知事の記者会見
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平成17年6月2日(木) 午前11時
1.

憲法改正について

【記者】  全国知事会で憲法問題特別委員会が発足し、憲法の地方自治に関する条項について議論がなされているが、知事としての考えは。
【知事】  全国知事会で憲法問題の特別委員会がつくられて、せんだって、第1回の委員会がありました。私もこの委員、メンバーに入っておりますので、出席をして意見を述べてまいりましたけれども、背景はですね、これまで知事会で憲法論議っていうのは直接はなされてきませんでした。というのは、憲法そのものは、国民、県民がさまざま意見が分かれるものでもありますし、それから、かなり政治的な議論が必要なものもありますし、したがって、知事会として統一的に何かをするっていうのはなかなか困難な部分もあるという背景もあったと思います。
 しかし、今回特別委員会をつくって議論に入りましたのは、まず、国の動きがかなり急速に進展していること。御承知のとおり、衆参両院でもこれまでの議論の成果を発表されておりますし、それから、政権与党である自民党もこの秋、結党50年を目標にして、自民党案の憲法改正の案を発表する方向でもあります。そういう中で、少なくとも現憲法の第8章の地方自治については、やはり知事会、あるいは地方団体としても何らかの意見をきちんと言っていくべきであろう、また、言わなければいけないだろうということになりまして、この特別委員会が組織されることになりました。
 私はせんだってその特別委員会に出まして、基本的にはこういう考え方を申し述べました。現在の憲法の中で、やはり少なくとも地方自治については決して十分ではない。したがって、地方分権あるいは地方の自立ということを憲法上も明確にすべきである。その方法として、一つの考え方としてですね、前文の方にやはり地方分権あるいは地方自治の本旨というような文言を明確に位置づけて、より地方分権を憲法上もはっきりさせるべきだろうということがまず第1点。
 それから、地方自治の章の中にも、現在はたった4カ条あるだけで、中身が十分具体化されていない部分もありますので、例えば、地方自治の総論的な条項を入れてみたらどうだろうとか、あるいは諸外国での憲法でも例がある。そういうものを明確に位置づけて、地方税財政の充実なども明確にすべきだと。
 それから3点目は、地方自治をより強固にするためには、条例というものの、地方の条例制定権の範囲やら中身をより強化すべきではないか。そういうようなことによって、真の地方分権、地方自治というものがより確立されることにつながるのではないかと、こんな意見を申し上げました。
 出席しておられるほかの知事さん方からも、基本的には同意やら同調を得られたのではないかと思っております。
 ただ、どっちにしても、先ほど申し上げたとおり、これから憲法論議がかなり急速に進むと思いますので、細かな条文のあり方などは、これは学者やら専門家に任せるにして、やっぱり知事会としてもスピードアップして、地方の考え方あるいは知事会の進むべき方向などはできるだけ速やかに、中間取りまとめの段階でも、あるいは結論、最終結論ができるだけ早く得られればいいんですけれども、そういうものをよりスピーディーに議論、協議して、やっぱりきちんと物を言っていくべきではないかなと思っております。
 しかし、いずれにしても、戦後50年60年経過する中で一度も手をつけられたことのなかったこの憲法改正という問題について、私ども知事会としては、地方自治を中心に議論を進めるわけでありますけれども、そのほかにも、国民的な論議が必要なさまざまな課題、9条ももちろんそうでしょうし、基本的人権の諸条項も対象になってくるでしょうし、あるいは天皇制の問題もありましょうか。ですから、やはり事が憲法にかかわることだけに、やっぱり国民的な論議がこれから出てくることを大いに期待をしたいと思っております。
【記者】  知事は基本的に今の憲法は改正すべきだと考えるか。
【知事】  全国知事会のときにも私申し上げたんですが、憲法そのものはさわるべきではないという意見もありましょうし、いや、やっぱり時代に応じて見直しが必要だという議論もあると思います。その是非論に入っていくと、なかなか議論が、入り口論だけで終始して前へ進まない可能性がある。したがって、少なくとも知事会やら我々知事仲間でこれから議論を進める上では、その是非論はとりあえず横へ置いて、今後の急激な憲法論議の進展の中で少なくとも地方自治についてはきちんと物を言っていく、また、言うべき立場にあるということで議論を始めようということであります。
 これは個人の議論になりますけれども、少なくとも地方自治の規定に関しては、私は現憲法は決して十分なものではない、そのように思っておりますし、それから、憲法ができて、高度成長の時代は中央集権というものが日本の発展を支えてきたわけでありますけれども、これからの時代の趨勢、あるいは国際的な自治に対する考え方というのは、やっぱり地方分権という点では間違いないことだと思いますので、やっぱり憲法の中でもきちんと位置づけてほしいと、そのような気持ちでおります。
【記者】  条例制定権の範囲や中身を強化すべきとのことだが、どういう部分を、また、どのあたりまでを視野に入れているのか。
【知事】  これ、実は非常に難しい問題で、今の条例の基本的な位置づけというのは、法律の範囲内で地方が条例制定権を行使するということになるわけでありますけれども、それゆえに、地方がなかなか機動的にあるいは柔軟に住民ニーズに対応できないというケースが間々出てまいります。
 したがって、これは政省令とも絡んでくるわけですけれども、条例がより住民の立場に立って必要なものを自主的、自律的に取り組めるような仕組みとしてどうあるべきなのか。これは、実は大変、法制度論としても難しい議論が必要になってまいります。あまりこれを強調すると、例えば道州制の論議でいうと、連邦制に近い形のものになってきますし、現在の法体系とはまた違ったものになっていく可能性もあります。したがって、どういう制度としてこれを組み立てていくのがいいのか、これはかなり議論が必要なところだと思いますね。これから特別委員会の中でもそういう議論が活発に交わされるのではないかなと思います。
【記者】  外形標準課税の問題もこの議論の中に入ってくるのか。
【知事】  直接はその問題とはちょっと違うと思うんですけれども、直接はね。
【記者】  条例制定権を拡大するということは、条例が法律に近づいていくことになるのか。
【知事】  近づいていくというよりも、それぞれの条例でその地域性やら地域の住民ニーズをより行政がくみ取っていく一つの仕組みだと思うんですね。
 ですから、法律に近づくというよりも、従来の条例の守備範囲のより拡大であったり、それから中身のより充実であったりというふうな理解の方が近いんではないかと思います。
【記者】  知事は、憲法論議の中で地方自治に関しては物を言っていくべきとのことだが、その背景には、三位一体改革の問題が今いろいろ議論されているから、そのように考えると理解してよいか。
【知事】  三位一体の議論は、この憲法改正の論議と相通ずるものがあると思いますね。
 今、三位一体で私ども地方が結束しながら国にさまざまな主張をしておりますのは、やっぱり権限も財源も、地方の自立性やら自主性をより高めるために移譲してくださいということですね。ですから、財政の面でも権限の面でも、もう国と地方は対等で協力関係だと、主従関係やら従属関係ではなく、対等の関係だと、あるいは協力関係だということですね。
 このことはやっぱり、地方分権時代あるいは地方を尊重する社会づくりということの中では、憲法の中でもやっぱり明確に打ち立てるべきではないだろうかと。そのために、先ほど申し上げたとおり、高らかに理想をうたうこの前文の中で、そうした基本的な考え方やら方向性をやっぱり明確にすべきだろうと思いますし、それから、現憲法の地方自治は本当にたった4カ条あるだけで、中身も抽象的な規定になりがちであります。よりもっと具体的に、そうした国と地方との関係、三位一体でいろいろ議論されているようなそうした中身を盛り込むべきではないだろかなと思っております。
 ちょうど一昨日全国知事会があり、それから昨日、全国レベルの六団体での決起大会的な全国大会がありました。これまでの三位一体の議論は、成果が上がった部分ももちろんありますけれども、ちょっと先送りされたり、肩透かしを受けたり、あるいは我々が望まない方向が出てきたりということで、必ずしも順風満帆であったとは思ってませんので、この第1期の最終年、3年目、来年、平成18年度、やっぱり正念場だと思っております。
 愛知県から県の考えをまとめて全国知事会の場でも出したわけでありますが、今申し上げたような思いで、第2期、19年度以降へつなげていくためにも、今年のこの三位一体をめぐる地方団体の動きは重要だろうと思っております。
2.

政務調査費について

【記者】  去る5月30日に政務調査費返還請求住民訴訟の、原告敗訴の判決が出た。この被告は知事であるが、判決を受けて、何か改善点はないか。領収書添付の必要性については、将来的にも現状のままでいいと考えるか。
【知事】  かねてからこの政務調査費の問題というのは、議会を構成する議員さん方がさまざまな活動を行うのをいわば支援するための費用ということでありますので、一方で政治的な自由だとか政治的な活動というものをいかに担保するかということと、それから、公費を出すことによる公正な担保と、二つの目標あるいは二つの趣旨をどこで折り合いをつけるかということだろうと思います。これは非常に、どこでボーダーを引くのか、どこですみ分けるのかというのは難しい問題だろうと思います。
 かねて本県においても、13年のときに条例をつくりましたね、自治法に基づく条例。そのときにも、やっぱり議会でもかなり議論があったようでありまして、どういう形で運用していくのか。今御質問にもあったとおりに、領収書をどうするのか、いろいろその場でも、議会の中でもかなりの議論があったようであります。
 私どもは、議会が自律的にさまざまな政治活動を行っていただき、議員活動を行っていただくことが、我々理事者側に対するチェック機能やら審議機関として、これはもちろん保障されなければなりませんので、そのことは従来から議会の自律的な対応、自主的な対応に期待をし、また、それを信頼して行ってまいりました。
 今回の裁判でいろいろ争点があったようでありますけれども、現在のあり方、これまでの来し方について、一応裁判所の方がそれを是認したといいましょうか、認容した形になっておりますので、それはそれで、従来の取り扱いが決して間違っていたものではないだろうなというふうには認識しております。
 地方自治法にもいろいろな担保規定がありますので、そういうものはこれからも十全に発揮されてきちんと運用できるように、議会側、特に議長を中心として議会側が、今回の判決を受けながら、また、さまざまな議論やら世論やらを見ながら、必要に応じて御検討いただくことではないかなと思っているところでございます。
【記者】  知事は、議員の政治活動に対して調査費を出すということについてはどう考えるか。
【知事】  政務調査費というのは、議員活動、個々の議員さんがさまざまな課題やらその活動を展開していく上で、当然幅広に活動するためには、そのために費用が必要で、それを一定の経費として、必要なものとして支弁していこうということでありますので、私は、その制度そのものは間違ってないといいますか、必要なものであろうと思っていますね。
 これは地方の議会のそうした活動だけではなく、例えば国会なんかでも、国の政党単位でのさまざまな活動に対して、政党に対して国費から支弁されるということと共通するものがあるいはあるのかもわかりません。したがって、そのこと自身は、究極は民主主義を担保するものであろうと思います。
【記者】  先日の判決の後、川上議長が、議員の政治活動の部分と議会の調査活動の部分とは、なかなか線引きが難しいというようなことを言っていたが、他県の例を見ると、例えば事務所の経費の2分の1の部分は認めるけれども、2分の1の部分は認めないというマニュアルをつくるなどの動きもあるようだが、知事はどう考えるか。
【知事】  どこで政務調査ということと広く政治活動ということの線を引くかというのは、今おっしゃるとおり、そう容易なことではないのかもわかりませんね。したがって、私も判決をまだ十分精査しておりませんけれども、そこら辺の難しさ、なかなか実際には線を引くのは難しいというようなことがにじみ出た、あるいは判決なのかもわかりませんね。
 議会やら会派やらいろいろ議論をなさった上で、よそのところでは、今のような知恵を出しておられるところもあるのかもわかりません。僕はちょっとよその自治体のことはつまびらかではありませんけれども。
 したがって、そうしたことも含めていろいろ、議会の中でもこれからいろんな議論があるいは出てくるのかもわかりません。私どもはそういうものをきちんと眺めていきたいとは思っておりますけれども、中には、せんだって、これは隣の市の方のことですけどね、ああいういろんな問題が出るというようなこともあり得ますので、ですから、会派の責任者、あるいは議長さんにも、調査権があります。そういう責任ある立場で日々注意を払っておられるんではないかと思いますし、また、払われる必要もあると思いますね。
3.

サマースタイル(クールビズ)について

【記者】  クールビズということで、今日は涼しげな服装であるが、感想は。
【知事】  きのう、総理始めそれぞれ閣僚の皆さん方も個性あるファッションで仕事をしておられる様子をニュースで見ました。私は、残念ながら、上着をとってネクタイを外しただけで、あまりファッショナブルじゃないんですけれども、でも、楽であることはもう間違いないですし、今日もこれ、ちょっと蒸しますね。こういうときにできるだけ軽装で仕事ができるというのは、私はいいことだと思います。
 クールビズですか、まだ、ちょっと舌をかむ。昔は省エネルックとかいろいろ言っておりましたけれども、やっぱりこういうものが本当に社会風土として定着することが必要なんでしょうね。その定着するためには、我々行政ができるだけ率先してということでありますので、おしゃれの問題は別にして、いろんな会合だとか会議だとか、できるだけネクタイをとって上着をとるということが、習慣づけて当たり前になるように努力をしていかなけりゃなりませんね。
 とはいえ、例えば今日も、ナショナルデーの関係でいろいろまた行事、夜もレセプションなんかありますけれども、この格好で行くのはちょっと失礼だろうなと思ったりすると、やおらネクタイを締め直して上着を着るということになりますので、なかなかこう、1日のさまざまな仕事上、うまくそこら辺ができるのかということを私自身が案じていては、なかなかこれは前へ進まないと思っております。
【記者】  軽装の基準は。
【知事】  なかなかそれが難しくてですね。
 私、昔、前の市長時代に、金曜日は軽装でという、カジュアルフライデーということをやっていました。それはもちろん、できるだけ省エネという観点もありましたし、それから、金曜日はできるだけ、翌日休みですからね、解放感も少し味わってもらいたい。いろんな趣旨、目的があったんですけれども、そのときに思ったのは、思ったというか、いろいろ体験もし経験もしたことは、大体「基本的にカジュアルな格好にしましょう。どうぞ自由にしてください。ただし、あれもだめ、これもだめ」と、ざっと並べるんですね。ともすれば、Tシャツはだめだよ、ジーパンはだめだ、スニーカーはだめだ、何はだめだと。だめだめというようなことになると、本当にその趣旨に合ってるのかなっていう感じがしました。
 もちろん我々の仕事上、県民の皆さんやら、県庁あるいは役所においでになる方に不快感を与えたりしてはいけませんけれども、それは常識の問題ですので、あれがいいとかこれがいかんとかというようなことはなるべく言わずに、もし何か御批判やら問題点があれば、その都度対応するということでいいのかなと思っています。
 今回こうした軽装、実は、去年もこういうキャンペーンをやっておりましたけれども、あれはだめだ、これはだめだ、こうしてくださいというような基準はあえて、明確なものはつくっておりません。職員の良識にゆだねるしかないなと思っておりますが、逆に、そのためにまたすぐ戻っちゃうというようなこともあるのかわかりませんね。そんな状況です。
 

政務調査費について

【記者】  鳥取県では政務調査費を代表監査委員がチェックしているようだが、そういった取り組みが始まっている状況を知事から見てどう考えるか。
【知事】  理事者側が積極的に介入してそれを一々チェックしたり、いいとか悪いとか是非論を展開するというのは、議会の役割やら、当局側と議会との関係からいうと、そう簡単に、それがいいということも言えるかどうか、ちょっと検証が必要ですね。
 それから、今こういう時代になって、公金やら税の使い方についてはさまざまな議論があります。県民の皆さん、国民の皆さんも、やはり大変な関心をお持ちになる時代になってきましたから、どういう形がいいのか、あるいはどうあるべきなのか、いろいろこれから、うちだけではなく、議論が出てくると思いますね。
 私は、今その過渡期、試行錯誤のところなのかなとも思っておりますが、今後ともやっぱり県民、国民に信頼される行政であり、議会であるべきだろうと思っておりますので、そういったさまざまな論議については我々も関心を持って見ていきたいと思います。