5月に入って、スギ・ヒノキ科花粉の飛散はほぼ終息しました。花粉症の方はつらいシーズンが終わってほっとされていることと思います。
当所では、毎年、花粉症の方の症状軽減や発症予防の参考としていただくために花粉の飛散予測を行ない、情報提供しています。
飛散予測は、飛散開始の約3か月前に、過去17年間における最高気温、降水量、日照時間などの気象情報や花粉飛散数データをもとに、独自に作成した回帰式を用いて実施しています。昨年12月中旬に行なった予測では、今シーズン(平成18年)の花粉飛散数(県内5観測定点*の合計)は約36,000個/cm2で、飛散数が過去5番目に多かった前シーズン72,795個/cm2と比べると約半分に、過去17年間の平均47,683個/cm2と比べても約25%減になるものと予想されました。
* 5観測定点:尾張部(名古屋市:当所、一宮市:一宮保健所)、西三河平野部(刈谷市:衣浦東部保健所)、東三河平野部(豊川市:豊川保健所)、三河山間部(設楽町:新城保健所設楽支所)。
今シーズンは平成18年1月5日から4月28日までの間、5か所の観測定点で花粉観測を実施しました。その結果、観測された花粉飛散数は17,980個/cm2で、当所の予測の約1/2と予測を下回る飛散数でした。また、この飛散数は観測を開始した平成元年(1989年)以降の18年間では7番目に少ないものでした(図1)。
当所の飛散予測は、前シーズンより減少するという点では的中しましたが、飛散数については予測値より大幅に少ないという結果となりました。この理由として、@例年飛散数が増加する3月中旬から下旬にかけて気温があまり上昇しなかったこと、A3月上旬の降水量が多かったことなど、気象条件の影響で飛散が低く抑えられたことが原因と考えられました。
図1 愛知県内のスギ・ヒノキ科花粉飛散状況年次推移
各観測定点における飛散数を前シーズンと比較すると、西三河平野部では約1/2、尾張部および東三河平野部では約1/3、花粉の発生地域と考えられる三河山間部では約1/10と大きく減少していました。
観測定点の合計では前シーズンの約1/5と、今シーズンは全ての観測定点における飛散数が大きく減少していました(表1)。

表1 スギ・ヒノキ科花粉飛散数(個/cm2) (18年は1月5日から4月28日まで)
このように、平成18年シーズンはスギ・ヒノキ科花粉の飛散が非常に少ないシーズンでした。花粉症の方にとってはどのようなシーズンだったでしょうか?
当所では、花粉対策の参考としていただくため、役立つ花粉情報、良く当たる飛散予測をお届けできるように飛散予測システムに改良を加え、愛知県のホームページ『ネットあいち』および『衛生研究所ウェブサイト』上で情報を提供していく予定です。
なお、すでに飛散が始まっているイネ科花粉の情報も『ネットあいち』に掲載中(http://www.pref.aichi.jp/eisei/kafun/kafun020.html)ですので、参考にしてください。
花粉情報に関して、お気付きの点、ご意見、ご要望等がありましたら、当所 (e-mail:eiseiken@pref.aichi.lg.jp) あてに、ご意見等をお寄せ下さい。
なお、平成19年シーズンのスギ・ヒノキ科の花粉飛散に関する情報は、19年2月上旬から提供を開始する予定です。
"スギ花粉"から"ヒノキ花粉"へ
2006年3月16日
ソメイヨシノの花の便りを心待ちにして、穏やかな春の訪れを楽しみたいところですが、スギ・ヒノキ科花粉の飛散は今が本番!
花粉症の方には、いま少し辛い季節が続きます。

春に飛ぶ花粉には“スギ花粉”と“ヒノキ花粉”があります。
「症状が4月に入ると軽くなるから私はスギ花粉症かしら?」
「僕はゴールデンウイーク頃まで辛いからスギとヒノキの両方の花粉症なのかなあ〜」
そんな経験則をお持ちの方もいるかと思います。
そこで、今回は愛知県におけるスギ・ヒノキ科花粉の飛散状況を花粉別にみてみることにしました。
過去6年間における“スギ花粉”と“ヒノキ花粉”の週別飛散割合をグラフに示しました(図1)。飛散時期における気温や雨量などの気象条件の影響はありますが、例年、スギ花粉は7週(2月第2週)頃から飛散が始まり、11週(3月第2週)頃ピークを迎えるのに対し、ヒノキ花粉の飛散は12週(3月第3週)頃から増加し、14週から15週(4月第1週から第2週)にかけてピークを迎えており、16週(4月第3週)以降は殆んどヒノキ花粉になります(図2)。
梅から桜へと花の便りが移り変わるように、スギ・ヒノキ科花粉の飛散もスギからヒノキと移り変わっていくようです。
ヒノキ花粉症の方にとってはこれからが辛い季節!!
花粉情報に注意して、メガネやマスクを着用するなど花粉症対策に心がけましょう。

いよいよスギ・ヒノキ科花粉の季節です!!
2006年2月27日
トリノ五輪ではフィギアの花が咲き、3月3日からはワールドベースボール開幕と、春はそこまで来ています。
春はまたスギ・ヒノキ科花粉の季節!!
「来た!来た!何が?って金メダルじゃないよ、花粉だよ〜。“鼻ムズ”、“目かゆ”、“喉イガ”だあ〜!!」そんな声が聞こえる今日この頃です。

愛知県では1989年(平成元年)からスギ・ヒノキ科花粉の観測をしています。
そのうち今回は、過去6年間のスギ・ヒノキ科花粉の飛散数を週別のグラフに示してみました。(花粉の飛散量は年によって大きく異なるため、わかりやすくするために対数グラフとしました。)
花粉の飛散は、気温や降水量の影響を受けますが、図に示すように、例年、スギ・ヒノキ科花粉の飛散は、おおよそ第6週(2月第2週)から始まり、第9週(3月第1週)頃からピークを迎え第16週(4月第3週)頃まで多く、第18週(5月第1週)頃に終息します。
なお、当衛生研究所では、前年夏の気象項目(気温、降水量および日照時間)、飛散時期の気象予測、それに秋のスギ・ヒノキ科の着花状況と、過去の飛散データを基に、毎年スギ・ヒノキ科花粉の飛散予測を実施しています。我々の予測では、今シーズンの飛散数は、昨シーズンと比べるとその約2分の1、過去17年の平均と比較しても約4分の3とやや少なめとなります。また、本格的な飛散開始(県内5観測定点における平均飛散数10個以上)は2月中旬と予測していましたが、実際には2月17日と、我々の予測とぴったり一致していました。
花粉情報を参考として、@マスクなどを着用してできるだけ花粉を浴びないように、A家の中に入る前には服に付いた花粉を払って、花粉を家の中に持ち込まないように、Bそして早めに医療機関を受診するなどの花粉対策を心がけて、花粉症から身を守りましょう。
2006年シーズンの飛散予測について
2005年12月12日
強い冬型の気圧配置の影響で、名古屋市内の初雪(12月5日)は平年より11日早かったとか・・・いよいよ本格的な冬がやってきました。
今年(2005年シーズン)の愛知県全体(5定点)におけるスギ・ヒノキ科花粉の総飛散数は過去16年間で5番目(72,838個/cm2、)に多い年でした。一般的に大量飛散の翌年は飛散数が少なくなると言われており、愛知県のデータにおいても、過去最大の飛散があった1995年(152,766個/cm2、)の翌96年は10,107個/cm2、2番目に飛散の多かった2001年(126,214個/cm2、)の翌02年は27,039個/cm2と大量飛散の翌年は飛散数の少ない状態となっています。
当所では、翌シーズンの花粉飛散予測を毎年この時期(概ね12月中旬)に実施し、県民の皆さんにお知らせしていますが、その予測は以下のデータ、方法により実施しています。
飛散前年夏(来シーズン予測に関しては、2005年7月及び8月)の気象データ(最高気温の平均値、降水量及び日照時間の累積値)を基に、過去16年間の気象項目との相関から県内の全飛散観測定点(名古屋、一宮、刈谷、豊川、及び設楽の5定点)ごとに回帰分析を実施し、その結果から2006年シーズンのスギ・ヒノキ科花粉の飛散数を予測しました。我々の予測では来シーズンに関しても“大量飛散の翌年は飛散数が少なくなる”との経験則は当たりそうで、2006年シーズンのスギ・ヒノキ科花粉の予想飛散数は、愛知県全体(5定点での総飛散数)で約36,000個/cm2となり、2005年シーズンの約1/2倍程度、過去17年の平均飛散数(47,683個/cm2)の約3/4倍に減少すると予測されました(下図参照)。

図 スギ・ヒノキ科花粉の過去の総飛散数及び2006年シーズンの予想飛散数
注:5観測定点(名古屋、一宮、刈谷、豊川、設楽)
また、地域ごとの予想飛散数を前年と比較してみると、尾張部(名古屋、一宮)及び西三河平野部(刈谷)では約2/3倍、三河山間部(設楽)では約1/2倍と減少することが予測されましたが、特に、東三河平野部(豊川)では今年(2005年)の7月及び8月の累積降水量(455mm)が過去16年間の平均降水量(297mm)の1.5倍と多かったことの影響が大きく出て、前年の1/6倍以下と飛散数は大きく減少するものと予測されました。(下表参照)。
表 2006年スギ・ヒノキ科花粉飛散予測

このように、2006年のスギヒノキ科花粉の飛散数は前年に比べて減少すると予想されますが、気象庁発表の3か月予報によると2006年の1月、2月の気温は共に平年並みか高めであると予測されているため、花粉の飛散開始時期が平年より早くなる可能性も考えられます。
スギ花粉症の方は症状が出る前に医療機関を受診するなど、今年もお早めに花粉症対策を!!