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県議会知事提案説明

令和5年12月定例県議会 知事提案説明要旨



 このたびの定例県議会に提案をいたしました諸議案のご説明に先立ち、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。
 本県の感染者の状況は、県内195か所の定点医療機関あたりの報告数、入院患者数ともに減少傾向であり、落ち着いた状況となっております。
 こうした中で、10月22日には、これまで本県における新型コロナウイルス感染症対策に多大な貢献をいただいた協力団体等584団体、外来対応医療機関2,474機関の皆様に感謝状を贈呈させていただきました。
 感染状況に応じた様々な対策にご協力をいただきました県民・事業者の皆様、昼夜を問わず献身的に医療提供体制を支えていただきました医療関係者の皆様を始め、これまでご協力をいただきましたすべての皆様に、あらためて感謝を申し上げます。
 これから本格的な冬に向けて、感染の拡大とともに、11月9日には、県内に、4年ぶり、過去10年で最も早い時期となる「インフルエンザ警報」が発令されるなど、季節性インフルエンザとの同時流行も懸念されます。
 そのため、引き続き、場面に応じて、換気、手洗い、手指消毒、マスクの効果的な場面での着用等の基本的な感染防止対策をとっていただくとともに、ワクチン接種についてのご検討をいただくよう、県民の皆様に呼びかけを行っているところです。
 引き続き、定点医療機関における感染者の状況の把握に加えまして、日々の入院患者の状況を注視しながら、医療提供体制に万全を期するとともに、適時適切な情報提供を行ってまいります。
 今後もオール愛知一丸となって、安心な日常生活を取り戻し、社会経済活動を回していくことができるよう、しっかりと取り組んでまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

 それでは、県政を取り巻く最近の状況について申し述べ、議員の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。
 まず、国政の状況についてです。
 国においては、11月2日に、物価高対策、持続的賃上げや地方の成長実現、国内投資の促進、人口減少対策とデジタル社会への変革、国土強靭化や防災・減災などを内容とする、新たな総合経済対策が策定されました。
 また、11月29日には、その内容を盛り込んだ令和5年度補正予算が成立したところです。
 本県としても、国の補正予算に呼応し、特に早期に対応する必要があるものについては、本議会中に補正予算案を追加提出するなど、しっかりと対応してまいります。早急に詰めて、今後議会にご相談させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 次に、最近の経済情勢と来年度の予算編成についてです。
 我が国の景気は、一部に足踏みもみられるものの、個人消費が持ち直し、企業収益は総じてみれば改善しているほか、雇用情勢も改善の動きがみられるなど、緩やかに回復しております。
 先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、景気は緩やかな回復が続くことが期待されますが、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
 こうした中で、本年度の県税収入につきましては、主要税目であります法人二税につきまして、これまでのところ、概ね見込みどおりに推移しております。
 一方、来年度の県税収入につきましては、法人二税に影響を及ぼす上場企業の来年3月期の業績予想は、製造業全体では増益見通しとなっているものの、中国の景気減速や原材料高の影響などにより、減益を見込む企業もあります。また、物価高の動向によっては、地方消費税など消費関連税目への影響が懸念されることから、今後の国内外の経済情勢等を注視し、税収を慎重に見極める必要があります。
 他方、歳出面では、2025年にかけて団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となることに伴い、扶助費が確実に増加するほか、社会情勢の変化や多様化する行政ニーズに的確に対応していく必要があります。
 こうしたことから、本年度当初予算で多額の取崩しを計上した基金残高の回復を図る必要があり、年度内のさらなる財源確保に取り組むとともに、引き続き、「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づく行財政改革の取組を着実に進めてまいります。
 次に、あいちアール・ブリュット展10周年記念事業についてです。
 本県では、芸術・文化活動を通じて障害のある方の社会参加と自立を促進するとともに、県民の皆様に障害への理解を深めていただくため、「あいちアール・ブリュット展」を2014年度から開催しています。
 今年は、「あいちアール・ブリュット展」が10周年を迎えることを記念して、10月17日から22日まで、名古屋市内において、「10周年記念美術館」を開催し、愛知を代表する作家79名の作品を展示しました。私も作品展を鑑賞してまいりましたが、素晴らしい作品の数々に大変感銘を受けました。
 また、10月21日には同じく名古屋市内で「10周年記念式典」を開催し、作家の皆様92名に記念品を贈呈するとともに、ご支援いただいている企業・団体の方に感謝状を贈呈しました。
 さらに、10周年記念事業として、愛知芸術文化センターや県図書館での長期展示など、10周年を盛り上げる取組を引き続き実施してまいりますので、多くの県民の皆様にご鑑賞いただき、障害のある方の「芸術のチカラ」を直に感じていただきたいと思います。
 次に、魅力ある県立学校づくりについてです。
 10月23日に、中高一貫校、フレキシブルハイスクール及び県立夜間中学の概要について公表しました。
 中高一貫校については、明和高校、半田高校、刈谷高校、津島高校の第一次導入校4校について、2025年4月の開校に向け、附属中学校の名称、各学校の教育の特色、第1期生となる2025年度入学生の入学者選抜スケジュールなどを決定しました。
 また、2025年4月に佐屋高校、武豊高校、豊野高校、御津あおば高校に設置する新しいタイプの定時制・通信制高校、「フレキシブルハイスクール」については、今回、全日制・定時制・通信制の3課程を一つの学校内に置いて、転籍や併修により、フレキシブルに行き来して学べることを決定しました。
 さらに、外国にルーツを持つ方や、不登校などの理由により中学校に十分に通えなかった方に対する日本語の基礎指導や義務教育段階の学び直しに対応するため、2025年4月に豊橋工科高校、2026年4月に豊田西高校、小牧高校、一宮高校に設置する県立夜間中学についても、中学校の名称、対象生徒、授業の特徴などを決定しました。
 引き続き、子供たちの学びの選択肢を増やし、それぞれの子供たちに合った教育の機会を提供できるよう、開校に向けしっかりと準備を進めてまいります。
 次に、自動運転社会実装の推進についてです。
 本県では、全国に先駆けて2016年度から自動運転の実証実験を積み重ねてきました。
 今年度は、社会実装に向けた取組を更に深化させ、交通事業者等が実運行で再現可能なビジネスモデルの構築を目指し、県内3地域で取組を進めております。その一環として、10月13日から26日まで、長久手市の愛・地球博記念公園で実証実験を行い、24日には私も試乗してまいりました。
 今回は、園内のあらゆる経路で自動走行が継続できることを目指し、管理道路において、障害物を自動で避けるなど、制御技術の磨き上げや遠隔管制室との安定通信の検証などを行いました。この愛・地球博記念公園での実証実験を皮切りに、今後、名古屋市内及び常滑市内においても実証実験を行ってまいります。
 自動車産業の一大集積地である愛知が、引き続き日本、そして世界をリードする存在であり続けるために、自動運転の更なる高度化や社会実装を推進してまいります。
 次に、アジア競技大会・アジアパラ競技大会の推進についてです。
 10月26日に、東海4県の超党派の国会議員等からなる、アジア・アジアパラ競技大会推進議員連盟の総会が東京で開催され、2026年の愛知・名古屋大会に対して、国の支援を求める決議をいただき、国会議員連盟の橋本聖子会長から、青山周平文部科学副大臣に決議書が手渡されました。
 続いて、愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会の会長である私から、同じく青山周平文部科学副大臣に対し、9月12日の愛知県議会と名古屋市会による推進議員連盟合同会議で決議いただいた、組織委員会と県議会・名古屋市会両議員連盟の連名による要請書を手渡しました。
 国会、県議会及び名古屋市会の推進議員連盟が一体となって、国に対し支援を要請することができたことは、大変意義があり、心強く感じております。
 また、10月27日から29日までの3日間、浙江大学への訪問及び杭州アジアパラ競技大会閉会式への出席などのため、中国・杭州市を訪問してまいりました。
 浙江大学では、任少波理事長と面談し、昨年6月に締結した「包括交流に関する覚書」に基づき連携を進めているスタートアップ支援や県内大学との交流などについて、連携の強化に向けた意見交換を行いました。
 10月28日には、アジアパラリンピック委員会(APC)のマジット・ラシェッド会長をはじめとする多くの要人と面会し、杭州アジアパラ競技大会の成功を祝福するとともに、愛知・名古屋大会への今後一層の協力をお願いしました。
 さらに、閉会式では、映画監督の堤幸彦さんに総監督を務めていただいたPR映像を上映し、会場の皆様に愛知・名古屋の魅力をPRしました。
 また、私が、次回大会組織委員会会長及び開催都市代表として、フラッグハンドオーバーセレモニーに参加し、杭州市からAPCに返還された大会旗を受け取るとともに、アジアパラ競技大会を成功させるという責任もしっかりと引き継がせていただきました。
 今回引き継いだ大会旗については、10月8日に引き継いだアジア競技大会の大会旗とともに、レプリカを作成し、11月から来年3月まで、県内全市町村で巡回展示するフラッグツアーを開催いたしております。
 2026年の愛知・名古屋大会まで3年を切りました。引き続き、関係自治体、関係団体などと連携し、大会の成功に向け、オールジャパンで、全力で取り組んでまいります。
 次に、県産農林水産物の需要拡大についてです。
 本県では、県産農林水産物の魅力を県民の皆様に伝えるとともに、地産地消への理解促進と実践を促すための取組として、「いいともあいち運動」を展開しております。
 今年度は、「あいちの農林水産フェア」を、10月14日と15日に安城産業文化公園デンパークで、さらに11月5日に金山総合駅で開催し、各会場では、県産農林水産物及びその加工品を販売するとともに、食に関する体験コーナーも設け、多くの方にご来場いただきました。
 また、民間企業と連携した取組として、10月27日から30日までの4日間、イオン熱田店で「いいともあいちフェア」が開催され、約800品目の県産農林水産物や加工食品の販売などにより、地産地消をPRいただきました。
 さらに、あいちの花の消費拡大を図るため、11月23日から26日までの4日間、名古屋市栄エリア一帯で「あいち花マルシェ2023」を開催し、多くの方にご来場いただいて、楽しみながら、あいちの花をたくさんお買い求めいただきました。
 このイベントでは、花のディスプレイや品評会、花の体験教室が開催されるなど、「花の王国あいち」にふさわしい内容で花の魅力を存分に伝えるとともに、「あいち県民の日」の連携事業としても、記念の日にあいちの花で華やかな彩りを添えられたと感じております。
 今後も、県産農林水産物の魅力発信に積極的に取り組み、需要拡大を進めてまいります。
 次に、あいちモビリティイノベーションプロジェクトについてです。
 10月28日から11月5日にかけて東京で開催された「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」に、本プロジェクトを紹介する愛知県ブースを出展しました。
 愛知県ブースでは、ドローンや空飛ぶクルマ、自動運転車両などの空と陸のモビリティが融合した、人やモノの移動に境界のない新しいモビリティ社会を実現するといった本プロジェクトの目指す姿を紹介するとともに、陸上無人車両と無人航空機が一体化した物流用ドローンである「空飛ぶ軽トラ SORA-MICHI」の機体を初公開するなどの展示を行いました。
 また、11月15日には、豊田市において、ドローンにより、医療用コンテナに医薬品等の補充や廃棄物に見立てた物を回収する実証を行い、高付加価値品の輸送の安全性や品質保持の適正性の検証を行うとともに、往復利用による運用効率化を検証しました。
 今後も、「あいちモビリティイノベーションプロジェクト」が目指す新しいモビリティ社会の姿を広く発信してまいります。
 次に、ジブリパークについてです。
 第1期3エリアの開園から、ちょうど1年後にあたる先月、11月1日に、全5エリアのうち4つ目のエリアとなる「もののけの里」を開園いたしました。
 当日は、秋晴れの中、「もののけの里」入口ゲート前において開園式典を開催し、石井県議会議長、株式会社ジブリパークの大島社長、ジブリパークの制作現場を指揮する宮崎吾朗監督、そして佐藤長久手市長を始めご臨席の皆様とともに、「もののけの里」の開園をお祝いしました。
 また、式典の後、開園時間となる午前10時からは、宮崎吾朗監督とともに、「もののけの里」入口ゲート前で、開園を楽しみに朝早くから並んでいた来園者の皆様を、お一人お一人お出迎えいたしました。
 「もののけの里」の風景は、隣接する里山の農業を体験できる施設「あいちサトラボ」の田畑と一体となり、まさに映画「もののけ姫」の世界観を表現しております。第1期3エリアとあわせ、ぜひ多くの皆様に訪れていただき、映画の登場人物になった気分で大いに楽しんでいただきたいと思います。
 さらに、11月4日、5日の夜には、愛・地球博記念公園の大芝生広場ステージにおいて、ジブリパークの開園から1年を記念したコンサートと野外上映会が開催されました。
 4日は横山だいすけさんのコンサートの後に映画「もののけ姫」が、5日はつじあやのさんのコンサートの後に「猫の恩返し」が上映され、私も多くの皆様と一緒にジブリパークの開園1周年を祝いました。
 来年3月には、「もののけの里」に続き、「魔女の谷」も開園し、ジブリパークの魅力もより一層グレードアップします。多くの皆様に笑顔を届けられるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
 次に、11月3日、4日に名古屋市で開催された「第24回日中韓三カ国環境大臣会合」についてです。
 この会合は、北東アジア地域及び地球規模の環境問題に関して、3か国の協力関係を強化することを目的として、各国持ち回りで1999年から開催されております。
 今回は4年ぶりの対面での開催であり、名古屋市と連携して支援実行委員会を設立し、歓迎レセプションを開催して、会合に出席された皆様をおもてなししたほか、会場におけるパネルなどを使用した愛知・名古屋の魅力の発信、日中韓3か国の地方自治体による環境をテーマとしたオンライン会議などを行いました。
 本県としても、引き続き、生物多様性に関する「世界目標達成に向けた国際先進広域自治体連合」などを通じて、中国及び韓国の自治体と連携を図るとともに、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなどに関する様々な環境施策の推進にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、女性の活躍促進についてです。
 11月7日に、「あいち女性の活躍促進サミット2023」を開催し、女性の採用や管理職登用の拡大、働きやすい職場環境づくりなど、女性の活躍促進に積極的に取り組んでいる「あいち女性輝きカンパニー」の中から、他の模範となる優良企業6社を表彰しました。
 また、基調講演や表彰企業による事例発表なども行い、企業経営者を始めとする多くの方々に、女性の活躍に対する理解を深めていただきました。
 今後も、すべての女性が輝く愛知の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
 次に、国の施策・取組に対する要請についてです。
 11月8日、9日に、2024年度の政府予算案編成に向けて、関係大臣等に対し、要請活動を実施しました。
 「イノベーション創出に向けた支援の充実・体制の強化」については、新藤経済財政政策担当大臣及び盛山文部科学大臣に対し、国が推進している「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想」における成果の地域波及を要請しました。
 これまで、全国知事会では、東京一極集中の是正と東京23区内の大学定員抑制について激しく議論してまいりました。そうした経緯がある中、この構想で、研究開発拠点の整備だけを進めていくことについては、これまでの議論からして大いに問題があると考えております。
 愛知を筆頭に、現在、各地域では、独自のスタートアップ振興に力を入れております。
 国には、この構想以上に、地方との情報共有、地域スタートアップ・エコシステムやそこで活動する支援機関との連携、魅力ある地方大学の実現、そのための共同研究の強化など、東京と地方が一体となったスタートアップ振興施策をしっかりと展開していくよう、強く要請してまいりました。
 あわせて、盛山大臣には、大会経費の支援や国補助金の創設など、愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会に対する支援についても要請をしてまいりました。
 また、総務省では、鈴木大臣に対し、地方一般財源総額の確実な充実を、デジタル庁では、河野大臣に対し、アナログ規制の見直しにおける地方自治体への積極的な支援などDXの推進を、内閣府では、自見地方創生担当大臣に対し、アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区の税制措置延長などを、それぞれ要請いたしました。
 さらに、国土交通省では、広域道路ネットワークなど社会インフラの整備促進を、法務省では、事実婚のカップルにも婚姻に準じた法的保護を与える新たな届出・登録制度である、「日本版PACS」制度の創設を、経済産業省では、航空宇宙産業の振興などについて、要請してまいりました。
 引き続き、県政の様々な課題について、国に対し、必要な支援や協力をしっかりと働きかけてまいります。
 次に、技能五輪国際大会、技能五輪全国大会・全国アビリンピックについてです。
 技能五輪国際大会の招致については、これまで継続的に国へ働きかけてまいりましたが、11月10日に、国が2028年大会を日本・愛知へ招致することを決定しました。招致が実現すれば、愛知県では初開催となりますが、我が国における技能尊重気運の醸成につながる絶好の機会と考えており、大いに歓迎したいと思います。
 来年9月にフランスで開かれるWSI総会での開催地決定まで時間が限られますが、国や関係者と一丸となって、国内外に向けた招致活動にしっかりと取り組んでまいります。
 また、今年度の全国大会は、11月17日から21日にかけて、国等の主催により「Aichi Sky Expo」をメイン会場として開催されました。
 本県選手団は、技能五輪で金賞19名始め入賞者95名で、19年連続して最優秀技能選手団賞を獲得しました。また、アビリンピックでは、金賞7名始め入賞者10名で、2年連続のメダル獲得数全国1位という素晴らしい成績を収めました。
 大会当日は、見学バスツアーの実施や市町村のご協力により、県内の多くの小・中・高校生が来場し、日本一の技を間近に見ていただくことができました。さらに、次代のモノづくりを担う人材の育成として、高校生や特別支援学校高等部の生徒には、競技解説ガイドとしてもご参加いただきました。
 2024年度、2025年度の全国大会は、本県も主催者の一員に加わり、「Aichi Sky Expo」をメイン会場に3年連続で開催することが決定しておりますので、より多くの県民の皆様にお越しいただいて、技能の素晴らしさや障害のある方への理解を深めていただける大会となるよう準備を進めてまいります。
 次に、地震・防災対策についてです。
 11月11日には、県内初となる大規模津波防災総合訓練を、国土交通省、名古屋市及び名古屋港管理組合との共催により名古屋港ガーデンふ頭において開催しました。
 自衛隊、警察、消防など多くの防災関係機関にご参加いただき、倒壊家屋や破損車両からの救助・救出訓練、緊急物資等の海上輸送訓練、上空からの情報収集・映像伝送訓練など、実践的な訓練を実施しました。
 あわせて、2011年から実施しております愛知県津波・地震防災訓練を同時開催し、津波避難訓練に、私も県民の皆様とともに参加いたしました。
 また、これらの訓練と併せて「あいち防災フェスタ」を開催し、防災知識の普及、県民の防災意識の高揚、家庭における防災対策の推進及び防災ボランティア活動への理解を促進するため、広く啓発を行いました。
 今後も、県民の皆様の防災意識を高める取組を進めるとともに、国、関係自治体、防災関係機関等と連携を図り、防災対策に万全を期してまいります。
 次に、全国知事会議についてです。
 11月13日に開催された全国知事会議に出席し、行政のスリム化に向け、国民スポーツ大会など全国的なイベントのあり方等の検討や、地方自治体が直面する課題に関する国への提言などについて議論してまいりました。
 まず、全国的なイベントのあり方等の検討では、全国アンケートで負担が大きいとの指摘が最も多かった「国民スポーツ大会(国民体育大会)」について、私が委員長を務める文教・スポーツ常任委員会が中心となって検討を進めていくことが決まりました。
 また、国への提言のうち、「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想」における成果の地域波及について、私から、全国知事会から国に対して強く要請していく必要があると申し上げました。
 この「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想」における成果の地域波及については、全国知事会議に続いて開催された「政府主催 全国都道府県知事会議」においても、関係閣僚に対し、私から改めて強く要請をいたしました。
 今後も、全国の知事と連携しながら、的確な政策を実現できるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 次に、FIA世界ラリー選手権ラリージャパンについてです。
 11月16日から19日までの4日間、ラリーの最高峰に位置し、50年の歴史と伝統を誇る「FIA世界ラリー選手権(WRC)ラリージャパン2023」が、昨年に引き続き、ここ愛知・岐阜で開催されました。
 今年は、昨年の山間地コースに加え、豊田スタジアムや岡崎中央総合公園に特設コースを設けるなど、より多くの方に観戦いただけるコースが設定されました。
 私も豊田スタジアムでのスーパースペシャルステージを観戦しましたが、ラリーカーの迫力ある走りと音を多くの観戦客の皆様に間近で体感いただくことができました。
 地元のトヨタ・ガズー・レーシングは、日本大会開催前、既に3年連続のマニュファクチャラーズチャンピオンに決まっておりましたが、それに相応しい走りでラリージャパンでも表彰台を、1・2・3と、独占いたしました。個人成績では、本県出身の勝田貴元選手が5位で惜しくも表彰台は逃しましたが、21のスペシャルステージのうち、10のステージでトップタイムを叩き出すなど、日本の多くの自動車関係者やモータースポーツファンの期待に応える素晴らしい活躍でありました。
 最終日には、表彰式に私も参加いたしましたが、すべての大会関係者の皆様が誇らしく喜んでおられました。
 また、来年も、11月に、ここ愛知・岐阜で開催されることが決定しております。私も実行委員会の名誉会長として、引き続きラリージャパンの盛り上げに努め、さらには聖地となっていけるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 次に、あいち県民の日・あいちウィークについてです。
 本県では、県政150周年を契機として、県民が、地域の自然、歴史、風土、文化、産業等についての理解と関心を深め、愛知への愛着及び県民としての誇りを持つ契機とするとともに、暮らし、教育、労働、経済、環境等が調和した輝く愛知の実現を期する日として、11月27日を「あいち県民の日」と定めました。
 あわせて、11月21日から27日までを「あいちウィーク」とし、この期間に市町村や事業者等の協力を得ながら、様々な事業を展開してまいりました。
 その一環として、公立学校においては、「あいちウィーク」期間中の1日を学校や市町村が指定して学校休業日とする「県民の日学校ホリデー」を創設しております。
 「県民の日学校ホリデー」は、地域の自然、歴史、風土、文化、産業等についての理解と関心を深める体験的な学習活動等に、家族などと一緒に参加することで、愛知への愛着と県民としての誇りをもつ契機とすることを目的としており、今年度は県内54市町村全てで実施していただいたところであります。
 また、「あいちウィーク」期間中の平日の4日間、「あいちの魅力発見バスツアー」を計25本開催し、「県民の日学校ホリデー」に合わせて保護者の皆様に有給休暇を取得していただくなど、お子さんと一緒に、地域の自然、歴史、風土、文化、産業等について理解と関心を深めていただく機会となりました。
 さらに、「あいち県民の日」を初めて迎えるにあたり、「あいちウィーク」期間中の11月25日、26日に、「あいち県民の日フェスタ2023」を、「中部電力 MIRAI TOWER」下のイベントスペースで開催しました。
 会場では、県内8つの高校による迫力あるダンスパフォーマンスや吹奏楽、マーチングバンド演奏を始め、愛知の魅力を存分に語っていただくトークステージや、愛知伝統の日本舞踊ステージとともに、地元食材を使ったグルメや、愛知の伝統工芸職人による実演販売なども行いました。
 このほか、「あいち県民の日」当日の11月27日には、愛知芸術文化センターで「あいち県民の日記念式典」を開催し、県議会議員の皆様や「あいち県民の日」にご協力いただいた事業者の方々などにもご臨席いただいたほか、多くの県民の皆様にもご参加いただきました。
 式典では、名古屋市立大学の千田嘉博教授による「愛知の城から歴史を読み解く」をテーマとした基調講演や、愛知にゆかりのある著名人をお招きしたパネルディスカッション、名古屋芸術大学ウインドオーケストラによる演奏など、「あいち県民の日」にふさわしい式典を開催することができました。
 これからも、県民の皆様が、「あいち県民の日」をきっかけに、愛知の魅力を再発見するとともに、これまで以上に郷土への愛着や誇りを持っていただける愛知の実現を目指してまいります。
 次に、愛知県県民栄誉賞についてです。
 昨日11月30日に、将棋界において史上初の八冠という前人未到の偉業を達成された、本県出身の藤井聡太竜王・名人に愛知県県民栄誉賞をお贈りすることとし、県公館で表彰式を行いました。
 記念品として、あいちの郷土伝統工芸品の「鳳来寺硯」とあいちの伝統的工芸品の「採釉七宝杜若文硯箱」をお贈りしました。
 藤井竜王・名人の八冠達成は、ひたむきに努力を続け、タイトルの獲得と防衛を積み重ねながら、一局一局を大切に指してこられた末に辿り着いた大記録であります。常に将棋に対し真摯に向き合うとともに、複雑な局面であっても冷静沈着に駒を進め、粘り強く勝利をつかみ取る姿は、愛知県民はもちろん日本中の皆様に夢や希望を与えていただきました。
 このことは、県民の大いなる誇りであり、この快挙をたたえるとともに、これからの更なる飛躍を期待いたします。
 次に、水素・アンモニアの社会実装の推進についてです。
 日本一のモノづくり産業県である本県は、発電所や工場、製鉄所等の集積により、温室効果ガスの排出量が多いため、早急に2050年のカーボンニュートラルを実現する対策を講じていく必要があります。
 その対策の一つとして、脱炭素エネルギーとして注目されている水素やアンモニアの活用が期待されています。
 本県では、これまでも各種施策を通じて、日本一の燃料電池自動車数や水素ステーション数を誇っていますが、これまであまり水素やアンモニアなどの活用がされていなかった発電所や工場、港湾、農業現場をはじめ、様々な分野での活用が重要となります。
 そこで、この度、県庁内各局で進められている取組をより強力に推進し加速するため、水素関連施策の司令塔となる部署として、本日12月 1日に、経済産業局内に「水素社会実装推進室」を設置しました。
 今後は、この「水素社会実装推進室」のもと、様々な分野の水素関連プロジェクトを生み出し、水素・アンモニアの需要と供給を一体的に創出することによって、水素・アンモニアの社会実装の推進に取り組んでまいります。
 次に、交通安全対策の推進についてです。
 本県では、今年も、「交通事故死者数全国ワースト1位」の阻止に向けて、全力で取り組んでおりますが、昨年に比べ増加傾向にあり、大変厳しい状況となっております。
 このため、本日12月1日から10日にかけて実施する「年末の交通安全県民運動」において、県警察、市町村、関係団体等の皆様と連携し、「夕暮れ時と夜間の交通事故防止及び歩行者の安全の確保」、「運転者の安全運転意識の向上及び飲酒運転等の根絶」、「自転車等のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底」を運動重点に掲げて取り組むこととしております。
 本日は、午前8時45分から、議事堂正面玄関前で、この「年末の交通安全県民運動」の出発式を実施し、一年のうちで最も交通事故が多発する年末に向け、私から県民の皆様に、「交通安全年末緊急アピール」を行い、交通事故防止を呼びかけるとともに、石井県議会議長、SKE  48の皆様とともに、年末に増える飲酒の機会において、絶対に飲酒運転は行わないことなどを呼びかけたところであります。
 2023年も残すところ1か月となりましたが、総力を挙げて交通事故防止に取り組んでまいります。
 県民の皆様におかれましても、人命の尊重を最優先に、交通ルールの遵守と安全行動に心がけていただきますよう、お願い申し上げます。

 それでは、今回提案をいたしております補正予算案及びその他の議案につきまして、その概要を申し上げます。
 まず、補正予算案についてです。
 補正予算の総額は、104億8,419万余円でございまして、会計別では、一般会計で101億3,692万余円、特別会計で636万余円、企業会計で3億4,090万余円を増額補正するものです。
 補正予算案の主な内容ですが、まず、愛知県基幹的広域防災拠点については、事業計画地内において実施した試掘調査の結果、遺構や遺物が発見されたため、埋蔵文化財の発掘調査を実施します。
 また、事業者等を対象とした、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車等の導入に対する補助金の申請増加、及び首都圏から移住して県内の中小企業に就職した者等に対する移住支援金の申請増加に対応してまいります。
 このほか、先に申し上げました2028年技能五輪国際大会の本県招致に向け、運営組織であるWSI事務局による検証訪問に対応するなど、招致活動を推進します。
 また、豊橋市新アリーナにおいて、愛知国際アリーナとスポーツ大会やイベントの連携を図り、相乗効果を上げるとともに、東三河地域のスポーツ振興及び地域振興を促進するため、豊橋市が実施する事業者公募・選定に係る経費の一部を支援します。
 さらに、人事委員会勧告を踏まえて実施する職員の給与改定等に要する経費についても計上しております。
 次に、補正予算案以外の議案についてです。
 今回提案をいたします案件は、条例関係議案が6件、その他の議案が32件です。主な案件につきまして、ご説明申し上げます。
 まず、条例関係議案のうち、職員の給与に関する条例等の一部改正及び愛知県教育委員会教育長給与条例等の一部改正についてです。
 9月29日に、人事委員会から職員の給与等に関する報告及び勧告を受け、一般職員の月例給及び期末・勤勉手当について、民間給与との較差の解消を図ることを基本として勧告どおりの内容で引き上げるものなどであります。また、特別職につきましても、国に準じて、期末手当の支給割合を引き上げます。
 次に、非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正については、法律の一部改正により、会計年度任用職員に対する勤勉手当を支給できるように規定を整備するものです。
 次に、愛知県都市公園条例の一部改正についてです。
 これは、愛・地球博記念公園内で整備を進めております「魔女の谷のみえる展望台」について、その使用料の額を定めるものです。
 最後に、人事案件でございますが、収用委員会の委員、予備委員の任期満了及び予備委員の辞任に伴いまして、後任者をそれぞれ選任するものです。
 以上、提案をいたしております案件の主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げましたが、詳細につきましては、議事の進行に伴いましてご説明を申し上げたいと存じます。
 どうかよろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますよう、お願いを申し上げます。