知事の記者会見
メインメニュー
知事のマニフェスト 知事の発言・寄稿 知事記者会見 県議会知事提案説明 知事からのメッセージ 知事交際費の執行状況 プロフィール トップページ 写真で見る主な活動


平成17年12月19日(月) 午前11時
1.

耐震強度偽装問題について

【記者】  姉歯元建築士による耐震設計の偽造の問題について、愛知県内でも幾つかのホテルが耐震設計に問題があったが、改めてこの一連の問題についての知事の所感は。また、建築確認検査の体制の見直しについてどう考えるか。
【知事】  この問題が明らかになって約1カ月経過したと思います。この間、本県もそのうちの一つでありますが、たくさんの都府県にまたがって膨大な件数の建築物において強度不足という事態が発生しております。当然のことながら、建築に対する国民、県民の不安、心配というのが大変募っているわけであります。大変遺憾なことでありますし、建築をめぐる行政の対応がさまざまに今問われている、大変重大な局面になっていると思います。
 建築確認という手続を通じて、県民の皆さん方は安全性を確認されようとするわけでありますので、結果的に、制度上やらいろんな理由はあるにしろ、また、異常な一級建築士の行動があったにせよ、結果として、建築行政に対する国民、県民の不信が募ったということに対しては極めて残念なことでありますし、我々も申しわけない気持ちでいっぱいであります。
 一日も早くそのような状態を脱するためには、やっぱり信頼回復に努めなければなりませんので、そのために重要なことは、まず、本県におきましてもいろいろ調査やら検証を十分行い、事実関係をまず明確にすること、それから、再発防止に向けて、今県としてできること、これはもう速やかに対応しなければなりませんし、それからさらにいえば、建築基準法を中心とする法制度上の大きなこれはシステムでありますので、国においても早急に、建築確認の手続がどうあるべきなのか、あるいは建物の構造がどのようにチェックされるべきなのか、やはり国においても真剣に取り組んでいただき、適切な方法を示していただく必要があると、そんなふうに考えているところでございます。
 議会でも、本会議あるいは委員会で、この問題については熱心に御審議をいただきました。愛知県としては、やはり再発防止に向けて、今、いろいろと取り組んでいるわけでありますけれども、検査体制の充実ということが必要でありますので、年明けにでも、建設部の建築指導課の中に専門チーム、専門スタッフを置いて、また、構造計算のソフトなども県みずから所有して、さまざまな申請に対して点検あるいは再検査ができるような、そういう体制を進めていきたいと、今、その準備を進めているところであります。また、直接設計業務を担っていただくのは、当然のことながら、設計士さんやら設計事務所でありますので、そういうところへ、今回のことを踏まえて、やはり指導も強化していかなければなりませんし、よく協議して、再発防止に向けて業界としてもどのような方策があるのか、我々もお願いをしていかなければいけないと思っております。
 それとやっぱり、今現実にいろいろと御心配なさっておられるところもあるわけでありますので、相談窓口の充実もさらに図っていかなければいけないと思っております。その相談窓口には当然、この構造に詳しい専門の方も配置をして、相談に的確にお答えできるような体制づくりも必要だろうと考えているところでございます。
 いずれにしても、特に高層マンションをお買いになった方というのは、一生に一度の大きな買い物を大きな決断の中でされて、それが使いものにならないというようなことになれば、泣くに泣けない事態だと思います。二度とこういうようなことが出ないような知恵を絞っていかなければいけないと、今、強く思っているところでございます。
【記者】  検査体制の充実のために専門チームをおくということであるが、再検査するには、件数も多く時間もかなりかかるので、体制的にもかなり大きな体制をしかないと県民の信頼を得られるまでの対応はできないと思うが、県庁の部署としてつくるのにも限界があるのではないかとも思う。
 どのような体制を考えているのか。
【知事】  おっしゃるとおりですね。今、膨大な量の建築確認が県やら特定行政庁の方には出てまいります。法律上、これを3週間、21日以内に手続を進めていかなければならないという時間の制約もあります。だから、詳細なすべてのチェックをしようと思えば、現状のままではとても無理です。
 ですから、どういう手法、どういうやり方でそのチェックをしていくのかは知恵を絞っていかなければいけませんし、工夫を凝らしていかなければ、全部が全部、すべてやり直すみたいなことはできません。ですから、それはこれから体制を考えていかなければならないと思っております。
 それから、従来は構造計算の仕組みそのものが、一般的にブラックボックスと言われているように、直接県サイドにおいてあるいは特定行政庁においてそれを計算したりチェックする体制そのもの、これはもう制度上の仕組みからくる部分がありますけれども、例えば構造計算のソフトですね、これすら十分に保有してなかったという現実がありますので、そういうものも適宜適切に対応するために、県みずからがやっぱりソフトを所有してですね、必要であれば、再点検、再計算できるような体制もとらなければいけないと思っております。これはもう、そのように私も指示をいたしましたので、早速そういう体制でやっていきたいと思っております。
【記者】  今回、姉歯元一級建築士が関与したマンションやホテルについて問題になったが、既存の建物に関して、県独自にもう一回チェックをやり直すなどの対応が必要になるのではないか。
【知事】  姉歯元一級建築士以外にも、今回、いろいろかかわっている設計事務所あるいは建設会社の案件がありますので、今それは鋭意、事実関係どうなっているのか、調査を進めております。
 具体的には、特定行政庁やら民間の検査機関などにそのようにお願いをして、速やかにそのチェックを終えていただくように、今、お願いしているところでございます。
 そのほか、すべてをやるということは、しかも、過去にさかのぼってすべてをやるということは、もう到底、物理的にも難しいことであります。実際に不安に思っておられる方やらさまざまな方々から、今、相談窓口にいろんな相談やらお問い合わせなどがあります。そういうものに誠実に対応し、そういう中で具体的な問題が出てくれば、県としてもアドバイスしたり指導したり、いろいろ協議をしたり、御協力を申し上げたり、そのようなことは必要になってこようかと思っています。

2.

尾張旭市の5歳男児虐待死事件について

【記者】  尾張旭市で5歳男児虐待死事件が起きたが、この事件に対する体制について、知事としてどう考えるか。
【知事】  全く残念で、尊い命をまたこの種の虐待でなくしてしまったということ、それを防止できなかったということに対しては、残念、じくじたる思いでおります。
 今回の案件は、ある意味では結果論でありますので、今から振り返れば、避け得た可能性があったかどうか。もう少し注意を払い、対応の仕方を変えておれば、こういう最悪の事態があるいは避けられたのではないか。そのようなことを思うと、余計に残念な気持ちをしております。
 というのは、亡くなる前に、やはり傷やらあざをつくっていたという状況の中で、それを関係者がどう受けとめ、どう対応したのかということを考えるとですね、やはりちょっと対応が不十分だったと言われても、あるいは仕方がないのかなという気もしないではありません。これは私の感覚です。
 もちろん当事者は、当該子供さんと親と、その傷、あざの原因について、自転車で転んだというようなことでしたか、一致していたので、それはそれで得心したんでしょうけれども、果たしてそれでよかったのか。私は、もう少し違う対応があったのではないかという気がしております。
 加えて、もちろん児童相談センターも含めて県が果たす役割と、それから、そういう地域に近い市町村の果たす役割というものがそれぞれあるわけですけれども、県と、今回の場合、市でありますけれども、十分連携がスムーズにいってたのかどうか。ここら辺も再検討しなければいけない問題かなと、率直に思っております。
 5年前に、やはり虐待で亡くなった事案が本県で発生しました。そのとき、私ももちろんもう知事になっておりまして、何とかもうこういうことはなくさなければならないということで、かなり神経を使ってやってきたつもりでありますけれども、また発生してしまいました。非常に残念なことで、まだやっぱり十分な体制になってなかったのかなと、反省を強くいたしております。
 これも、こうすれば100%絶対に虐待は起こらないとか、その結果としての死亡事案は起きないというようなものはないわけでありますけれども、できるだけそういうものが起きないような、より適切な対応ができる仕組みづくりやら体制やら、あるいは人の養成やら連絡体制やら、まだまだやらなければいけない課題が多いなと思った次第であります。
 そんなことを思い、担当部局の方では早速、センター長を集めて会議をいたしましたり、市町村の担当課長さんに集まっていただいていろいろ協議をさせていただいております。
 現在、虐待事案が在宅で850件あります。緊急度のランク別にそうした事案を分類してあるのですが、今のままでいいのか、それから、その基準そのものがいいのか、そんなことも、今、早急に検討するように指示をしているところでございます。そういうものを通じてこうした不幸な事件がなくなるように、引き続き努力をしていきたいと思っております。
【記者】  今回の事件でも、家庭内の出来事に他人である行政の担当者が踏み込むレベルであるかどうかの判断が難しかったのであろうが、これに関しては、家庭内の出来事に行政が関与するのに限界があるということか。
【知事】  ずっと以前はですね、家族の問題あるいは家庭の問題には軽々に深入りすべきではないという意識が行政側にも強くありまして、それがブレーキになっているということはございます。その意識は大分変わってきました。やはり生命第一、あるいは子供さん方のやっぱり命が第一ということで、本当にこれは危険だということになれば、その家庭の中にも躊躇することなくやはり入り込んで指導したり隔離したり、いろいろしなければいけないという認識は現場でもかなり持っています。ただ、その見きわめがなかなか難しいというのが現実の姿だろうと思います。
 今回もその見きわめが必ずしも、これも結果論でありますけれども、十分でなかった、適切でなかったということが、結果的にはあるいは言えるのかもわかりません。
 ですから、そこらあたりはもっともっと認識を、さらにいろんなケースの勉強など通じてより高めていかなければいけないと思います。
【記者】  今年の春に虐待をめぐる制度改正があって、一義的に市町村が虐待の情報キャッチとか相談窓口を担うということになっているが、現場である市町村では、人数、体制、専門性の問題で負担だという声もあるが、県としてはこれに対してどのように取り組むのか。
【知事】  先ほど反省として申し上げたのは、今御指摘いただいた点でして、都道府県の役割、市町村の役割、それぞれありますけれども、もちろん、現場に一番近い市町村がそれなりの対応をきちんとしていただくということは重要でありますけれども、さりとて、県が無関係だとは思っておりません。むしろ、そういう虐待事案をめぐって、県がどれだけ市町村にアドバイスしたり指導したり協力できるのか、そういうことが重要で、今回、それが必ずしもうまくいったかと言われれば、やはり反省しなければならない点があるいはあったのかもわかりません。
 それから、この種の仕事は、やはり生きた親子の日常生活を踏まえて、どう動きを察知し、それを認識し、どう速やかに対応するかということでありますから、市町村においても県においても、やはり大変重い仕事です。
 また、担当に当たる者の経験やらあるいは能力の向上ということも当然重要であります。私どもの児童相談センターというのは、やはり積極的に市町村のそうした仕事やら対応をですね、きちんとサポートしていかなければいけないわけでありますので、私どももそういう認識のもとに、これから努力をしていきたいと思っております。
 当面ですね、やはり県の立場で児童相談センターのより能力アップを図っていくために、専門家の充実を図ろうと思っています。
【記者】  専門家の充実というのは、具体的にどういう考えがあるのか。
【知事】  今、児童相談センターには、児童福祉司がこうした仕事に携わっているわけですけれども、そういうスタッフをより専門的な見地から教育したり訓練したり指導するという意味で、スーパーバイザーを増員配置したいと考えております。
【記者】  スーパーバイザーの人数は決まっているのか。
【知事】  今いろいろと検討しております。
【記者】  スーパーバイザー増員はいつからか。
【知事】  人の確保の問題がありますので、できれば来年の4月からと思っております。
【記者】  スーパーバイザーの配置は、県所管のセンターにということか。
【知事】  そうです。
【記者】  スーパーバイザーは今、各施設に1人ずつか。
【健康福祉部長】  はい。9センターに各1人ずつで9名。全部で9名おります。
【記者】  スーパーバイザーは新たに雇用するということか。
【健康福祉部長】  これは、職員全体の中でそういうスーパーバイザーを、急に採用してスーパーバイザーになれるわけではないものですから、全体の職員、もちろん採用も絡んできますけれども、全体の中でそういうスーパーバイザーという人員を充実していきたいということでございます。人事異動も含めまして、そういう意味です。
【記者】  そうすると、結果としてセンターの定数は増えていくということか。
【健康福祉部長】  結果的にはそういう形になります。何名にするかはこれからの検討ですけれども、スーパーバイザーを増員すれば、トータルとして増えてくるという形になります。