居住施策に関するアンケート調査

市町村名 刈谷市
市町村長名 竹中 良則

愛知県の住まい・まちづくりを取り巻く状況について、特に注目している現状と今後重要となってくる課題についてのお考えをお聞かせください。

 特に注目している現状は、少子高齢化とそれに伴う世帯構成の変化です。愛知県の高齢化率は全国平均より低い数値(全国23.0%、愛知県20.3% 平成22年度国政調査)で推移していますが、確実に進行しています。また、世帯構成についても、現在は増加傾向ですが、2025年(平成37年)をピークに減少する見通しです。すでに世帯構成は単独世帯が中心となっており、今後ますます、高齢者単身世帯・夫婦のみ世帯が急増し、現在住んでいる住宅の広さや設備とそこに住む世帯員とのニーズにギャップが生じてくると思われます。そうなった時に、どのような住宅が増加する高齢者単身・夫婦のみ世帯が安心して住み続けられるのかを考えなければなりません。さらに少子高齢化の影響として、介護の問題があげられます。よくニュースなどで聞かれる老老介護の問題や、特別養護老人ホームに入所するための長期間の待機など介護施設の数が限られている中で、介護は家庭内の問題ではなく、社会全体で支えていかなくてはなりません。家族がいてもいなくても、安全・安心で快適に長い間住み続けていくにはどのような住まいが適しているのか、また社会全体で高齢者を支えるにはどのようなまちづくりを行ったらいいかが重要な課題となってくると思います。
キーワード 少子高齢化、人口減少、介護問題、高齢者福祉

上記の課題解決のために推進すべきと考える住まい・まちづくりに関する取組みについてのお考えをお聞かせください。

 まず、住宅のあり方ですが、例えば公営住宅の場合、昭和40年代に大量生産された住宅が建替え時期を迎えるので、建替えの際に従来の家族用の広さだけでなく、高齢者の単身・夫婦のみ世帯を想定した広さと間取りの住宅の供給を増やすことです。こうすれば、現在の敷地のスペースにあまり余裕がない住宅でも、1戸当たりの面積が小さくなれば増室が可能です。また、新設住宅におけるシルバーハウジング整備や、バリアフリー化を行うことはもちろんですが、既存住宅においても、手すりの設置、段差解消及びエレベータの設置といった住宅内外のバリアフリーを計画的に行い、既存の住宅ストックの活用を進めていく必要があります。また民間住宅に対しては、介護保険での住宅改修に上乗せで補助金を給付し、費用負担軽減を図ります。また、要介護認定を受けていない高齢者に対しては、独自でバリアフリー改修に対する補助行います。
 次に、介護の問題については、入所施設の数が限られていることから、介護を受けながら住み続けることのできる住まいづくりを行う必要があります。住み替え先も、介護施設だけでなく、サービス付き高齢者向け住宅や高齢者シェアハウスのような新しい住宅の普及・啓発を行い、様々なニーズに合わせた住まいの提供を検討していきます。住まいの提供と各自治体が行っている暮らしのサポートを充実させ、安心・安全で快適なまちづくりに繋げていく必要があると思います。
キーワード 市営住宅ストックの活用、バリアフリー、福祉分野との連携