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県議会知事提案説明

平成28年12月定例県議会 知事提案説明要旨

このたびの定例県議会に提案をいたしました諸議案のご説明を申し上げるに先立ちまして、三笠宮崇仁親王殿下の薨去につきまして、謹んで哀悼の意を表しますとともに、心からご冥福をお祈り申し上げます。
 また、10月21日に発生した鳥取県中部を震源とする地震では、多数の家屋が損壊するなど、大きな被害が発生いたしました。被害を受けられました方々に心からお見舞い申し上げますとともに、一刻も早く被災地域の皆様が元どおりの生活に戻れますよう願っております。

 それでは、県政を取り巻く最近の状況について申し述べ、議員の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと思います。

 はじめに、最近の政治・経済情勢についてであります。
 11月に行われたアメリカ大統領選挙においては、ドナルド・トランプ氏が次期大統領として選出されました。まずは、トランプ氏の勝利にお祝いを申し上げたいと存じますが、併せて、今後の政策・動向等をしっかりと注視してまいります。
 日本とアメリカは、戦後70年以上にわたり、人類普遍の価値観である自由と民主主義の理念を共有する強固な日米関係、日米同盟を構築してきており、経済関係を始め、様々なパイプ・ルートで強い結びつきを持っております。
 世界をリードするトップ・ツー、先進国、民主主義国のトップ・ツーなので、この関係が変わることはなく、アメリカにとっても、日本にとっても、日米同盟が世界の安定に貢献している「アンカー」であるという、その重み、意義、価値は変わらないと考えます。
 今後、来年の新政権発足に向けて、政権人事・具体の政策の発表がなされていくと思われます。グローバル化が一層進展する中、世界経済・金融資本市場の動向の重要性がいよいよ増しています。愛知県及び中部地域は、日本経済の屋台骨であり、自動車始め、輸出型の製造業が集積している地域でありますので、アメリカが今後どのような政策をとっていくのか、アメリカ・世界経済の動向とも密接に関連する本県としても、しっかりと動向を注視してまいります。
 また、愛知県は、今年、テキサス州、ワシントン州と友好協力協定を締結しました。まさに、両州はアメリカの成長を担っている地域であり、そうした友好関係を大事にして、私どもとしても、日米関係、経済関係の強化に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、来年度の予算編成についてであります。
 来年度の県税収入は、来年3月期の上場企業の業績予想について、県内の主要企業が大幅な減益に転じる見込みであり、全体的にも減速が見込まれていることに加え、法人事業税の外形標準課税が再拡大された影響により、法人二税収入の減収が見込まれ、厳しいものにならざるを得ないと考えられます。
 一方、歳出面においては、扶助費などの義務的経費は、依然として確実な増加が見込まれますことから、来年度は、多額の収支不足が見込まれ、これまで以上に困難な財政運営を余儀なくされると考えられます。
 このように、厳しい環境の中での予算編成となりますので、財源の確保とともに、徹底した歳出の抑制に取り組み、真に必要な分野に、限られた財源を重点的かつ効率的に配分することを基本に、メリハリのついた予算編成をしてまいりたいと考えております。

 次に、国際連携の推進についてであります。
 先ほど申し上げましたとおり、4月のテキサス州に続き、10月18日に、本県とワシントン州との「友好交流及び相互協力に関する覚書」、県営名古屋空港とモーゼスレイク市にあるグラント・カウンティ国際空港との「姉妹空港提携」をそれぞれ締結いたしました。
 ワシントン州は、ボーイング社等が立地する世界最大級の航空機産業の集積地であり、また、MRJの開発を行う三菱航空機株式会社は、グラント・カウンティ国際空港において、10月からMRJの試験飛行を本格的に行っており、本県とたいへん関わりの強い地域であります。
 今回の取組を契機に、航空宇宙産業を始めとする経済分野に加え、教育、文化、人材育成など幅広い分野において連携・交流を深め、両地域のさらなる発展につなげてまいりたいと考えております。

 次に、「名古屋コーチンの日」についてであります。
 名古屋コーチンは、本県が誇るブランド地鶏であり、その歴史は古く、明治38年3月10日、我が国初の実用品種として公式に認定されました。
 このような歴史的背景について関心を持っていただき、もっと多くの方に名古屋コーチンを食べていただくきっかけとなるよう、毎年3月10日を「名古屋コーチンの日」とすることとし、日本記念日協会から登録証をいただきました。
 地鶏で公式に記念日を定めるのは、名古屋コーチンが全国で初めてであり、今後は、3月10日の記念日に向けたイベントを実施するなど、引き続き、「キング オブ 地鶏」名古屋コーチンのPRや消費拡大に取り組んでまいります。

 次に、「第20回アジア競技大会」についてであります。
 10月21日、県議会の皆様や名古屋市長、名古屋市議会、経済界の方々とともに、安倍内閣総理大臣を訪問し、アジア競技大会の開催が決定したことを報告し、支援の要請もいたしました。
 安倍総理からは、「2026年アジア競技大会は、東京オリンピック・パラリンピックの次の大きな目標となるので、日本全体でしっかり応援していく。ぜひ成功させていきたい。」との力強い発言がありました。
 そして、大会の開催準備を着実に推進していくため、11月16日に、名古屋市とともに「アジア競技大会愛知・名古屋合同準備会」を立ち上げました。
 今後は、この合同準備会におきまして、開催都市契約の締結に向けた課題の検討や調整、大会運営を担う組織委員会の設立準備などをしっかりと進めてまいります。

 次に、観光振興についてであります。
 昨年度に引き続き、愛知県出身の松平健氏を起用した観光PRキャンペーン「モノスゴ愛知でマツケン」を10月3日から開始し、WEB動画を始め、首都圏、関西圏の鉄道駅でのデジタル広告、屋外大型ビジョンで愛知のPRなどを行っております。
 また、本県の観光資源の魅力を海外へ発信するとともに、旅行商品造成を促進するため、訪日旅行者数の増加率が高い中国やアジア各国の旅行事業者やメディア関係者を集め、県内観光地の視察や商談会を実施しました。県内の多くの観光事業者にもご参加いただき、地域を挙げて、本県の魅力を大いにPRすることができました。
 今後も、国内外に向けた戦略的な情報発信を行うなど、より一層の観光振興に取り組んでまいります。

 次に、「山・鉾・屋台行事」のユネスコ無形文化遺産への登録についてであります。
 11月28日からエチオピアで開催されておりますユネスコの政府間委員会において、日本が申請した「山・鉾・屋台行事」の無形文化遺産登録が、日本時間の今朝午前2時に決議されました。
 「山・鉾・屋台行事」は、国指定重要無形民俗文化財である33件の山車まつりで構成されており、このうち本県には「尾張津島天王祭(おわりつしまてんのうまつり)の車楽舟行事(だんじりぶねぎょうじ)」、「知立の山車文楽(だしぶんらく)とからくり」、「犬山祭の車山(やま)行事」、「亀崎潮干祭(かめざきしおひまつり)の山車(だし)行事」、「須成祭(すなりまつり)の車楽船行事(だんじりぶねぎょうじ)と神葭流し(みよしながし)」の、全国最多となる5件の山車まつりが所在しています。
 愛知を代表する伝統文化である山車まつりが登録されたことは、県民として大いに誇りに思うところであり、これまで保存・継承してこられた「祭人」の皆様の気概や思い入れを考えると喜びもひとしおであります。
 今後も、愛知の山車まつりの魅力を発信していくとともに、その魅力を体感していただくなど、観光集客に結び付けていく仕掛けづくりに、保存団体や関係市町の皆様と一緒になって取り組んでまいります。

 「芸術・アートの年」の先陣を飾った「あいちトリエンナーレ2016」が閉幕して1か月余りが経過いたしました。
 3回目となる今回は、「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」をテーマに、8月11日から10月23日までの74日間にわたって開催いたしましたところ、約60万2千人という多くの方にご来場をいただきました。
 ここに改めて、議員の皆様並びに県民の皆様を始め、地元経済界、関係機関、ボランティアの皆様、さらにはご参加、ご協力いただきましたすべての方々に心からお礼を申し上げる次第であります。
 今回のトリエンナーレでは、前回の名古屋、岡崎から新たに豊橋にも開催エリアを拡大し、さらなる広域展開を図りました。また、これまで国内であまり紹介されてこなかった中東や中南米の作品のほか、来場者が参加・体験できる屋外での大規模作品など、見応えのある作品を数多く紹介することができ、来場者の方々に現代アートの持つ魅力や迫力、多様性を感じていただき、大きな成果を上げることができたと思っております。
 また、トリエンナーレに続いて10月29日に開幕いたしました「第31回国民文化祭・あいち2016」につきましては、これまで県内の全市町村において、音楽、美術、伝統芸能など、地域の特色を生かした文化イベントが繰り広げられ、多くの方々にお越しいただいております。12月3日の閉幕まで、引き続き多くの方々に愛知の文化を堪能していただきたいと思います。
 さらに、「第16回全国障害者芸術・文化祭あいち大会」が間もなく開幕いたします。今回の大会は、紹介作品展や過去最大約800点の全国公募作品展、大会独自のプロデュース舞台である「親指王子」の上演など、見どころも盛りだくさんとなっております。私も、障害のある子どもたちと書道作品を協同して制作したり、舞台発表の練習へ激励に訪れるなどしてまいりましたので、目前に迫った開幕を心待ちにしております。
 2016年、「芸術・アートの年」の最後を飾る大会として、多くの方にご来場いただき、皆様の心に残る大会となるよう、大いに盛り上げてまいります。

 次に、技能五輪全国大会及び全国アビリンピックについてであります。
 本県では、モノづくり愛知として技能振興と産業人材育成の取組の定着を図るため、2019年度に技能五輪全国大会を、2020年度には技能五輪全国大会・全国アビリンピックを連続で開催いたします。さらに、2023年の技能五輪国際大会の本県招致に向けた取組を進めているところであります。
 こうした中、10月に山形県で開催された技能五輪全国大会では、本県選手団は、11職種12名の金賞を始め、合計で25職種89名が受賞し、12年連続で最優秀技能選手団賞を受賞しました。
 また、全国アビリンピックにおいても、2種目2名の金賞を始め、10種目10名が入賞し、3大会連続でメダル獲得数全国1位に輝くなど、本県の選手が素晴らしい成績を収めました。
 本県では、中小企業で働く若者を対象とした「町工場技能者コンクール」を開催するとともに、11月19日、20日の2日間、名古屋市内において、小中学生を対象とした少年少女技能大会「アイチータ杯」を新たに開催し、若年層の技能尊重機運の醸成にも取り組んでおります。
 今後も、技能五輪・アビリンピック等の開催を通じて、モノづくりへの関心を高め、「産業首都あいち」を支える人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、地震防災対策についてであります。
11月22日に、福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震が発生しました。この地震は、平成23年東北地方太平洋沖地震の余震と見られており、引き続き警戒が必要とされています。
 こうしたことをみても、県民の皆様が日頃から地震防災対策に関する知識を身につけ、災害に対する備えを心がけていただくことは、たいへん重要なことであります。
 このため、11月6日には、弥富市におきまして、津波からの避難に重点を置いた「愛知県・弥富市津波・地震防災訓練」を行い、その中で、岐阜県、三重県及び名古屋市と連携し、県境を越える広域避難訓練を初めて実施いたしました。
 さらに、11月13日には、愛・地球博記念公園において、地域防災力の向上を目指す「あいち防災フェスタ」などを開催しました。
 これらの取組を通じて、県民の皆様の防災意識を高めるとともに、国、関係自治体、防災関係機関等との連携強化を図り、引き続き地震防災対策に取り組んでまいります。

 次に、自動車諸税の見直しについてであります。
 私は、知事に就任した平成23年以来、関係する自治体と連携し、自動車税制の抜本的見直しに取り組んでまいりました。
 その結果、昨年度の与党税制改正大綱においては、自動車取得税の廃止等、自動車ユーザーの負担軽減につながる抜本的見直しの方向性が示されたものの、消費税率の10%への引上げ時期が延期されたこともあり、真の負担軽減が実現するかどうかは、今後の議論に委ねられることとなりました。
 このため、本年も、11県知事2市長の連名で、「平成29年度税制改正において自動車諸税の抜本的見直しを求める緊急声明」を取りまとめ、11月8日と9日に、政府・与党に対し働きかけを行ってまいりました。
 日本経済の柱であり、地方の産業と雇用を支える自動車産業は、国内販売の低迷や、海外経済の不確実性の高まり等により、その環境は厳しい状況が続いております。
 日本経済の「稼ぐ力」の回復を目指し、デフレからの完全な脱却と持続的な経済成長、地方創生の実現に向けて、今後も引き続き、自動車諸税の抜本的見直しを、機会をとらえて訴えてまいります。

 次に、国家戦略特区についてであります。
 本県の国家戦略特区につきましては、日本初の有料道路コンセッションが10月からスタートしたほか、愛知総合工科高等学校の専攻科について、来年4月からの公設民営化を実施すべく準備を進めるなど、具体的な取組を着実に推進しているところであります。
 こうした中、11月14日に、新たに2つの規制改革事項を国に提案いたしました。
 1つ目が、「医療ツーリズムの推進のための医療滞在ビザの早期発給」であります。早期に日本で治療を必要とする外国人について、医療滞在ビザの申請から発給までの期間を短縮し、愛知の優れた医療を迅速に提供する機会を拡大しようとするものであります。
 2つ目は、「農業分野の外国人材の受入れ」であります。農業従事者の高齢化や人材不足が深刻化する中、施設園芸等を中心とした本県の農業に、一定の経験と知識・技能を兼ね備えた人材を受け入れることにより、「強い農業」の実現を目指すものであります。
 今後も、この国家戦略特区を活用し、我が国随一の成長産業・先端技術の中枢拠点の形成と、総合的な規制・制度改革の実現に向け、引き続き全力で取り組んでまいります。

 次に、愛知県スポーツ顕彰・障害者スポーツ顕彰についてであります。
 8月から9月にかけて開催されましたリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックに出場した本県ゆかりの選手の活躍は、記憶に新しいところであり、その健闘ぶりは、愛知県民として誇りに思うところであります。
 そこで、11月16日に、日本選手団主将として重責を果たされた吉田沙保里選手、大会4連覇を見事に果たされた伊調馨選手を始め、オリンピックにおいて優秀な成績を収められた選手37名とコーチ2名の39名の方々、また、パラリンピックにおいて素晴らしい活躍をされた7名の選手の方々を表彰いたしました。
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおいても、本県ゆかりの選手が大いに活躍されるよう、今後も、しっかりと応援してまいりたいと考えております。

 次に、愛知県学術顕彰についてであります。
 今年のノーベル生理学・医学賞において、東京工業大学の大隅良典栄誉教授が受賞されることとなり、3年連続の日本人の受賞は、私たちに大きな喜びをもたらしました。
 大隅栄誉教授におかれては、平成8年から13年間にわたる岡崎国立共同研究機構(現 自然科学研究機構)基礎生物学研究所での研究を始め、長年にわたるオートファジーに関する研究活動の成果が世界に高く評価され、この度の受賞につながったものであります。
 現在、愛知県内で学術研究に携わっておられる方々を始め、次代を担う若者に勇気を与える受賞でありますので、大隅栄誉教授には「愛知県学術顕彰」をお贈りし、その栄誉を称え、改めて県民の皆様とともに、ノーベル賞受賞の喜びを分かち合い、お祝い申し上げたいと思います。

 次に、交通安全対策の推進についてであります。
 本県では、年初から様々な交通安全対策を実施してまいりましたが、5月末以降、交通事故死者数が全国ワースト1位という、たいへん厳しい状況となっています。
 このため、本日からの「年末の交通安全県民運動」において、飲酒運転の根絶、子どもや高齢者の交通事故防止などを重点に掲げ、県民総ぐるみの取組を積極的に展開してまいりますが、さらに、県民の皆様に対して、今日の午後、「交通安全年末緊急アピール」を行うことといたしました。
 現下のたいへん厳しい交通事故情勢に対する県民の皆様のご理解とご協力を得て、年末まで、県、県警察、関係機関等が全力を挙げて取り組んでまいります。県民の皆様におかれましては、悲惨な交通事故による犠牲者を一人でも少なくするため、人命の尊重を最優先に、交通ルールを遵守し、安全行動に心がけていただきますよう、強くお願い申し上げます。
 また、これまでに、自動車運転中にスマートフォン向けゲームアプリを利用したことが原因の交通死亡事故が全国で3件、うち本県で2件発生しています。運転中にスマートフォン等を操作することは、道路交通法で定める運転者の注意義務を遵守しないばかりか、これを意識的に果たさないものであり、きわめて悪質な行為と考えております。今後、二度とこうした悲惨な交通事故を発生させないため、車両運転中の「ながらスマホ」行為に対する罰則の強化、交通安全教育や広報の拡充等を内容とする対策強化を国に対して強く要請しているところであり、さらに、明日2日上京し、松本国家公安委員長、金田法務大臣にも強く要請することとしております。なお、その際、一宮市内の交通事故で亡くなられた児童の親御さんと一宮市長にも同行いただくこととしております。
 県議会の皆様におかれても、こうした「ながらスマホ」対策及び交通安全対策の強化について、ご理解、ご支援の程、よろしくお願いいたします。

 それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し上げたいと思います。
 まず、補正予算案についてであります。
 補正予算の総額は、209億1,977万余円でございまして、会計別では、一般会計で207億815万余円、特別会計で1,202万余円、企業会計で1億9,959万余円であります。
 補正予算案の主な内容でございますが、まず、国の補正予算関連事業費であります。国の経済対策として、平成28年度補正予算が10月11日に成立したことから、土地改良、農地防災事業や、道路、港湾の整備などの公共事業のほか、防犯対策の強化を図るための児童養護施設、障害者支援施設等に対する助成や、産地パワーアップ、抹茶の輸出拡大、畜産クラスター、次世代林業基盤づくり、水産物の鮮度向上等県産農林水産物の競争力強化のための施設整備への助成などを行ってまいります。
 次に、オレンジタウン構想調査費であります。
 本県は、「21世紀の高齢化社会への対応」のために、昭和62年に「あいち健康の森基本構想」を策定いたしました。この構想をもとに、大府市、東浦町にまたがる約90ヘクタールのエリアに、国立長寿医療研究センターやあいち健康の森健康科学総合センターなど様々な施設が整備されてきたところです。その後、構想策定時の想定よりも高齢化が急速に進行する中、認知症高齢者が特に増えてきており、認知症対策が喫緊の課題となってまいりました。国においても、世界・欧米先進国においても、認知症対策が課題とされており、今後の認知症施策の方向性として、地域ぐるみの対策が必要だと認識されています。そこで、保健・医療・福祉の専門機関が集積するあいち健康の森とその周辺地域が一体となり、「認知症に理解の深いまちづくり」の先進的なモデル(オレンジタウン構想)を目指すこととし、そのために必要な調査を行ってまいります。
 次に、あいち航空ミュージアム整備費であります。
 現在、県営名古屋空港で整備を進めております「あいち航空ミュージアム」のコンセプトは、「航空機産業の情報発信」、「航空機産業をベースとした産業観光の強化」、「次代の航空機産業を担う人材育成の推進」であります。このコンセプトを踏まえ、来場者が航空機の歴史や仕組み等を見学・学習できる展示コンテンツを製作してまいります。  具体的には、大型のシアターを設け、この地域の航空機産業の歴史を交えて、航空機の歴史と発展を伝えていきたいと考えております。また、サイエンスラボとして、小・中学生の社会見学にも対応した航空教室や工作教室を開催し、航空機の飛ぶ仕組みに触れて、考え、学ぶ場所を設けます。さらに、実機展示として、YS−11、MU−2、MU−300、MH−2000の展示を予定しています。これら4機は、すべて愛知県で開発された機体です。また、将来的には、MRJ飛行試験機を展示したいと考えています。
 平成29年11月30日のミュージアム開館に向けまして、来年3月末にはコンテンツの製作に着手したいと考えております。
 次に、PFI導入による運転免許試験場の整備についてであります。
 名古屋市天白区平針の運転免許試験場につきましては、年間70万人を超える県民の方々が来場される施設であり、名古屋市内及びその周辺地域の免許更新等の拠点となっていますが、昭和40年3月の建築で老朽化が進んでおります。このため、現有施設について、運転免許試験場と運転者講習センターを合築し、発着場、車庫、技能試験コース、駐車場についても統合集約を図り、PFIによる整備・維持管理を行うものであります。PFIの事業範囲は、施設の設計・建設工事、維持管理とし、事業期間は、平成29年10月から平成47年3月までの17.5年間といたします。
 このほか、人事委員会勧告を踏まえて実施する職員の給与改定に要する経費についても計上したところであります。

 次に、補正予算案以外の議案についてであります。
 今回提案をいたしております案件は、条例関係議案が11件、その他の議案が18件でございます。
 主な案件について、ご説明申し上げます。
 まず、条例関係議案のうち、愛知県国際展示場条例の制定についてであります。
 平成31年秋に開業予定の大規模展示場につきましては、展示会業界では1、2年前から展示会の概要を決定することが通例であり、できる限り早く運営事業者を決め、利用料金を示す必要があることから、展示場設置の目的、業務の範囲、運営方法、使用料等を定めるものであります。  この施設にはできるだけ多くの展示会等を呼び込み、活発な交流が生み出される、競争力を備えた施設として活用するため、公共施設等運営権制度(いわゆるコンセッション方式)を活用してまいります。これにより自由度の高い料金設定と長期の事業期間とすることが可能となり、民間の創意工夫と経営感覚を生かした運営が可能となります。  また、使用料は、首都圏、大阪の主要展示場と比べて低く設定しつつ、他施設の稼働率を勘案し、現実的と考えられる稼働率で収支均衡できる料金といたしました。
 来年度早々に実施方針を公表し、年度の後半には、優先交渉権者を選定してまいりたいと考えております。
 次に、職員の給与に関する条例等の一部改正についてであります。  これは、10月11日に、人事委員会から職員の給与等に関する報告及び勧告を受けまして、一般職員の月例給及び期末・勤勉手当について、民間給与との較差の解消を図ることを基本として勧告どおりの内容で実施するものなどでございます。
 次に、愛知県教育委員会教育長給与条例等の一部改正につきましては、国に準じまして、特別職の期末手当の支給割合を引き上げるものでございます。
 次に、その他の議案のうち、人事案件でございますが、収用委員会の委員の任期満了に伴い、その後任者を選任するものでございます。

 以上、提案をいたしております案件の主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げましたが、詳細につきましては、議事の進行に伴いましてご説明を申し上げたいと存じます。
 どうかよろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますよう、お願いを申し上げます。