消費生活相談事例
9 SFで判断不十分の母が買った高額なふとん
≪相談事例≫
 1ヵ月ぶりに、最近判断能力が欠けてきた、一人暮らしの母親宅を訪ねると、見慣れない羽毛ふとんが部屋の隅に置いてあった。聞いてみると「1ヵ月位前、やさしそうな男性が来て、近所の知り合いの家でいろいろな日用品を差し上げるから、来てくださいと誘いがあった。知り合いの家だし、車で送り迎えをしてくれると言うので出かけた。手を挙げるといろいろな日用品をくれたので、ふとんを出されたときも手を挙げた。帰りは、車でふとんも一緒に運んでくれて、言われるままに1万円を支払った。」とのことだった。家の中を捜してみると、50万円の羽毛ふとんの信販(クレジット)契約書が見つかったが、本人は、契約したことを理解していないようだった。未使用だし、年金暮らしで支払いも大変なので返品したいがどうしたらよいか。
(50代 女性 家事従事者)

≪処理結果概要≫
 特定商取引法による8日間のクーリング・オフ期間が過ぎていますので、販売会社との解約交渉となります。当事者は、高齢で判断能力に欠けているため、プラザが解約交渉にあたりました。契約者は、判断不十分者であり、支払も大変である現状を伝え、また年金生活者に高額なクレジット契約をすること自体が、適切ではないことを主張しました。何度か話し合った結果、未使用でもあったので、既払い金の1万円を解約料とすることで、合意解約となりました。娘さんには、今後のこともあるので成年後見制度について説明し、検討されるように助言しました。

【ポイント】
[1]  SF(催眠)商法について
・事例以外としては、路上で日用品を配って人を会場に集めたり、百円ショップの開店記念で無料品を配布するからと言って人を集めるものなどがあります。
・楽しい雰囲気の中で一種の興奮状態にさせ、最後には高額な商品を勧誘します。

[2]  催眠商法による商品の販売を持ちかけられた時には
・商品の性能や価格が適正かどうかを見極め、必要のないものははっきりと断わることが大切です。

[3]  催眠商法で契約して8日以内(契約日含む)の場合
クーリング・オフ手続きをすることにより、無条件で解約することができ、羽毛ふとんを使用していても使用料を支払う必要はありません。

[4]  株式会社シー・アイ・シー(CIC)について
・クレジット会社の共同出資により設立された、主に割賦販売等のクレジット事業を営む企業を会員とする個人信用情報機関です。消費者本人からの申告に基づき、CICが保有する個人信用情報にコメントを登録できる「本人申告制度」があります。判断不十分な高齢者等がその旨を登録することにより、クレジット会社は申し込みに対する審査をより慎重に行うことができます。

[5]  成年後見制度について
・平成12年4月1日から施行され,民法の改正により従来の禁治産制度に代わる制度です。

成年後見制度;
3種類の制度があります。

  
1 成年後見(物事の判断能力を欠く常況にある場合に後見人をつける)
  
2 保佐(痴呆や精神的な病気等から、判断能力が著しく
    
不十分な場合に成年保佐人をつける)
  
3 補助(保佐ほどではないが、判断能力が不十分な場合に、
    本人の同意の元で補助人をつける)

いずれの場合も家庭裁判所に申し立てをして、宣告してもらう必要があります。申し立ては,本人、四親等内の親族、市区町村長などができます。成年後見人などによる取り消しは、宣告後の契約が対象になるので、既に被害にあわれている場合や被害の危険性がある場合には、早めに宣告手続きをとるとよいでしょう。

[6]  割賦販売法による支払能力とは
・割賦販売法では、クレジット会社は、購入者の支払能力を超えると認められるような契約を行なわないよう努めなければならないとされています。

≪参照法令等≫
割賦販売法38条 (支払能力)

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