- ウォッシャブルウール製品は、表示どおりに正しい方法で洗濯すればほとんど問題ありませんが、表示と異なった方法で洗濯すると外観などが変化することがあります。そのため洗濯する時は、必ず中性洗剤を使用し、たたんで洗濯ネットに入れ、弱、手洗い、ソフト、ドライなどの弱い水流で洗濯して下さい。また、あまり頻繁に洗濯を行わないようにしましょう。
- 最近のウォッシャブルウール製品には、家庭の乾燥機が使用できない製品と使用できる製品がありますので、表示を確認して下さい。なお乾燥機が使用できる製品においては、弱(低温)を使用して、できるかぎり短時間で乾燥しましょう。
- 洗濯後はスラックスの裾を上にして、ハンガーに掛けて日陰や室内で吊り干しするなど工夫をするとシワなどが取れ外観が良くなり、ほとんどアイロン掛け不要で着用できるようになるでしょう。
1 テストの目的
ウール製品は今までドライクリーニングが必要でしたが、手軽に家庭で洗濯がしたい、ドライクリーニングでは落ちにくい水溶性の汚れを簡単に落としたいなどの消費者ニーズも高まり、最近では、“家庭洗濯機で洗える”、“乾燥機で乾かせる”などのイージー・ケアをうたったウール100%や高混率のウォッシャブルウール製品が市場で多く販売されています。
そこで、家庭で洗濯などが可能なウール製品について商品テストを行い、表示・品質・性能の問題点および取扱い上の注意などの情報を消費者に提供することとしました。
2 テスト期間
平成18年8月〜平成18年12月(商品購入時期 平成18年8月)
3 テスト対象品
「ウォッシャブルウール製品」としてスラックス7銘柄(下の写真)を名古屋市内の販売店で購入しました。ウール100%のウォッシャブルウールスラックスが5銘柄、ポリエステル混のウォッシャブルウールスラックスが2銘柄です。
購入価格(税込)は、3,980〜7,990円でした。
写真「購入したウォッシャブルウールスラックス」
4 テスト結果
- 各種表示
法に基づく各種表示については、適正に表示されていました。しかし、取扱い絵表示と取扱い方法の内容などが一致しない製品やウール製品であるのに中性の表示のない製品が2銘柄ありました。また、外観変化の防止に役立つネット使用の表示のない製品が1銘柄ありました。最近では乾燥機が使用できるウォッシャブルウール製品もあり、消費者の誤った取り扱い方法を避けるため、乾燥機使用の可否の表示が望ましいと思われますが、乾燥機使用の可否が表示されていない製品が2銘柄ありました。
- 生地の品質
織物の組成については、表示と同じで問題ありませんでした。
洗濯堅ろう度、汗堅ろう度、摩擦堅ろう度については、いずれの製品もJISの基準を満たしており問題ありませんでした。
- 製品の消費性能
(1)洗濯による寸法変化
いずれの製品も洗濯回数が多くなるほど収縮率が大きくなりますが、収縮率がJISの基準内(±3%以下)の1%以下で問題がありませんでした。しかし、弱アルカリ洗剤や標準コースなどの強い水流で洗濯したり、乾燥機使用不可製品を乾燥機で乾燥するなど表示と異なった方法で洗濯した製品の収縮率は、JISの基準内ですがより大きく収縮してしまうことが明らかになりました。
(2)洗濯による圧縮特性の変化
乾燥機使用可などの3銘柄の製品や表示と異なった方法で洗濯した製品は、洗濯回数が多くなるほど、厚くなって圧縮しやすくなり、生地のふくらみが大きくなりました。
(3)洗濯による外観変化
・ シワについては、いずれの製品や表示と異なった方法で洗濯した製品についても、シワ
の発生が見られず問題ありませんので、ほとんどアイロン掛け不要で着用が可能だと思
われました。
・ 縫い目の波打ちについては、2銘柄の製品や表示と異なった方法で洗濯した製品に、
着用上は特に問題とならない極わずかな波打ちが、ポケット口や脇の縫い目付近に発生
しました。
・ ピリング(毛玉)については、いずれの製品や表示と異なった方法で洗濯した製品につい
ても、ピリングの発生が見られず問題ありませんでした。
・ 色落ちについては、1銘柄の製品や表示と異なった方法で洗濯した製品に、着用上は特
に問題とならない色の変化が見られました。
・ 毛羽立ちについては、秋冬用の1銘柄の製品に、着用上は特に問題とならないわずかな
毛羽立ちが見られました。表示と異なった方法で洗濯した製品には、ウエスト上部などに
毛羽立ちが見られました。
・ 折り目(プリーツ)の保持性については、秋冬用の1銘柄の製品や表示と異なった方法で
洗濯した製品に、着用上は特に問題とならないわずかな折り目の消失が見られました。
5 消費者へのアドバイス
- ウォッシャブルウール製品は、表示どおりに正しい方法で洗濯すればほとんど問題ありませんが、表示と異なった方法で洗濯すると外観などが変化することがあります。そのため、中性やネット使用の表示がない製品もありましたが、洗濯する時は、ウールの生地が傷まないように必ず中性洗剤を使用し、たたんで洗濯ネットに入れ、弱、手洗い、ソフト、ドライなどの弱い水流で、脱水時間を短くして洗濯して下さい。
- 最近のウォッシャブルウール製品には、家庭の乾燥機が使用できない製品と使用できる製品がありますので、表示をよく見て確認してから乾燥して下さい。
- 今回テストした製品については、表示どおりに正しい方法で洗濯や乾燥をすれば着用上問題となるような変化は特に見られませんでしたが、秋冬物などの厚手で毛羽の多い製品は、洗濯や乾燥により毛羽立ちなどが起こる可能性があります。乾燥機が使用できる製品についても、弱(低温)を使用して、できるかぎり短時間で乾燥し、あまり頻繁に洗濯や乾燥を行わないようにしましょう。
- 洗濯後はスラックスの裾を上にして、ハンガーに掛けて日陰や室内で吊り干しするなど工夫をするとシワなどが取れ外観が良くなり、ほとんどアイロン掛け不要で着用できるようになるでしょう。
6 事業者(製造業者・販売業者)への要望
- 今回テストした製品については、法に基づく表示には特に問題となるものはありませんでしたが、2銘柄の製品には取扱い絵表示と取扱い方法の内容などが一致しないものがありましたので改善することを要望します。
- ウールの生地が傷まないように、ウール製品の家庭洗濯の取扱い絵表示は、中性の表示が必要であると思われますので、表示のない2銘柄の製品は、中性の表示をすることを要望します。
- 乾燥機使用の可否が表示されていない2銘柄の製品については、消費者の誤った取り扱いを避けるため、乾燥機使用の可否の表示をすることを要望します。