居住施策に関するアンケート調査

団体名 NPO法人 こどもNPO
役職・氏名 事務局長 青野 桐子
専門分野 子育ち・子育て支援、青少年健全育成

愛知県の住まい・まちづくりを取り巻く状況について、貴団体での取組みの経験やそれぞれの専門の分野から、特に注目している現状と今後重要となってくる課題についてのお考えをお聞かせください。

◆住まい、まちづくりに関して、子どもの視点が欠如している。
1.子どもの参画:子どもは自分に関わる身近なことを考え、責任を持って行動できる市民のひとりである。自分が暮らすまちがどうあったらいいか...子ども自身が考え、意見や声が社会に反映できれば、より一層、暮らしやすいまち、社会を実現できるのではないか。たとえば東北のまちの再建には子どもの力が発揮され、まちづくりになくてはならない存在になっている。
2.子どもの遊び場:地域の中で、子どもたちが思い切り遊べる場がなくなってきている。行政に苦情が寄せられるためか公園は禁止事項も多く、空き地も減っている。以前は遊べた道路も交通量が増え、車優先の社会になっている。
3.公園の在り方:地域の人たちが知らない間に公園がつくられる。また駐車場が有料化になり、昼間利用している高齢者や子育て親子にとっては公園利用にお金がかかるようになった。子育ての孤立防止を目指してるのに、交流の場である公園が市民のものになっていない。
4.公営住宅:公営住宅では、生活保護世帯、ひとり親世帯(父子家庭も多い)、外国籍の問題など困難を抱えた子ども、家庭が集中し、貧困の連鎖、10代の妊娠、非行、自治会の存続など多くの課題を抱えているが必要な支援がなく、周辺エリアとのさまざまな格差が広がっている。 生活困窮者が増えることで自治が成り立たなくなっている。
キーワード 子どもの参画、子どもの遊び場、公園、公営住宅、住民自治

上記の課題解決のために推進すべきと考える住まい・まちづくりに関する取組みについてのお考えをお聞かせください。

1.子どもの参画
地域やまちづくりに関する会議に子どもが参画する機会をつくる。対等な関係で対話ができるよう子ども会議を設け、子どもの声を政策に反映できるようにする。
2.地域住民による公園運営のモデルづくり
行政が管理運営(指定管理の公園もあるが)している公園を地域の人たちで運営するモデルをつくる。子どもたちの遊び場の問題、駐車場の有料化など、公園に関わる課題を出し合い、子どもも含めた地域の人たちが望む公園の在り方をみんなで考える。市民性が育ち地域機能も高まる。
3.公営住宅での居場所づくりと学習支援
困難を抱えた子どもたちが集中する公営住宅で、子どもたちが遊んだり、生活体験を通じて社会性を身につけたり、学習できる場をつくる。住宅内の自治会を存続し、機能するためにも、公営住宅には必須の支援である。
キーワード 子ども会議、住民主体の公園づくり、市民性の育成、子どもの居場所づくり、学習支援