伸びしろある航空宇宙産業

技術立国・日本だからこそ活躍できる産業です!!

我が国の航空宇宙産業は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、航空機需要が激減したことにより、民間航空機の製造サプライヤーは大きな打撃を受けています。しかしながら、
①これまでも、SARS(サーズ:重症急性呼吸器症候群)等の外的要因により航空旅客需要が影響を受けてきたが、原因の収束後は回復してきたこと、
②世界の民間航空機市場では、2042年までに約3万3千機の新造機の需要が見込まれており、
新型コロナウイルス感染症の収束後は航空旅客需要が回復し、再び成長すると予測されていること、
③機体構造・エンジン・装備品で参画可能な事業領域が残されており伸びしろがあること、
④自動車等の他産業分野で培った技術・ノウハウや、ものづくり中小企業の潜在力のさらなる活用余地があること
などから、発展可能性が大いにあると考えられています。
また、航空宇宙産業は、自動車産業と比較して、部品点数が多く、技術波及効果が高いことが特徴として挙げられます。

ジェット旅客機の需要予測結果

自動車との比較

旅客機需要(PRK)と受注機数の推移

一方、世界の商業宇宙市場の規模は、今後拡大していく見通しであり、そのけん引役は新興国です。これらの国は、自国内に宇宙産業基盤を必ずしも有していないため、人工衛星や打上げサービスを商業市場から調達することが多くなっています。
こうした国々の増加は、商業宇宙市場の拡大につながるものであり、我が国を始めとする各国の宇宙産業にとっても好機となりつつあります。

こうした中、我が国最大の航空宇宙産業集積地である愛知・岐阜・三重・長野・静岡地域においては、国際戦略総合特区や自治体独自の施策に基づいて支援措置が手厚く講じられており、さらなる企業集積や航空機・宇宙機器の生産機能の拡大・強化を図っていくための環境が整備されています。

航空宇宙産業が集積する中部地域!!

中部地域の生産高割合(2021年)

日本の航空機・部品の約4割、航空機体部品では約6割を生産する中部地域は、我が国随一の航空宇宙産業の拠点です。大手機体メーカー(三菱重工業株式会社、川崎重工業株式会社、株式会社SUBARU)のほか、機体の軽量化や燃費の向上を図るうえで利用が拡大している炭素繊維複合材料の製造・研究開発を行う企業(東レ株式会社等)や、部品や工作機械を供給する企業などが多数集積しています。