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県議会知事提案説明

平成26年5月臨時県議会 知事提案説明要旨

このたびの臨時県議会に提案をいたしました案件につきまして、そのご説明を申し上げます前に、4月16日に発生した韓国フェリー船セウォル号沈没事故について一言申し上げます。
 この事故につきましては、私も、お見舞いのため、5月1日に駐日本国大韓民国大使館及び在日本大韓民国民団並びに駐名古屋大韓民国総領事館を訪問し、献花をさせていただき、お悔やみを申し上げました。事故の原因究明がなされ、このような悲惨な事故が二度と起きないことを願うとともに、犠牲となられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。
 それでは、まず、最近の県政をめぐる状況について申し述べ、議員の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと思います。

 初めに、「あいちビジョン2020」についてであります。
 今年3月に、2030年頃の社会経済を展望し、2020年を目標年次とする「あいちビジョン2020」を策定いたしました。
 平成26年度は、ビジョン推進のスタートの年となります。ビジョンの基本目標である「日本一の元気を暮らしの豊かさに」つなげられるよう、「リニアを生かし世界の中で存在感を発揮する中京大都市圏」、「日本の成長をリードする産業の革新・創造拠点」、さらには、「人が輝き、女性や高齢者、障害のある人など、すべての人が活躍する愛知」、こうした3つの姿を目指し、政策の推進を図ってまいります。
 県民の皆様をはじめ、市町村、企業など、関係の方々とともに、新しい愛知づくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」についてであります。
 今年11月の会議開催まで、いよいよ残り半年となりました。
 この世界会議は、2005年から国連の主導により世界中で取り組まれている「国連ESDの10年」を締めくくる大変重要な会議であり、今年ユネスコが開催する最大の国際会議であります。
 2005年の愛知万博、2010年のCOP10により、当地に根付いたさまざまな経験や成果を十二分に活用しながら、世界会議を成功に導くとともに、本県のさらなる飛躍・発展につなげていきたいと考えております。
 このため、会議が安全・安心で円滑かつ快適に行われるよう、開催地元として万全な体制で支援するとともに、愛知・名古屋の魅力発信にも努めてまいります。
 また、県内全域での開催機運盛り上げのため、人気アイドルグループSKE48の選抜メンバー7人を「ESDあいち・なごや広報大使」に任命し、今月1日から31日まで、メンバーの等身大の写真を載せた、高さ4メートル、全長100メートルに及ぶ巨大壁面広告を名古屋駅前に設置しております。このほか、5月から6月にかけて県内3か所で半年前イベントを開催するとともに、子どもによるダンスチームなどが県内各地でESDをPRする「ESD愛・地球プロジェクト」を展開するなど、子どもから大人まで楽しみながらESDを学んでいただけるような啓発活動を行ってまいります。
 さらに、ESDあいち・なごやパートナーシップ事業の登録を進めるなどにより、引き続き、多様な主体によるESD活動の促進を図ってまいります。

 次に、ESDユネスコ世界会議と同じ11月に、県内8市14会場で開催いたします「技能五輪・アビリンピックあいち大会2014」についてであります。
 技能五輪全国大会は、青年技能者に努力目標を与えるとともに、広く技能の重要性・必要性をアピールし、技能尊重の機運醸成を図ることを目的として開催いたします。
 技能五輪における本県選手団は、前回大会まで9連覇を成し遂げており、今年地元で大会10連覇を目指して、選手の育成・強化にも一層取り組み、「モノづくり王国あいち」にふさわしい大会にしてまいります。
 大会本番に向け、万全の準備を進めているところであり、イメージキャラクターの「アイチータ」を活用したPR活動や、9月に開催するカウントダウンイベント、さらには競技会場となる8市それぞれで実施される併催行事などを通して、さらなる開催機運の醸成にも努めてまいります。
 さらには、教育委員会とも連携し、学校行事としての団体見学を働きかけるなど、次代のモノづくりを担う世代の方々にたくさん来場していただき、将来の愛知の人づくりにつなげてまいりたいと考えております。
 あわせまして、全国アビリンピックにつきましては、県民の皆様、とりわけ企業の経営者の方々にもご覧いただき、障害者に対する理解と認識を高め、障害者の雇用の促進などにつなげてまいりたいと考えております。
 今後、これら2つのイベントの成功に向けて、大いに盛り立ててまいりたいと考えておりますので、県議会並びに県民の皆様方のご理解とご支援をお願いいたします。

 次に、「FIFAフットサルワールドカップ2020」の招致についてであります。
 本県では、全国・世界に打ち出せるスポーツ大会を育成、招致し、地域の活性化につなげることを目指しております。
 こうした中、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まり、日本が世界中から注目されておりますが、この盛り上がりを東京だけで終わらせず、この地域からも大いに発信して、日本全体を盛り上げていきたいと考えております。
 このため、4月9日に、私と愛知県サッカー協会会長が、日本サッカー協会会長を訪ね、国際サッカー連盟主催による「FIFAフットサルワールドカップ2020」について、日本、さらには本県での開催に向けた招致活動の実施を要請したところ、日本サッカー協会としても精一杯やらせていただくとの力強いお言葉をいただきました。
 フットサルワールドカップは、IOC国際オリンピック委員会と双璧をなすFIFA国際サッカー連盟の強力なコンテンツであり、また、フットサルは、本県内に本拠地を置く「名古屋オーシャンズ」の活躍により注目度も高く、県民が一体となって取り組める人気の高いスポーツであると考えております。
 こうしたことから、スポーツを通じて地域と世界を「つなぐ」というコンセプトのもと、この大会の愛知県への招致を日本サッカー協会に対して引き続き強力に働きかけるとともに、できる限り早い時期に、フットサル関係者などによる研究会を立ち上げ、開催構想概要書を取りまとめ、本県への招致に全力で取り組んでまいります。

 次に、「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」についてであります。
 現在、当地域では、ボーイング787の大幅な増産や、MRJのプロジェクトが順調に進んでおり、こうした勢いをさらに加速することを目指し、4月21日に、特区の区域を長野県、静岡県まで拡大することについて、国に申請いたしました。これにより当地域は、素材から部品、組立までのまさにフルセットのクラスターとして、さらに厚みを増していくものと考えております。
 愛知県始め5県全体で、新たに78の企業、関連する21の自治体を加え、合計239団体という幅広く厚みを持った体制のもと、アメリカのシアトル、フランスのツールーズに並ぶ、アジアNo.1の航空宇宙産業クラスターの形成に向け、引き続き、全力を傾けてまいります。

 続いて、中部国際空港の路線の充実に向けた取組についてであります。
 私は、5月20日に、経済界の皆様方などとともに、エアポートセールスのため、中国の吉祥航空本社を訪れ、中国への企業の進出状況など、日本のモノづくり産業の集積地である本県のポテンシャルの高さを説明してまいりました。吉祥航空からは、中部−上海は大事な路線であり、就航の準備をしっかり行い、できるだけ早く就航したいとの大変前向きな発言をいただいたところであります。
 こうしたエアポートセールスは、知事就任以来、繰り返し行っており、今年3月には、エアアジアXがクアラルンプール線に、セブパシフィック航空がマニラ線に、それぞれ週4便で就航したところであり、今回の吉祥航空の就航実現を期待しているところであります。
 今後とも、航空ネットワークの拡充に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、特別支援教育の推進についてであります。
 今年度4月から、新たに「いなざわ特別支援学校」を開校するとともに、設楽町の県立田口高等学校内に豊橋特別支援学校の分教室となる「山嶺教室」を開設いたしました。
 本県では、特別支援教育をめぐる様々な課題に対応していくため、「愛知県特別支援教育推進計画(愛知・つながりプラン)」を3月に策定したところであります。この計画の初年度にあたる今年度におきましては、半田特別支援学校の教室不足に対応するため、大府特別支援学校の敷地内への新たな知的障害特別支援学校の建設に向けた基本設計に着手するほか、名古屋市、豊橋市が行う特別支援学校の整備を支援いたします。
 さらに、スクールバスの増車や、きめ細かい医療ケアを行うための常勤看護師の配置など、計画に掲げた方策を着実に推し進めることとしております。
 特別支援学校の学校規模の過大化による教室不足や長時間通学の問題など、さまざまな課題への対応が求められておりますので、今後におきましても、計画に基づき、特別支援教育の一層の充実に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、河川海岸堤防の地震・津波対策についてであります。
 4月25日に、「愛知県河川海岸堤防等地震・津波対策事業促進協議会」を設立いたしました。
 本県が抱える全国一のゼロメートル地帯には、多くの生活・産業基盤が集積しており、巨大地震や津波が発生した際には、甚大な被害となり、その影響が全国的に広がることが懸念されます。こうした地震、津波に対しては、「命を守る」ことを最優先に、河川海岸堤防を粘り強い構造へと強化していくことが不可欠でありますので、今後、関係する沿岸部の市町村等とともに、国に支援、協力を強く要請してまいります。

 次に、交通安全対策についてでございます。
 本県の交通事故死者数は年々減少傾向にあるものの、平成26年も、全国ワースト1位が続く厳しい状況となっております。
 この間、交通死亡事故多発警報を発令するとともに、県警察や市町村と連携して重点的に対策を実施したほか、高齢者の交通死亡事故が多発する市町村における参加体験型イベント等の啓発活動の実施や、県のホームページへの啓発動画の掲載を行い、交通事故防止を呼びかけてまいりました。
 今後とも、高齢者の事故防止やドライバーのマナー向上を始め、県民総ぐるみで様々な交通安全対策に全力で取り組み、交通事故及び交通事故死者数の減少に努めてまいります。

 それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し述べたいと思います。
 まず、補正予算案についてでございますが、総額500万円を一般会計で増額補正するものであります。
 その内容は、「FIFAフットサルワールドカップ2020」の本県への招致に向け、開催構想概要書を取りまとめるための所要の経費を計上するものでございます。先に申し上げましたとおり、今後、できるだけ早い時期に、本県での開催に向けた招致活動を、日本サッカー協会に対して具体的に提案してまいりたいと考えております。
 次に、補正予算案以外の議案につきましては、工事請負契約の締結についての議案2件及び人事案件4件並びに先般の2月定例県議会以降におきまして専決処分をいたしました事案2件でございます。
 初めに、工事請負契約の締結につきましては、療育医療総合センター(仮称)重心病棟等建築工事及び愛知総合工科高等学校建設工事に係るものでございます。
 次に、人事関係議案につきましては、収用委員会の委員の任期満了及び監査委員の辞任に伴います後任者をそれぞれ選任するものであります。
 続いて、専決処分につきましては、愛知県県税条例の一部改正と控訴の提起についてでございます。
 まず、愛知県県税条例の一部改正につきましては、地方税法等の一部を改正する法律が去る3月31日に公布されたことに伴いまして、法律の施行に合わせ、4月1日から愛知県県税条例を改正する必要があり、専決処分を行ったものでございます。
 その主な内容といたしましては、個人県民税における土地等の長期譲渡所得に係る課税の特例措置を延長するほか、自動車取得税の税率を引き下げるもの等でございます。
 次に、控訴の提起についてでございますが、これは、愛知県警察のパトロールカーと相手方との交通事故にかかる損害賠償請求事件及び損害賠償請求反訴事件について、去る3月27日の第一審判決において愛知県が敗訴した部分の取消し及び同部分に係る相手方の請求の棄却並びに損害賠償金の支払いを求めたものでありまして、控訴期限の関係から専決処分を行ったものでございます。
 ここに、ご報告を申し上げ、ご承認をお願いするものであります。

 どうかよろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますよう、お願いを申し上げます。