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重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の国内発生について


 中国において2009年頃より発生が確認され、2011年に初めて原因ウイルスが特定されたダニ媒介性疾患「重症熱性血小板減少症候群」の症例が、2013年1月、国内で初めて確認されました。
 2013年2月19日現在、4名の患者(愛媛県、宮崎県、山口県、広島県在住の方)が
確認され、いずれも昨年夏から秋に発症し、その後死亡しています。

 

1.重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

 2011年に初めて特定された、ウイルス(SFTSウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。

 これまで日本国内で重症熱性血小板減少症候群の報告はなく、2013年1月に報告された山口県の症例が初めての報告であり、続いて2例の報告がありました。
 潜伏期間は6日から2週間で、主な症状は発熱と消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)です。稀に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識症状、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)を起こします。重症化した場合、死亡することもあります。

 2009年以降複数の症例が報告されている中国では、多くの場合、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染しています。今回、日本で確認された患者には、最近の渡航歴はなかったため、日本国内でウイルスに感染したと考えられています。

2.予防するためには

 マダニに咬まれないようにすることが重要です。
 特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意が必要です。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖の服、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、なるべく肌を露出しないようにしましょう。
 また、屋外活動後にはマダニに刺されていないか確認し、吸血中のマダニに気がついた際には、できるだけ医療機関で処置するとともに、マダニに咬まれたのちに、発熱等の症状があった場合には、医療機関を受診してください。

3.医療機関の皆様へ

 以下の要件を満たす患者を診察した場合、最寄りの保健所へ連絡して頂くようお願いします。

○情報提供を求める患者の要件
 38度以上の発熱と消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血のいずれか)を呈し、血液検査所見で血小板減少(10万/mm3未満)、白血球減少(4000/mm3未満)及び血清酵素(AST、ALT、LDHのいずれも)の上昇が見られ、集中治療を要する、若しくは要した、又は死亡した者。
  ただし、他の感染症によること又は他の病因が明らかな場合は除く。