≪相談事例≫
在宅ワークをしたいと思い、「無資格でも可」との新聞の求人広告を見て、半年前に医療事務
(レセプトチェック) 内職を申し込んだ。67万円は高いと思ったが、「医療事務の教材を購入して勉強し、試験に合格すれば仕事を紹介する」と言われて教材購入の契約をし、クレジットを組み、今までに8万円支払った。教材が届いたので一生懸命勉強し、社内のテストを何度も受けたが合格せず、レベルに達していないと言われた。勧誘時には「少し勉強すればテストは受かる」と言っていた。不信感を持ったのでこれ以上教材費を払いたくない。解約したい。
(30代 女性 家事従事者)
≪処理結果概要≫
相談者が受けた、少し勉強すればテストに合格するという勧誘時の説明と事実が違うため、不実告知による契約の取消し、支払いを停止するという文書を業者と信販会社に出すよう助言しました。業者は言っていないという反論をしてきましたが、言われていなければ契約していなかったと強く主張し、支払いを停止し、粘り強く交渉した結果、既払い金の8万円を解約料として解約することができました。
【ポイント】
[1] 業務提供誘引販売取引について
販売した商品を利用して「後から収入が得られる」と言って誘い、高額な商品を売りつける内職商法は、特定商取引法の「業務提供誘引販売取引」として規制対象です。契約場所を問わず、購入を求められる商品・サービスや内職の種類も問いません。概要書面と契約書面の交付義務、クーリング・オフ制度があります。クーリング・オフ期間は契約書面を受領した日を含めて20日間です。
[2] 抗弁権の接続について
クレジットを組んで教材を購入したので、クレジット会社との間で「立替払い契約」が結ばれています。業者との間で売買契約上のトラブルが発生した場合、これを理由にクレジット会社に対し、支払いを停止できる権利を「抗弁権の接続」または「支払停止の抗弁権」と言います。業者に解約を記した内容証明郵便を送るだけでは支払いは停止しないので、同時にクレジット会社にも支払停止の抗弁書を送付しましょう。
[3] 事前費用の注意点について
仕事をするために事前に費用が必要な場合は要注意です。
≪用語解説≫
支払停止の抗弁書;
業者と売買契約上の問題点が解決されるまでクレジットの支払いを停止するために、信販会社に送る書類。
≪参照法令等≫
特定商取引法 51条(定義) 55条(書面の交付) 58条(契約の解除) 58条2(契約の取消し)
割賦販売法 30条の4(割賦購入あつせん業者に対する抗弁)
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