知事の記者会見
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平成17年12月27日(火) 午前11時
1.

この1年を振り返って

【記者】  今年の年頭会見で、知事は「今年は開花結実の年である」としたが、この1年がいよいよ終わろうとしているわけであるが、この1年をどのように総括するか。
【知事】  お話ありましたとおり、今年の年頭は、開花結実という言葉を掲げて記者会見いたしました。当然のことながら、空港と博覧会という二大事業、これは本当に長年にわたって地域の総力を挙げて取り組んできた仕事がいよいよ実現する年だという意味で、花を咲かせ実をつけると、そんな年になるだろうとスタートしたところでございます。
 年末を迎えて振り返ると、少なくともこの二つの仕事は極めて順調に、開港あるいは開催、開幕できまして、その意味ではすばらしい1年であったとかたく信じております。文字どおり、長年の苦労が実を結び、見事に花を咲かせることができたと、心から喜んでおります。
 ちょうどせんだって、今年の世相を示す言葉に「愛」という言葉が選ばれて、たしか京都のお寺の貫主さんが揮毫しておられましたけれども、この「愛」という今年の象徴的な文字は、私ども愛知県にとりましてはまさに県名の1字でございますし、愛・地球博の「愛」でもありますし、愛知が国内でも中心的な役割を担うことができたなと改めて痛感した次第であります。
 この二つのプロジェクト事業については、開幕中も、あるいは開港後も、また終わってからも、いろんな機会に触れておりますので、ここで同じようなことを繰り返すことはいたしませんけれども、今この時点で思うことを若干申し上げたいと思います。
 まず、万博の方でありますけれども、私は開催してみて、つくづく今思っているのは、もうこの新しい21世紀に博覧会は時代遅れじゃないかと、そういう見方も一部には根強くありました。しかし、そういう見方あるいは博覧会に対するイメージというものを、私は、愛知万博、愛・地球博で払拭できたんではないかと。やはり世界の国々の人々が一つの空間で相集い、そこで交流を持つということのすばらしさやら、あるいはその果たすべき役割というものがまだまだある。したがって、時代遅れというような見方を見事に打ち破ることができた博覧会であったと思っております。
 それからもう一つは、愛知県にとりましてはもちろん初めての経験だったわけでありますけれども、開催県になる、つまりホストとして役割を担うということが、ゲストとして、あるいは一客として参加するのとは全く違うということを改めて痛感いたしました。やっぱり開催県として大きな苦しみもありましたし、大変な課題にもぶつかりました。これは開催県、ホスト役であるがゆえの苦労でありましたけれども、やはりこういうものを乗り越えることによっていろんな財産をこの地域に残してくれたと思っております。したがって、今は心からやってよかったと、そんな気がいたしております。
 それから、博覧会であと一つだけ申し上げたいと思うのは、これだけ長年にわたり準備し、大きな国際事業を終えた後というのは、オリンピックなどでもありますように、終わった後というのは反動が心配されるわけですね。景気の上からも、あるいは社会的なさまざまな活動の上からも、むしろ終わってしまうと反動で、地盤沈下を起こしたり景気がしぼんだりということをよく言われるわけでありますけれども、おかげさまでこの愛知県に限って言えば、大きなマイナスの要因はあまり見当たらず、相変わらず元気な愛知というものを維持でき得ているというのは、私はやっぱり、この地域の足腰の強さやら底力ではないんだろうかと思います。
 ついせんだって日銀の短観も発表されたわけでありまして、私も関心を持って見ましたけれども、やはり一定の水準を維持しているというような全体のイメージでございましたし、いろんな指標などでも、まだまだ底がたさというものをこの地域に見ることができるような気がいたしております。
 博覧会の成功はもちろん大変うれしいことでありますし、終わった後も、そういうこの地域の力というものをまだまだ継続して我々が見ることができるというのは、二重の喜びだと思っているところであります。
 それから、空港の方でありますけれども、空港もおかげさまで大変高く評価をしていただいておりまして喜んでおりますが、私、あのターミナルビルを始め、たくさんの方が空港に出かけられ、大きなにぎわいの場になっているということを改めて空港の効果として認識をいたしているところであります。
 世界へ向けての玄関口が、地元の皆様方にとりましても触れ合いの場であったり楽しみの場であったり交流の場である。こういう都市施設が本県の中に出現したというのは、空港の予期しない大きな効果だろうと思っております。
 それから、空港であと一つ言えば、もちろん乗客のこともありますけれども、貨物ですね。愛知県含めてこの地域というのは、世界的な物づくりの中枢圏域でありまして、まさにそれを担う役割をもう既にしっかりと空港が担っているということは、長年苦労して空港づくりを進めてきた県としても、本当にありがたいことだと思っております。前年対比で2倍ぐらいの実績をもう上げておりまして、恐らくこれも今後さらに伸びていくのではないだろうかと思っておりますが、空港についてもこういういい形で今年の年末を迎えるということで、喜んでいるところでございます。
 この二つのプロジェクトを通じて、私ども愛知県あるいはこの東海地方のインフラが飛躍的に進展いたしました。陸・海・空、バランスよく整備が進展したことも大変大きなことでございまして、空港は今申し上げたとおりで、それから、県営名古屋空港とともにこれからの空の機能を担ってもらえると思っておりますし、それから海の方では、名古屋港が、これは昨年でありましたけれどもスーパー中枢港湾に指定され、ついせんだって、16メートルの大水深コンテナターミナルバースが完成をいたしました。着々と海の玄関口の整備も進んでおりますし、道路の方は、御承知のとおり伊勢湾岸、第二東名あるいは東海環状、あるいは知多横断、さまざまな高規格道路のネットワーク化が進んでおりまして、これも大きな成果であったと思っております。
 二大事業はこの程度にさせていただきますが、次に、今年は本県においても、よその県もそうでありますけれども、地方自治の枠組み、基本になる枠組みである市町村合併が大きく進んだ1年でございました。旧合併特例法に基づく合併の組み合わせによって、12の地域で合併が進展したわけでございまして、今年の4月1日以降、続々と新しい新市などが誕生しております。2〜3年前には、県内88の市町村があったわけでありますけれども、来年の春にはこれが63の市町村になるという、大きく地方自治の姿が変わった1年でございました。
 今、国も地方も大変難しい時期を迎えておりますし、足腰の強い地方自治のまさに受け皿となる枠組みが、このように本県においても順調に合併が進んだということは、これからこの困難な時代を生き抜いていく上で、私はやっぱり大きな基礎づくりになったものと思っているところであります。
 今後、もちろんまだいろいろと、合併に向けていろんな研究やら協議が進んでいるところもございますけれども、そうした市町村と県がより連携を密にして地方分権を進めていきたいと考えているところでございます。
 それから、今年は、ちょっと本県自体の話でありませんけれども、三位一体改革の第1弾の最終年の交渉が国との間であったわけでありまして、第1ステージの締めくくりが行われた大変重要な年でありました。中身は、もう皆さん御承知のとおりでありまして、第1期の3兆円の税源移譲というのが実現したわけであります。平成18年に実現していくわけであります。その意味では大きな足跡を残す、地方分権改革の中でも重要な1年であったわけでありますが、各論的には大変不満の残る内容でもございました。
 特に、国から地方への単なる負担転嫁とも見られる中身が、児童手当だとかあるいは介護保険の給付費負担金などに見られましたし、あるいは義務教育についても同じようなことが言えるわけでありまして、地方の自由度が増すという点では全く貢献のない、単なる負担転嫁と言われても仕方がないような中身でございました。もっとも、国債を財源とする施設費などについて一部で風穴があいたという意味では成果もございました。
 問題は、来年以降の第2ステージ、第2弾にどうしていくかということになってまいりますけれども、これは気持ちを新たに、決意を新たに、また来年、六団体と力を合わせてやっていかなければならないと思っているところでございます。
 以上、大きなそうした本県の課題やらあるいは地方自治の仕組みみたいなことを申し上げたのですが、個々の中身で仔細に眺めると、辛い事件、事案もたくさんございました。今まさに論議の渦中にある、もちろん耐震偽装問題もそうでありますし、それから、アスベストやらフェロシルト、これも大変県民に不安や心配が募る案件でございました。それから、本県でも残念ながら児童虐待で死者が出る、尊い命がなくなるというようなこともございました。これも大変辛い事件でございます。
 そういうことで、個々に見ると、いろんな社会的な問題もたくさん生起した1年であったような気がいたしております。こういう問題については、それぞれ真摯に受けとめ、再発防止やらあるいはより改善に取り組むのは当然のことでございまして、我々頑張ってやっていかなければならないと思っているところでございます。
 振り返ればそういうことになるわけでございますが、愛知は元気がいいと、活力があると、ここ数年いろんなところで言われているわけでございますが、これをどうこれから維持していくかということが私どもの課題になってまいります。当然のことながら、やはり元気さを持ち続けていかなければならないわけでございまして、県としてもあらゆる施策でそれを実現していかなければならないと思っております。
 ついせんだって、愛知県の人口の統計、集計結果、速報が出ましたけれども、前回の調査から21万人増えたということでございます。人口減、あるいは人口の増が極めて今難しい時代の中で、この5年間でそれだけの人口が増えたというのは、活力のあらわれであろうと思っているところでございます。
 来年はどういう年になるのか、我々もいろんな課題を克服しながら、しかし、着実に前へ1歩ずつ進んでいけるように努めていきたいと、そんな気持ちを今持っているところでございます。
 何はともあれ、いずれにしても、長年の大きな目標でありました二大事業、おかげさまで無事成し遂げることができたということでは、安堵いっぱいの年末でありますし、大変達成感にあふれた、充実した1年であったような気がいたしております。
【記者】  網羅的に1年を振り返っていただいたが、端的に総括すると、知事として開花結実の年に開いた花は何分咲きだと考えるか。
【知事】  もうしっかり花弁が開いて満開でした。満開の1年だったと思います。
 しかし、花が開けば、いずれ花は散るわけでありますので、次の芽を育てていかなければならないと思っておりまして。それは今、いろいろな形で内部でも、来年度予算に向けて、あるいは新しい政策の指針という中で少しずつ芽出しをし、今後また県民の皆様方にもお示ししていきたいと思っております。

2.

新年度政府予算案について

【記者】  新年度の国の予算について、これをどういうふうに知事は受けとめているか。
【知事】  一言で言えば、緊縮型で、かなり厳しい中味だなと思っております。
 御承知のとおり、せんだって発表されました政府予算案の中味というのは、まだ個々の箇所づけが明らかになっておりませんので、愛知県にとりまして、具体の事業として、まだ我々も十分精査できない状況でありますが、予算の規模、あるいは国債発行額、あるいは地方財政計画、いずれにとりましても大変厳しく受けとめております。
 特に厳しく受けとめる理由は、いわゆる義務的経費と言われております、介護にしても医療にしても公債費にしても、これはもうどんどん膨れ上がっております。これはもちろん愛知県だけの現象じゃなくて、どこの県でも、市町村でも一緒ですけれども、そういうものが大きな比重になっているだけに、やはりこういう緊縮型の中でどのような影響が出てくるのか。これは税収の見通しとも見合いの話になりますので、地方交付税など、十分これから我々も中身を精査して検討していかなければなりませんが、そんな気がいたしております。
 その中で、先ほどもちょっと触れましたけれども、三位一体改革で国から地方へ移譲される関係でいろいろ負担が増えてまいります。私どもは、こうしたものを受ける以上はきちんとやっていかなければなりませんけれども、非常に心配をいたしております。とりわけ、事務的な仕事がどんどん増えるとなると、地方の自由度というものが狭まってまいります。県民の皆様方にいろいろニーズをお聞きしながら、その地域地域での仕事を担っていこうと思いますと、非常に難しい舵取りがこれから求められるなと思っているところでございます。
 それから、いよいよこれ、3兆円というものが地方へ移譲されてくるわけでありますけれども、これを、県と市町村の割合をどうしていくかという議論が実はありました。私どもも仕事に見合った住民税の所得割を求めて、これまで県独自でも提案をしてきたわけでありますけれども、この点は、私どものその意が通じて、今回の政府から示された内容については一定の評価をしているところでございます。
 地方交付税、本当に厳しい状況になってまいりますので、これから地方がどう財政を確立していくのか、本当に難しいなと思います。人の問題、給与構造の問題、あるいは公共事業の問題、これはすべて地方交付税の中で我々がきちんと意識しながらやっていかなければならないことばかりでございまして、課題が大変増えたなという感じがいたしているところでございます。
 個々の事業については、先ほど申し上げたとおり、まだ箇所づけなどが明確に見えないものがございますので、ここで詳細はお話しできませんけれども、例えば徳山ダムの関係では、導水路の事業関係が認められたことによって、これも我々望んでいることでございますので、せっかく水開発しても、それが私どものところで活用できなければ何にもなりませんから、導水路はどうしても必要なものでございまして、今年度に続いて来年度、この実施に向けて一歩前進したと思っております。
 また、同じダムでは設楽ダム。これも事業費を認めていただいて、我々が計画しております19年度建設着工という方向に向けて前進したものと思っております。
 そのほか、博覧会を本県では開催して、環境という切り口でその博覧会の理念、成果をこれから生かしていかなければなりませんけれども、その関連予算も国の方で認められておりまして、まだ詳細はつまびらかではありませんけれども、その点についてもこれからきちんと県として仕事をしていかなければならないと、計画なども含めて、今考えているところでございます。

3.

2期目最終年について

【記者】  来年が知事にとって2期目の最後の年であり集大成の年であると思うが、集大成という意味で来年度の予算をどのような予算にしていきたいと考えるか。
 また、来年になると、3期目のことがにわかに取りざたされてくると思うが、その点について、現段階で知事はどのように考えるか。もし態度表明をされるとすれば、どういうタイミングで態度を表明するのか。
【知事】  4年任期の最終年に当たるということはおっしゃるとおりでありますが、これから県がどういう方向へ進み、何をしなければならないかということを考えるにあたっては、私の任期の最終年ということよりも、二つの大きな仕事、これがいろんな意味で県政の軸になっていたことは間違いありませんね。それを目標にし、あるいは骨格にして、これまで5年、10年、あるいは10年以上進んできたわけでありまして、その二つが一応実現を見たという中で、その後どうしていくかということが大変重要になってまいります。
 もちろん、いわゆる世間でポスト万博あるいはポストセントレアというような意味で言われることだけではなく、やはり将来を見越した愛知県の進むべき課題、方向、そうしたものを策定していく重要な年になることは間違いありません。
 したがって、先ほどもちょっと言葉に出しましたけれども、新しい政策の指針というものがまず重要だと思っていましてね。もちろん、短期に行うこと、中期あるいは長期で行うこと、行政の課題というのはさまざまあると思うんです。そういうものを全体として眺めながら、当面やっていかなければならない仕事、あるいは中長期で準備しなければならない仕事などを一定の範囲で取りまとめて、それを中心に予算を組んだりしていかなければならないと思っているところでございます。
 政策の指針ももちろん、いろいろ内部で検討しておりまして、できるだけ早い時期にそれを取りまとめ、県民の皆様方にお示しをしていこうと思っているところでございます。したがって、来年というのはそういう意味で本県にとって重要な年になると思っております。
 それから、私自身のことについてですけれども、正直申し上げて、まだ任期が1年以上あり、今ここで申し上げる時期でもありませんし、その心の準備もありません。今、いろいろな課題に直面しながら、それを精いっぱい、仕事を尽くすということが、私どもの今の責務だと思っております。
 いろいろ、時期が来ればいろんなことを検討し、さまざまな方と御相談もし、決めていくことだろうと思いますけれども、今はそういう心境、気持ちでおります。