居住施策に関するアンケート調査

市町村名 名古屋市
市町村長名 河村 たかし

愛知県の住まい・まちづくりを取り巻く状況について、特に注目している現状と今後重要となってくる課題についてのお考えをお聞かせください。

 名古屋市では、平成23年3月に「名古屋市住生活基本計画」を策定し、その中で住生活をとりまく現状と課題を抽出しており、愛知県においても以下の3つの課題に注目する。
 第一に、「多様な居住ニーズへの対応」である。少子高齢化により夫婦と子どもからなる世帯が減少していく一方、団塊世代の高齢化等により高齢夫婦・単身世帯が増加するなど、家族形態が大きく変化している。家族形態に応じた適切な住まいの選択への対応が必要となる。
 第二に、「安心・安全の確保」である。愛知県および名古屋市は、近い将来発生することが危惧されている南海トラフ巨大地震により甚大な被害を受けることが想定される。一方、愛知県の住宅の耐震化率は、全国平均より高いものの、想定される被害を勘案すると十分とは言えず、耐震化をより促進していくことが必要となる。
 第三に、「持続可能な社会への転換」である。分譲マンションも含めた既存住宅について、計画的な点検や補修の実施など適切な維持管理を行いながら、ライフスタイルやライフステージに応じたリフォームを実施するなど、積極的に住まいの維持・向上を図っていく必要がある。 
キーワード 少子高齢化、耐震化、既存住宅の活用

上記の課題解決のために推進すべきと考える住まい・まちづくりに関する取組みについてのお考えをお聞かせください。

 上記課題の解決のため、特に以下の4つの取組みを推進すべきと考える。
 第一に、「民間住宅も活用した住宅セーフティネット機能の充実」である。増加する高齢夫婦・単身世帯等に対し、公的賃貸住宅による対応だけでなく、民間賃貸住宅においても愛知県居住支援協議会の更なる機能強化や所有者等の協力を得て、高齢者等の住宅確保用配慮者の入居を拒まない住宅セーフティネット機能を構築すること。
 第二に、「駅そば居住の促進」である。少子高齢化の社会構造に対応すべく、駅そば生活圏など居住ニーズや交通利便性の高い地域において、高齢者向け賃貸住宅の誘導や質の高い住宅の新築、建て替えなど良好で快適な居住環境形成を支援し、子育て世帯や高齢者世帯を含む様々な世帯の駅そば居住を促進すること。
 第三に、「住宅の耐震化の促進」である。新耐震以前住宅の耐震診断の支援および耐震改修の支援を行い、南海トラフ巨大地震に備え早期に耐震化率の向上を図るとともに、耐震化に関する相談や各種補助制度の充実と普及啓発に努めること。
 第四に、「分譲マンションの適切な維持管理等の支援」である。建設後相当の年数を経た分譲マンションは、計画的な点検や修繕等により建物を適切に維持・管理していく必要がある。そのため、マンション管理推進協議会による支援を中心に相談事業の実施、セミナー等の開催などを通じて管理組合の自立的な運営による適正な管理を推進すること。
キーワード 住宅セーフティネット、駅そば居住、耐震化、分譲マンションの維持管理