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県議会知事提案説明

平成28年9月定例県議会 知事提案説明要旨

このたびの定例県議会に提案をいたしました諸議案につきまして、そのご説明を申し上げるに先立ちまして、昨夜、この地域を通過した台風16号により被害を受けられた皆様方に対し、心からお見舞いを申し上げます。
 本県におきましても、清須市の主要地方道・名古屋祖父江線がJR東海道線及び新幹線の下を通過する「古川アンダーパス」において、通行規制区間の内側にある民地から冠水区域に進入した車両が水没し、女性ドライバーの方が意識不明の重体となっておられましたが、今朝、お亡くなりになりました。
 心からご冥福をお祈り申し上げます。
 県といたしましては、前後の交差点で通行止め規制を行い、迂回の誘導を行っておりましたが、今後、しっかりと事故の状況を確認して、更なる安全対策に努めてまいりたいと考えております。

 また、岩手県・北海道を中心に多くの被害が発生した台風第10号について申し上げます。
 この台風では、記録的な大雨となり、河川の氾濫による死傷者や家屋の浸水被害などが発生するとともに、道路の寸断により孤立する地域が発生いたしました。特に、岩手県の認知症高齢者グループホームにおいては、多数の入居者が亡くなられるという大変痛ましい事故がございました。この災害後直ちに、本県では、市町村及び県内社会福祉施設等に対し、改めて非常災害対策と入所者等の安全の確保に努めるよう、注意喚起の通知を行ったところであります。
 被災された方々に対しまして、心からお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、被災地域の一刻も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
 また、4月の熊本地震、今年立て続けに来襲する台風など、私どもは自然災害と常に隣合わせで生活を営んでいることに思いをいたし、改めて、安心安全な県土を整備し、県民生活の安寧を確保するために全力で取り組んでいく決意を新たにしたところであります。

 それでは、県政を取り巻く最近の状況について申し述べ、議員の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

 はじめに、行啓についてであります。
 皇太子殿下におかれましては、第18回結晶成長国際会議開会式へのご臨席、併せて県内事情のご視察のため、8月7日及び8日の2日間、ご来県を賜りました。
 開会式のご臨席後には、ノーベル物理学賞を受賞された赤ア勇先生による青色発光ダイオードの発明についての基調講演もご聴講されました。ご滞在中は、安城市歴史博物館、西尾市岩瀬文庫をご視察いただき、沿道や各施設における、多くの県民の歓迎に笑顔でお応えくださり、皇太子殿下の温かいお人柄に触れることができましたことは、県民にとりまして、たいへん光栄であり、大きな喜びでありました。

 次に、最近の経済情勢についてであります。
 景気は、このところ弱さも見られますが、緩やかな回復基調が続いております。先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善が続く中で、海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動に留意する必要があります。特に、為替においては、イギリスのEU離脱が決まった6月24日には、円相場が99円まで急騰し、その後も円高基調が続いております。このため、企業の採算悪化や国際競争力の低下、さらには国内景気への悪影響も懸念されるところであります。
 国においては、8月24日に「未来への投資を実現する経済対策」に係る補正予算を閣議決定し、一億総活躍社会の実現の加速、21世紀型のインフラ整備、イギリスのEU離脱に伴う不安定性などのリスクへの対応並びに中小企業・小規模事業者及び地方の支援などに重点を置いた、内需を下支えする施策を講じることとしております。
  こうした中、8月25日には、私がプロジェクトリーダーを務める全国知事会の「円高是正・デフレ対策プロジェクトチーム」を開催し、「デフレからの完全な脱却、持続的な経済成長の実現に向けた提言」をとりまとめ、政府に要請しました。急激な為替変動に留意しつつ、日本経済の「稼ぐ力」を回復するためには、為替・金融政策と併せて、規制改革、地方分権、将来への不安払拭に資する構造改革を加速化させることが必要であると申し入れました。
 今後も経済動向を注視しながら、国に対して機動的な政策対応を求めてまいります。
 次に、本県の財政運営についてであります。
 本年度の県税収入は、県内企業の本年3月期決算は比較的堅調でありましたが、今後は、為替が企業収益に与える影響などに十分注意を払いながら、慎重に税収を見極めていく必要があると考えております。来年度の予算編成に向けましては、当初予算で多額の取崩しを計上した基金の残高をできる限り回復させることが急務であり、本年度内における歳入の確保や経費の節減に最大限努力するとともに、行革大綱「しなやか県庁創造プラン」に沿って、歳入歳出全般にわたる行財政改革の取組を引き続き進めていかなければならないと考えております。

 こうした取組に加え、産業経済の活性化を進めることにより、地域の雇用を維持・拡大し、税源の涵養を図っていくことも重要であります。
 このため、世界をリードする自動車産業やアジアNo.1の集積の航空宇宙産業を始めとしたモノづくり産業のさらなる振興を図ることに加え、本県独自の産業空洞化対策減税基金による補助制度により、8月には、企業立地・再投資の分野で、平成28年度第1回の採択案件23件を決定したところであります。これまでの決定分と合わせますと、補助対象案件は194件、総投資額は3,775億円余となり、37,000名余の常用雇用者が維持・創出される効果が見込まれております。
 さらに、研究開発や実証実験の支援では、これまでに、次世代自動車、航空宇宙、環境・エネルギー、健康長寿、IT・ロボット等の分野において360件を採択し、今後成長が見込まれる分野で高付加価値のモノづくりの維持・拡大を図っております。

 次に、オリンピック・パラリンピックでの本県選手の活躍についてであります。
 8月に開催されましたリオデジャネイロオリンピックでは、過去最多41個のメダルを獲得した日本選手団の活躍は日本国民に大きな感動をもたらしました。
 こうした中、本県ゆかりの37名の選手の活躍、特に、女子レスリングで4個の金メダルを始め、銀2個、銅3個、合計9個のメダルを獲得された健闘ぶりは、目を見張るものがあり、愛知県民として誇りに思うところであります。
 また、パラリンピックにおける本県ゆかりの7名の選手の健闘、特に柔道で銀メダルの廣瀬誠選手、陸上の400メートルリレーで銅メダルの佐藤圭太選手の活躍につきましては、心から敬意を表したいと思います。
 本県では、オリンピック・パラリンピックでの本県ゆかりの選手の素晴らしい活躍に対し、表彰することとしております。
 今後も、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、本県ゆかりの選手が大いに活躍されるよう、しっかりと応援してまいりたいと考えております。

 次に、「第20回アジア競技大会」の招致についてであります。
 愛知・名古屋は、「第20回アジア競技大会」の招致を進めているところでありますが、7月21日、22日には、アジア・オリンピック評議会(OCA)と日本オリンピック委員会(JOC)の評価委員会による現地視察が行われました。この評価委員会では、私からプレゼンテーションを行った後、瑞穂公園陸上競技場などの競技会場やメインメディアセンターとなる名古屋市国際展示場などをご覧いただき、OCAとJOCの双方から高い評価をいただくことができました。
 そして、9月13日に開催されたJOCの理事会では、愛知・名古屋の共催が成立することを条件に国内候補都市に承認されました。
 その後、名古屋市における立候補の意思決定手続きが整いましたので、JOCへ県市連名で共催の文書を提出したうえで、9月25日にベトナムのダナンで開催されるOCAの総会において、私から立候補の意思表明をすることとしております。愛知・名古屋の魅力や大会開催能力をしっかりとアピールし、大会の招致につなげてまいりたいと考えております。

 次に、「ISU(国際スケート連盟)グランプリファイナル国際フィギュアスケート競技大会2017」についてであります。
 9月1日に日本スケート連盟の橋本会長が本県へお越しになり、 2017年大会の愛知・名古屋での開催と支援について要請されました。
 愛知・名古屋はフィギュアスケートが非常に盛んであり、多くの選手を輩出している、まさに「フィギュアスケート王国」であります。世界のトップスケーター達が集う世界最高峰の大会を本県で開催することは、当地域のスポーツのさらなる発展に寄与し、愛知・名古屋を国内外に強く発信できる絶好の機会であります。
 本県といたしましては、大会の成功に向けまして、名古屋市とともに積極的に協力してまいりたいと考えております。

 次に、技能五輪国際大会についてであります。
 本県では、現在、2020年代初頭の技能五輪国際大会の開催に必要な条件などを調査しているところであります。こうした中、国の「日本再興戦略2016」において、「技能五輪国際大会の日本への誘致に向けた具体的な方策を検討し、来年度年央までに結論を得る」ということを初めて表明されました。
 この国の方針に沿って2023年大会の本県開催を目指し、大会招致の準備を着実に進めるため、今年度中に、本県としての基本構想を策定してまいりたいと考えております。
 これまで「モノづくり王国あいち」として培ってきた技能尊重の機運を揺るぎないものとし、日本一の産業県・モノづくり県である愛知を世界にアピールするため、技能五輪国際大会の招致に取り組んでまいります。

 次に、海外渡航についてであります。
 7月10日から16日までの間、イギリス及びフランスを訪問してまいりました。経済界の方々にもご同行いただき、地域を挙げて本県の航空宇宙産業をアピールしてまいりました。
 イギリスでは、経済交流会を開催し、英国貿易投資総省を始めとする外国政府機関、企業の方々など、多くの皆様にご参加いただきました。
 また、ファンボロー国際航空ショーを訪れるとともに、ボーイング社及びエアバス社の幹部とも面談し、本県との関係を強化していくことを確認しました。
 フランスでは、さらなる航空宇宙産業の取引機会の拡大のため、ツールーズを圏都とするオクシタニー地域圏政府の議会議員やエアバス社の幹部と面談してまいりました。
 今後も、本県の産業力を海外にアピールし、愛知の航空宇宙産業の振興につなげてまいりたいと考えております。
 次に、中国及び東南アジア渡航についてであります。
 9月7日から16日までの間、マレーシア、中国、ベトナム、シンガポールを訪問してまいりました。マレーシアと中国広東省では、県議会の皆様方にもご同行いただき、本県の魅力を伝え、交流を深めてまいりました。
 マレーシアでは、「愛知フェアinマレーシア」を開催し、県産の農林水産物とその加工食品のPRを行ってまいりました。また、エアアジアXのイスマイルCEOと面談し、中部国際空港とクアラルンプールを結ぶ直行便の復活を要請してまいりました。
 続いて、中国では、覚書締結以来、高校生の交流団の受入れなど友好交流を進めている広東省で、朱小丹省長始め幹部と面談し、経済に加え、観光や青少年交流などで連携強化を図っていくことを確認しました。さらに、中国南方航空の張子芳書記と面談し、広州直行便の復活を強く要請しましたほか、現地旅行会社・メディア35社49名が参加する観光説明会・商談会や地元政府、現地企業130名が参加した県主催の交流会において、武将観光、なごやめしや、愛知の伝統工芸品など愛知の魅力をアピールしてまいりました。
 さらに、友好提携先である江蘇省では、石泰峰省長始め幹部と面談し、今後も幅広い分野で交流を深め、お互いの発展につなげていくことを確認しました。
 次の訪問国、ベトナムでは、ベトナム政府を訪問し、クアン国家主席及びビン副首相始め政府閣僚と面談し、ベトナムと中部国際空港を結ぶ航空路線の拡充や、アジア競技大会招致への支援、さらに両地域の経済連携の強化と人的交流の深化に対する協力をお願いしてまいりました。
 これらの政府関係者から、更なるビジネス交流の活発化に向けて力強い言葉をいただく中、ベトナム航空に要請した、ホーチミン線の早期デイリー化については、来年1月から週4便から5便に増便することが決定されたところであります。
 そして、ホーチミン市では、フォン人民委員会委員長と、新たに「友好交流及び相互協力に関する覚書」を締結いたしました。ホーチミン市は、日本及び本県から進出する企業がベトナム国内最多であり、覚書締結を契機に、経済、文化、人的交流を含めた地域レベルの友好関係を構築し、双方の発展につなげてまいりたいと考えております。
 最後に、シンガポールを訪問し、シンガポール国立大学で、日本一の産業集積を生かした愛知の取組や魅力などについて講演してまいりました。さらに、シンガポール国立大学のタン総長とお会いし、「日本の大学やシンガポール国立大学のようなアジアの大学、研究機関や産業界が連携して研究開発を進めることが大事だ」という認識を共有し、今後、連携を前提に協議することといたしました。また、アメリカの経済金融調査シンクタンク「ミルケン研究所」のアジア支部が開催する「第3回アジアサミット」に参加し、投資先かつ観光地としての愛知の先進性と魅力をしっかりPRしてまいりました。
 今後も、地域を挙げて中国・東南アジア地域との交流を推進し、成長著しいアジアの活力を取り込み、経済や観光などの活性化を図ってまいりたいと考えております。

 次に、「海フェスタ東三河」についてであります。
 7月16日から7月31日までの16日間、海・川・港の魅力や重要性を次の世代へつなげ、多彩で豊かな地域資源の魅力を全国に発信する「海フェスタ東三河」が、東三河の5市2町1村において開催されました。
 期間中の7月19日から20日まで、秋篠宮同妃両殿下にご来県いただき、東三河の各地をご視察いただくとともに、記念式典・記念祝賀会にご臨席を賜りました。
 今回の海フェスタは、目標の100万人を超える方々にご来場いただき、東三河の多彩な魅力を全国に発信する良い機会となりました。これを契機に、さらに一層、三河港の活性化、東三河地域全体の発展に努めてまいりたいと考えております。
 
 次に、7月28日、29日に福岡県で開催されました「全国知事会議」についてであります。
  会議では、地方自治体が直面する諸課題について、2日間にわたり活発に議論が交わされました。
 私からは、まず、「地方税財源の確保・充実」に関して、地方税を国税化し、偏在是正の財源とすることは、地方分権の趣旨に逆行するため反対であると申し上げた上で、県内の8市町村が先般の地方法人課税の見直しにより、消費税率の引上げ等による増収をはるかに超えて減収となることについて、国が一言も意見を聞かず、一方的に地方税を召し上げていくことは極めて遺憾であり、財政運営に支障が生じないような措置を強く求めることを申し上げました。また、車体課税の見直しに関して、「自動車税の見直しはすべきでない」とされていた国への提言案を、平成28年度与党税制改正大綱で明記された「自動車の保有に係る税負担の軽減に関し総合的な検討を行い、必要な措置を講ずる」との趣旨に沿って、税負担の軽減を行うべきであると意見を申し上げ、提言に反映することができました。
 加えて、ふるさと納税における過度な返礼品競争は問題であることから、返礼品について、例えば寄附額の1割までとする制限を設けるべきことや、「地方創生」については、東京一極集中の是正に向け、東京に所在する大学の定員増を厳しく抑制することを提案しました。
 さらに、「地方分権改革の推進」では、憲法改正の議論をするのであれば、「地方分権の確立」と「税財源の自立・独立」を憲法に明記することを、全国知事会として国に対し強く働きかけるべきであると申し上げました。
 今後も、全国知事会などの活動を通じて、国に対して本県の考えを主張してまいります。

 次に、生物多様性保全に係る「愛知目標達成に向けた国際先進広域自治体連合」の設立についてであります。
 8月2日、カナダのケベック州やスペインのカタルーニャ州を始め、生物多様性の保全に先進的に取り組んでいる海外の州・県レベルの広域自治体、いわゆるサブナショナル政府とともに、「愛知目標達成に向けた国際先進広域自治体連合」を立ち上げました。
 今後、12月にメキシコで開催されるCOP13において、共同声明の発表を行うなど、各国メンバーと連携して世界に発信することにより、「愛知目標」の達成に貢献してまいりたいと考えております。

 次に、全国植樹祭についてであります。
 8月10日に、平成31年に開催される「第70回全国植樹祭」の愛知県開催が正式に決定いたしました。本県では、昭和54年の「第30回全国植樹祭」の開催から40年ぶり、2回目の開催となります。
 全国植樹祭の開催に向けましては、尾張旭市にあります愛知県森林公園を会場候補地とし、開催理念や開催内容などを定めたところであり、7月4日に、第70回全国植樹祭愛知県実行委員会を設立するとともに、8月18日には、「全国植樹祭推進室」を設置いたしました。
 今後とも、全国植樹祭の成功に向けまして、取り組んでまいりたいと考えております。
 
 今年、愛知は、「芸術・アートの年」であります。その第1弾として、「あいちトリエンナーレ2016」が8月11日に開幕し、40日が経過しました。これまでの延べ来場者は、25万人を超え、たいへん多くの方々に楽しんでいただいております。
 私自身、開幕直後に、名古屋市内、豊橋市内、岡崎市内のすべての会場を訪れる中で、迫力のある作品の数々を目の当りにして改めて現代アートの多様さを実感いたしました。
 会期の後半についても、さらなる盛上がりが図れるよう、様々なイベントを用意しておりますので、一人でも多くの方々に、最先端の現代アートをご覧いただきたいと考えております。
 また、「第31回国民文化祭・あいち2016」につきましては、10月29日から12月3日までの36日間にわたり、県内全市町村において、音楽、美術、伝統芸能など、地域の特色を生かした90を超える文化イベントが繰り広げられます。多くの方々にお越しいただき、多様で豊かな愛知の文化に触れていただきたいと思います。
 さらに、12月に開催する「第16回全国障害者芸術・文化祭あいち大会」につきましては、すでに、全国の障害のある方々から多くの作品や舞台発表のお申込みをいただきました。作品展示や交流イベントなどの準備をしっかりと進め、広く県民の皆様にご参加いただき、楽しんでいただける大会を目指してまいります。

 次に、地震防災対策の推進についてであります。
 南海トラフ地震等による大規模地震災害の発生が危惧される本県では、県民の皆様が、日頃から地震防災対策に関する知識を身につけ、災害に対する備えを心がけていただくことがたいへん重要であります。
 このため、8月28日に岡崎市との共催による「愛知県・岡崎市総合防災訓練」を実施し、また、9月1日の「防災の日」には、約47万人の県民の皆様にご参加いただき、県内全域で「あいちシェイクアウト訓練」を実施したところであります。
 さらに、11月6日には、弥富市との共催による「愛知県・弥富市津波・地震防災訓練」を、また、1月17日には、内閣府と連携した「中部ブロック南海トラフ地震防災対策推進連絡会広域連携防災訓練」を開催する予定であります。
 また、本年4月の熊本地震では、被災者への支援物資の輸送や、車中泊等の避難者への対応等についての課題が明らかになりました。こうした課題に早急に対応するため、本県におきましても、支援物資の受入れに係る物流体制の検討や避難所運営マニュアルの見直しを行い、地震防災対策を強化してまいります。
 こうした取組により、県民の皆様の防災意識を高めるとともに、国や市町村、近隣県、防災関係機関などとの防災体制の連携強化を図り、大規模地震災害にしっかり備えてまいります。

 次に、交通安全対策の推進についてであります。
 本県の交通事故死者数は、5月末以降、全国ワースト1位と非常に厳しい状況となっており、特に高齢者の方々が犠牲になる事故や交差点での事故が多発しております。
 こうした中、今月14日からの「高齢者交通安全週間」に続き、本日から「秋の全国交通安全運動」を開始し、県警察や市町村、関係機関の皆様との連携をより一層密にしながら運動を展開してまいります。
 また、元中日ドラゴンズの山本昌さんを起用し、高齢者を事故から守る内容のテレビCMを放送するなど、高齢者の交通事故防止に重点を置いた対策を進めてまいります。
 今後とも、県民総ぐるみでの交通安全対策を一層推進することにより、交通事故の減少に全力で取り組んでまいります。

 それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し上げたいと存じます。
 まず、補正予算案についてであります。補正予算の総額は、52億6,306万余円でございまして、会計別では、一般会計で52億2,981万余円、企業会計で3,325万円であります。
 主な補正予算の内容について、ご説明申し上げます。
 まず、「第20回アジア競技大会」につきまして、先に申し上げましたとおり、愛知・名古屋が開催都市に決定した後、開催に向けたPRや関係者との調整を進めてまいります。
 次に、これも先に申し上げましたとおり、平成28年熊本地震における新たな課題に早急に対応し、南海トラフ地震等の大規模災害に備えるため、災害時の支援物資受援供給体制や避難所運営マニュアルの見直しを行ってまいります。
 次に、地域医療介護総合確保基金を活用し、病床機能の転換を進めるための人材養成、在宅医療の提供体制の強化、医療従事者や介護従事者の確保を図るための施策を推進してまいります。
 次に、経済的に困窮している家庭における生活実態や様々な課題を把握し、実効性のある子どもの貧困対策を行うため、「愛知子ども調査」及び「ひとり親家庭等実態調査」を実施してまいります。
 次に、「技能五輪国際大会」につきましては、先ほど申し上げましたとおり、2023年大会の本県開催に向けまして、基本構想を策定するとともに、国際アビリンピックについても、招致に向けた検討を行ってまいります。
 次に、名古屋コーチンの生産拠点である畜産総合センター種鶏場の供給機能を強化するため、老朽化した施設の移転整備について、今後の整備方針に関する基本構想を策定してまいります。
 また、県内の厳しい交通事故情勢を踏まえまして、事故が多発する交差点の標識・標示の更新や信号灯器のLED化に要する経費について計上し、交通事故の抑止に努めてまいります。
 さらに、建設事業につきましては、舗装道路の修繕や河床の浚渫、護岸の改修などの単独事業を実施してまいります。また、国庫補助の内示増に伴う公共事業といたしまして、県営住宅の建替えや長寿命化改善事業を追加計上いたします。
 このほか、企業会計につきましては、高浜豊田地区の新規開発に係る用地造成工事を実施してまいります。

 次に、補正予算案以外の議案についてであります。
 今回提案をいたしております案件は、条例関係議案が10件、その他の議案が23件でございます。
 主な案件につきまして、ご説明申し上げます。
 まず、条例関係議案のうち、手話言語の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例の制定についてであります。
 障害のある方が日常生活や社会生活において意思疎通を図るためには、障害の特性に応じたコミュニケーション手段が利用しやすい環境づくりを進めていく必要があります。また、こうしたコミュニケーション手段の利用は、愛知県障害者差別解消推進条例の全面施行に伴い、障害のある方に対して合理的な配慮を行う場合や、大規模災害時に障害のある方へ情報を提供する際にも、重要となってまいります。
 このため、新たに条例を制定し、言語である手話の普及と障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図るものであります。
 今回の条例は、全国の都道府県条例で初めて、手話だけでなく要約筆記、点字、代筆など障害の特性に応じたコミュニケーション手段全般を対象として、規定したものであります。
 こうした条例の制定を通じて、障害の有無にかかわらず相互に人格と個性を尊重し合いながら共生し、安心して暮らすことのできる地域社会の実現に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、愛知県立学校条例の一部改正につきましては、平成29年4月1日から、二部制単位制の定時制高校、いわゆるステップアップハイスクールとして、新たに「城北つばさ高等学校」を設置するものであります。
 次に、その他の議案でありますが、愛知総合工科高等学校の専攻科の指定公立国際教育学校等管理法人として、学校法人名城大学を指定してまいります。
 最後に、人事案件でございますが、教育委員会の委員、監査委員及び土地利用審査会の委員の任期満了に伴いまして、その後任者をそれぞれ選任するものでございます。

 以上、提案をいたしております案件の主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げましたが、詳細につきましては、議事の進行に伴いましてご説明を申し上げたいと思います。
 なお、平成27年度一般会計及び特別会計並びに公営企業会計決算につきましては、監査委員の審査意見を付しまして提出いたしております。
 どうかよろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願いを申し上げます。