愛知県では、建築基準法第51条ただし書の規定に基づく「その他の処理施設」を許可するにあたって、原則、以下のとおり取扱っています。なお、敷地の立地条件等によっては、この基準によらない場合もありますので、許可申請に当たっては、事前に各建設事務所建築課の各担当へご相談下さい。
| 「その他の処理施設」の許可取扱い基準 |
建築基準法第51条ただし書の規定に基づき、その敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可する場合は、次の各項による。
■1対象施設(次の各号のいずれかに該当する処理施設)の基準
(1) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第7条第1号から第13号の2に規定する産業廃棄物処理施設
(2) 同令第5条第1項に規定する1日当たりの処理能力が5t以上のごみ処理施設
■2位置の基準
| (1) | 市街化区域の場合 | |
| ・ | 原則として工業地域又は工業専用地域であること | |
| (2) | 用途地域の指定のない区域内の場合(市街化調整区域を含む) | |
| ・ | 既存集落(概ね50戸以上の住宅が連たんしているものに限る。)から100m以上離れていること。 | |
| ・ | 住居系の用途地域から100m以上離れていること。 | |
| (3) | 共通事項(工業・工業専用地域、その他) | |
| ・ | 学校、老人ホーム、保育所、病院、図書館その他これらに類する建築物から100m以上離れていること。 | |
| ・ | 本項のうち距離の制限について住居系用途地域等と、その他の処理施設との間に幹線道路、鉄道施設又は大規模な工場等があり公害防止上支障がない場合はこの限りではない。 | |
■3道路の基準
(1) 敷地の主たる搬出入口が面する道路の幅員は敷地面積に応じて下表の数値以上とすること。ただし周囲の状況等により交通安全上支障がない場合
はこの限りではない。
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敷地面積 |
道路幅員 |
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0.3ha以上 |
9m |
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0.3ha未満 |
6m |
(2) 道路の拡幅により前号の規定を満足しようとする場合は当該幅員以上の道路に接続するまでこれを行うこと。
(3) 主たる搬出入道路は通学路と相当の区間にわたって重複しないこと。ただし、歩道と車道が分離されている場合はこの限りでない。
■4事前説明の基準
| (1) | 敷地境界線から30m以内の居住者、土地の所有者・権利者及び建築物の所有者・権利者に対して許可申請以前に事業計画の概要について事前説明を行うこと。(工業専用地域は除く。) | |
| (2) | 当該敷地を区域に含む自治会等地元組織(最小単位でもよい。)の代表者及び当該敷地の存する市町村に対しても事業計画の概要について事前説明を行うこと。(地元組織の代表者については工業・工業専用地域は除く。) | |
| (3) | 焼却施設等のように他法令、条例等に基づき関係地域住民に対する周知又は説明会の開催を行った場合はこの限りではない。 | |
■5施設整備の基準
| (1) | 建ぺい率 | |
| ・ | 概ね5/10以下とすること。このとき、別敷地に駐車場を設ける場合は、これを合わせて算定することができる。 | |
| (2) | 緑化等 | |
| ・ | 緑地率は原則として20%以上とすること。 | |
| ・ | 敷地境界線の内側に沿って都市計画法施行令第28条の3の規定に準じた緩衝帯等を設けること。このとき緩衝帯の幅は敷地面積が1ha未満の場合は1m以上とすることができる。また緩衝帯には緑地のほか公害防止上有効な塀、付属建築物等が含まれる。 | |
| (3) | その他 | |
| ・ | 敷地は極力整形化に努めること。 | |
| ・ | 所要の駐車場を確保すること。 | |
| ・ | 公害防止対策を万全に行うこと。 | |
| ・ | 他法令の許認可が得られること。(特に県事務所廃棄物対策課、環境保全課との調整を確実に行うこと。) | |
| 許可取扱い基準の詳細解説 |
“建築基準法第51条ただし書に基づく許可”という行政行為は、行政手続法に規定する“申請”に対する“処分”に該当する。行政手続法第5条は、可能な限り具体的な審査基準の策定等について定めている。
本県においては“建築基準法第51条ただし書に基づく許可”の公平性、透明性を確保するため“取扱い基準”を定め審査基準の明確化を行い、許可手続の迅速化、簡素化を図っている。
いうまでもなく、“ただし書許可”とは都市計画審議会の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可することである。
“都市計画”とは、都市計画法によれば“都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画”と定義されている。
本“取扱い基準”は“対象施設、位置、道路、事前説明、施設整備”の各基準で構成されているが、“取扱い基準”の前文にある“・・・敷地の立地条件等によっては、この基準によらない場合もありますので、・・・”を例示すれば、工業・工業専用地域内ではあるが、その敷地の位置が辺(へん)縁部(えんぶ)の場合で、隣接地等に住宅団地などがあり、良好な居住環境の維持に著しい影響を及ぼす場合及び建築物ではないが公園等静穏な環境を求めて不特定多数の人々が集まってくる施設から100m以上離れていない場合並びに“当該市町村の都市計画に関する基本的な方針”いわゆる市町村マスタープランに合致しない場合などが考えられる。
■基準1は、対象施設を明確化したものである。
(1)の廃棄物処理法施行令第7条は第1号から第14号まであるが、第14号は“処分場”であり“処理施設”ではないため対象施設外となっている。
なお、工場等の敷地内に位置する産業廃棄物処理施設で、当該工場等より排出される廃棄物に限って処理を行うものは、あらためてその位置付けをする必要がないため規制対象外となっている。
(2)はいわゆる“ごみ処理施設”のことである。
都市計画法第29条第1項第3号を受け、同政令第21条第22号により“廃棄物処理法によるごみ処理施設である建築物”の開発行為は適用除外となっているが産業廃棄物処理施設の開発行為は規制対象となっていることに注意が必要である。
実務上、“一般廃棄物なのか産業廃棄物なのか”“工場なのか廃棄物処理施設なのか”“がれき類なのか、ガラス・陶磁器くずなのか”等の判断については、県事務所廃棄物対策課、環境保全課との充分な連絡調整が必要である。
■基準2は、位置の基準を明確化したものである。
(1)は市街化区域の場合であり“準工業地域”を原則認めていないところに注意が必要である。
(2)は市街化調整区域等の場合である。工業地域、工業専用地域内であれば原則、この基準は適用されない。既存集落の括弧書きでいう“住宅”は一戸建て、長屋建て、共同建てを示しており、専用、併用を問わない。また住民票等の所在を絶対要件としていないので“セカンドハウス”も対象となる。
"概ね"とは、本県においては都市計画法の開発許可基準運用実績等に鑑み1割とする。つまり45戸のワンルームマンション1棟は既存集落となる。
なお、連たんの状況は「間隔をもって判断する場合」と「一定の区域の範囲内における建築物(住宅)の集中の程度をもって判断する場合」が考えられるが「間隔をもって判断する場合」の"連たん"とは直線距離で概ね50m以内ごとに住宅の敷地が連なっていることをもって判断することを原則とする。
(3)は“位置の基準”の共通事項であり、工業地域、工業専用地域、市街化調整区域等すべてに適用される。“学校、・・・その他これらに類する建築物”とは、特定又は不特定多数の人々が集まり、静穏な環境を必要とする建築物をさしている。例示すれば博物館、美術館、診療所及び建築基準法施行令第19条第1項の児童福祉施設等があげられる。
“本項のうち・・・公害防止上支障がない場合はこの限りでない。”という距離制限の緩和についての運用は、以下のとおりとする。当該廃棄物処理施設自体が、騒音、振動、悪臭、大気汚染、水質汚濁等敷地周辺環境に与える影響よりも、既存施設である幹線道路等の周辺環境に与える影響が大きい場合は、距離制限の緩和対象と扱って差し支えない。
“幹線道路”とは、幅員20m以上、かつ、4車線以上で、1日の交通量が10,000台以上の道路を原則とする。(現在の道路構造令で4車線道路を設計すると通常、幅員は25mとなる。)
東名、名神、東名阪、東海北陸自動車道等の高速道路は高架タイプであっても “幹線道路”と扱って支障ない。河川は広い空地の確保は担保されるが、幹線道路、鉄道施設、大規模な工場等のようにそれ自体が騒音源、振動源ではないため距離制限の緩和対象にはならない。
■基準3は、道路の基準を明確化したものである。
本来、接続道路幅員は敷地面積によって判断すべきではなく、避難活動及び消防活動上支障があるかどうか、歩行者(通学路とも)、自転車、自動車(小型、普通、大型)の現況交通量並びに廃棄物処理施設建設に伴う増加交通量に適切な対応ができるかどうかで判断すべきではあるが、敷地面積が大きく必要な施設については、当然大型車等による頻繁(ひんぱん)な交通が予想されると判断し、敷地面積により必要な接続道路幅員を定めている。
"ただし、周囲の状況等により交通安全上支障がない場合は、この限りではない。"とあるが具体的な運用は、以下のとおりとする。いわゆる「行き止まり道路」等通過交通が少なく、かつ、1日当たりの車両及び歩行者等の交通量が少なく、避難上及び消防活動上支障がない場合を判断基準とする。しかし、廃棄物処理施設が建設されれば、当然大型車等による頻繁な交通が予想されるため、自動車交通の利便、歩行者・自転車の安全を確保する意味で、真にやむを得ない場合を除き、接続道路幅員は緩和しないものとする。
"歩道と車道が分離されている"とは、単に白線が引かれているだけでは足りず、縁石、ガードレール等により物理的に分離されていることが必要である。また、通学路部分における搬出入車両の運行は、極力、児童の登下校の時間をさけること。
■基準4は、事前説明についての基準を明確化したものである。
(1)は工業地域、市街化調整区域等の場合においての基準であり、許可申請以前に説明する必要がある。説明の方法については、文書、電話、口頭など いろいろなケースが考えられるが、どのような場合でも誠意ある説明が必要であることはいうまでもない。
(2)は自治会等組織の代表者及び当該市町村に対する説明である。工業、工業専用地域内において、自治会等組織の代表者に対して説明を行う義務は 、この基準上はない。申請敷地が、市町村境の場合は円滑な事業の施行を図るため隣接市町村に対しても説明を行うことが望ましい。
(3)廃棄物の適正な処理の促進に関する条例で説明会の開催が義務付けられている焼却施設等は、この基準による事前説明は、原則必要ない。
なお、環境部廃棄物対策課は“愛知県産業廃棄物適正処理指導要綱”のなかで、中間処理施設について当該土地の所有者及び隣接する土地所有者 の承諾が得られることを求めている。
この事前説明制度は、廃棄物処理法が改正され設置許可の必要な施設についてすべて生活環境影響調査が義務付けされたことに伴い、従来の同意制度をあらためたものである。
■基準5は、施設整備についての基準を明確化したものである。
(1)の“・・・別敷地・・・”とは、申請地の隣接地及び接続道路等の反対側の土地を原則とするが、歩いて数分の近接地を排除するものではない。
(2)の“緑地”とは、その機能を十分に発揮するために原則として樹木を植栽する必要がある。高木(成長樹高が概ね10m以上になるもの)を植栽する場 合は10平米に1本以上、低木(成長樹高が概ね5mまでのもの)を植栽する場合は10平米に3本以上の植栽密度とすること。
“緩衝帯”設置の趣旨は、公害対策を建築物だけで行うのではなく、敷地でもおこなうために余地を残しておこうという趣旨である。
(3)の他法令とは、“廃棄物処理法”“家電リサイクル法”“容器包装リサイクル法”“食品リサイクル法”“自動車リサイクル法”“騒音規制法”“振動規制法” “水質汚濁防止法”“大気汚染防止法”“悪臭防止法”“都市計画法”“消防法”“農地法”等が該当するが特に廃棄物処理施設の性質上、“廃棄物処理 法”との調整を確実に行う必要がある。
| 建築基準法第51条詳細解説 |
■建築基準法(卸売市場等の用途に供する特殊建築物の位置)
第五十一条 都市計画区域内においては、卸売市場、火葬場(かそうば)又はと畜場、汚物処理場、ごみ焼却場その他政令で定める処理施設の用途に供する建築物は、都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなければ、新築し、又は増築してはならない。ただし、特定行政庁が都道府県都市計画審議会(その敷地の位置を都市計画に定めるべき者が市町村であり、かつ、その敷地が所在する市町村に市町村都市計画審議会が置かれている場合にあつては、当該市町村都市計画審議会)の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合又は政令で定める規模の範囲内において新築し、若しくは増築する場合においては、この限りでない。
■解説
ここでいう「特殊建築物」とは、法第2条でいう“・・・と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物・・・”のことであり(法第6条第1項第1号にいう特殊建築物とは違う。)、 この条文は、都市計画区域内に限って適用される。(第3章の規定は、都市計画区域及び準都市計画区域内に限り適用されるが、法第51条は都市計画区域内に限り適用する旨、特に本文冒頭で適用区域を明確化している。)
難解な条文ではあるが、本文とただし書で構成され、ただし書は特定行政庁が許可した場合と政令で定める軽微なものは都市計画決定されなくても新築等できるとしている。
本文においては、都市計画決定していなければ卸売市場、火葬場又はその他の処理施設は新築等してはならないとされている。
つまり、都市計画決定してないと、A、B又はCは新築等してはならないということである。ここで重要なことは、Cつまり「その他の処理施設」の例示としてと畜場、汚物処理場、ごみ焼却場があげられているということである。その詳細は政令第130条の2の2で規定されている。すなわち、卸売市場、火葬場、と畜場、汚物処理場、ごみ焼却場、廃棄物処理施設が対象になる。
廃棄物処理施設は一般廃棄物処理施設、産業廃棄物処理施設に区分され、ごみ処理施設とは一般廃棄物処理施設(ごみ処理施設、し尿処理施設、最終処分場)の一形態であり、1日当たりの処理能力が5トン以上の施設が対象となる。産業廃棄物処理施設とは廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、廃棄物処理法という。)第15条を受け、同政令第7条で具体的に示されており、廃プラスチック類・がれき類・木くずの破砕施設で1日当たりの処理能力が5トンを超えるもの、汚泥・廃油・廃プラスチック類・その他の焼却施設で1日当たりの処理能力が一定数量超えるもの等が対象となる。なお、工場等の敷地内に位置する産業廃棄物処理施設で、当該工場等より排出される廃棄物に限って処理を行うもの及び
“処分”であって“処理”ではない最終処分場は規制対象外となっている。
本条は、新築、増築などの建築行為及び用途の変更を規制しているが、改築、移転、大規模な修繕・模様替は規制されていない。
原則、「都市計画決定」ではあるが、例えば暫定施設等で都市計画決定になじまない場合には「ただし書許可」で扱うこととなる。
ただし書の括弧内は、(その敷地の位置を都市計画に定めるべき者が市町村であり、かつ、その敷地が所在する市町村に市町村都市計画審議会が置かれている場合にあつては、当該市町村都市計画審議会)という書きぶりであり若干解りにくいが、つまり産業廃棄物は「県都市計画審議会」、一般廃棄物処理施設であるごみ処理施設は「市町村都市計画審議会」の議を経ないと特定行政庁は許可できないということが記載されている。
“都市計画に定めるべき者”は、都市計画法第15条に“都市計画を定める者”という規定があり、政令第9条に具体的な施設が列挙されている。同令第2項第8号に広域の見地から決定すべき都市施設又は根幹的都市施設として「産業廃棄物処理施設」が規定されており、「産業廃棄物処理施設」は県が定める都市計画であり、「一般廃棄物処理施設であるごみ処理施設」は市町村が定める都市計画ということになる。
ただし書きの「・・・政令で定める規模の範囲内において・・・」とは、いわゆる軽微なもの及び工業、工業専用地域の特例をさしており、政令第130条の2の3に記載されている。緩和があるということは、工業専用地域等は立地場所として望ましい地域であるという立場をとっている(立法側が)と考えるのが自然ということになる。
建築物に該当しない工作物も法第88条第2項に準用規定があり、「その他の処理施設の用途に供する工作物」は第51条の対象となる。
都市計画法第29条第1項第3号を受け、政令第21条第22号により“廃棄物処理法によるごみ処理施設である建築物”の開発行為は適用除外となっているが産業廃棄物処理施設の開発行為は規制対象となっている。
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