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2010年4月1日 1.カドミウム水質基準値の改正 2010年(平成22年)4月1日より水道水中のカドミウムの水質基準が0.01 mg/L以下から0.003 mg/L以下に改正されました。 私たちが安心して飲める水を供給するため、水道水には「水道法」という法律に基づいた水質基準が定められています。水質基準は1958年(昭和33年)に初めて制定され、その後数回改正されていますが、現在の水質基準値の多くは2003年(平成15年)の水質基準大改正において定められました。 カドミウムのように毒性の高い物質の水質基準値は、人が一生飲み続けても健康に影響がないと考えられる量を基にして決められており、最新の研究報告に基づく見直しによって、今回はカドミウムの水質基準が改正されました。 カドミウムの水質基準値 0.01 mg/L 強化 ⇒ 0.003 mg/L 2.カドミウムの毒性 カドミウムの主な毒性は腎臓の機能障害です。低濃度のカドミウムが長い間体内に取り込まれると、その多くは腎皮質に蓄積されます。腎皮質にある尿細管は、いったんろ過された尿の中から必要な成分を再吸収する働きをしています。カドミウムは尿細管に作用して、本来なら再吸収されるはずの低分子量のタンパク質、アミノ酸、カルシウム及びリンなどを尿中に排泄してしまいます。 このような尿細管の機能異常が長く続くと、骨の重要な成分であるカルシウムやリンが不足することになり、ひどくなると「イタイイタイ病」のような骨軟化症となってしまうのです。 ![]() 3. これまでのカドミウムの水質基準 ![]() カドミウムの毒性が注目されるきっかけとなったのは、「イタイイタイ病」でした。骨がもろくなり身体中が痛くなる「イタイイタイ病」は、富山県神通川流域地方で原因不明の地方病とされていました。1968年(昭和43年)になって、この病気の主な原因が、神通川上流にある鉱山の排水に含まれるカドミウムであることが判明したことから、1969年(昭和44年)、厚生省は飲料水中のカドミウム濃度を規制するため、暫定基準値0.01 mg/Lを設けました。カドミウムは、土壌や水、大気などの自然界に広く存在しており、地表水や地下水中のカドミウム濃度が、0.01 mg/L以下であれば人為的な汚染ではないと考えられます。当時の世界保健機関(WHO)のカドミウムのガイドライン値も同じ0.01 mg/Lであったことから、この値が定められました。 その後、1978年(昭和53年)に、水質基準に関する省令により、正式にカドミウムの水質基準が「0.01 mg/L以下であること」と定められました。 4.改正されたカドミウム水質基準の決め方 水質基準の基となる毒性の評価は、WHOの飲料水水質ガイドラインや、疫学・毒性に関する文献情報などを収集して行われています。多くの情報から、動物または人に対して影響を与えない最大の量(最大無毒性量)を求め、その量を安全を見込んだ係数(多くの場合100以上)で割って、「人が一生飲み続けても健康に影響がないと考えられる一日の量」とします。これを「耐容一日摂取量」といいます。 今回の「カドミウムの耐容一日摂取量」は、日本国内で行われた低濃度のカドミウムを長期間摂取した場合の疫学調査、具体的には、カドミウムの摂取量とその影響が最初に現れる尿細管障害の関係を、尿中のβ2-マイクログロブリンという低分子タンパク質の量を指標にして調査した結果から、一日につき体重1 kg当たり1 μg(0.001 mg)と設定されました。 水道法における水質基準の評価値は、この「耐容一日摂取量」を用いて次の式で求められています。
この計算値から、カドミウムの水質基準は0.003 mg/Lと設定されました。
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