消費生活相談事例
59 解約したい屋根工事
≪相談事例≫
 
夫婦二人の年金暮らしだが、4日前作業着風の男性が「近所に屋根工事に来たので回っている。ここは道路沿いなのでモデル工事としてパンフレットに載せたい。モニター価格で格安にするがどうか。」と屋根の吹き替え工事を強く勧められた。「見積もりでは130万円かかるが80万円にしておく。」と言って、契約を急がされたので即日、契約した。工事は、来月の予定で、代金は後日、一括払いをすることにした。
 
翌日、息子にこのことを話すと「本当に必要な工事なのか?値段が高すぎないか?」といわれた。心配になり、他の業者に見積もりをしてもらったら、もっと安くできることがわかった。工事をやめたいが、今からできるのか?
(60代 女性 家事従事者)

≪処理結果概要≫
 この事例は、訪問販売で契約し、しかも契約書面を受け取った日から8日間以内であるため、クーリング・オフの通知を書面で出すよう手続方法を助言し無事解約できました。

【ポイント】
[1]  見本工事(モデル工事)商法とは
このような訪問販売は『見本工事(モデル工事)商法』と呼ばれています。目立つ場所で宣伝になる、カタログに写真を掲載させてもらうなど住宅設備関連の商品や工事(カーポート、テラス、リフォーム用の外壁材など)を、特別に有利な条件で勧誘します。実際にはかえって高額になる場合もあり、さらには代金は全額払ったのに未完成のままだったり、工事が終わったら雨漏りするなど、ずさんな工事や安全性に問題がある場合も多いなどのトラブルも起きています。

[2]  契約時の注意点
屋根や床下等の高額な工事を契約する場合は、急いではいけません。即断せずに、数社から見積もりを取って情報を集め、よく比較検討してから契約しましょう。このような工事の契約では通常、工事の着手時に1〜3割を支払い、完了してから残りを支払う『請負契約』が多いようです。前払いで全額、支払ったりしないようにしましょう。

[3]  クーリング・オフについて
訪問販売であるので、契約書面を受け取った日を含めて8日間のクーリング・オフが認められています。

[4]  クーリング・オフ期間を過ぎた場合
事業者の不実告知により誤認して契約した場合には、契約を取消すことができます。また、セールスの際、消費者が「帰って」と何度も伝えた場合であれば、消費者契約法の不退去にあたりますので、契約の取消しを主張できます。

[5]  未完成のまま工事にきてくれない場合は、民法における債務不履行となり、完全な工事の請求や損害賠償が可能です。しかし交渉は難しくなりますので、弁護士等に相談することをお勧めします。

≪用語解説≫
不実告知;
重要事項について事実と異なることを告げること。

≪参照法令等≫
特定商取引法 2条(定義) 9条(申込みの撤回) 9条の2(取消し)
消費者契約法 4条(不実告知)
民法 415条(債務不履行) 634条(請負人の担保責任) 637条(請負人の担保責任の存続期間)

   

<屋根工事><見本工事商法>