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県議会知事提案説明

平成28年5月臨時県議会 知事提案説明要旨

このたびの臨時県議会に提案をいたしました案件につきまして、その御説明を申し上げます前に、九州地方で発生した平成28年熊本地震について一言申し上げます。
   今回の地震では、熊本県を中心に、多くの方々が被災されるとともに、多数の家屋が倒壊するなど、たいへん大きな被害が発生しました。被災された方々に対しまして、心からお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、一刻も早く被災地域の皆様が元どおりの生活に戻れますよう願っております。
 このたびの震災に際し、本県としましては、災害派遣精神医療チーム「DPAT」、災害派遣医療チーム「DMAT」、保健師、応急危険度判定士、避難所運営支援の職員等を派遣したほか、本県警察からも機動隊員等が救出・捜索活動等に従事するなど、全庁を挙げて被災地への支援に取り組んでいるところであります。また、県民の皆様からは多くの心温まる義援金をいただきました。心から感謝をし、お礼を申し上げます。
  引き続き、被災地のニーズをしっかりと把握し、積極的な支援に取り組んでまいりたいと考えております。

  それでは、まず、最近の県政をめぐる状況について申し述べ、議員の皆様方の御理解と御協力をお願いしたいと思います。

  はじめに、「三河青い鳥医療療育センター」についてであります。 岡崎市内で移転改築を進めてまいりました「第二青い鳥学園」は、「三河青い鳥医療療育センター」として、4月1日に開所いたしました。
  病床数は、肢体不自由児病棟の50床に、新たに重症心身障害児者病棟の90床を加え140床とし、通所の児童発達支援センターも肢体不自由児及び重症心身障害児の20人とすることで、重症心身障害児者への支援の充実を図るものであります。
 また、6月末には春日井市にあります心身障害者コロニーの再編に伴う新たな重心病棟120床の運用を開始します。
 県としては、公立施設だけでなく、障害者福祉減税基金を活用し、民間による重症心身障害児者施設の整備を進めることとしており、本年 1月には一宮市内において「一宮医療療育センター」120床が開所し、さらに、本年度中には、豊川市内において、県内2か所目の民間施設  64床が整備される予定となっております。
 これらの取組により、平成25年時点で382床であった県内の重心病床は、来年度には1.8倍強の694床と、312床増やすことができます。ご尽力いただいた関係者に感謝申し上げますとともに、今後とも、重度の障害のある方が身近な地域で支援を受けられ、地域で安心して生活していただける環境づくりにしっかりと取り組んでまいります。

 次に、「愛知総合工科高等学校」についてであります。
 本県の工業教育の中核となる愛知総合工科高等学校は、4月6日に記念すべき第1回入学式を行い、開校いたしました。
 最新の工業教育施設や設備を有するとともに、建物の構造や配線、配管が見えるようにするなど、校舎全体が教材となっており、こうした施設や設備を活用した豊富な実習や、大学・産業界と連携した専門的な学習を通して、「モノづくり愛知」の将来を担うスペシャリストを育成してまいります。
 また、専攻科につきましては、全国初の公設民営学校として平成29年4月からの民営化に向けまして、専攻科の管理を行う指定管理法人の公募を5月10日に開始いたしました。
 民間の知見をいかした運営や、専攻科で学ぶ生徒の能力向上に資する取組により、「モノづくり愛知」の象徴となるハード面、ソフト面ともに充実した「日本一・世界一の工業高校」をつくってまいりたいと考えております。

 次に、アメリカ渡航についてであります。
 4月21日から、アメリカのテキサス州、ワシントン州及びカリフォルニア州を訪問してまいりました。
 テキサス州オースティンへは、中部経済連合会の三田会長始め経済界の皆様にも同行いただき、グレッグ・アボット知事との間で、愛知県とテキサス州との「友好交流及び相互協力に関する覚書」を締結いたしました。
 私からアボット知事には、「愛知はハート・オブ・ジャパンであり、テキサスは、ハート・オブ・アメリカ。その強い両地域が、お互いに発展していけるよう期待している。」とお話をさせていただきました。
  テキサス州では、トヨタ自動車が北米における製造、販売、金融等の本社機能を集約するほか、MRJの三菱航空機がダラスに、三菱重工業がヒューストンに北米本社を設置し、これに加え、JR東海の新幹線システムによる高速鉄道建設事業や、中部電力の液化天然ガス関連事業の推進など、本県関連企業のプロジェクトが次々と進行しております。
 今回の覚書の締結を機に、経済面に加え、文化や人的な交流を含めた地域レベルの関係を強化し、両地域のさらなる発展につなげてまいりたいと考えております。
 また、テキサス州ダラス・フォートワースでは、アメリカン航空を訪問し、中部−ダラス間の直行便の就航を要請したほか、現地の政財界の方々400名が一堂に会する行事に出席し、愛知とテキサスの友好交流の重要性、将来性について、スピーチを行いました。
 さらに、ワシントン州シアトルに移動し、ジェイ・インズリー知事との会談、ボーイング社幹部との面談及び工場視察、さらには米国三菱航空機のエンジニアリングセンターの視察を行い、本県航空宇宙産業のさらなる発展に向けて協力要請を行ってまいりました。
 最後に、カリフォルニア州では、シリコンバレーにおけるベンチャー企業を育てる取組を視察するとともに、ロサンゼルスでは、各国の政財界、官界、学会のメンバーが出席するアメリカ最大の金融経済系国際会議である、「ミルケン・インスティテュート・グローバル・カンファレンス」に参加いたしました。私からは、産業集積をいかした愛知の成長戦略、水素社会の実現に向けた取組や観光戦略等についてスピーチするとともに、世界のリーダーたちとの意見交換を行いました。
 今回のアメリカ渡航は、州政府や経済界の方々に本県の魅力を印象づけることができ、たいへん有意義なものとなりました。今後とも、テキサス州を始めとする北米地域との経済、文化、人的交流を推進し、未来志向の実りの多い関係を築いてまいります。

 次に、友好提携先であるビクトリア州の議会代表団及び江蘇省の省長御一行の本県訪問についてであります。
 5月11日に、オーストラリア・ビクトリア州のアトキンソン上院議長・ラングラー下院議長始め、州議会代表団の皆様が正副議長を訪問され、私も面会させていただきました。
 また、同日、中国・江蘇省の石泰峰省長御一行が来県され、議長並びに日中議連会長とともに懇談させていただきました。併せて、昨年5月に愛知県体育館に設置したピンポン外交記念モニュメントを御覧いただきました。
 ビクトリア州及び江蘇省との間で友好提携を結んで、今年で36年となります。ビクトリア州とは近年、行政間の交流に加え、教育の分野においても交流が拡大しており、また、江蘇省へは、愛知から多くの企業が進出しており、経済面でも非常に関係の深い地域であります。今後も、両地域と友好を深め、幅広い分野で交流を進めてまいります。

 次に、「伊勢志摩サミット」についてであります。
 サミット開催まで、あと1週間と迫り、その受入・歓迎の準備も大詰めとなっております。
 政府の歓迎式典が予定されている中部国際空港では、私も赴いて各国首脳等のお出迎えをするとともに、本県の最先端テクノロジーの象徴である、国産初のジェット旅客機「MRJ」や、世界初の量産型燃料電池自動車FCV「ミライ」、花き産出額日本一を誇る愛知の花など、本県が世界に誇る様々な魅力を発信してまいります。
 また、アウトリーチ国首脳や国際機関の代表の方々は、名古屋市内に滞在されることから、地域を挙げた歓迎レセプションも行ってまいります。
 さらには、サミット会議の前後には、首脳やその配偶者の方々に県内各地を訪れていただき、愛知・名古屋の様々な魅力に直接触れていただくことも予定しております。
 サミットのゲートウェイの役割を担う本県として、参加国首脳等の歓迎・受入準備や本県の魅力発信に、万全の態勢で取り組んでまいります。

 次に、「第20回アジア競技大会」の招致についてであります。
 全国・世界に打ち出せるスポーツ大会は、強い情報発信力を持ち、開催地の知名度を大きく向上させるとともに、多くの観戦客を国内外から集め、地域経済に大きな効果をもたらします。
 このようなスポーツ大会の持つ力に注目し、本県と名古屋市は、2026年開催予定の「第20回アジア競技大会」に共同で立候補することとし、5月13日、私と河村市長が日本オリンピック委員会の竹田会長を訪ね、立候補意思表明書を提出いたしました。
 アジア競技大会は、アジア・オリンピック評議会が主催し、加盟する45の国と地域が参加する、「アジア版オリンピック」ともいわれる大会であります。また、選手と大会関係者で約1万6千人の参加が想定されており、オリンピックに次ぐ参加者数を誇る大会でもあります。
 この大会の開催は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの次の目標となり、愛知・名古屋はもとより、日本全体の成長に貢献するものであります。また、リニア開業前後のビッグ・プロジェクトとして、超電導リニアを世界に発信し、そのインパクトをいかして、愛知の交流人口を拡大し、国際競争力を高めることができます。
 さらには、愛知・名古屋を名実ともに東京に対抗する日本のセンターとしてブランドを確立するとともに、成長著しいアジア地域の活力を取り込み、アジア地域と愛知・名古屋とのより強固な連携を構築することができるなど、この大会の開催には大きな意義があります。
 今回、立候補の意思を表明したのは、愛知・名古屋だけでありましたので、日本オリンピック委員会により、愛知・名古屋の開催能力が確認されれば、正式に国内候補都市に決定されると考えております。
 今後、開催構想の策定など必要な準備を着実に進め、名古屋市と連携し、経済界や競技団体、市町村、そして多くの県民・市民の御協力をいただきながら、大会招致が実現できるよう、全力で取り組んでまいります。

 次に、医療ツーリズムについてであります。
 医療ツーリズムは、世界的な潮流となっており、シンガポールやタイなどは、医療ツーリズムを国家戦略として位置付け、官民一体となって積極的に外国人患者の方を受け入れています。
 我が国は、国民皆保険制度や優れた公衆衛生対策、高度な医療技術により、世界最高水準の平均寿命を達成しており、日本の誇る先進的な医療技術や、より良い品質の医療を求める外国人の方の医療ツーリズムへの潜在的な需要が見込まれております。
 そこで、本県では、外国人の方に医療を提供する医療ツーリズムの推進に向けまして、「あいち医療ツーリズム研究会」を立ち上げることといたしました。この研究会では、県内の4つの大学病院や医師会を始めとした医療関係者の皆様に参画いただき、課題の抽出や解決策の検討を行い、本県の医療ツーリズム推進に向けた提言を、年内に取りまとめていただく予定であります。
 この研究会の立上げを契機に、ここ愛知が日本の先頭に立って、医療ツーリズムの推進にチャレンジしてまいります。

 次に、交通安全対策についてであります。
 本県の交通事故死者数は、昨年まで13年連続の全国ワースト1位であり、平成28年も、交通事故情勢は、依然として厳しい状況が続いております。
 このため、県警察や市町村、関係諸団体と連携した交通安全運動に加え、今年度は、高齢者の方を中心に、事故防止効果の高い反射材の着用を呼びかける啓発活動を展開するとともに、ドライバーに対しては、法令遵守や運転マナーの向上を目的とする運転診断などを実施してまいります。
 今後とも、県民総ぐるみでの交通安全対策を一層推進することにより、交通事故及び交通事故死者数の減少に努めてまいります。

 それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し述べたいと思います。
 まず、補正予算案についてでございますが、総額6,650万円を、一般会計で増額補正するものであります。
 その内容は、「第20回アジア競技大会」の愛知・名古屋への招致に向けまして、開催構想を取りまとめるための経費等を計上するものでございます。先に申し上げましたとおり、名古屋市と連携し、競技団体や市町村の協力を得ながら、開催構想の策定作業を進め、愛知・名古屋での開催を日本オリンピック委員会及びアジア・オリンピック評議会へしっかりと働きかけてまいります。

 次に、補正予算案以外の議案につきましては、人事案件3件及び先般の2月定例県議会以降におきまして専決処分をいたしました事案2件でございます。
 はじめに、人事関係議案についてでございます。これは、収用委員会の予備委員の死去及び監査委員の辞任に伴います後任者をそれぞれ選任するものであります。
 次に、専決処分につきましては、愛知県県税条例等の一部改正と上告の提起についてでございます。
 まず、愛知県県税条例等の一部改正につきましては、地方税法等の一部を改正する法律が去る3月31日に公布されたことに伴いまして、法律の施行に合わせ、4月1日から愛知県県税条例等を改正する必要があり、専決処分を行ったものでございます。
 その主な内容といたしましては、法人事業税における外形標準課税の税率を改正するもののほか、自動車取得税におけるいわゆるエコカー減税の対象車種を拡大するもの等でございます。
 次に、上告の提起についてでございますが、これは、県税を滞納している法人に対する詐害行為取消等請求控訴事件について、去る4月27日の第二審判決において愛知県が敗訴した判決の破棄並びに詐害行為の取消し及び金員の支払いを求めたものでありまして、上告期限の関係から専決処分を行ったものであります。
 ここに、御報告を申し上げ、御承認をお願いするものであります。
 
 どうかよろしく御審議の上、適切な御議決を賜りますよう、お願いを申し上げます。