|
(1 | )概況調査(メッシュ調査):県内の全体的な地下水質について、概況を把握するための調査(県内を5km四方(三河山間部は10km四方)のメッシュに区分し、県全域を3か年で把握)。 |
(2 | )概況調査(定点調査):県内の同一地点における地下水質の経年的変化を把握する調査。 |
(3 | )汚染井戸周辺地区調査:概況調査(メッシュ調査)において環境基準を超過した地点における汚染範囲の確認等の調査。 |
(4 | )定期モニタリング調査:過去において環境基準を超過した地点の継続的な監視。 |
単位:地点 |
(1 | )概況調査(メッシュ調査) |
環境基準が定められているカドミウム、全シアン及び鉛等26項目について、81地点で調査した。 その結果、74地点で環境基準に適合したが、7地点においていずれかの物質が環境基準を超過し、測定地点に対する環境基準値の超過率(環境基準値を超過した測定地点の割合)は、8.6%であった。 調査項目別では、カドミウム等の20項目については、環境基準を超えるものはなく、全ての地点で適合していた。環境基準を超過した6項目の超過率については、鉛1.2%、砒素3.7%、1,1-ジクロロエチレン1.2%、シス-1,2-ジクロロエチレン1.2%、トリクロロエチレン1.2%、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素8.8%であった。 |
測定項目名 | 調査地点数 | 環境基準 適合地点数 | 環境基準を超えた地点数 | 超過率 | 環境基準 |
カドミウム | 81 | 81 | 0.01mg/l以下 |
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全シアン | 81 | 81 | 検出されないこと |
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鉛 | 81 | 80 | 1 | 1.2% | 0.01mg/l以下 |
六価クロム | 81 | 81 | 0.05mg/l以下 |
||
砒素 | 81 | 78 | 3 | 3.7% | 0.01mg/l以下 |
総水銀 | 81 | 81 | 0.0005mg/l以下 |
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アルキル水銀 | 18 | 18 | 検出されないこと |
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PCB | 81 | 81 | 検出されないこと |
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ジクロロメタン | 81 | 81 | 0.02mg/l以下 |
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四塩化炭素 | 81 | 81 | 0.002mg/l以下 |
||
1,2-ジクロロエタン | 81 | 81 | 0.004mg/l以下 |
||
1,1-ジクロロエチレン | 81 | 80 | 1 | 1.2% | 0.02mg/l以下 |
シス-1,2-ジクロロエチレン | 81 | 80 | 1 | 1.2% | 0.04mg/l以下 |
1,1,1-トリクロロエタン | 81 | 81 | 1mg/l以下 |
||
1,1,2-トリクロロエタン | 81 | 81 | 0.006mg/l以下 |
||
トリクロロエチレン | 81 | 80 | 1 | 1.2% | 0.03mg/l以下 |
テトラクロロエチレン | 81 | 81 | 0.01mg/l以下 |
||
1,3-ジクロロプロペン | 81 | 81 | 0.002mg/l以下 |
||
チウラム | 81 | 81 | 0.006mg/l以下 |
||
シマジン | 81 | 81 | 0.003mg/l以下 |
||
チオベンカルブ | 81 | 81 | 0.02mg/l以下 |
||
ベンゼン | 81 | 81 | 0.01mg/l以下 |
||
セレン | 81 | 81 | 0.01mg/l以下 |
||
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | 34 | 31 | 3 | 8.8% | 10mg/l以下 |
ふっ素 | 34 | 34 | 0.8mg/l以下 |
||
ほう素 | 34 | 34 | 1mg/l以下 |
||
合計(延べ) ( )は実地点数 |
1,902 (81) |
1,892 (74) |
10 (7) |
0.5% (8.6%) |
(注)1 | 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素、ふっ素、ほう素の3項目(平成11年2月に環境基準項目として追加)は、測定計画では従来の要監視項目としており81地点中の34地点で実施した。 |
2 | 超過率:環境基準値を超過した測定地点の割合 |
調査地点 |
項目
| 年間平均値(mg/l) | 環境基準(mg/l) |
稲沢市日下部西町 | 鉛 | 0.015 | 0.01以下 |
砒素 | 0.042 | 0.01以下 |
|
弥富町大字鍋田 | 砒素 | 0.011 | 0.01以下 |
高浜市新田町 | 砒素 | 0.011 | 0.01以下 |
犬山市大字前原 | 1,1-ジクロロエチレン | 0.031 | 0.02以下 |
シス-1,2-ジクロロエチレン | 0.16 | 0.04以下 |
|
トリクロロエチレン | 0.99 | 0.03以下 |
|
岡崎市細川町 | 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | 14 | 10以下 |
豊川市平尾町 | 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | 19 | 10以下 |
美浜町大字野間 | 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | 12 | 10以下 |
(2 |
)概況調査(定点調査) 環境基準が定められている26項目について、17地点で調査した。 調査結果は、全地点で環境基準に適合しており、概ね昨年度と同様の濃度推移であった。 |
(3 |
)汚染井戸周辺地区調査 11年度の概況調査(メッシュ調査)において環境基準を超過した7地点のうち、弥富町大字の1地点を除く6地点を対象として、周辺の概ね500mの範囲内にある井戸計47本(発端井戸6本、周辺井戸41本)について、汚染範囲等を確認するため、基準を超過した項目を調査した。 |
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○ | 調査井戸のうち、発端井戸を除き環境基準を超過したのは、砒素が高浜市で1本、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が岡崎市で3本、豊川市で2本であった。 | |
○ | 稲沢市の鉛、犬山市大字の有機塩素系化合物、美浜町大字の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素については、周辺で環境基準を超える井戸はなく、局所的な汚染であると推定された。 | |
○ | 汚染原因については、鉛、砒素の重金属は、地層・地質由来の自然的要因であり、トリクロロエチレン等の有機塩素系化合物は、発端井戸所有者である事業場の過去のトリクロロエチレンの使用が原因であり、1,1-ジクロロエチレン及びシス-1,2-ジクロロエチレンは、その分解生成物と推定された。また、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素は、農地の施肥や生活排水等によるものと推定された。 |
調査地点 |
項目
| 調査井戸数 | 検出濃度範囲(mg/l) | 基準超過井戸数 | 環境基準(mg/l) |
稲沢市日下部西町 | 鉛 | 7(1) | <0.005 | 0(0) | 0.01以下 |
高浜市新田町 | 砒素 | 10(1) | <0.005〜0.013 | 2(1) | 0.01以下 |
犬山市大字前原 | 1,1-ジクロロエチレン | 6(1) | <0.002〜0.031 | 1(1) | 0.02以下 |
シス-1,2-ジクロロエチレン | 6(1) | <0.004〜0.11 | 1(1) | 0.04以下 |
|
トリクロロエチレン | 6(1) | <0.002〜0.95 | 1(1) | 0.03以下 |
|
岡崎市細川町 | 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | 9(1) | 1.8〜14 | 4(1) | 10以下 |
豊川市平尾町 | 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | 6(1) | 0.38〜24 | 3(1) | 10以下 |
美浜町大字野間 | 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | 9(1) | <0.10〜19 | 1(1) | 10以下 |
注1 | :( )内は、発端井戸を内数で示す。 |
注2 | :稲沢市日下部西町及び弥富町大字鍋田の砒素については、周辺に砒素を使用している事業場等がなく、従来の調査結果から尾張地域の地層・地質に由来する砒素が、地下水に溶出しやすいと推定されている地域に位置することから、周辺井戸の水質調査は実施していない。 |
(4 |
)定期モニタリング調査 過去の概況調査(メッシュ調査)において、環境基準を超過した18地点(鉛2地点、砒素6地点、総水銀4地点、有機塩素系化合物6地点)について、発端井戸及び周辺井戸でモニタリングを実施した。 その結果、名古屋市中川区(砒素)、名古屋市南区(砒素)、安城市及び幸田町大字(1,1-ジクロロエチレン)の4地点については、発端井戸及び周辺井戸とも環境基準に適合した。その他の地点では、濃度に変動はあるものの概ね同程度で推移していた。 これらの地点については、今後、引き続き定期モニタリング調査を実施する予定である。 |
NO |
地点名 (超過年度) |
項目
|
地点の 区 分 |
年間平均値 (mg/l) |
超過年度の 検出濃度 (mg/l) |
環境基準 (mg/l) |
1 |
藤岡町大字飯野 (平成8年度) | 鉛 | 発端井戸 | 0.016 | 0.019 | 0.01以下 |
周辺井戸 | 0.006 | <0.005 |
||||
2 |
三好町大字明知 (平成10年度) | 鉛 | 発端井戸 | 0.019 | 0.011 | 0.01以下 |
周辺井戸 | <0.005 | <0.005 |
||||
3 |
一宮市北方町 (平成5年度) | 砒素 | 発端井戸 | 0.006 | 0.013 | 0.01以下 |
佐織町大字町方新田 (平成7年度) | 砒素 | 発端井戸 | 0.021 | 0.020 | 0.01以下 |
|
春日町大字落合 (平成8年度) | 砒素 | 発端井戸 | 0.016 | 0.011 | 0.01以下 |
|
弥富町大字五之三 (平成6年度) | 砒素 | 発端井戸 | 0.021 | 0.011 | 0.01以下 |
|
4 |
津島市上新田町 (平成10年度) | 砒素 | 発端井戸 | 0.027 | 0.027 | 0.01以下 |
周辺井戸 | 0.019 | 0.022 |
||||
5 |
立田村大字森川 (平成10年度) | 砒素 | 発端井戸 | 0.021 | 0.023 | 0.01以下 |
周辺井戸 | 0.022 | 0.025 |
||||
6 |
名古屋市中川区富田町戸田 (平成6年度) | 砒素 | 発端井戸 | <0.005 | 0.014 | 0.01以下 |
7 |
名古屋市南区笠寺町 (平成9年度) | 砒素 | 発端井戸 | 0.005 | 0.014 | 0.01以下 |
8 |
名古屋市緑区大高町 (平成10年度) | 砒素 | 発端井戸 | 0.016 | 0.012 | 0.01以下 |
9 |
瀬戸市大坂町 (平成5年度) | 総水銀 | 発端井戸 | 0.0018 | 0.0051 | 0.0005以下 |
周辺井戸 | <0.0005 | <0.0005 |
||||
10 |
赤羽根町大字赤羽根 (平成7年度) | 総水銀 | 発端井戸 | 0.0013 | 0.0010 | 0.0005以下 |
周辺井戸 | <0.0005 | <0.0005 | ||||
11 |
瀬戸市南山口町 (平成8年度) | 総水銀 | 発端井戸 | 0.0017 | 0.0012 | 0.0005以下 |
周辺井戸 | <0.0005 | <0.0005 |
||||
12 |
名古屋市緑区池上台二丁目 (平成10年度) | 総水銀 | 発端井戸 | 0.0015 | 0.0093 | 0.0005以下 |
13 |
尾張旭市下井町 (平成5年度) | トリクロロエチレン | 発端井戸 | 0.018 | 0.036 | 0.03以下 |
周辺井戸 | 0.041 | 0.038 | 0.03以下 |
|||
14 |
岡崎市福岡町 (平成7年度) | シス-1,2-ジクロロエチレン | 発端井戸 | 0.63 | 1.7 | 0.04以下 |
トリクロロエチレン | 0.048 | 0.12 | 0.03以下 |
|||
シス-1,2-ジクロロエチレン | 周辺井戸 | <0.004 | <0.004 | 0.04以下 |
||
トリクロロエチレン | <0.002 | <0.002 | 0.03以下 |
|||
15 |
安城市藤井町 (平成8年度) | 1,1-ジクロロエチレン | 発端井戸 | <0.002 | 0.021 | 0.02以下 |
周辺井戸 | <0.002 | <0.002 |
||||
16 |
幸田町大字大草 (平成10年度) | 1,1-ジクロロエチレン | 発端井戸 | 0.009 | 0.040 | 0.02以下 |
周辺井戸 | <0.002 | <0.002 |
||||
17 |
豊川市下長山町 (平成10年度) | テトラクロロエチレン | 発端井戸 | 0.11 | 0.11 | 0.01以下 |
周辺井戸1 | <0.0005 | <0.0005 |
||||
周辺井戸2 | <0.0005 | <0.0005 |
||||
18 |
大口町大字萩島 (平成10年度) | トリクロロエチレン | 発端井戸 | 0.004 |
0.007 (0.008) | 0.03以下 |
テトラクロロエチレン | 0.0093 |
0.0098 (0.013) | 0.01以下 |
|||
1,1-ジクロロエチレン | <0.002 |
<0.002 (<0.002) | 0.02以下 |
|||
トリクロロエチレン | 周辺井戸1 | 0.13 | 0.12 | 0.03以下 |
||
テトラクロロエチレン | 0.31 | 0.096 | 0.01以下 |
|||
1,1-ジクロロエチレン | 0.033 | 0.027 | 0.02以下 |
|||
トリクロロエチレン | 周辺井戸2 | 0.010 | 0.008 | 0.03以下 |
||
テトラクロロエチレン | 0.0005 | <0.0005 | 0.01以下 |
|||
1,1-ジクロロエチレン | <0.002 | <0.002 | 0.02以下 |
|||
1) NO3の4地点は尾張地域における砒素のモニタリング地点。 2) 超過年度は、初めて環境基準を超過した年度。 3) 大口町大字萩島における発端井戸「超過年度の検出濃度」のカッコは最大検出値。 |