居住施策に関するアンケート調査

団体名 日本住宅パネル工業協同組合
役職・氏名 参事 河内 芳博 (個人的意見)
専門分野 建築

愛知県の住まい・まちづくりを取り巻く状況について、貴団体での取組みの経験やそれぞれの専門の分野から、特に注目している現状と今後重要となってくる課題についてのお考えをお聞かせください。

  • 日本住宅パネル工業協同組合(以下パネ協と略す)は、公的住宅・民間マンション、学校、老健施設などの内装工事全般を行っています。事務局が工事や内装部材・部品の受注をし、工事や部材・部品製造のための設計を行い、協力会社(資友会)等から資材調達をし、組合員・賛助組合員の工場で内装部材・部品を製造し建設現場に配送します。その資材・部品を使って協力施工業者(協栄会)等が施工を行います。
  • このように、事務局と組合員及び資材や施工の協力会社というチームで成り立っています。そして事務局は受注から設計・資材調達・部材及び部品の生産・配送・施工及び現場監理までの一連の業務をトータルに管理しています。
  • 昨今の職人不足にたいしては、協力会社の職人を事務局がコントロールして現場が滞らないように対応していますが、職人の高齢化や若い職人がなかなか定着しないという傾向が続けば、近い将来職人不足が住まい・まちづくりを推進していく上でのネックになると危惧しております。
キーワード 職人不足

上記の課題解決のために推進すべきと考える住まい・まちづくりに関する取組みについてのお考えをお聞かせください。

  • 職人不足への対応としては、パネルなどの工場生産による部材の利用範囲の拡大により、現場での職人の作業量をできるだけ減らすことがまず考えられます。また、職人の肉体的負担を軽減できるような部材・作業支援器具を開発することにより、職人の1人あたり生産量を増やし、現場の生産効率を高めることが重要であると考えています。
  • 建築には経済状況により需要が大きく変動することは避けられない状況にあることから、パネ協として、個々の組合員や協力会社のチームとしての結束力をより強化するとともに、優良な施工業者を協力会社として参加させる必要があると考えています。
  • 住まい・まちづくりを安定的に進めるためには、若い職人の技能的育成を体系的・継続的に行う仕組みづくりを早急に行う必要があると思います。一方で、個々の施工会社では現場の仕事をこなすのに精一杯で、とても人材育成教育をするゆとりがないのが現状です。
  • 職人の技能教育を専門とする『指導者(コーチ)』として経験のある職人(親方)を選別し、そのコーチのもと大量かつ効率的に若い職人を育成する『職人学校』を行政と施工業者が協力してつくれないかと思います。『職人学校』で一定の技能を修得すれば、個々の施工会社の個別の状況にも適応しやすく、若者の定着率も上がり、長期的には職人不足が解消されるのではないかと思います。
キーワード 現場作業の削減、需要変動に対応するため協力会社の増加