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県議会知事提案説明

令和元年6月定例県議会 知事提案説明要旨

このたびの定例県議会に提案をいたしました諸議案のご説明を申し上げるに先立ち、天皇皇后両陛下の行幸啓及び第70回全国植樹祭並びに秋篠宮皇嗣殿下のお成りについて申し上げます。
  6月1日及び2日の2日間、天皇皇后両陛下におかれましては、第70回全国植樹祭へのご臨場と地方事情ご視察のため、ご来県を賜りました。これが、即位後初の地方へのお出ましとなりましたことは、本県にとりまして、この上なく光栄なことであり、心から感謝申し上げます。
  まずは、6月1日に、私から両陛下に県勢の概要をご進講いたしました。天皇陛下におかれましては、今回で26回目の本県へのご訪問であり、お二人そろってのご訪問は、5回目となることを申し上げ、心から感謝の意を申し上げました。そして、日本一の技術(テクノロジー)と伝統(トラディション)を誇り、我が国の経済を牽引する愛知について、自動車、航空宇宙などの産業集積や、愛知の産業を担う人材の育成、障害者支援などの医療・福祉の取組、三英傑を始めとした歴史や伝統文化・伝統工芸などの継承・発信、愛知県国際展示場やジブリパークの整備などについて申し上げました。
  続いて、あま市七宝焼アートビレッジにおいて、国指定の伝統工芸品である「尾張七宝」の名品や製作工程をご覧いただきました。地元の小学生が七宝焼製作体験をする様子もご覧いただき、一人ひとりに親しくお声がけいただきました。
  その後、名古屋観光ホテルにおいて、植樹祭ポスター原画等の入賞作品をご覧いただき、こちらでも入賞した児童・生徒にお声がけいただくとともに、レセプションにもご臨席賜り、大会関係者とご懇談いただきました。
  翌6月2日午前中は、「木に託す もり・まち・人の あす・未来」をテーマに、愛知県森林公園をメイン会場として開催した第70回全国植樹祭にご臨席いただき、11年ぶりに天皇陛下のおことばを賜るとともに、苗木のお手植え等を行っていただきました。こうしたお姿はサテライト会場のオアシス21や豊橋総合動植物公園などを始めNHKの全国中継放送でも放映され、両陛下の温かい眼差しを感じていただけたのではないかと思います。
  大会においては、式典やアトラクションなどを通じて、「愛知の誇るものづくりの伝統と文化」、「森と緑づくりや木づかい」など、本県の魅力や取組を県内外へ広く発信することができました。メイン会場を始め、植樹会場、サテライト会場など、県民一体となって盛り上げ、両陛下の初めての地方へのお出ましを無事に終えることができましたことを、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
  続いて午後は、愛知県三河青い鳥医療療育センターをご訪問いただき、入所児による病棟の飾りつけ製作や入所者による車椅子ダンスなどをご覧いただきました。それぞれ温かいお言葉をかけていただき、入所されている方々を始め、ご家族や施設の方々にとっても、たいへん励みになったのではないかと思います。
  ご滞在中は、各施設や沿道において、多くの県民の歓迎に笑顔でお応えくださり、天皇皇后両陛下の温かいお人柄に触れることができました。最後にセントレアでのお見送りの際、天皇陛下から「初めての地方訪問、初めての全国植樹祭を、愛知県民の皆さんに温かく歓迎いただき嬉しく思います。思い出深い、実りの多い訪問となりました」とのお言葉をいただき、感謝感激をいたしました。両陛下におかれましては、今後ますますのご健勝とご多幸を祈念いたします。
  また、両陛下をお迎えする4日前の5月28日及び29日の2日間、秋篠宮皇嗣殿下におかれましては、「2019年度公益社団法人日本動物園水族館協会通常総会」へのご臨席と地方事情ご視察のためご来県を賜りました。
  5月28日には、安城市の株式会社デンソー高棚製作所において高度熟練技術者の育成の様子をご視察いただきました。同社は日本を代表する技能者を養成しており、皇嗣殿下からは、本年8月にロシアのカザンで開催される技能五輪国際大会に出場する選手を始め、一生懸命練習をするデンソー工業学園の生徒たちに対し激励のお言葉をいただきました。皇嗣殿下には、技能五輪選手が製作した作品などとともに、愛知のものづくりを支える人材の育成の現場をご覧いただき、お励ましいただいたことに心から感謝申し上げます。
  一週間のうちに2度、皇室の方をお迎えし、本県にとりましても、たいへん光栄なことであり、令和の時代が始まるにあたり、素晴らしいスタートとなりました。
  皇室の末永い弥栄をご祈念申し上げますとともに、またご来県いただける機会がありますことを、県民の皆様とともに心から願っております。
  さらに今年は、あいちトリエンナーレ2019、愛知県国際展示場 「Aichi Sky Expo」のオープン、ラグビーワールドカップ2019、技能五輪全国大会及び全国アビリンピック、G20愛知・名古屋外務大臣会合の開催など、たいへん賑やかな1年となりますので、引き続き、これらの取組の成功に向けて、しっかりと準備を進めてまいります。

  それでは、県政を取り巻く最近の状況について申し述べ、議員の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

 はじめに、最近の経済情勢と本県の財政運営、経済・産業の活性化についてであります。
  最近の経済情勢につきましては、輸出や生産の弱さが続いているものの、景気は緩やかに回復しております。先行きにつきましては、当面、弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな回復が続くことが期待されておりますが、通商問題の動向が世界経済に与える影響に一層注意するとともに、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。
  こうした中、本県の財政運営についてであります。
  2018年度の一般会計の決算は、2017年度に引き続き、実質収支が確保できる見込みとなりました。しかしながら、本年度当初予算では、県税収入が、わずかな伸びにとどまる一方、医療・介護などの扶助費は大幅に増加しており、減債基金880億円及び財政調整基金296億円、合わせて1,176億円もの多額の基金の取崩しを計上して対応したところであり、本県財政は依然として厳しい状況にあります。
  来年度以降の財政運営を考えますと、基金残高を回復させることが必要でありますので、本年度内の財源確保に努めるとともに、「しなやか県庁創造プラン」の着実な実施と、次期行革大綱の策定を通じて、不断の行財政改革に取り組んでまいります。
  こうした取組を進める一方で、経済・産業の活性化を進めることにより、地域の雇用を維持・拡大し、税収の確保につなげることも重要であります。
  このため、2012年度に創設した「産業空洞化対策減税基金」に基づく補助制度により、これまでに企業立地・再投資の分野で、296件の補助対象案件を採択し、総投資額5,017億円、約4万8千人の雇用維持・創出効果が見込まれるという、大きな成果を上げてまいりました。5月21日には、愛知県産業立地推進協議会総会を開催し、引き続き、県、市町村、商工会議所・商工会など地域一体となって積極的な産業立地・企業誘致活動を展開していくことを確認したところであります。
  また、研究開発や実証実験の支援についても、5月に本年度の採択案件を決定し、83件に対し、7億6千万円の補助金を交付することとしており、次世代自動車、航空宇宙、環境・新エネルギー、健康長寿、IT・ロボットなど、今後成長が見込まれる分野で高付加価値のモノづくりの維持・拡大を図ってまいります。
  さらに、昨年度から実施している「サービスロボット実用化」の支援メニューについては、7件に対し、約7千6百万円の補助金を交付することとし、来年10月に本県で開催されるロボカップアジアパシフィック大会及びワールドロボットサミットを見据え、会場となる中部国際空港島でのサービスロボットの社会実装に向けた取組を支援してまいります。
  今後とも、企業が行う研究開発・実証実験等への支援を通して、世界の一歩先を行く付加価値の高いモノづくりの維持・拡大を図り、「産業首都あいち」の実現を目指してまいります。

  次に、防災対策の推進についてであります。
  近年、大規模な水害や土砂災害などが全国で頻発しており、災害による被害を軽減するためには、日頃から防災意識を持ち、自然災害に対する備えを心がけることが非常に重要であります。
  このため、5月19日に豊田市の矢作川河川敷において、国、県等の主催による「豊川・矢作川連合総合水防演習・広域連携防災訓練」を実施しました。
  演習には、国土交通省、関係市町、関係団体等合わせて約1,500人が参加し、水防技術の習熟を図るとともに、関係機関による連携した対応や協定業者等による早期復旧など、一連の災害対応を確認いたしました。
  また、6月4日には、防災関係機関が一堂に会する愛知県防災会議を開催し、津波から命を守る取組をより一層強化するための「津波災害警戒区域」の指定や、国の「避難勧告等に関するガイドライン」の改定等に伴う地域防災計画の修正案を審議・決定しました。
  引き続き、県民の皆様の防災意識を高めるとともに、関係機関と緊密に連携し、県内の防災体制の更なる強化を図り、県民の皆様の安全・安心を確保する防災対策にしっかりと取り組んでまいります。

  次に、医療提供体制の充実・強化についてであります。
  本年2月に、あいち小児保健医療総合センターと名古屋大学との間で、小児医療分野における共同臨床研究等について連携・協力を推進する基本協定を締結したことに続き、5月29日に名古屋市立大学及び愛知医科大学、さらに、6月4日には藤田医科大学との間で、基本協定を締結しました。
  近年の医学研究の進歩と先進医療の発展の中で、あいち小児保健医療総合センターが、今後も小児医療の中心的な役割を担い、県民の皆様から期待される医療を提供し続けるためには、優秀な人材の確保・育成や医療水準の向上が不可欠であります。
  今回の協定締結により、あいち小児保健医療総合センターの希少疾患を含む豊富な症例や、各大学の高度な研究技術など、お互いの強みを生かした連携・協力体制を構築してまいります。
  今後とも、本県の小児医療の水準を更に高め、県民の皆様に安全・安心な医療を提供できる体制の充実・強化にしっかりと取り組んでまいります。

  次に、第20回アジア競技大会についてであります。
  5月30日、大会運営の主体となる「一般財団法人愛知・名古屋アジア競技大会組織委員会」を設立し、私が会長に就任しました。
  名誉会長には、榊原日本経済団体連合会名誉会長、会長代行には、河村名古屋市長、日本オリンピック委員会の平岡副会長兼専務理事、愛知県商工会議所連合会の山本会長、中部経済連合会の豊田会長に就任していただきました。役員等として参画いただいた行政やスポーツ、経済など各界の関係者と協力しながら、10月頃に今後の取組の指針となる大会開催基本計画を策定し、開催準備を着実に進めてまいります。
  また、アジア競技大会やオリンピックなど、世界で活躍できる地元選手を発掘・育成するため、「あいちトップアスリートアカデミー」を本年度新たに開設いたします。今後、7月の選考会で選ばれた子どもたちには、10月に開校するアカデミーで様々なプログラムを受講していただき、「あいちから世界へ」羽ばたくアスリートの発掘・育成に積極的に取り組んでまいります。
  引き続き、愛知・名古屋大会が、アジアの多くの方々の記憶に残る素晴らしい大会となるよう、全力で取り組んでまいります。

  次に、ジブリパークについてであります。
  ジブリパークの整備につきましては、昨年の4月に基本デザインの発表、12月には整備構想の概要を発表するなど、着実に準備を進めてまいりました。
  こうした中、5月31日に、私と、スタジオジブリの鈴木代表取締役プロデューサー、中日新聞社の大島社長とで合同記者会見を行い、三者が連携・協力してジブリパークの整備・運営に取り組むことで合意し、基本合意書を締結しました。
  この合意書では、県が事業主体として必要な施設の整備を行い、スタジオジブリは事業全体の企画監修を、そして中日新聞社とスタジオジブリが共同で設立する運営会社が管理運営を行っていくこととしております。
  今後は、「愛知万博の理念と成果の継承」、「スタジオジブリ作品を伝え残し唯一無二の価値を付与」、「多様な利用者がともに楽しめる公園づくり」、「歴史的成り立ちに配慮し将来にわたって愛され続ける公園づくり」、「公園内の既存施設・活動との共存」の5つの基本方針に基づき、三者が緊密に連携しながら、2022年秋のオープンに向け、しっかりと取組を進めてまいります。

  次に、2023年技能五輪国際大会の招致についてであります。
  本県では、愛知県国際展示場「Aichi Sky Expo」を会場とする2023年技能五輪国際大会の開催に向け、国や経済界、関係団体などと連携し、招致活動を実施しております。
  5月31日には、私が委員長を務める2023年技能五輪国際大会招致委員会を開催し、招致決定の鍵を握るWSI加盟国・地域に向けた提案書や、総会でのプレゼンテーションについて検討を重ねたところであります。
  今後、8月にロシア・カザンで開催されるWSI総会で開催地が決定されます。残り2か月余りとなりましたが、国、県、関係者が一丸となって、全力で招致活動に取り組んでまいります。

  次に、国家戦略特区についてであります。
  5月31日に開催された、愛知県国家戦略特別区域会議において、本県が提案した「保安林の指定の解除手続期間の短縮」の特例について、西尾市内と豊田市内で実施する2つの事業を、全国で初めて区域計画に位置づけることが決定されました。
  この特例を活用し、企業のニーズに対応した用地開発の迅速化を図り、国際競争が激しい自動車産業における新たな技術開発や生産能力の拡大の早期実現を支援してまいります。
  引き続き、国家戦略特区を活用し、我が国随一の成長産業・先端技術の中枢拠点の形成と、総合的な規制・制度改革の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

  次に、6月5日に静岡市で開催されました「第110回中部圏知事会議」についてであります。
  今回の会議では、インフラ整備や防災対策など、中部圏が抱える諸課題や必要な施策に関する国への提言について、中部9県1市の知事、市長が提案を持ち寄り、意見交換を行いました。
  本県からは、二つの提案を行いました。一つ目は、「世界的なスポーツ大会開催への支援」について、特に、アジア最大のスポーツの祭典である第20回アジア競技大会の開催については、本県にとどまらず中部圏・全国に大きな効果が及ぶこと、また、中部各県での競技実施も調整・検討していることから、大会を運営する組織委員会への協力や競技会場の整備・改修等に対し、国の支援を求めるものであります。
  二つ目は、「豚コレラの対策と感染拡大防止」について、感染経路や発生原因の早期解明、殺処分に伴う養豚農家への十分な経営支援、海外からのウイルスの侵入を防止する空港等での水際対策など、総合的な豚コレラ対策の強化を国へ求めるものであります。
  これら本県からの提案を含め、「高規格幹線道路ネットワークの整備」、「リニア中央新幹線の東京・名古屋間開業効果の最大化と一日も早い全線開業の実現」、「中部国際空港の二本目滑走路を始めとする機能強化の早期実現」などについて、中部圏知事会の「国への提言」として取りまとめ、要請してまいります。
  今後とも、中部圏知事会の会長として、各県の知事や市長と力を合わせ、中部圏の更なる飛躍に向けて全力を尽くしてまいります。

  次に、リニア中央新幹線の建設促進についてであります。
  リニア中央新幹線の東京・名古屋間については、現在沿線各地で本格的な建設工事が進められております。
  こうした中、6月6日に東京において、私が会長を務める「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会」の総会を開催し、東京・名古屋間の工事実施計画に基づく早期整備や、東京・大阪間の早期全線整備の実現に向けた取組などを決議いたしました。特に未着工区間については、国、東海旅客鉄道株式会社及び関係者がスピード感をもって調整し、早期着手を図るよう、決議したところであります。
  さらに総会後には、沿線県の知事とともに、国土交通省に対し、決議した内容を要請してまいりました。
  引き続き、リニア中央新幹線の早期整備に向けて、沿線地域の皆様とともにしっかりと取り組んでまいります。

  次に、ラグビーワールドカップ2019についてであります。
  6月8日及び9日に、豊田スタジアムにおいて、「愛知・豊田ラグビーフェスタ2019」を開催しました。ラグビートップリーグなどの試合を開催するとともに、世界最高峰のピッチでラグビーを楽しめる体験会を実施するなど、多くの方々にラグビーの魅力を発信することができました。
  9月20日の開幕まで、いよいよ100日を切りました。今後とも、豊田市と連携し、開催機運の醸成を図るとともに、大会期間中のファンゾーンの設置や、交通輸送・警備の実施に、万全を期してまいります。
  また、大会期間中は国内外から注目が集まり、歴史・文化・グルメなど魅力あふれる「愛知・豊田」を知っていただく絶好の機会となります。各国代表選手や世界のラグビーファンを最高のおもてなしでお迎えできるよう、しっかりと準備を進めてまいります。

  次に、自動運転社会実装推進事業についてであります。
  自動運転は次世代自動車のキーテクノロジーであり、本県では、全国に先駆けて最先端の実証実験に挑戦することで、自動運転の開発促進や社会的受容性の醸成、規制緩和の推進を牽引してきました。
  2016年度から、県自らが先導する形で、大規模な自動運転の実証実験を実施し、2017年度には、幸田町において、全国で初めて一般公道における遠隔型自動運転の実証実験を、さらに2018年度には、次世代通信規格である5Gを活用した複数台の遠隔型自動運転実証実験を成功させることができ、自動運転社会の到来が近いことを、愛知から全国に発信する契機となりました。
  本年度は、自動運転の早期社会実装に向け、常滑市、長久手市及び南知多町において、これまでの遠隔型自動運転等の技術に加え、AIを活用したオンデマンド配車やVRなど最先端のテクノロジーも活用する実証実験に挑戦してまいります。
  自動車産業の一大集積地である愛知が、引き続き日本、そして世界をリードする存在であり続けるために、自動運転の更なる高度化や社会実装を推進してまいります。

  次に、新体育館についてであります。
  6月11日、「大相撲名古屋場所にふさわしい風格のある施設」などの5つのコンセプトを踏まえ、新体育館の規模・機能、配置計画などのイメージを「愛知県新体育館基本計画」として取りまとめました。
  名城公園北園の一部約4.6haに、建築面積2万u程度、延べ床面積4万3千u程度の新体育館を整備し、フィギュアスケート国際大会開催時には1万1千席、バレーボール・バスケットボール国際大会決勝戦時には1万5千席、大相撲開催時は、両国国技館と同レベルの1万1千席を確保いたします。
  また、国賓などの来場を想定したVIPルームのほか、国際大会開催時にウォームアップ場として利用するサブアリーナや、レセプション会場等として活用できる多目的ホールも設置してまいります。
  この基本計画を踏まえ、2026年のアジア競技大会の会場として利用できるよう、PFI事業による整備に向けた準備を進めてまいります。
  今後とも、国際大会を開催するために必要な規模、機能を有することで、国際スポーツ大会などの誘致を可能とし、かつ大相撲名古屋場所の開催など現体育館が担ってきた伝統や歴史を更に発展させていく愛知名古屋のシンボルとなる施設を目指し、着実に取り組んでまいります。

  次に、あいちトリエンナーレ2019についてであります。
  8月1日のあいちトリエンナーレ2019の開幕が間近に迫ってまいりました。
  4回目となる今回のトリエンナーレでは、ジャーナリストである津田大介芸術監督のもと、「情の時代」をテーマに、国際現代美術展を始め、映像プログラム、パフォーミングアーツに加え、初めての取組となる音楽プログラムなどで、最先端の芸術作品を紹介してまいります。
  また、今回は名古屋駅にも近く、下町情緒の残る四間道・円頓寺と、同時期にラグビーワールドカップが開催される豊田市を新たな会場として展開してまいります。
  開幕まで1か月半となり、愛知芸術文化センターやまちなかで、参加アーティストの制作活動が本格的に始まりますので、これからますます開幕に向けた雰囲気が高まっていくものと思います。
  今後、更に盛り上げを図りつつ、県民の皆様を始め、国内外からお越しになる多くの方々に楽しんでいただける、驚きや感動に満ちた魅力あふれる芸術祭になるよう、しっかりと取り組んでまいります。

  次に、愛知県国際展示場「Aichi Sky Expo」についてであります。
  8月30日の開業まで、残り2か月余りとなりました。建設工事は順調に完了し、6月17日には、私から運営事業者に鍵を引き渡し、運営事業者が開業に向けた準備を本格化させてまいります。
  8月30日からの3日間で実施するオープニング行事は、国や経済界に加え、国内外からの展示場関係者をお招きして開業式典を行い、その後の「こけら落とし」では、「AICHI IMPACT!」と題した、eスポーツとK−POPのイベントを予定しております。
  eスポーツでは、ネット上での参加者も含め、国内外のトッププレーヤーが技を競い、その対戦状況を世界に配信してまいります。また、K−POPでは、人気急上昇中のグループによるライブが2日間にわたり開催され、全国からの集客を見込んでおります。
  こうした、かつてない国際色あふれるエキサイティングなオープニングイベントを皮切りに、多くのイベント、展示会の開催を通じ、広く国内外から人、モノ、カネ、情報を呼び込み、本県の産業力強化につなげてまいります。

  次に、交通安全対策についてであります。
  本県では、6月4日に、県、県警察及び国の関係機関の代表者による「愛知県交通安全対策会議」を開催し、「2019年度愛知県交通安全実施計画」を策定いたしました。
  この実施計画には、道路交通環境の整備、交通安全教育の推進、道路交通秩序の維持、車両の安全技術の推進などにおける具体的な取組を盛り込んでおります。
  今後、この実施計画に沿って、県警察や市町村、関係機関と緊密に連携して交通安全対策を推進することにより、交通事故の減少及び交通事故死者数全国ワースト1位返上を目指してまいります。

  次に、安全・安心なまちづくりの推進についてであります。
  6月13日、県、県警察、行政機関、事業者団体及び地域団体による「愛知県安全なまちづくり推進協議会」を開催し、「あいち地域安全県民行動計画2020(2019年度版)」を策定いたしました。
  この行動計画は、防犯意識の高揚と地域防犯力の向上、犯罪の起きにくい社会づくり、県民の安全・安心を脅かす犯罪への対策の推進で構成されており、本年度は、年々手口が巧妙化する自動車盗、特殊詐欺の被害防止対策に関する新たな取組を加えました。
  本県の刑法犯認知件数はピーク時の4分の1まで減少しておりますが、引き続き、この行動計画に沿って、地域全体で安全・安心なまちづくりを推進してまいります。

  それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し上げたいと存じます。
  まず、補正予算案についてであります。
  補正予算の総額は、20億200万余円でございまして、会計別では、一般会計で18億200万余円、企業会計で2億円を増額補正するものであります。
  一般会計補正予算案の主な内容でございますが、まず、豚コレラへの緊急対策についてであります。
  5月17日に田原市で確認された10例目に係る防疫対策や農家への経営支援を行うほか、国が実施する豚の早期出荷促進対策に係る農家支援として、早期出荷した農家に対する奨励金の支給や経営再開に向けた支援を行うとともに、車両消毒設備等の衛生管理向上に要した経費の一部を助成してまいります。また、防疫体制の強化として、畜産総合センターの豚舎について、防疫性が高い密閉型の新豚舎の整備計画を前倒しするほか、農業総合試験場等における車両消毒設備やイノシシ侵入防止柵等の整備及び、東三河食肉流通センターの防疫施設整備への助成に要する経費を計上いたします。さらに、養豚業の振興として、殺処分した農家の経営再建に際して必要となる母豚の供給量を増強するため、新たに農業総合試験場及び畜産総合センターにおいて、母豚を生産し、供給してまいります。
  あわせて、豚コレラウイルスの拡散防止を図るため、野生イノシシの捕獲を強化することとし、本年4月に設立した「渥美半島野生イノシシ捕獲根絶協議会」を中心とした地域の関係者が一体となって、野生イノシシの個体数を削減するための捕獲を強化するとともに、捕獲した野生イノシシ検査の拡充等により、野生イノシシの監視体制を更に強化してまいります。
  引き続き、日本の畜産、愛知の畜産を守るため、関係機関と連携し、豚コレラの防疫対策と感染防止対策に万全を期するとともに、今一番厳しい立場にある農家に寄り添って対応し、必ず経営再建を果たしていただけるよう支援してまいります。
  次に、アジアパラ競技大会につきましては、本年1月に日本パラリンピック委員会から、2026年に開催する第20回アジア競技大会の後に開催するよう要請があったことを受け、名古屋市と共同して、競技会場の調査など、開催可能性の検討調査を行ってまいります。
  このほか、企業会計では、用地造成事業において、株式会社デンソー及び西尾市からの開発要請を受けて、西尾次世代産業地区の造成工事に着手してまいります。

  次に、補正予算案以外の議案についてであります。
  今回提案をいたしております案件は、条例関係議案が6件、その他の議案が7件でございます。
  主な案件につきまして、ご説明申し上げます。
  まず、条例関係議案のうち、ヤードにおける盗難自動車の解体の防止に関する条例の制定についてであります。
  これは、悪質な自動車解体業者が、海外への輸出等を目的に、ヤードにおいて盗難自動車を解体している現状を踏まえ、自動車解体業者に対するヤードの所在地等の届出や自動車引取り時の確認、記録の義務付けなどにより、ヤードに盗難自動車が持ち込まれにくい環境を確保し、自動車の盗難防止を図るものであります。
  次に、愛知県県税条例等の一部改正についてであります。
  これは、地方税法等の一部改正に伴い改正を行うものでございまして、その主な内容は、法人事業税について、特別法人事業税が国税として創設されることに併せて税率を改めるほか、本年10月1日以降における自動車税について、環境性能割の税率の適用区分及び種別割の税率を改めるものなどであります。
  次に、その他の議案のうち、人事案件でございますが、公安委員会の委員及び人事委員会の委員の任期満了に伴いまして、その後任者をそれぞれ選任するものでございます。

  以上、提案をいたしております案件の主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げましたが、詳細につきましては、議事の進行に伴いましてご説明を申し上げたいと存じます。
  どうかよろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますよう、お願いを申し上げます。