医薬品成分が検出された違法健康食品について(平成17年4月1日から8月31日までの検出状況)![]() Fig .1. 医薬品成分が検出された中国製ダイエット食品(H14年愛知県において検出) 2005/9/26
食生活を通じた健康づくりに対する関心の高まりから、「健康食品」の消費は年々増加しています。しかし一方では、「健康食品」から、その効果を高めるために故意に添加された医薬品成分が検出されたことが度々報告されています(Fig.1)。 このような「健康食品」は消費者の健康を害するものであり、薬事法上、違反品として取り扱われています。消費者の健康被害を未然に防ぐため、最近の「健康食品」から検出された医薬品成分の検出状況について述べたいと思います。 平成17年4月1日から8月31日までの僅か5ヶ月の間だけでも、全国では27種もの違法「健康食品」が検出されています。その一覧を標榜されている表示内容と検出された医薬品成分と共に表1に示しました。なお、これらの商品全てが現在は販売が中止されています。
以上のように、平成17年4月1日以降の5ヶ月間だけでも全国では27製品の「健康食品」から29件の医薬品成分が検出されました。その内訳はシルデナフィル10件、タダラフィル9件、ホモシルデナフィル2件、ヒドロキシホモシルデナフィル2件、グリベンクラミド2件、シブトラミン1件、バルデナフィル1件、マジンドール1件、及びアミノタダラフィル1件でした。シルデナフィル(Fig.2)は医薬品「バイアグラ」の主成分、タダラフィルは医薬品「シアリス」の主成分であり、両者とも勃起不全治療剤です。また、医薬品として承認されてない、ホモシルデナフィルはシルデナフィルと類似の化学構造を有しており、シルデナフィルと同様の作用を示すことが実験的に確認されています。 以上の検出結果から「健康食品」に不正に添加された医薬品成分の傾向を効果別に整理すると、強壮効果を期待させたもの(シルデナフィル、タダラフィル、ホモシルデナフィル、ヒドロキシホモシルデナフィル、バルデナフィル、アミノタダラフィル)が25件(約80%)と最も多く、次にダイエット効果を期待させたもの(シブトラミン、マジンドール)が2件、血糖降下を期待させたものグリベンクラミドが2件、ということになります。 上記のシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルは特定部位における血管拡張作用により、勃起不全・勃起障害の治療に用いる医薬品成分ですが、副作用として血管拡張作用による頭痛、ほてりの他、狭心症や高血圧の薬として用いられるこれらの物質とは作用機序の異なる血管拡張剤である硝酸剤及び酸化窒素供与剤(ニトログリセリン等)との併用により血管拡張作用が増幅される結果、降圧作用が増強され、重篤な症状が発生し、時としては死にいたる可能性もあります。また、シルデナフィルに類似した化学構造を有するホモシルデナフィル、ヒドロキシホモシルデナフィル、アミノタダラフィルはシルデナフィルと同様の作用を有すると考えられ、健康被害が発生するおそれが否定できないと思われます。 グリベンクラミドは血糖降下剤として用いる医薬品成分で、副作用として低血糖症を起こすことがあります。 シブトラミンは脳の摂食調節中枢でホルモンなどの生理物質の脳内への取り込みを抑制して食欲を抑制することから肥満症治療剤として医師の処方により使用が認められている国もありますが我が国では未承認の医薬品成分です。副作用として頭痛、口渇、血圧及び心拍数の増加等があります。 マジンドールは同じく脳の摂食調節中枢である視床下部への直接作用、それにシブトラミン同様にホルモンなどの生理物質の脳内への取り込みを抑制して食欲を抑制することから我が国でも医師の指示の下でのみ使用が認められている食欲抑制剤ですが、向精神薬、習慣性医薬品でもあります。副作用として口渇、便秘、悪心・嘔吐、薬物依存性、肺高血圧症等があります。 公表された上記の製品を摂取している方は、健康被害を生ずる恐れがありますので、摂取を止めてください。また、製品の摂取が原因と疑われる症状を示している場合には、医療機関や最寄りの保健所にご相談下さい。 ◆ 健康食品等関連情報:厚生労働省ホ−ムペ−ジ |