居住施策に関するアンケート調査

氏   名 生田 京子
所属・役職 名城大学・准教授
専門分野 建築計画

愛知県の住まい・まちづくりを取り巻く状況について、それぞれの専門の分野から、特に注目している現状と今後重要となってくる課題についてのお考えをお聞かせください。

1)オールドニュータウン(高度成長期に整備されたニュータウン)において、高齢化率の上昇が見込まれている。特定の世代だけが居住する街は、運営面・良好な街の環境を継続していく上で何かと不都合が出てくると想像される。よって、それらの地域に対して、いかにして新しい世代の転入をそくすことができるかが、今後の課題の1つと言えよう。
2)上記に加えて、オールドニュータウンにすでに住まわれている高齢者の方々の生活を支えていくために、どのような環境やサポートがあると良いか、という課題にも注目している。

3)子育て家庭を支援する環境づくりとして、昨今「子育て賃貸物件」の動きが民間で活発化しているように見受けられる(コソダテUR、子育て共感賃貸住宅など)。
子育てを保育・待機児童という観点のサポートから支えるのみならず、居住形態・居住政策の面からもバックアップする方策があるかもしれない・・・と考えている。
キーワード オールドニュータウン、多世代、高齢者のためのサポート、子育て賃貸物件

上記の課題解決のために推進すべきと考える住まい・まちづくりに関する取組みについてのお考えをお聞かせください。

1)オールドニュータウンの課題については、若い世代を呼び込むのに、様々な難しさはあるものの、その一つの方法としては、元気なシニア世代の活力や知恵をいかして、ニュータウン内に子育て世代を支援するようなサポート体制やサポート拠点を形成する事例が全国にみられる。これらの事例を参照しつつ、愛知でのモデルを作って行けるとよいのではないか。
2)高齢者の方のサポート体制としては、元気な時から要介護になったあとまで、継続性をもって安心に過ごせるサポートが組み立てられることが好ましい。元気な時からちょくちょくと顔を出して相談ができる環境づくり、そして介護が必要となればきめ細かい訪問型のサポートや、通所、居住の様々なサポートが見知った地域内で受けられるような拠点の形成を、政策的にもバックアップできると良いのではないか。
3)に関しては、どのような政策に結びつくかは、明解になっていないが、注目すべき動きと思われる。
キーワード シニア世代の活力、子育て世代の支援、安心、継続性