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県議会知事提案説明

令和3年6月定例県議会(6月17日) 知事提案説明要旨

このたびの定例県議会に提案をいたしました諸議案のご説明を申し上げるに先立ち、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。
 本県では、5月12日から31日までの20日間に加え、国が決定した緊急事態宣言の延長を受け、6月1日から20日までの20日間、更に期間を延長して、国の基本的対処方針に基づく緊急事態措置を講じ、新型コロナウイルス感染症の第4波の克服に向けて、感染防止対策に取り組んでおります。
 県民の皆様には、不要不急の行動・県をまたぐ移動の自粛、事業者の皆様には、飲食店等における休業・営業時間の短縮、大規模商業施設等の土日の休業を要請するとともに、業種別ガイドラインの遵守、テレワーク・時差勤務の徹底など、感染防止対策の徹底をお願いしております。
 大多数の飲食店は、休業・営業時間短縮の要請に応じていただいておりますが、要請に応じていただけない39施設に対して、法に基づく命令を発出いたしました。
 こうした中、7日間平均の新規陽性者数は、5月下旬から減少傾向になっておりまして、現時点では、ステージUとなっております。一方で、入院患者数は残念ながらまだそこまで落ちてきていないということでありまして、7日間平均ではステージWでありますが、今日の数値ではステージVになろうかと思っております。750人がステージWとステージVの境ですから、本日時点の入院患者数が683人で、コロナ病床だけに限りますと668人、そういう意味ではステージVということになっています。いずれにしても引き続き医療提供体制がひっ迫する厳しい状況が続いているのは事実でありますので、緊張感を持って感染防止対策をお願いしてまいりたいと思います。
 そうした中で、昨日から大きな動きがありました。昨日の夜、国から20日までとしている全国の緊急事態宣言は、沖縄を除いてこれを解除とし、そして、愛知はまん延防止等重点措置とするということになりました。 
  本日17日の政府の分科会に諮って、決定をして、国会報告等を行って、手続きを進めているところでございます。
  政府の決定を踏まえ、具体的なまん延防止等重点措置は県が決めることになっておりますので、それに向けてしっかりとやっていきたいと思います。
  具体的には、明日午前、愛知県新型コロナウイルス感染症対策本部員会議を開きまして、医療関係者、経済関係者等のご意見を聞いて、正式に愛知県まん延防止等重点措置を決定し、発出していきたいと考えております。  
  期間は6月21日の月曜日から3週間、7月11日の日曜日までの21日間ということになります。大型連休中の規制措置と同じになります。飲食店は午後8時まで、酒の提供は午後7時まで、大型商業施設は午後8時までですが、土日の休業は要請いたしません。措置区域を決めて、そこに限定して、措置区域のところは、飲食店は午後8時、それ以外のところは午後9時までということになりますが、またしっかりと取り組んでいきたいと思います。県民・事業者の皆様には引き続きご不便をおかけいたしますが、新型コロナウイルス感染症を抑え込んでいくために、何卒ご理解とご協力をお願い申し上げる次第でございます。
 次に、感染症克服に大変重要なワクチン接種でありますが、高齢者接種及びそれに続く住民接種を加速するため、県が主体となり、名古屋空港ターミナルビル及び藤田医科大学の2つの大規模集団接種会場を開設し、5月24日からワクチン接種をスタートいたしました。
 大規模集団接種会場におきましては、キャンセル枠等を活用して看護学生・教員、そして児童養護施設の従事者の皆さん、警察職員、自衛隊の皆さんにも接種させていただいております。 
 名古屋空港ターミナルビルでは、県と県歯科医師会が共同で行う研修を修了した歯科医師の皆様にも接種を担っていただき、1日2,000人規模で、また藤田医科大学では1日1,000人規模で、さらにキャンセルを見越したリザーブを合わせて3,300人が毎日打っておりまして、さらに進めていきたいと思います。合計でこの2会場で9月末までの130日間で40万回分打つということでありますが、今、その計画を上回っており、もう少し打てると考えておりますので、どんどん進めてまいります。
 加えて、県内各地域でのワクチン接種をさらに一層加速するため、県が主体となる大規模集団接種会場について、新たに、7月3日から愛知医科大学メディカルセンター、藤田医科大学岡崎医療センター及び安城更生病院の3か所、また、7月5日からバンテリンドームナゴヤを加え、計4か所開設することとしております。この4か所で9月末までに17万2千回分、さらに上積みすれば20万回近くは打てるのではないかと考えております。
 さらに、かねてより調整を進めていた東三河地域についても、引き続いて豊橋中央会場において、大規模集団接種会場を開設することといたしました。そして、期日は、昨日発表した後に、さらに交渉させていただいて、協議が整いまして、若干2日早めて、7月10日の土曜日から9月3日の金曜日まで8週間打つということにさせていただきました。従って、合計8週間で5万6千回になります。しっかりと進めていきたいと思います。
 また、クラスターが多数発生している高齢者施設及び障害者施設の利用者及び従事者や、診療所等に出向いてワクチン接種を受けることが難しい在宅療養をされている方に対する接種を加速するため、巡回接種を行う医療機関に対する支援制度を、6月14日から新設いたしました。
 また、昨日発表しましたが、自宅療養者への医療体制の確保ということで、自宅療養者の方へ保健所が連絡していますが、体調が悪くなった自宅療養者の方々に対して、すぐ医療機関に結び付けられるサポート体制を昨日からスタートいたしまして、自宅療養者の方が必要だということであれば、県内277の医療機関や34の訪問看護ステーションで、医師が診ていただく、看護師が駆けつけていただく体制を昨日からとらせていただきました。引き続きしっかりやってまいります。
 さらに、6月21日からは、企業や大学等が自ら医療従事者や会場を確保して行う、職域接種が開始されます。本県の多くの企業や大学等においても実施に向けた検討が着々と進められておりますが、企業・大学等が円滑に実施できるよう、県独自の電話相談窓口を開設し、きめ細かに対応しております。
 そして、職域接種は、昨日6月16日正午時点で愛知県の企業、事業所単位で185件の申請がありまして、全部で76万3千人の申請があります。大企業だけでなくて、取引されておられる方々も最初から打っていただくかたちで、どんどん進めていければと思います。6月21日初日からはトヨタ自動車、名鉄、JR東海、東海理化が計7カ所でスタートすることになっておりますので、またしっかりと後押ししてまいりたいと思います。
 この大規模集団接種、巡回接種及び職域接種を円滑かつ着実に実施し、ワクチン接種を更に加速させていくことが、新型コロナウイルス感染症まん延防止の切り札となります。感染症を克服し、一日でも早く日常を取り戻していきたいと思います。直近、6月15日時点で愛知県の高齢者接種率、1回でも打った方の率は47.9%で、順調に進んでおりまして、人口規模の大きい10都道府県の中では愛知県がダントツで1番ということでございますが、市町村でばらつきがありますので、少し遅れているところは私どももしっかりとサポート、フォローしていきたいと思っておりますので、ご地元の県議の皆様も是非後押しをしていただくようお願い申し上げます。
 引き続き、国や市町村、医療機関と連携し、ワクチン接種体制の整備に全力で取り組んでまいります。
 また、7月23日に開幕を迎える東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催をきっかけとした感染拡大を懸念する声が専門家の方々から出ております。先週、市町村等に対し、パブリックビューイング開催等の自粛を呼びかけるとともに、県民の皆様には、普段から一緒に過ごす家族や友人などと少人数で、ご自宅のテレビ等により応援頂き、特に、パブリックビューイング、職場や学校、飲食店等での大人数での観戦の自粛をお願いします。また、オリンピックの前に通知を出させていただきたいと思います。
 引き続き、県民・事業者の皆様、医療関係者、市町村等関係機関、オール愛知一丸となって、新型コロナウイルス感染症を克服し、安心な日常生活と活力ある社会経済活動を取り戻していくことができるよう、ご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。
  それでは、県政を取り巻く最近の状況について申し述べ、議員の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。
 はじめに、最近の経済情勢と本県の財政運営、経済・産業の活性化についてであります。
 我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増してきております。先に発表された2020年度の実質GDPは、前年度比4.6%減と、リーマンショック時を超えて、戦後最大の落ち幅となりました。また、先行きにつきましては、感染拡大の防止策を講じる中で、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、内外の感染拡大による下振れ、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
 こうした中、本県の財政運営についてであります。
 2020年度の一般会計の決算は、2019年度に引き続き、実質収支が確保できる見込みとなりました。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響が税収に本格的に現れるのは本年度であり、当初予算では、県税及び地方譲与税について、 1,600億円を超える大幅な減少を見込んだ上で、減債基金999億円、財政調整基金477億円、合わせて1,476億円もの多額の基金の取崩しを計上して、収支不足に対応したところであります。
 こうした極めて厳しい財政状況の中、今後を考えますと、まずは、基金残高を回復させることが必要でありますので、本年度内の財源確保に努めるとともに、「あいち行革プラン2020」に沿って、不断の行財政改革に取り組んでまいります。
 あわせて、新型コロナウイルス感染症対策については、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金など、国に全面的な財政措置を求め、財源を確保しながら、迅速かつ適切に対応してまいります。
 こうした取組に加え、経済・産業の活性化を進めることにより、地域の雇用を維持・拡大し、税収の確保につなげることも重要であります。
 このため、2012年度に創設した「産業空洞化対策減税基金」による補助制度により、これまでに企業立地・再投資の分野で、364件の補助対象案件を採択し、総投資額6,117億円、約5万7千人の雇用維持・創出効果が見込まれるという、大きな成果を上げてまいりました。
 また、研究開発や実証実験の支援についても、5月31日に本年度の採択案件を決定し、78件に対し、7億6千万円の補助金を交付することといたしました。
 今後も、次世代自動車、航空宇宙、環境・新エネルギー、健康長寿、  IT・ロボットなど、今後成長が見込まれる分野で高付加価値のモノづくりの維持・拡大を図り、世界の一歩先を行く「産業首都あいち」、さらには「国際イノベーション都市」の実現を目指してまいります。
 次に、「ロボカップアジアパシフィック2021あいち」についてであります。
 昨年延期いたしましたロボットの国際大会「ロボカップアジアパシフィック2021あいち」を、安全・安心な環境で本年11月に開催できるよう準備を進めております。
 5月24日には、私が会長を務める開催委員会において、会場で行う「オンサイト競技」と、インターネットを介して行う「オンライン競技」を組み合わせた、「ハイブリッド方式」での開催計画を策定したところであります。
 また、この大会のレガシーとなる新たな競技会「高校生ロボットシステムインテグレーション競技会」、略して「高校生ロボットSIリーグ」を推進する実行委員会を、4月16日に設立いたしました。
 本年度は、2022年度からの競技会実施に向けた試行として、県内3校の工科高校生がロボットシステムの設計や構築を学びながら、競技課題を実現するシステムを自らの手で作り上げ、11月のロボカップアジアパシフィック大会の会場で、その成果を披露してもらいます。
  今年度開催される予定のワールドロボットサミットも含め、ロボットの魅力を当地から世界へ発信するとともに、次代のロボット産業を担う人材を育成してまいります。  
 次に、「FOOMA JAPAN 2021」についてであります。 6月1日から4日までの4日間、アジア最大級の「食の技術」の総合展「FOOMA JAPAN 2021」が、Aichi Sky Expoで、開催されました。
 44回目となる本展示会は、首都圏以外では初めての開催であり、人数制限等感染防止対策を徹底した上で、Aichi Sky Expoの全ての展示ホールを使用して、県内企業等68社を含む600を超える企業が出展されました。
 愛知県内には様々な食品メーカーがあり、工場等において、その製造加工を行う食品機械技術の進歩は、日本一の産業県である愛知にとって大変重要であります。本展示会の開催が、本県食品工業のますますの発展につながっていくことを期待しております。
  次に、ジブリパークについてであります。
 全体5つのエリアのうち、2022年秋に開業を予定している3エリア、「青春の丘エリア」、「ジブリの大倉庫エリア」、「どんどこ森エリア」につきましては、昨年7月に本体工事に着手し、現在、建物の建築工事及び建物周囲の造園工事を行っております。そして次のステップとして、「青春の丘エリア」、「ジブリの大倉庫エリア」における建物内の空間を演出するための演示工事に着手してまいります。  
 また、3エリアの概ね1年後の開業を目指している2エリア、「もののけの里エリア」、「魔女の谷エリア」につきましては、昨年度に実施設計が終了し、引き続き、建築工事及び造園工事に着手してまいります。  
 さらに、愛・地球博記念公園の北エントランス整備工事については、本年1月から既存施設の撤去等の1期工事を進めておりますが、それに続く2期工事としまして、北エントランス広場、総合案内センター(仮称)、北駐車場、園路・林床花園入口広場の整備に着手してまいります。  
 なお、林床花園入口広場は、ジブリの大倉庫から、どんどこ森や魔女の谷、もののけの里へ行く際の休憩スペース、待ち合わせスペースを兼ねた広場となりますが、そこに新たに設置する楼門は、1923年に名古屋市中村区に建築された料亭「稲本」に存在していた門で、建物と合わせて名古屋市都市景観重要建築物にも指定されていたものであります。中国風の屋根とベンガラ色の壁は、ジブリの世界へ導く広場のランドマークとして、ふさわしい魅力があると考えております。
 現在、新型コロナウイルス感染防止対策に、県民・事業者の皆様、医療関係者、市町村等関係機関と一丸となって取り組んでいるところでありますが、新型コロナウイルス感染症が終息した暁には、日本が世界に誇るスタジオジブリの世界観を表現した唯一無二の公園施設であるジブリパークの開業により、県民の皆様始め国内外の多くの皆様に、笑顔溢れる日々をお届けするとともに、世界中から多くの皆様にお越しいただくことで、愛知全体の経済を盛り上げていけるよう、2022年秋の開業に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
 次に、中部国際空港の二本目滑走路の早期実現についてであります。
 空港の西側隣接地等に国が名古屋港の浚渫土砂処分事業として新たな埋立地を整備する「中部国際空港沖公有水面埋立事業」につきましては、5月25日に埋立を承認したところであり、今後はボーリング調査や護岸工事が進められることになります。
 こうした中、6月4日に「中部国際空港二本目滑走路建設促進期成同盟会」の会長として、地元経済界の代表、知多地域の首長や関係国会議員の皆様とともに、赤羽国土交通大臣、自由民主党の二階幹事長、公明党の石井幹事長始め関係方面に、埋立事業の着実な推進及び二本目滑走路の早期実現に向けた協力について要請をいたしました。
 二本目滑走路は、アフターコロナの世界に備えた必要不可欠な施策であり、未来への希望の旗であります。
 今後とも、中部国際空港株式会社はもとより、地元自治体、経済団体と緊密に連携し、二本目滑走路の早期実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
  次に、リニア中央新幹線の建設促進についてであります。
  現在、リニア中央新幹線の東京・名古屋間においては、沿線各地で着実に建設工事が進められております。本県においても、名古屋駅新設工事や、県内5か所の非常口工事などが着々と進められるとともに、本年1月には、春日井市西尾工区で本線トンネル掘削工事が開始されるなど、県内各所の工事が本格化しております。
 こうした中、6月4日には、私が会長を務める「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会」の総会を書面による方法で開催し、東京・名古屋間の早期整備などを決議し、二本目滑走路の早期実現に向けた要請と合わせて、赤羽国土交通大臣、自由民主党の二階幹事長、公明党の石井幹事長へ要請をいたしました。
 引き続き、本県の更なる成長の基盤となるリニア中央新幹線が1日も早く開業するよう、沿線地域の皆様とともにしっかりと取り組んでまいります。
  次に、中部経済連合会の創立70周年についてであります。
  6月8日、中部圏を代表する広域的な総合経済団体である中部経済連合会の創立70周年記念式典が開催され、私も出席し、お祝いのご挨拶を申し上げました。
  中部経済連合会は、1951年の創立以来、経済・産業分野はもとより、社会資本整備、広域観光等、幅広い分野における活動を通じ、本県の発展、そして中部地域の発展のためにご尽力いただいております。
 2020年7月、愛知・名古屋及び浜松地域が「スタートアップ・エコシステム グローバル拠点都市」に認定された際には、本県等とともにコンソーシアムを構成し、中心となって活動いただくなど、本県と中部経済連合会との連携は様々な実績を積み重ねてきたところでございます。
  中部経済連合会の更なる発展をご祈念申し上げるとともに、引き続き、本県の発展にご支援とご協力いただくことを期待しております。
 次に、安全・安心なまちづくりの推進についてであります。
 本年3月に策定をいたしました、「あいち地域安全戦略2023」に基づく取組を推進するため、6月9日、県、県警察、行政機関、事業者団体及び地域団体で構成する「愛知県安全なまちづくり推進協議会」において、2021年度版のあいち地域安全県民行動計画を策定いたしました。
  この行動計画では、防犯意識の醸成と地域防犯力の向上、犯罪の起きにくい社会づくり、県民の安全・安心を脅かす犯罪への対策を推進することとしており、新たに若者世代の防犯・規範意識の醸成に取り組むとともに、再犯防止対策を強化していくことといたしました。
 本県の刑法犯認知件数はピーク時の約2割まで減少しておりますが、引き続き、この行動計画に沿って、地域全体で安全・安心なまちづくりを推進してまいります。
 次に、カーボンニュートラルに向けた取組についてであります。
 本県では、「あいち地球温暖化防止戦略2030」に基づき、地球温暖化対策に取り組んでおり、例えば、住宅用太陽光発電施設の導入容量は約94万キロワットで全国第1位であり、再生可能エネルギー導入容量全体でも全国第2位であります。また、EV・PHV・FCVの普及台数が約2万5千台、水素ステーションは37箇所で、ともに全国第1位であるなど、本県の地球温暖化対策に対する取組は全国トップクラスの実績を挙げております。
 こうした実績の一方で、日本一のモノづくり県でもあるため、2018年度における温室効果ガスの排出量は7,954万トンで、全国第1位であり、このうち約半分が産業部門からの排出となっています。
 こうした中、国は、本年4月、「2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減」することを表明し、今月改正された「地球温暖化対策推進法」では、2050年度までのカーボンニュートラルの実現を基本理念として位置付けています。
 46%削減は大変高い目標であり、従来の取組の延長にとどまらない、革新的な技術・独創的な発想によるブレイクスルーが必要です。そこで、新たなプロジェクトの事業化を支援するため、学識経験者で構成する「あいちカーボンニュートラル戦略会議」を設置し、6月9日より、企業・団体から幅広い事業・企画アイデアの募集を開始いたしました。
 民間の優れたアイデアを具体化し、実践することにより、本県におけるカーボンニュートラルに向けた取組を加速してまいります。
  次に、全国知事会議についてであります。
  6月10日に、ウェブ方式で開催された全国知事会議に出席し、「新型コロナ感染抑制に向けた行動宣言」をはじめ、地方自治体が直面する諸課題について議論いたしました。
  私からは、まず、新型コロナウイルス感染症について、国に対して、感染力が強いデルタ株の分析と早期の情報提供を求めるとともに、東京オリンピック・パラリンピックをきっかけとした感染拡大を防ぐため、観客に対して行動の自粛を徹底することや、パブリックビューイングの開催自粛について、全国統一的な方針を示すことを要請いたしました。
 また、地方税財政制度に関しましては、大規模施設等に対する休業要請に対する協力金について、国による全面的な財政措置を講じることや事業者支援交付金の早期配分を行うことを求めるとともに、自動車関係諸税について、自動車産業は日本の経済と雇用を支える基幹産業であり、その国際競争力の強化や国内市場の活性化のため、適切に税制の見直しを図ることを要請いたしました。
 さらに、カーボンニュートラルの実現に向けた「2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減する」という高い目標に対しては、従来の取組の延長では達成が難しいことから、国が具体的な対策とロードマップを明示すべきであると申し上げました。
  今後も、全国の知事と連携しながら、的確な政策を実現できるよう、全力で取り組んでまいります。
 次に、交通安全対策の推進についてであります。
  本県の交通事故情勢は、今年に入ってから減少傾向が続いておりますが、交通事故の更なる減少に向け、来月11日から始まる「夏の交通安全県民運動」において、子供と高齢者を始めとする歩行者の安全の確保、歩行者等の保護を始めとする安全運転意識の向上、自転車の安全利用の推進の3つを重点取組に掲げ、県警察や市町村、関係諸団体と連携した交通安全運動を展開してまいります。
 また、昨年の県内の一般道路におけるシートベルト着用率については、運転席と助手席は9割を超えているものの、後部座席は5割未満に留まっていることから、死亡事故の減少に向け、全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底を呼びかけてまいります。
 今後も、県民総ぐるみの交通安全対策をより一層推進し、交通事故及び交通事故死者数の減少に全力で取り組んでまいります。


  それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し上げたいと存じます。
 補正予算につきましては、一般会計で110億8,764万余円を増額補正するものであります。
  早期議決をお願いする案件でございますが、先に申し上げましたとおり、新型コロナワクチン接種を加速するため、新たな大規模集団接種会場を、まずは、愛知医科大学メディカルセンター、藤田医科大学岡崎医療センター、安城更生病院及びバンテリンドームナゴヤの4か所で開設するための経費を計上するとともに、高齢福祉施設等の従事者・利用者や在宅療養をされている方への巡回接種を行う医療機関を支援いたします。
 また、生活福祉資金の再貸付が終了する等により生活困窮している世帯を対象として、一定の要件を満たす場合に、「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」を支給します。
 これらの補正予算につきましては、大規模集団接種会場の開設準備を早急に進めるとともに、巡回接種を行う医療機関を支援することで新型コロナワクチン接種を加速する必要があること、また、自立支援金の速やかな支給を行う必要がありますことから、よろしくご審議の上、早期のご議決を賜りたくお願い申し上げます。
 次に、その他の補正予算の主な内容でございますが、新型コロナウイルス感染症の軽症者等のうち、自宅療養者に対して実施しております配食サービスについて、自宅療養される方の増加に伴い、増額いたします。
 また、県内中小企業へのテレワークの早期導入を促進するため、テレワークの体験や個別ワークスペース設備の展示などを行うモデルオフィスを開設するとともに、感染拡大の影響により、離職を余儀なくされた方や生活に困窮する方などを対象として、プログラミングなどのデジタル分野や介護分野等において、新たに短期間・短時間で実施するコースを設けるなど、職業訓練を拡充いたします。
 次に、消費を喚起するため商店街の活性化に向けて実施するプレミアム商品券発行事業について、市町村に対する支援を拡充するとともに、航空機サプライヤーに対しては、この需要低迷期を乗り切るため、日本最大の航空宇宙産業の商談会である「エアロマート名古屋2021」や、日本最大級のものづくり産業の展示会である「第33回日本ものづくりワールド」を活用して、販路開拓への支援を拡大してまいります。
 また、観光消費の喚起に向けましては、県内旅行商品を購入した方や、県内宿泊施設における宿泊サービスを利用した方に対し、1人1回当たり5千円を上限に代金の2分の1相当分の割引を実施するとともに、2千円分の地域限定クーポンを付与することとし、8月31日までに予約・販売された旅行について、9月1日から12月31日旅行分までを対象として、支援いたします。
 さらに、県内のホテル・旅館を対象として、感染症対策に必要な設備のほか、ワーケーションのための設備整備や非接触チェックインシステムの導入等にかかる経費について、1施設最大500万円を支援してまいります。
 次に、全国一の産出額を誇る「花き」について、新たな需要喚起のための取組を実施するとともに、名古屋コーチンについては、加工販売業者による新たな商品開発及び販売を促進し、ブランド力の向上と消費拡大につなげるための取組を支援いたします。また、漁場の資源を維持するため、漁業協同組合が実施する種苗放流の取組を支援いたします。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴うインターネット上の不当な差別、誹謗中傷等を防止するための対応を検証するため、差別を助長する書き込みのモニタリングを試行的に実施いたします。モニタリングの対象は、新型コロナウイルス感染症、同和問題、外国人及び障害者に関連した差別的な書き込みとし、コンピュータシステムによるモニタリングを実施いたします。
 次に、補正予算案以外の議案についてであります。
  今回提案をいたしております案件は、条例関係議案が7件、その他の議案が15件でございます。
 主な案件につきまして、ご説明申し上げます。
 まず、条例関係議案のうち、過疎地域における県税の課税免除に関する条例の制定についてであります。
 これは、「過疎地域自立促進特別措置法」が失効し、新たに「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」が制定されたことを受けまして、引き続き、過疎地域における県税の課税免除の措置を講ずるものであります。
 次に、愛知県県税条例等の一部改正についてであります。
 これは、地方税法の一部改正に伴い改正を行うものでありまして、法人事業税について、電気供給業に新設された特定卸供給事業に係る課税方式を定めるほか、県たばこ税及び軽油引取税について、電磁的記録の隠蔽又は仮装に係る重加算金の割合を加重するものであります。
 次に、その他の議案のうち、工事請負契約の締結についてであります。
 これは、先に申し上げましたとおり、ジブリパークの「青春の丘エリア」「ジブリの大倉庫エリア」の演示工事、「もののけの里エリア」「魔女の谷エリア」の整備工事及び愛・地球博記念公園の北エントランス整備工事について、工事請負契約を締結するものでございます。
 最後に、人事案件でございますが、公安委員会の委員及び人事委員会の委員の任期満了に伴いまして、その後任者をそれぞれ選任するものでございます。
 以上、提案をいたしております案件の主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げましたが、詳細につきましては、議事の進行に伴いましてご説明を申し上げたいと存じます。
  どうかよろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますよう、お願いを申し上げます。