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県議会知事提案説明

令和4年2月定例県議会 知事提案説明要旨

今議会に提案をいたしました諸議案のご説明を申し上げるに先立ち、所信の一端を申し述べ、県議会並びに県民の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 今年、2022年は、愛知県知事として3期目の県政運営をスタートしてから4年目となり、任期の集大成の年です。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症が、県民の皆様の生活や経済活動に大きな影響を与える中、安心な日常生活と活力ある社会経済活動を取り戻していくため、オール愛知一丸となって、感染症の「克服」に向けた取組を進めてまいりました。
 こうした中でも、ジブリパークの整備推進、世界最高クラスのア リーナとなる愛知県新体育館、国内最大のスタートアップ支援拠点 「STATION Ai」の整備に着手するとともに、豊田・岡崎地区研究開発用地650万uを造成し、トヨタ自動車に引き渡すなど、感染症「克服」後を見据え、将来にわたって、日本の成長をリードし続ける愛知を形作っていけるよう、愛知を「前進」させた1年となりました。
 今後も、様々な取組を積極的に進め、愛知の更なる発展に向けて、議会の皆様と県民の皆様のご理解とご支援をいただき、県政運営に全力で取り組んでまいります。

 それでは、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。
 本県では、1月21日から、まん延防止等重点措置により、感染拡大の抑制に取り組んでまいりました。
 しかしながら、感染力の非常に強いオミクロン株により、2月15日には、新規陽性者数が過去最多の6,662人となり、昨日16日も6,591人でほぼ同水準、そして、今日もほぼ同水準が想定されておりまして、大変厳しい状況であります。確保病床における入院患者数も増加し、このまま感染拡大が継続すると、病床がひっ迫し、必要な医療を提供できなくなることが懸念されます。
 このような状況を踏まえ、国に対し、まん延防止等重点措置の延長を要請し、2月10日、その延長が決定されました。
 このため、2月14日から3月6日までの21日間、愛知県まん延防止等重点措置を延長することとしました。
 重点措置を講じるべき区域は、愛知県全域であります。
 ・飲食店等に対する営業時間短縮等の要請
 ・感染症対策を講じてもなお感染のリスクが高い学習活動の自粛など学校等での対応
 ・保育所、認定こども園、幼稚園等での対応
 ・高齢者施設等での対応
をお願いしております。
 医療提供体制については、オミクロン株の特性及びワクチン接種により、重症化リスクが低減していることから、
 ・入院基準は、「原則、中等症以上」とすること
 ・医師が延期可能と判断した入院・手術の実施を一時延期し、新型コロナウイルス感染症患者対応に必要な人員を確保すること
 ・陽性患者の受入については、確保病床の85%以上とすること
などを受入医療機関に対して要請しました。
 また、病床を効率的に運用し、入院治療が必要な患者を確実に受入れるため、退院基準を満たした後も基礎疾患等の治療が必要な患者の積極的な受入れについて、後方支援医療機関に対して要請しました。
 さらに、宿泊療養施設については、
 ・1月28日から、ホテルウィングインターナショナル名古屋に224室
 ・2月4日から、ベッセルイン栄駅前に225室
 ・明日2月18日から、コンフォートホテル豊橋に132室
を確保しました。
 これにより、本県の宿泊療養施設は、9施設合計で2,209室となりました。
 次に、感染症まん延防止の切り札である新型コロナワクチン接種の取組について申し上げます。
 本県では、感染拡大防止の取組を進めていくため、順次前倒し接種の対象を拡大し、2月以降は、3回目接種のすべての対象者が、接種間隔6か月での接種を可能としました。
 1月24日から、6つの大規模集団接種会場を順次開設し、一日最大4千人規模の接種を進めております。
 さらに、5歳以上11歳以下の小児に対するワクチン接種につきましても、3月から開始できるよう準備を進めております。
 通常の接種と比較して、きめ細かな対応が必要となる小児への接種は、医療機関の負担が大きいことから、県独自に医療機関への財政支援を実施することで、接種体制を確保します。
 あわせて、あいち小児保健医療総合センターに、副反応の専門相談窓口を設置します。
 さらに、4つの大規模集団接種会場におきましても、小児へのワクチン接種を実施します。
 これらの本県独自の取組により、接種の加速化を図ってまいりますので、県民・事業者の皆様には積極的な接種の検討をお願いします。
 この第6波の感染拡大の抑制に向け、今後も感染状況に応じ、必要な対策を速やかに講じてまいりますので、安心な日常生活と活力ある社会経済活動を取り戻していくことができるよう、ご理解とご協力をお願いします。


 それでは、愛知県政を取り巻く最近の状況について申し上げます。

 まず、国政の状況等についてです。
 国においては、経済財政運営で、「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとする新しい資本主義の実現を目指すとし、大胆な投資と規制・制度改革等を通じ、ポストコロナ社会を見据えた成長戦略を推進し、経済成長を図るとしています。
 本県においても、引き続き、愛知独自のスタートアップ・エコシステムの形成を促進するとともに、海外先進地域との連携を深め、世界に例を見ないグローバルなイノベーション創出拠点の形成を目指してまいります。

 次に、愛知県名誉県民顕彰についてです。
 今年2022年は、愛知県が誕生して150周年の節目であり、これまでの歩みを振り返り、本県の発展に多大な貢献をされた故豊田喜一郎氏と故盛田昭夫氏を名誉県民候補者として、1月25日に発表しました。
 故豊田喜一郎氏は、繊維機械事業を基盤に、国産自動車の大量生産を目指して生産体制の確立に努め、現在のトヨタ自動車株式会社の創業者として、我が国の自動車産業の基盤を築くとともに、現在の株式会社アイシン、トヨタ車体株式会社、株式会社デンソーなどの関連会社を興すなど、世界に誇る本県の自動車産業の発展に多大なる貢献をされました。
 故盛田昭夫氏は、ソニーグループの創業者の一人として、携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」を始めとする革新的な製品を次々と世に送り出し、世界の人々の生活を豊かなものにされ、また、本県に複数の関連工場を稼働させ、長く地域の産業力及び雇用経済の充実強化に貢献したほか、財団を設立して本県学生の留学を支援するなど、国際交流の発展にも多大な貢献をされました。
 いずれも本県の発展に卓絶した功績を挙げられた「愛知県名誉県民」の称号を贈るに相応しい方々です。
 お二人の郷土の歴史を築いた英知と努力を広く称え、県民の皆様に郷土への愛着と誇りをお持ちいただく契機とするとともに、本県の着実な歩みを継続してまいりたいと考えております。

 次に、ジブリパークについてです。
 1月27日、愛・地球博記念公園において、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー、ジブリパークの宮崎吾朗監督とともに、ジブリパークに関するメディア向け発表会を開催しました。
 発表会では、私から、着実に整備を進めているジブリパークの全5エリアの概要について説明するとともに、「青春の丘」、「ジブリの大倉庫」、「どんどこ森」の3エリアを、11月1日に開園することを発表しました。
 また、スタジオジブリが初めて手がけた観光動画「風になって、遊ぼう。」を紹介しました。この動画は、「ジブリパークのある愛知」の魅力をスタジオジブリの世界観に沿って描き出しており、動画を基に制作したキービジュアルもあわせて発表しました。
 今後は、この動画、キービジュアルを活用し、ジブリパーク来園者に、愛知の魅力を発信することで、県内各地での宿泊や周遊観光につなげてまいります。
 また、この発表会に先立ち、鈴木プロデューサー、宮崎吾朗監督とともに、現在、整備を進めている「青春の丘」と「ジブリの大倉庫」の現場視察を行いました。まだ各所に工事用の足場が残り、建物や造形物も塗装前の段階でしたが、どれも意匠や質感など、細部にわたってこだわって作り込まれている様子に、鈴木プロデューサーからは、「手応えを感じた。まだ途中だが、この仕事はやってよかった。」というご発言もありました。
 日本が世界に誇るスタジオジブリの世界観を表現した唯一無二の公園施設であるジブリパークの開園により、県民の皆様をはじめ国内外の多くの皆様に笑顔あふれる日々をお届けするとともに、世界中から多くの皆様にお越しいただくことで、愛知、日本を盛り上げていけるよう、引き続き11月1日の開園に向けて、しっかりと取り組んでまいります。

 次に、北京冬季オリンピック・パラリンピックについてです。
 連日熱戦が続いており、本県ゆかりの9人の選手を始めこれまでの日本選手団の活躍は、大きな感動をもたらし、日本人として大いに誇るべきものです。
 その中でも、本県ゆかりの堀島行真選手がスキー・フリースタイル男子モーグルで銅メダル、宇野昌磨選手がフィギュアスケート男子シングルで銅メダル、フィギュアスケート団体では、宇野昌磨選手、木原龍一選手、三浦璃来選手が銅メダルを獲得されました。このほか、國武大晃選手がスノーボード男子ビッグエアで4位、吉永一貴選手がショートトラック男子5000メートルリレーで8位に入賞されました。
 選手一人ひとりのオリンピックにかける思いと、これまでの練習の成果が、最高の舞台での夢の実現につながったものと思います。
 今後も本県ゆかりの選手が出場する予定です。国民・県民の皆様方としっかりと応援させていただき、世界の檜舞台での活躍を大いに期待します。
 さらに、来月4日に開幕するパラリンピックでの日本選手団の活躍も期待しています。

 次に、藤井聡太さんの史上最年少五冠達成についてです。
 2月12日、瀬戸市出身の藤井聡太さんが、将棋界の八大タイトルの一つ「王将」を獲得され、史上最年少での五冠を達成されました。心よりお祝いを申し上げます。
 藤井五冠におかれましては、昨年11月に史上最年少での四冠を達成されたばかりですが、その興奮が冷めやらぬ中、王将戦においても4連勝でタイトルを獲得され、大記録を打ち立てられたことは、愛知はもちろん日本中の皆様に夢や希望を与えてくれています。
 私からはお祝いのメッセージとお花を贈らせていただきましたが、この記録達成を県民の皆様とお祝いするとともに、今後も、将棋界を代表するスターとして、一層活躍されることを期待いたします。

 次に、交通安全対策です。
 昨年の交通事故死者数は、現行の交通事故統計となった1948年以降最小の117人となり、3年連続で全国ワースト1位を回避することができました。
 一方で、今年に入ってからは、交通死亡事故が多発し、非常に厳しい状況が続いております。
 悲惨な交通事故による犠牲者を1人でも減らせるよう、引き続き、県、県警察、市町村、関係機関の連携による啓発の実施や、県警察による取締りの強化等を通じ、県民総ぐるみで交通事故抑止に取り組んでまいります。

 それでは、2022年度当初予算編成について、ご説明いたします。

 世界は、グローバル化の進展やそれに伴う感染症リスクの増大、デジタル技術の急速な発展などにより、加速度的な変化を遂げています。
 そのような中でも、本県が日本の成長エンジンとして、我が国の発展を強力にリードしていくためには、そうした変化に的確に対応し、イノベーションを巻き起こしていかなければなりません。そのため、2022年度も、国内外の優れたスタートアップと地域のモノづくり企業とのオープンイノベーションにより、イノベーションが次々と創出される、愛知独自のスタートアップ・エコシステムの形成を促進するとともに、海外先進地域との連携を深め、世界に例を見ないグローバルなイノベーション創出拠点の形成を目指してまいります。
 さらに、本年7月には、3年に一度の国際的な現代アートの祭典、国際芸術祭「あいち2022」を開催します。そして、11月1日には、いよいよジブリパーク全5エリアのうち、「青春の丘」、「ジブリの大倉庫」、「どんどこ森」の3エリアが開園します。これまでに積み上げてきた愛知の力を礎に、更なる飛躍につながるビッグプロジェクトを、千里往って千里還る虎のように、なみはずれた行動力で前進させ、勢い盛んに愛知が躍進していく。そうした思いを込めて、2022年度当初予算を『躍進千里』予算として編成させていただきました。
 2022年度当初予算につきましては、新型コロナウイルス感染症対策に加え、選挙で県民の皆様にお示しした4年間の政策集「あいち重点政策ファイル330プラス1」と、「あいちビジョン2030」に掲げた重要政策の方向性を踏まえ、それを具現化する施策を、15の柱に沿って整理しました。
 それでは、この柱立てに沿いまして、主要な事業を説明いたします。

◎ 新型コロナウイルス感染症の克服
 まず、「新型コロナウイルス感染症の克服」です。
 新型コロナウイルス感染症対策については、これまで、医療提供体制やワクチン接種体制、PCR検査体制の確保及び医療機関に対する支援などの「感染拡大防止や医療面での対策」、SNS等を活用した相談体制の整備などの「県民生活への対策」、中小企業の資金繰り支援や新サービス・新商品の開発支援、プレミアム商品券発行事業支援などの「経済対策」を3つの柱に、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向け、県民の皆様を始め関係者一丸となり、全力で取り組んでまいりました。
 引き続き、新型コロナウイルス感染症の克服に向けて、感染状況を的確に把握・分析しながら、適時適切に必要な対策を講じてまいります。

 感染拡大防止や医療面での対策としては、患者を受け入れるための病床確保や医療機器等の整備に要する経費を支援し、最大2,534床、うち重症病床230床を確保します。
 中等症患者等を集中的に受け入れる「県立愛知病院」を運営します。
 宿泊療養施設は、9施設で2,209室を確保し、今後も順次拡大します。
 自宅療養者に対する配食サービスを実施するとともに、容体が急変した際の入院搬送体制等を確保します。
 ワクチン接種は、本県が設置・運用している大規模集団接種会場を7月まで開設し、希望するすべての方に接種の機会を提供します。また、ワクチン接種を行う医療機関及び職域接種を行う企業・大学、高齢福祉施設等へ巡回接種を行う医療機関を支援します。
 PCR検査については、行政検査に係る本人負担分を公費で負担するとともに、大学等にPCR検査を委託し、検査体制の充実・確保を図ります。
 緊急的な看護人材を確保するため、新たに看護人材ニーズの調整業務や養成研修を実施します。
 入院医療機関に対する本県独自の応援金や、第2次救急医療を担う医療機関に対する本県独自の無利子・無担保の融資制度により、引き続き医療機関を支援します。
 児童福祉施設のほか、感染者が発生した介護事業所や障害福祉サービス施設等における消毒液、マスク等の衛生用品の購入等を支援します。
 特別支援学校のスクールバスの増車を継続し、乗車定員の少人数化を図ります。
 感染防止対策に取り組んでいる飲食店を認証する「ニューあいちスタンダード(通称:あいスタ)」や「ワクチン・検査パッケージ」制度への登録を促進します。

 県民生活への対策としては、SNS等を活用した相談を実施し、社会生活や経済活動に不安を抱いている方や、様々な悩みを抱える生徒の心のケアを行います。
 GIGAスクール構想を推進し、県立学校のICT機器について、授業で活用ができるよう通信環境を整えるほか、小規模な高校や不登校を経験した生徒たちを対象に民間学習支援サービスを活用し、ICTによる個別最適な学習を支援します。
 小中学校において感染症対策等の補助的な業務を行うスクール・サポート・スタッフや学習指導員を配置し、児童生徒に対する教育環境の充実と教員の負担を軽減します。
 
 経済面での対策としては、中小企業への制度融資について、「経営改善等支援」の融資限度額を引き上げるとともに取扱期間を延長します。
 中小企業等が取り組む新サービス・新製品の開発や販路拡大を支援します。
 商店街が感染防止対策を講じて実施するイベントや、市町村が実施するプレミアム商品券発行事業等に対して支援します。
 県内の事業者、労働者を対象に、社会保険労務士や臨床心理士による専門労働相談を実施します。
 オンラインでの採用活動やインターンシップのオンライン化への対応が遅れている中小企業を支援するためのセミナーを開催します。
 県による「新たなGo To トラベル事業」を実施し、旅行代金の一部を電子マネーで還元するほか、旅行商品を割り引いて販売する旅行業者に助成するなど、県内観光関連産業を支援します。

◎ With/Afterコロナを見据えた成長戦略
 次に、「ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた成長戦略」です。
 日本が世界に誇るスタジオジブリの世界観を表現した唯一無二の公園施設「ジブリパーク」の魅力やブランド力、「STATION Ai プロジェクト」で進めている、海外の主要な大学やスタートアップ支援機関との連携による国際的なイノベーション創出拠点の形成により、世界中から最先端の技術・サービス、人材を愛知に呼び込み、新時代を担う人材の発掘・育成を進めてまいります。

 まず、「ジブリパークの整備推進」です。
 11月1日の開園に向け、「青春の丘」、「ジブリの大倉庫」、「どんどこ森」の3エリアの整備工事を4月末までに、展示・演示工事を9月末までに完了します。
 「もののけの里」、「魔女の谷」の2エリアについては、引き続き整備工事を進めるとともに、展示・演示工事に着手します。
 愛・地球博記念公園は、北エントランスや休憩所、園路及び広場を整備するとともに、新たな駐車場も整備します。
 公園周辺の道路については、交通渋滞緩和に向けた工事等を実施します。
 さらに、ジブリパークの開園にあわせて、愛・地球博記念公園において、新たに、県内の地域ごとに観光や飲食・特産品をPRする「あいち市町村フェア(仮称)」を開催します。
 ジブリパークに国内外から訪れる多くの来園者を、県内各地での宿泊や周遊観光へ誘導する、PR・プロモーションなどを実施します。

 次に、「STATION Aiプロジェクトの推進」です。
 本県の強みであるモノづくりの伝統や優れた技術・技能との融合による新たなイノベーションを誘発し、本県産業の成長を拡大させるエコシステムを形成するため、国内最大のスタートアップ支援拠点 「STATION Ai」を始めとした「Aichi−Startup戦略」に基づく取組を強力に推進します。
 本年4月から、イノベーションの創出施策の推進体制を強化するため、新たに「イノベーション企画課」を設置するとともに、スタートアップ推進課と緊密に連携して革新的な事業の創造に取り組んでいくため、両課を束ねる「革新事業創造部」を設置します。
 名古屋市鶴舞に整備する「STATION Ai」については、ソフトバンク株式会社が設立した「STATION Ai株式会社」と事業契約を締結し、2024年10月の開設に向けた施設整備を推進します。 また、開業準備業務として、連携体制・スタートアップ支援体制の確立、スタートアップ支援プログラムの充実及び管理運営・維持管理体制の構築を戦略的かつ計画的に推進します。
 「STATION Ai」のフロアの一角に、本県ゆかりの創業者など、産業偉人及びその業績を展示する施設の整備に関する調査や基本設計を実施します。
  「STATION Ai」開業までの間も切れ目のない支援を行う ため、WeWorkグローバルゲート名古屋に設置した「PRE− STATION Ai」において、スタートアップの成長段階に応じた数々の支援事業を集中的に展開します。
 アメリカ・テキサス大学、シンガポール国立大学、フランス・ STATION F、中国・清華大学TUSホールディングス等との連携事業に、新たにイスラエルのスタートアップ支援機関を加え、世界最先端の先進的な支援ノウハウや知見の当地域への実装を一層加速させます。
 世界最高水準のアクセラレーターによるスタートアップの成長支援と、海外スタートアップと県内企業とのオープンイノベーションを推進するプログラムを実施します。
 「あいち・なごやスタートアップ海外連携促進コンソーシアム」において、スタートアップの海外展開を支援します。
 また、「Aichi Partner VC」を認定し、県内スタートアップとのマッチング支援など、資金調達の円滑化を進めます。
 さらに、新たに小中高生の起業家精神を育成するプログラムを実施します。
 STATION Aiパートナー拠点として位置付けた「東三河スタートアップ推進協議会」の自律的な発展を支援するため、統括マネージャーの配置を継続します。
 県内各地域において、STATION Aiパートナー拠点設立を促進するため、新たに地域を巡回する統括マネージャーを配置します。
 健康長寿分野の新たなビジネスモデルを創出するため、国立長寿医療研究センターを中核とした産学官連携によるワーキンググループへのハンズオン支援などを実施します。
 農業総合試験場と大学・スタートアップ等の連携強化により、担い手減少等の課題に加え、カーボンニュートラル等の新たな課題への対応を目指す「農業イノベーションプロジェクト」を推進します。

 次に、人を呼び込むための社会インフラの整備と仕掛けづくりです。
 人の往来が戻るアフターコロナの世界に備え、リニア中央新幹線の推進、中部国際空港の将来構想の推進、国際展示場の最大限の活用、アジア競技大会の推進、新体育館の整備、官民におけるDXの推進、カーボンニュートラルの実現など、人を呼び込むための社会インフラの整備と仕掛けづくりを進めます。

 まず、「リニア中央新幹線の推進」です。
 首都圏、中京圏、関西圏の三大都市圏が一体化した人口7千万人の世界最大の経済規模を持つスーパー・メガリージョン「リニア大交流圏」を形成します。
 リニア大交流圏の玄関口となる名古屋駅については、名古屋市と連携しながら、わかりやすい乗換空間の形成等によるスーパーターミナル化を推進します。

 次に、「中部国際空港の将来構想の推進」です。
 中部国際空港については、今後も増加が見込まれる航空需要に対応するとともに、喫緊の課題である現滑走路の大規模補修に速やかに取り組む必要があります。中部国際空港沖公有水面埋立事業による空港西側の工区の埋立に約15年を要することを踏まえ、現空港用地と新たに造成される土地を最大限活用して、2段階の整備で2本の滑走路を配置することにより、滑走路処理容量を現在の約1.5倍とすることを目指す「中部国際空港の将来構想」を推進します。
 2022年度は、現滑走路の大規模補修を実施するための代替滑走路の整備に向けて、中部国際空港株式会社が実施する配置計画策定や環境影響評価調査を財政的に支援します。

 次に、「国際展示場の最大限の活用」です。
 国際空港直結や日本唯一の常設の保税展示場という特徴を有する愛知県国際展示場「Aichi Sky Expo」を最大限活用し、官民連携による新たな展示会需要を創造します。
 「愛知県SDGs未来都市計画」を推進するため、本年秋に「SDGs AICHI EXPO 2022」を開催します。
 中部国際空港や周辺地域を中心に、国際会議や見本市などMICEを誘致し、我が国を代表する国際観光都市を実現するとともに、最先端技術やサービスの社会実装フィールドとし、イノベーション創出の拠点とする「スーパーシティ」構想実現に向けた官民連携組織の運営や最先端サービスの検討を進めます。

 次に、「アジア競技大会の推進」です。
 2022年度は、個別の運営計画の作成、選手村の整備に向けた基本設計を実施するとともに、中国・杭州アジア大会フラッグハンドオーバーセレモニーで大会旗を引き継ぎ、愛知・名古屋の魅力をPRします。
 メイン選手村となる名古屋競馬場跡地の後利用に向けた基盤整備に着手します。また、新たに競技会場となる市町村の施設整備を支援します。
 さらに、2021年度2月補正予算において、新たに「アジア競技大会基金」を設置し、アジア競技大会の開催に必要な財源を確保します。
 第5回アジアパラ競技大会については、開催に向けて、APC(アジアパラリンピック委員会)との調整等を実施します。

 次に、「新体育館の整備」です。
 アジア競技大会を始めとしたスポーツの国際大会や全国大会、全国レベルのコンサート、イベント、コンベンション等の拠点として、愛知・名古屋のシンボルとなる世界でもトップクラスのアリーナを目指し、 2025年夏のオープンに向けて、設計・建設及び維持管理・運営を一体として実施する「BTコンセッション方式」により着実に整備を進めます。

 次に、「官民におけるDXの推進」です。
 「あいちDX推進プラン2025」に基づき、新たにICTを活用した行政課題の解決に取り組むとともに、デジタル人材の育成、テレワーク環境の整備・拡充、ICT環境のモバイル化等を見据えた庁内ネットワークの再構築など、行政のデジタル化を推進します。
 「元気な愛知の市町村づくり補助金」に、市町村のデジタル化・DXを推進する補助メニューを追加します。
 中小企業のデジタル技術の導入を支援するとともに、新たに先進的なデジタル技術を活用した実証実験を行うほか、デジタル人材育成研修を実施します。
 「あいちテレワークサポートセンター」については、新たに関連機器の貸出を行うなど、中小企業等におけるテレワークの導入・定着を支援します。

 次は、「カーボンニュートラルの実現」です。
 本県の温室効果ガス排出量は、GDP単位当たりでは全国第37位ですが、日本一の産業県であることから全国最多であり、カーボンニュートラルの実現に向けた積極的な取組が必要です。
 国が2030年度の温室効果ガス排出量削減目標を、2013年度比46%減とする新目標を掲げたことを踏まえ、「あいち地球温暖化防止戦略2030」を改定するとともに、「あいちカーボンニュートラル戦略会議」を開催し、カーボンニュートラルの実現に向けた取組を推進します。
 「矢作川カーボンニュートラルプロジェクト」については、新たに有識者や行政機関で構成する研究会を設立し、総合的かつ分野横断的にカーボンニュートラルの実現を目指します。
 まち全体で統一的に木造・木質化を図るため、エリア内で県産木材を利用する先導的な取組を支援します。
 衣浦港、三河港において、温室効果ガスの排出量をゼロにすることを目指す「カーボンニュートラルポート」形成計画を策定します。
 新たにパワーアップ資金「カーボンニュートラル」を創設し、中小企業におけるカーボンニュートラルの実現に向けた取組を支援します。

◎ 予算の重点事項
 以上、当初予算編成の大方針及び新型コロナウイルス感染症の克服、成長戦略について申し上げました。続いて、予算の重点事項を13の柱に沿って説明いたします。なお、具体的内容については、できる限り簡潔明瞭に申し上げますので、ご理解をお願いいたします。

(1) 「リニア大交流圏」の形成
 まず、「『リニア大交流圏』の形成」です。
 ・三遠南信自動車道や名豊道路、西知多道路などの高規格道路を始めとした道路ネットワークの整備を推進
 ・名古屋高速道路の都心アクセス向上などの取組を推進
 ・地域の皆様の生活に密着する道路や山間道路などの整備
 ・名古屋港、衣浦港、三河港について、「愛知県港湾物流ビジョン」に基づき、ふ頭用地の整備等により港湾物流機能を強化
 ・「MaaS」の導入に向けて、名古屋東部丘陵地域において実証実験を実施
 ・JR刈谷駅において、ホーム拡幅やコンコース拡張等を支援
 ・JR名古屋駅のホームドアの設置を支援
 ・地域鉄道事業者が鉄道輸送の安全性を確保するために行う施設整備に対して、新たに沿線市町村と連携して支援
 ・「スマートシティ」のモデルとなる取組を実施する市町村を支援

(2) 産業首都あいち
 次に、「産業首都あいち」です。
 国際イノベーション都市あいちへの飛躍とともに、製造品出荷額等が43年連続して日本一という、圧倒的な産業集積を誇る愛知の産業力を一層強化し、「産業首都あいち」を目指します。
 ・本県独自の補助制度により、水素ステーションの整備や燃料電池フォークリフトの導入を支援し、燃料電池自動車(FCV)の更なる普及を促進
 ・自動運転の社会実装の実現については、中部国際空港島や愛・地球博記念公園などの集客施設、都心部の名古屋市内での実証実験を実施
  中部国際空港連絡道路において、磁気マーカーを利用した高速走行を行う全国初の実証実験を実施
 ・西尾次世代産業地区、岩倉川井野寄地区、知多大興寺地区(2期)、新たに豊明柿ノ木地区の造成を実施
 ・「あいち・なごやエアロスペースコンソーシアム」において、航空機産業の経営基盤強化のため、他産業からの受注獲得を支援
  企業の経営改善や生産性向上のためのコンサルティングや、販路拡大、各階層における人材育成等を支援
 ・昨年11月に開催した「ロボカップアジアパシフィック2021あいち」のレガシーとして、「高校生ロボットシステムインテグレーショ ン競技会」を開催
 ・「知の拠点あいち重点研究プロジェクトW期」を開始
 ・産業空洞化対策減税基金による補助制度については、この10年間で企業立地・再投資の分野で402件の補助対象案件を採択し、総投資額6,574億円、約6万1千名の雇用維持・創出
  研究開発・実証実験の分野では、10年間で766件の補助対象案件を採択し、高付加価値のモノづくりを拡大
  2022年度は、基金に40億円を積み立てるとともに、首都圏等のIT企業の県内進出やデジタル技術導入を支援する補助メニューを 創設
 ・商工会・商工会議所がキッチンカーを導入し、地域の特産品を活用した商品の販路開拓などを行う取組を新たに支援
 ・若手商店主を中心に、地域活性化に挑戦する商店街を重点的に支援する「商店街の未来を拓くプロジェクト」推進事業を創設
 ・昨年11月に開催した「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」のレガシーを継承し、県内伝統的工芸品産業の更なる振興を図るため、新商品開発支援を行うとともに、新たに海外バイヤーとの商談会を実施

(3) 農林水産業の振興
  次に、中部最大の農業県・愛知の力を更にパワーアップさせるための「農林水産業の振興」です。
  ・本県独自の「あいち型産地パワーアップ事業費補助金」により、農業施設の整備を支援
  ・ドローンやICT等の先端技術の現地実証を実施するとともに、スマート農業技術の現場への導入を促進
  ・「あいち花マルシェ2022(仮称)」を開催し、59年連続花き産出額全国1位を誇る愛知県の花きの魅力を全国に発信
  ・国内最大級の「関東東海花の展覧会」やオランダで開催される「アルメーレ国際園芸博覧会」への出展
  ・豚熱や鳥インフルエンザの感染防止のため、野生動物侵入防止柵や防鳥ネット等の設置を支援
  豚熱対策として、飼養豚へのワクチン接種、野生イノシシの捕獲及び経口ワクチンの散布を実施
  ・畜産総合センター種鶏場については、2023年3月の開場に向けて小牧市内への移転整備を推進
  ・「愛知県木材利用促進条例」の本年4月の施行を踏まえ、ロードマッ プ「Wood Cityあいち2050(仮称)」を策定
  官民一体での木材利用を促進するためシンポジウムを開催
  ・「木の香る都市づくり事業」による民間施設等の木造・木質化などへの支援を拡充
  ・水産業については、「愛知県漁業振興計画」に基づき、日本一のあさり漁業の振興のための干潟・浅場の造成や貝類増殖場の整備等を推進
  栽培漁業センターにおけるハマグリ、ミルクイ、ワカメ種苗の新規生産、ナマコの増産に向け、新たな種苗生産棟の建設に向けた基本設計を実施

(4) 次代を創る教育・人づくり
  次に、「次代を創る教育・人づくり」です。
  元気な愛知の礎は、「人づくり」です。まず、子どもたちの学力を伸ばす教育の充実、「教育立県あいち、人財創造あいち」です。

  ・小学校第1学年から第3学年、中学校第1学年で実施している35人学級を、本県独自に、小学校第4学年に拡充
  ・小学校高学年における教科担任制を推進
  ・「県立高等学校再編将来構想」に基づき、稲沢・稲沢東・尾西高校を統合し2023年度に開校する新校や、津島北・海翔高校を統合し2025年度に開校する新校の施設整備を推進
  ・バーチャルリアリティを活用したオンライン指導など、2023年度からの新たなタイプの学校の設置や、商業教育のリニューアルなど魅力ある県立高等学校づくりを推進
  ・三谷水産高校の実習船「愛知丸」を更新するため、調査及び設計を実施
  ・2023年度からの新しい公立高等学校の入学者選抜制度の導入や、2024年度からのWeb出願導入を準備
  ・本年4月から、教育委員会に新たに「ICT教育推進課」を設置
  ・スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を拡充
  ・「県立学校施設長寿命化計画」に基づき、校舎等の改修工事を計画的に実施
   明和高校、春日井高校の各1棟の改築に着手
  ・すべての普通教室棟、管理棟及び一部の特別教室棟にある湿式トイレについては、2023年度までの洋式化、乾式化
  ・総合教育センターについては、組織・機能のスリム化を図った上で岡崎市内に移転するための基本設計に着手
  ・私立学校については、高等学校及び専修学校高等課程の授業料及び入学納付金について、引き続き年収720万円未満の世帯まで実質無償化
   経常費補助金では、幼稚園においては、教職員の給与を引き上げる処遇改善加算制度の拡充及び経験年数3年以上の若手リーダーの職にある教員に対して月額5千円を補助する制度を創設
   専修学校の職業実践専門課程に対して1学科あたり20万円を補助する制度を創設
   授業料軽減補助金の本県独自の補助対象に、高等学校の通信制課程及び中等教育学校後期課程を追加、入学納付金補助金の対象に高等学校の通信制課程を追加
  ・教員OBや大学生等の地域住民の協力により学習支援を行う「地域未来塾」の活動を支援
  ・高校中退者等や外国人を対象とした学習支援の実施地域を拡充

  次に、「グローバル人材の育成・獲得」です。
  ・外国語指導助手の活用による高校生の英語力強化や専門高校生の海外インターンシップ等を通じて、グローバル人材を育成
  ・本年5月に開催される「アジア大学サミット2022」において、県内大学等の魅力を発信
  ・外国人留学生の県内企業でのインターンシップや本県の魅力を発信するイベントの開催
   帰国した留学生の県内企業現地法人でのインターンシップを実施

(5) 安心と支え合いの福祉・社会づくり
  次に、「安心と支え合いの福祉・社会づくり」です。

  まず、「子ども・子育て支援」です。
  ・「子どもが輝く未来へのロードマップ」に基づき、生活困窮世帯等の子どもの学習支援や子ども食堂の開設支援
  ・県民の皆様からいただいた多くのご寄附により創設した「子どもが輝く未来基金」を活用し、「児童養護施設入所児童等の自立支援」や「子ども食堂の支援」の取組を実施
  ・認定こども園・幼稚園・保育所、市町村が認可する地域型保育事業への給付を行うとともに、幼児教育・保育の無償化にも対応
  ・放課後児童クラブの設置促進など、子育て支援事業を着実に推進
  ・潜在保育士の就職支援や、保育士の負担軽減を図る保育補助者等を雇用する経費に対して助成
  ・ヤングケアラー対策については、理解促進に向けたシンポジウムや研修会を開催するとともに、新たにコーディネーターを配置
  ・児童福祉司や児童心理司の増員、弁護士との連携による相談体制の確保に加え、新たにSNSによる相談を実施

  次に、「高齢者・地域福祉対策」です。
  ・「あいちオレンジタウン構想第2期アクションプラン」に基づき、「地域づくり」と「研究開発」の両面から、認知症対策として先進的・重点的な取組を実施
   「愛知県認知症希望大使」と協働した啓発イベントの開催、若年性認知症の人の社会参加支援モデル事業の実施、認知症カフェにおける交流の推進
   新たに企業と連携した認知症の人にやさしいサービス等の創出を推進
  ・認知症疾患医療センターにおいて、認知症の診断や初期対応等を実施
  ・「地域医療介護総合確保基金」を活用して、介護従事者の確保、介護施設等の整備を推進
  ・介護事業所等で働く方々の収入を引き上げる処遇改善を支援
  ・地域包括ケアを推進
  ・高齢者、障害者、子ども等の各分野を超えて市町村が相談支援等の取組を一体的に行う重層的支援体制の整備を支援

  次に、「障害者福祉・支援、ノーマライゼーション推進」です。
  ・西尾市内に整備を進めてきた本県初の知的障害と肢体不自由の児童生徒に対応する「にしお特別支援学校」が、本年4月に開校
  ・県立東浦高校の敷地内に設置する幼稚部及び小学部に対応した「千種聾学校ひがしうら校舎」については、2023年度の開校を目指し、 建設工事を実施
  ・県立農業大学校の校地へ移転する岡崎特別支援学校については、2024年度の開校を目指し、建設工事に着手
  ・特別支援学校において、看護師の配置を拡充
  ・障害者福祉減税基金を活用した知多半島地域で初となる民間法人による重症心身障害児者入所施設「にじいろのいえ」の、東海市での本年秋の開所に向けた整備を支援
  ・愛知県医療療育総合センターを始めとする県内7か所の重症心身障害児者施設等に「医療的ケア児支援センター」を設置
  ・障害福祉サービス事業所等で働く方々の収入を引き上げる処遇改善を支援
  ・「あいち障害者雇用総合サポートデスク」において、障害者の受入れから職場定着に関する相談を実施
  ・全ての中小企業を対象とした本県独自の「中小企業応援障害者雇用奨励金」を支給
  ・手話通訳者や要約筆記者等の意思疎通支援者の養成や派遣
  ・「あいちアール・ブリュット障害者アーツ展」を開催
  ・障害者の芸術文化活動を支援する人材の育成
  ・新たに障害者スポーツを理解し応援する「あいちパラスポーツサポーター」を育成
   障害者スポーツの若手指導者の確保や活動を再開する指導者の支援等を実施
  ・「あいちトップアスリートアカデミー」のパラアスリート部門において、国際大会等で活躍が期待できる地元選手を発掘・育成

(6) 安心できる医療体制の構築
  次に、「安心できる医療体制の構築」です。
  ・がん患者の治療に伴う外見変化による心理的負担を和らげ、社会参加を応援するためのアピアランスケア支援事業として、医療用ウィッグや乳房補整具の購入に対する助成制度を創設
  ・がん患者等の妊よう性(妊娠するための力)温存治療を支援
  ・不妊症や不育症に悩む方に対する相談支援事業に、新たに、グリーフケアを加え充実強化するとともに、ピアサポート活動を支援
  ・がんセンターにおいては、第U期の重点プロジェクトを実施
  ・「地域医療介護総合確保基金」を活用し、病床機能の分化・連携や病床規模の適正化、在宅医療の充実、医療従事者の確保を推進
・コロナ医療など一定の役割を担う医療機関で働く看護職員の方々の収入を引き上げる処遇改善を支援

(7) 誰もが活躍できる社会づくり
  次に、「誰もが活躍できる社会づくり」です。

  まず、「産業人材の育成・確保」です。
  ・技能五輪メダリスト等による小中学校等での出前講座や大会出場を目指す選手の見学会を開催
  ・高等技術専門校の再編・整備については、岡崎校新校舎の建設工事を進めるとともに、デジタル活用分野や介護・福祉分野など、離職者の多様なニーズに応じた職業訓練を拡充
  ・雇用促進に向けた相談対応や就職面接会を開催新たに、定住外国人の雇用を希望する企業への伴走支援を実施
  ・本年11月に開館5周年を迎える「あいち航空ミュージアム」において、新たに、T−4ブルーインパルスの退役機を展示

  次に、「女性の活躍促進」です。
  ・新たに、県内3か所のモデル地域において、市町村と地元経済団体等のネットワークを形成し、セミナー等を通じて中小企業の女性活躍に向けた働き掛けを実施
  ・新たに、女性経営者や女性役員等による講演会を実施
  ・企業における女性活躍の好事例、活躍する女性のロールモデルを県内外の若年女性に向けて発信するとともに、女性起業家を支援
  ・「あいち子育て女性再就職サポートセンター」において、窓口相談や出張相談を実施するとともに、職場復帰・再就職準備セミナー等を開催
  ・市町村と連携したタウンミーティングを開催し、ワーク・ライフ・バランスを推進
   イクメン・イクボスの普及拡大や、仕事と介護の両立支援セミナーを開催

  次に、「人権施策の推進」です。
  ・「愛知県人権尊重の社会づくり条例」を新たに制定し、愛知県人権施策推進審議会を設置
  条例の広報や啓発を実施するほか、人権に関する総合的な相談窓口を設置
  ・インターネット上の人権侵害に対するモニタリングを本格的に実施
  ・本年4月から、県民文化局内に「あいち人権センター(仮称)」を設置

 次に、「就職氷河期世代対策」です。
 ・2019年に、全国に先駆けて、国、経済団体、労働団体、業界団体等と設置した「あいち就職氷河期世代活躍支援プラットフォーム」による官民一体となった取組を推進
 ・紹介予定派遣制度を活用した職場実習の実施
 ・デジタル技術等を取得する研修と企業での職場実習を組み合わせた雇用型訓練を実施
 ・新たに経営者の意識改革を図るセミナーの開催や事例集を作成
 ・「あいちひきこもり地域支援センター」において、市町村が実施するひきこもり対策を支援
 ・就労に向けた基礎能力の形成や家計管理能力の改善に向けた相談支援を実施
  ひきこもり状態など支援対象者の掘り起こしや、働き掛けを行うアウトリーチによる支援を実施

(8) あいちのグローバル展開
 次に、「あいちのグローバル展開」です。
 ・次期「あいち国際戦略プラン」を策定
 ・海外産業情報センターや県内企業の現地での相談窓口であるサポートデスクにおいて、進出企業からの各種相談対応や相手国政府への要請等を実施
 ・次期「あいち多文化共生プラン」を策定
 ・日本語に不慣れな外国人児童生徒に対応する小中学校の教員の配置を拡充するとともに、小中学校に語学相談員を派遣
 ・市町村が実施する「日本語初期指導教室」の運営や多言語翻訳機を活用した教育に対する支援を拡充
 ・外国人児童生徒数が多い県立学校に小型通訳機を配備するとともに、県立定時制高校に就労アドバイザーを配置
 ・外国人生徒等が在学する県立学校に、学習活動や学校生活を支援する教育支援員を配置
 ・「あいち地域日本語教育推進センター」を中心に、コーディネーターによる指導・助言や、市町村が実施する日本語教育関連事業を支援
・「多文化子育てサロン」の設置を促進するほか、外国人の子どもたちが日本語学校に通うための支援を実施
・第3次の日本語学習支援基金を造成し、地域における日本語教室の運営等を引き続き支援

(9) 選ばれる魅力的な地域づくり
 次に、「選ばれる魅力的な地域づくり」です。

 まず、「文化・芸術都市あいち」です。
 ・国際芸術祭「あいち2022」については、本年7月30日から 10月10日までの73日間にわたり、愛知芸術文化センター、一宮市、常滑市及び名古屋市有松地区で開催
 瀬戸市の陶磁美術館において、瀬戸にゆかりのある作家の作品を中心とした展覧会や陶芸イベントを開催
 ・県立芸術大学については、本年4月に、美術学部内に「メディア映像専攻」を開設するほか、新彫刻棟の建設工事に着手
 ・「あいち朝日遺跡ミュージアム」では、弥生時代の文化や朝日遺跡に関する企画展を開催
 ・愛知県最大の前方後円墳である国指定史跡「断夫山古墳」については、名古屋市と共同で発掘調査を実施
 次に、「スポーツ王国あいち」です。
 ・国際競技大会で活躍できる地元選手を発掘・育成するとともに、2026年アジア競技大会等に向けて、強化指定選手の競技力を強化
 ・本年11月に、愛知・岐阜で開催されるFIA世界ラリー選手権ラリージャパンの成功に向けて、開催機運の醸成を図り、大会会場を盛り上げ、開催を支援
 ・次期スポーツ推進計画を策定

  次に、「観光都市あいち」です。
 ・愛知ならではの地域資源として、「食文化」「山車・祭・伝統文化」を「ツウ」な魅力として磨き上げ、質の高い体験コンテンツとしてモデル的に造成・販売を実施
 ・2023年の大河ドラマ「どうする家康」を活用して、観光誘客の拡大を図るため、市町村や関係団体、事業者等と連携・協力し、観光周遊キャンペーンの展開やPR・プロモーションを実施
 ・「サムライ・ニンジャフェスティバル」の開催、「徳川家康と服部半蔵忍者隊」による武将観光のPR等、「武将のふるさと愛知」を発信
 ・「あいち山車まつり日本一協議会」の取組により、市町・保存団体とともに愛知の山車まつりの魅力を広く発信
 ・「ハート・オブ・ジャパン」のキャッチワードのもと、新たに特設サイトを作成し、外国人旅行客の趣向に合わせたコンテンツを配信

 次に、「あいちの魅力発信」です。
 ・2022年は、1872年に、現在の愛知県が誕生して150周年の節目にあたることから、郷土への愛着や誇り(シビックプライド)の醸成のための取組を推進するとともに、11月27日に記念式典を開催
 ・愛知万博開催20周年を迎える2025年に、愛・地球博記念公園において記念事業を実施するため、基本計画を策定するとともに、実行委員会を立ち上げ
 ・若年層に「愛知の住みやすさ」がわかりやすく伝わるような漫画形式の動画を配信するほか、広くPRすることで「働くなら愛知、住むなら愛知」という流れを促進
 ・東京と名古屋に設置したUIJターン支援センターにおいて、就職 イベントや個別相談を実施
  就職支援協定を締結している大学等と連携・協力して、学生のUIJターン就職活動を支援
 ・名古屋コーチン、みかわ牛、花、抹茶、かんきつ、なし、トラフグ など全国トップレベルの本県の農林水産物のブランド力を一層強化
 ・三河山間地域の振興については、「あいち山村振興ビジョン2025」 に基づき、バス路線を維持している市町村への補助や、東京都内のふるさと回帰支援センターに移住相談窓口を設置
  テレワーク・ワーケーションを促進・誘致する施設の環境整備・実証実験等を推進

(10) 安全・安心なあいち
 次に、「安全・安心なあいち」です。
 ・「愛知県基幹的広域防災拠点」を、豊山町青山地区に整備するため、用地取得などを実施
 ・ゼロメートル地帯において整備を進めている広域的な防災活動拠点については、木曽三川下流域の愛西市において、本年9月の供用開始に向け防災倉庫の工事等を実施
  弥富市においては、拠点の実施設計を実施
  西三河南部地域の西尾市において、敷地造成及び防災倉庫の実施設計を実施
  東三河南部地域においては、整備候補地の選定に向けた調整を実施
 ・本県の防災ヘリコプターの運航を名古屋市に委託し、名古屋市の消 防ヘリコプターとの一体的な運用により本県の防災力を向上
 ・次世代高度情報通信ネットワークを整備
 ・新たにドローン等のデジタル技術を活用したシステムを導入し、災害時対応における機動性や確実性を強化するための検討調査を実施
 ・消防団加入をより一層促進するため、市町村からの提案に基づく、モデル事業を、新たに実施
 ・住宅や建築物の耐震診断、耐震改修、ブロック塀除却費用に対する補助を実施
 ・交通安全対策について、横断歩道における歩行者保護意識の醸成に向けた重点的な広報や高齢者の事故防止、車両運転中の「ながらスマホ」や「あおり運転」の防止等ドライバーの運転マナー向上に向けた取組を実施
 ・「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」に基づき、自転車の安全利用に関する広報、啓発を推進
  若年層や高齢者に対するヘルメットの購入補助を実施するほか、新たにシルバー人材センターと連携したヘルメット着用促進モデル事業を実施
 ・信号灯器の視認性を高めるためのLED化を進めるとともに、横断歩道を始めとした道路標示、道路標識の整備等、交通安全施設の整備
 ・新たに「愛知県犯罪被害者等支援条例」を制定し、条例に基づく指針の策定に向けた検討
  犯罪被害者等の経済的負担の軽減を図る給付金の支給や、損害賠償請求権の消滅時効を防ぐために必要な再提訴費用の助成により、犯罪被害者等に対する支援を推進
 ・警察署については、津島警察署が本年8月に供用開始、豊川警察署、岡崎警察署は、建設工事、半田警察署、一宮警察署は、基本設計等、瀬戸警察署は、現地建替えに向け、ボーリング調査を実施
 ・交番・駐在所は、7交番・1駐在所の建替えを実施
 ・本年6月、愛知県国際展示場において、「第17回食育推進全国大会」を開催

 (11) 環境首都あいちの推進
 次に、「環境首都あいちの推進」です。
 ・事業者が行う温室効果ガス削減対策に対して現地調査や助言を行うなど、地球温暖化対策の取組を推進
 ・住宅用地球温暖化対策設備の導入補助制度により、太陽光発電施設やHEMS、住宅の断熱性能等を高める設備等の一体的導入を支援するとともに、新たに太陽熱利用システムを補助対象に追加
 ・次世代自動車については、本県独自の助成制度により導入を支援
 ・製品の製造から消費・リサイクルまでの各段階で新たな資源の投入や廃棄物の発生を限りなくゼロにする、サーキューラーエコノミーに 資する設備整備を支援 
 ・「あいちプラスチックごみゼロ宣言」に基づき、消費者向けの普及啓発の実施や、市町村の分別収集計画の策定を支援
 ・「愛知県食品ロス削減推進計画」に基づき、食品ロスの削減に積極的に取り組む企業等を認定するパートナーシップ制度を創設
  食品ロスの削減に向けたイベントの開催や、小学生を対象とした環境学習プログラムによる普及啓発の推進
 ・中国・昆明で開催されるCOP15等に「国際先進広域自治体連合」として参加し、共同宣言やサイドイベント等を実施
 ・生物多様性の保全等に積極的に取り組む優良な事業者の認証制度の創設や、保全管理の必要性が高い湿地の選定・調査を新たに実施
 ・幼児から中高年・シニアまで幅広い世代で環境学習を実施

(12) 東三河の振興
 次に、「東三河の振興」です。
 昨年12月に策定した「東三河振興ビジョン2030」に掲げる「連携と協働で未来を創る 輝き続ける東三河」の実現に向け、全力で取り組みます。
 ・東三河地域への「新しい人の流れによる新たな魅力と価値」を創造する取組を進めるとともに、Webサイト「穂っとネット東三河」の改良を実施
 ・「東三河教育プロジェクト」として、時習館高校の「あいちグローバルハイスクール」の指定、豊橋西高校における総合学科の設置による学校の活性化、豊橋工科高校のロボット工学科におけるSTREAM 教育の推進、渥美農業高校における「あつみ次世代農業創出プロジェクト」を推進
 ・へき地学校におけるICTを活用した交流学習を支援
 ・三河港については、神野西地区のふ頭用地の整備及び蒲郡地区における大型自動車船が安全に寄港できる岸壁の整備を進めるほか、三河港港湾計画を改訂

(13) 地方分権・行財政改革の推進
 次に、「地方分権・行財政改革の推進」です。
 ・「あいちビジョン2030」の実現に向け、地域づくりの現状や課題の把握、分析等を行うため「あいちレポート(仮称)」を作成
  中京大都市圏づくりの推進に向け、情報発信を実施
 ・第2期「愛知県人口ビジョン・まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、幅広い施策を実施
 ・ノーコード・ローコードツールの行政分野への試行導入や、RPAの活用等、ICTを活用した業務改善を実施
  職員のテレワークを推進
 ・民間活力の導入については、PFI方式により、県営住宅の建替えを推進
 ・県有施設については、長寿命化に向けた改修等を実施
 ・知多総合庁舎と知多福祉相談センターについては、2施設を集約した新総合庁舎の整備に向けた実施設計を実施
 ・豊田加茂総合庁舎と豊田加茂福祉相談センターについても、2施設を集約し、県産木材を積極的に活用した新総合庁舎の整備に向け、デザインビルド方式での発注準備に着手
 ・有料道路コンセッションや愛知総合工科高等学校専攻科の公設民営化等に続き、自動運転等の近未来技術の社会実装に向けた制度整備や、医療ツーリズムの推進のための規制改革等、国家戦略特区に提案している規制改革の早期実現を推進

(14) 当初予算の全体概要
 以上、予算の主な内容について説明しましたが、ここにご審議いただく2022年度の当初予算は、
 一般会計 2兆8,275億余円
 特別会計 1兆3,673億余円
 企業会計    2,624億余円 です。合わせて4兆4,573億余円となります。
 このうち、一般会計の予算規模は、2021年度当初予算に対し、 104.1%となります。新型コロナウイルス感染症対策費が610億円増加したことなどにより、予算規模が拡大しておりますが、これを除いて比較すると、101.9%となります。
 歳入について、県税は、前年度から957億円増の1兆1,489億円を計上します。
 前年度に大幅な減収を見込んだ法人二税は、企業収益の回復を反映し、965億円増収するものの、県税全体では、新型コロナウイルス感染症の影響が拡大する前の2020年度当初予算の水準(1兆1,669億円)を回復するには至っておりません。
 なお、県税に、特別法人事業譲与税の計上額1,306億円を加えると、1兆2,795億円となり、前年度から1,454億円の増収となります。
 地方交付税と臨時財政対策債は、2022年度地方財政計画及び本県の税収動向を踏まえ、2,100億円を計上します。このうち、地方交付税については、900億円を計上します。
 県債については、前年度から1,220億円減となる2,860億円を計上します。地方交付税の振替措置である臨時財政対策債は、前年度から1,300億円減の1,200億円を計上します。
 国の2021年度補正予算に積極的に対応する一方、着実に償還を進め、満期一括償還積立を除く、通常の県債の実質的な残高は、2022年度末で2兆258億円と、あいち行革プラン2020に掲げた数値目標(2019年度末実績2兆567億円以下)を堅持します。臨時財政対策債の発行が減少するため、県債残高全体も5兆5,363億円に減少する見込みです。
 歳出では、新型コロナウイルス感染症の克服に向け、引き続き継続的に実施すべき新型コロナウイルス感染症対策に1,920億円(うち一般会計1,918億円)を計上します。
 人件費は、2021年度の給与改定の影響などにより減少します。
 医療・介護などの扶助費は、2022年度から団塊の世代が75歳以上の高齢者となることなどに伴い、引き続き増加します。
 公債費は、2020年度に発行した猶予特例債の償還に備えて、2021年度限りで実施した減債基金満期一括償還積立の減により減少します。
 投資的経費のうち、国庫補助金を活用した道路、河川等の公共事業は、2021年度当初予算と同水準を確保します。
 単独事業についても、公共施設の長寿命化改修や計画的な施設整備により、将来を見据えた投資を着実に推進します。
 今回の予算編成では、1,259億円という多額の収支不足が見込まれました。
 そこで、まず、2021年度において、県税収入及び地方財政措置がともに当初予算を上回ったことや、歳出不用額の補正減などにより確保した財源によって、年度内に予定していた減債基金(任意積立分)及び財政調整基金の取崩し1,476億円を全額取り止めました。その上で、 2021年度中の法人二税の増収に伴う交付税の後年度減額精算等に備えるため、財政調整基金に500億円を積み立てます。
 そして、2022年度において、減債基金(任意積立分)999億円、財政調整基金260億円、合わせて1,259億円を取り崩すことにより、収支不足を解消することができました。

 次に、予算以外の案件について、ご説明を申し上げます。
 条例は、制定、一部改正を合わせて、29件を提案しています。
 まず、愛知県犯罪被害者等支援条例の制定については、犯罪被害者やその家族への支援を、総合的かつ計画的に推進するため、基本理念を定め、県、県民、事業者等の責務を明らかにするとともに、支援に関する指針や県が行う基本的な施策など、犯罪被害者等支援の基本となる事項を定めるものです。
 次に、愛知県人権尊重の社会づくり条例の制定については、あらゆる人権に関する課題の解消を図り、全ての人の人権が尊重される社会の実現に寄与することを目的に、県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、人権尊重の社会づくりに関する施策の基本となる事項を定めるものです。
 次に、愛知県職員定数条例の一部改正については、知事の事務部局等の職員定数について、事務事業の見直し、業務改善等に取り組む一方で、児童相談センターの体制強化やアジア競技大会の開催準備等に伴い、全体で87人増員します。
 また、小学校4年生への35人学級の拡充等により教職員を419人増員するものです。
 次に、知事等の給与の特例に関する条例の一部改正については、現下の厳しい財政状況に鑑み、引き続き特別職の職員を対象に、給与の一部を減額するものです。
 さらに、条例以外の案件として、愛知県と名古屋市との間の防災ヘリコプターに関する事務の委託のほか名誉県民の選定について等13件を提案しています。

 次に、2021年度関係の諸議案についてです。
(1) 令和3年度補正予算(第24号)
 まず、令和3年度補正予算(第24号)です。
 これは、一般会計で281億6,378万円を増額するもので、県の営業時間短縮要請に応じていただける飲食店等に対して交付する「愛知県感染防止対策協力金」について、今般のまん延防止等重点措置の延長等に伴い増額します。
 なお、この補正予算案については、準備を早急に進める必要があることから、よろしくご審議の上、適切なご議決を早期に賜りますようお願い申し上げます。

(2) 令和3年度補正予算(第23号)
 続いて、令和3年度補正予算(第23号)です。
 これは、新型コロナウイルス感染症対策や、アジア競技大会の開催に向けた必要な資金の確保、国庫補助金や事業費の確定に伴う所要の措置並びに2022年度当初予算編成に向けての財源確保等を行うものです。
 補正予算を会計別に申し上げますと  
  一般会計 1,809億2,512万余円の増額
  特別会計   947億9,966万余円の増額
  企業会計    26億8,866万余円の減額
でございまして、合わせて、2,730億3,612万余円の増額となります。
 以下、一般会計の主なものについて、概要をご説明申し上げます。
 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
 重点医療機関等における病床確保を支援するほか、新型コロナウイルス感染症に伴う休業や失業により収入が減少した世帯への生活資金の貸付けについて、国の追加内示に基づき、貸付原資を増額します。
 また、県による「新たなGo To トラベル事業」については、2月補正額の全額を2022年度に繰越し、ゴールデンウィーク後から、電子マネーによるポイント還元や旅行商品の割引等を実施し、厳しい状況にある県内観光関連産業を支援します。
 次に、2026年に本県で開催される第20回アジア競技大会の開催に必要な財源を確保するため、新たに「アジア競技大会基金」を設置し、100億円の積立てを行います。
 また、2021年度中の法人二税収入の増加に伴う交付税の後年度減額精算等に備えるため、財政調整基金に積立てを行います。
 以上ご説明いたしました一般会計の一般財源は、県税収入や地方交付税の増額などにより、全体で2,893億3,396万余円を増額します。
 特定財源については、国庫支出金を減額するほか、減債基金取崩しを取り止めたことなどから、全体で1,084億884万円を減額します。

(3) 補正予算以外の議案
 次に、補正予算以外の議案については、条例関係議案といたしまして、アジア競技大会基金条例の制定1件を提案しています。
 さらに、条例関係議案以外のその他の議案として、物品の買入れなど8件を提案しています。

 以上、提案をいたしました案件のうち、主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げました。なお、詳細につきましては、議事の進行に従いましてご説明を申し上げたいと存じます。よろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。
 最後に、結びとして一言申し上げたいと存じます。
 これからも本県は、東京一極集中にストップをかけ、イノベーションを創出する好循環を生み出す日本の成長エンジンとして、将来にわたって我が国の発展を力強くリードし続けてまいります。
 これまでに積み上げてきた愛知の力を礎に、更なる飛躍につながるビッグプロジェクトを、千里往って千里還る虎のように、なみはずれた行動力で前進させ、勢い盛んに愛知が躍進していきたい。まさに「躍進千里」の思いで前進してまいります。
 引き続き、「日本一元気な愛知」、子ども・若者・女性・高齢者・障害のある方など「すべての人が輝く愛知」、そして、県民の皆様すべてが豊かさを実感できる「日本一住みやすい愛知」を実現するため、全力で取り組んでまいる所存でありますので、県議会議員の皆様方並びに県民の皆様方の、ご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。