており、風しんの流行は今後も衰える兆しがない状況となっております。
 妊娠初期の女性が風しんに感染した場合には、胎児が「先天性風しん症候群」となり、難聴や心疾患等の障害が発生する恐れがあり、今年に入り全国で5件発生し、そのうち本県での届出が2件ございました。
 風しん感染を防止するためには、予防接種を受けることが最も効果的であります。こうした事例をなくしていくために、妊娠を予定または希望している女性及びその夫を対象とした風しんワクチン接種に対する補助制度を創設することとしたものでございます。今後、県内の市町村にこの補助制度を活用していただくようお願いし、あわせて医療関係者始め多くの皆様のご協力をいただいて、早期に風しんの感染拡大を抑制するとともに、特に「先天性風しん症候群」の発生を防止するよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、補正予算案以外の議案につきましては、人事案件3件及び先般の2月定例県議会以降におきまして専決処分をいたしました事案1件でございます。
 初めに、人事関係議案についてでございます。これは、監査委員の任期満了及び辞任に伴います後任者をそれぞれ選任するものであります。
 次に、専決処分についてでございます。愛知県県税条例の一部改正についてでございますが、これは、地方税法の一部を改正する法律が去る3月30日に公布されたことに伴いまして、法律の施行に合わせ、4月1日から愛知県県税条例を改正する必要があり、専決処分を行ったものでございます。
 その主な内容といたしましては、不動産取得税における課税標準の特例措置の適用期限を延長するほか、自動車取得税における衝突被害軽減ブレーキを備える自動車に係る課税標準の特例措置について対象車種を拡大するもの等でございます。
 ここに、ご報告を申し上げ、ご承認をお願いするものであります。

 どうかよろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますよう、お願いを申し上げます。